ストリートワークアウトの入門技とも言えるマッスルアップのやり方やコツ、練習方法に加えて「最も効率的に習得できると考えられる筋トレ方法」を紹介します。
さらに、動作のポイントなどを詳しく解説した海外 YouTube 動画の対訳を掲載しているので、合わせて参考にしてほしいと思います。
この記事を読めばやるべきことが明確になり、他の技を習得するための考え方にもなります。
マッスルアップに関して発見があるたびに書き足していたらとんでもなく長い記事になりました。
目次で興味をお持ちになったものだけでもお読みください。
お急ぎのときは、
で必要最低限の知識が得られると思います。
私も始めた頃はダイナミックマッスルアップもできる気が全くしないほどでしたが、今ではクリーンも余裕でできます。
この記事では、その過程で気づいた方法に加えて、成功後の研究で見つけた「初心者におすすめの反動を効率的に使う方法」や「クリーン向けの効果的な練習方法」も紹介しています。
英語学習としては、言葉と動作がリンクするので記憶に残りやすく、フィットネスで使える英語を効果的に学べると思います。マッスルアップの練習中に頭の中を英語化してみましょう。
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目次の項目をクリックすると当該箇所にジャンプできます。
- 1. マッスルアップとは
- 2. 最も効率的に習得する方法
- 3. 海外おすすめ解説動画と対訳
- 4. マッスルアップに必要な条件
- 5. マッスルアップの基本
- 6. カウントテクニック(これで私はできました)
- 7. 最も重要な3要素
- 8. 基礎トレーニング
- 9. 肩甲骨懸垂をしてください
- 10. 正しい腕の引き方
- 11. サムレスグリップの功罪
- 12. 連続マッスルアップへの道
- 13. そしてクリーンへ
- 14. 正しいトレーニングの順番
- 15. 懸垂をやり込んでいる人へ
- 16. マッスルアップのバリエーション
- 17. レジスタンスバンドの有効性と注意点
- 18. いつまでもできない人の特徴
- 19. あと少し!で上がれないときの対策
- 20. マッスルアップのデメリット
- 21. おわりに
- おすすめプロテイン
1. マッスルアップとは
マッスルアップは「懸垂の動作で体を引き上げ、上半身を鉄棒に乗り上げるエクササイズ」です。
「超人の懸垂」と言われることもありますが、クリーンマッスルアップ単発ができるくらいではその体に超人感はありません(筆者の経験)。ストリートワークアウトをしている人にとっては基礎エクササイズです。
マッスルアップには多くの種類があります。全身の振りや足の蹴り上げ(反動)を伴うものをダイナミックマッスルアップやキッピングマッスルアップ、反動を伴わないものをクリーンマッスルアップやストリクトマッスルアップと言います。
この記事では、クリーンとダイナミックのどちらにも当てはまる内容にはマッスルアップ、どちらかに当てはまる内容にはそれぞれの名称を用いています(使い分けが曖昧な箇所はご容赦ください)。キッピングマッスルアップの解説はしていません。
ダイナミックとキッピングの違いと難易度は?
ダイナミックマッスルアップとキッピングマッスルアップの違いを、私は明確に理解していませんが、海外の動画を見て「こうかな」という違いを述べておきます。
どちらも懸垂の力を使うのは同じですが、ダイナミックマッスルアップは「スイング+キッピングの力で上がる」、キッピングマッスルアップは「キッピングの力で上がる」ところが違うようです。キッピングマッスルアップでもスイングの力は発生していると思いますが、ダイナミックマッスルアップのように前方に大きく振り出しはせず、鉄棒のほぼ真下でキッピングをしています。
難易度はダイナミックの方が低いと思います。スイングの力を利用する分、腕の筋力を使わないのが理由です。技術的な難易度はどちらも同じくらいに思いますが、キッピングマッスルアップの方が鉄棒のほぼ真下でキッピングをするので軌道の確保が難しい感じもします。
正確な違いが気になる方はストリートワークアウト協会公認のトレーナーの方に聞くか、自分で勉強してみてください。
ちなみに、私が最初に習得したのは膝を曲げてのダイナミックでしたが、やり慣れて筋力がついてくると膝を伸ばしてのダイナミックの方がやりやすくなりました。その方が勢いをつけやすく感じます。とはいえ、連続で疲れてくると自然と膝を曲げてしまいます。足を伸ばすと勢いをつけやすい分、筋力を使うのかな、と考えています。
マッスルアップの語源
ここからは語源を考えてみたいと思います。英語学習ブログなので。
muscle:筋肉
up:(低い位置から)上の方へ[に]
macOS 版「ウィズダム英和辞典」より
なぜ muscle と up を合わせるとあの動作になるのか、疑問に思った人もいると思います。
「筋肉上げって…」と。
muscle は「体全体」もしくは「上半身」という意味?
そこで、muscle は「体全体」もしくは「上半身」を意味するのではないかと考えました。
英語では ass(ケツ)を「体全体」の意味で使うことがあるからです。
ass を使った例文
例1:Get your ass here.(こっち来なよ)
例2:Get your ass up.(ダラダラ座ってないで何かしろよ)
例1が分かりやすいと思いますが、これは電話やメールでパーティーなどに誘うときの表現で、誘った側はケツだけ来られても困ります。誘われた側は…、やめときます。
例2ではケツだけ上げてもどうにもなりません。例1と例2のどちらも「早くしろ」と相手を強引に急かすニュアンスがあります。
なお、上品な表現ではありません。親しい間柄だからこそ使える表現とも言えますが、相手が使っても自分は使わないのが無難です。
確認したわけではないので間違っているかもしれませんが(どこで確認すればいいのだろう?)、「筋肉上げ」よりは「体上げ」と解釈する方が語源に近い感じがします。
また、このようにイメージを使った捉え方( ass → 体全体)を鍛えると、分からない単語や表現でも何となく理解できます。
2. 最も効率的に習得する方法
マッスルアップを最も効率よく習得する方法を2つ、私のトレーニングに関する知識と経験から考えたので紹介します。
これから始める方はもちろん「巷に溢れるマッスルアップ練習をやり込めばいいんじゃないの?」と思っている人にお読みいただきたい内容です。
方法は以下の2つです。
① レジスタンスバンド補助で技術練習と筋肥大&筋力アップを同時に狙う
→ 実際には難しいかも
② 半年〜2年間、筋肥大に特化した懸垂のみをする
→ こっちは確実(クリーンを目指す場合)
どちらも「筋肉量が不十分な状態でマッスルアップ練習をやり込むのは効率が悪い」という考え方が元になっています。
それでは具体的に紹介していきます。
① レジスタンスバンド補助で技術練習と筋肥大&筋力アップを同時に狙う
あくまで理論上ですが、レジスタンスバンド補助のマッスルアップで筋肥大を狙うのが最も効率的だと考えられます。理由はマッスルアップに必要な技術と筋力を同時に向上できるからです。
レジスタンスバンドとは、トレーニング用のゴムバンドのことです。

バンドで補助をすると、技術と筋力が不十分でも、初チャレンジでも、マッスルアップを擬似体験できるはずです。バンドを使用しているとはいえ、動作はマッスルアップと同様なので必要な技術と筋力を同時に鍛えられます。(マッスルアップの技術は「8. 基礎トレーニング」参照)
一般にバンド補助のマッスルアップは技術練習として紹介されますが、ここで紹介する方法では技術練習と同時に筋肥大も狙います。この点がただの技術練習とは異なっています。なお、技術練習ではほとんど筋肥大しません。
筋力は筋肉量に比例しますが、筋肥大しなくてもトレーニングによって筋力は上がります。とはいえ、筋肥大しないと筋力アップは頭打ちになります。筋力アップが頭打ちになると技の成長はストップします。
まとめると[筋肥大しない=筋力アップしない=技が成長しない]となります。筋肥大を狙う理由は、現状の筋肉量ではマッスルアップができない可能性があるからです。筋肥大は、筋トレ未経験者がクリーンを目指す場合には必須です。ダイナミックでも筋肥大しながらの方が確実です。
なお、効率的に筋肥大を狙うのであれば懸垂とディップスを個別にする方が確実です。
ちなみに、この戦略はプランシェなど他の種目でも有効だと考えています。
具体的には以下のように行います。
- 8レップ限界の強度で3〜5セット(これが大事!)
- ネガティブ長め(やらなくてもいいかも)
- 正しいフォームで確実に行う
- バンドなしもやる
- 余力があれば筋肥大向けの懸垂も1セットやる
このようにするとマッスルアップの技術練習と筋肥大を同時にできると考えられます。
マッスルアップに必要な筋力が不足している場合と十分な場合でアプローチの仕方は異なりますが、この方法ではどちらの場合にも有効だと考えられるので、この点は気にしなくていいと考えています。(「13. そしてクリーンへ」参照)
なお、バンドを使用するとゴムの伸び縮みにタイミングを合わせる必要がありますが、練習を重ねるとバンドのありなしを調節できるようになるので問題ありません。
それでは、上記の各項目について詳しく紹介していきます。
8レップ限界の強度で3〜5セット
最も大事なのが「バンド補助マッスルアップを筋肥大を狙う方法で行う」ことです。
そのためには以下のようにします。
- 技術向上と筋肥大を同時に狙うマッスルアップ筋トレ方法
- 8レップ限界の強度で3〜5セット
- 正しいフォームで確実に行う(クリーン目標の場合)
- 鉄棒の上で休んではいけない(当然下でも)
- インターバル:5分
- 頻度:週2
✔︎ クリーン目標では8レップ限界後にダイナミックを限界までするといいかも
✔︎ セット数は他のトレーニング内容や回復度合によって調節する
✔︎ ダイナミックではフォームは気にしなくていい
✔︎ あとで筋肥大向けの懸垂を1セットはやる
連続で行うのが難しい場合は「12. 連続マッスルアップへの道」を参考にしてください。
それでは上記の各項目の理由を紹介します。
「8レップ限界の強度で」の理由
「8レップ限界の強度で」の理由は、筋肥大と筋力アップを同時に狙えるからです。どっちつかずとも言えますが、マッスルアップでは技術も必要なので最適だと考えています。
「8レップ限界」は「9レップはできない (やろうとすると上がれない) 」が目安です。
「3〜5セット」の理由
「3〜5セット」の理由は、筋肉を追い込み、筋肥大のスイッチが入るのに必要なセット数だと考えられるからです。セット数は他のトレーニング内容や回復度合によって調節してください。ただし、筋肥大が主軸なので3セットは必要だと思います。このトレーニングのみをするのであれば6セットしてもいいかもしれません。
この辺りについてより詳しくは下記リンク先の記事の「6. 動的種目のレップ数とセット数 (効率重視) 」にて詳しく述べているので参考にしてみてください。
ダイナミックマッスルアップを目指す場合は「8レップ限界の強度で3セット」を自分がやりやすいフォームで行うとよいでしょう。当然ですがチキンウイング(ディップスに移行する際に腕を左右交互に上げる)は論外です。
2セット目以降、同じ強度で8レップできない場合は、バンドを短くする、赤バンドを足す、などして強度を調節し、なるべく8レップを目指してください。もし5レップで限界になっても、それはそれでよしとして、気にせず次回の強度調節の参考にしてください。
クリーンマッスルアップを目指す場合は「8レップ限界の強度」では筋肥大するような筋肉への刺激は少ないかもしれません。振りや反動を使うともう数レップできる余力が残るのが理由です。
このような場合は以下の方法を試してみてください。
- クリーンマッスルアップを目指す場合のやり方
- クリーン8レップ限界後にダイナミックを限界まで
- クリーン5レップ限界後にダイナミックを限界まで
- クリーン3レップ限界後にダイナミックを限界まで
✔︎ ダイナミックはゴムなしでやる
✔︎ クリーン少なめではダイナミックと合わせて8レップ限界が目安
✔︎ 最終セットのみがいいかも
バンドありクリーンで限界になったらバンドなしダイナミックに切り替えて限界まで行います。切り替え直後はなるべく振りや反動を抑えて行うとよいでしょう。バンドを外すと上がれない場合はバンドをつけたまま行なってください。
クリーンのレップの限界数はどれが正解とは言い難いですが、練習初期はクリーンのレップを多め、動作に慣れたらクリーンのレップは少なめで行うとよいでしょう。怪我をしづらくスムーズに筋肉と技術力を強化できると思います。
なお、クリーンのレップを少なめにする場合は、ダイナミックと合わせて8レップ限界を目安にしてください。
この方法はドロップセットという考え方が元になっています。そういう意味では「クリーン8レップ限界」を数セット行い、最終セットのみ「ダイナミック限界まで」を追加するといいかもしれません。1セット目からドロップセットで追い込むと、以降のセットでトレーニングの質が下がるのが理由です。
「インターバル:5分」の理由
「インターバル:5分」は、筋肉を動かすためのエネルギーが回復するとされているのが理由です。時間があれば5分を目安にしてください。
「頻度:週2」の理由
「頻度:週2」は筋肥大を目的とした筋トレで初心者におすすめされているのが理由です。回復が追いつかない場合はセット数を減らして調節してください。
頻度は、技術力向上としては毎日が理想ですが、このトレーニングの翌日はオフにしてください。筋肉痛で良いトレーニングはできないし、筋肥大しづらくなるのが理由です。
週2以上で練習するのであれば、翌々日以降、バンドの強度を楽に上がれるくらいにして、筋肉にやや疲労感が生じる程度に行うとよいでしょう。低強度の運動をすると血流がよくなって回復が早まると言われているので、うまくハマると成長効率がよくなるでしょう。なお、やりすぎ注意です。
ネガティブ長めで行う(やらなくてもいいかも)
マッスルアップの動作を「ネガティブ長め」で筋肥大向けにすると理論的には効率的です。理由は筋トレをネガティブ長めですると筋肥大しやすいと言われているからです(その違いは僅かとも)。
ネガティブ長めでは「使っている筋肉が分かりやすい」メリットもあります。マッスルアップでは鉄棒から下りる動作の技術や筋力が向上するので、連続を目指す場合の基礎にもなると考えられます。
具体的なネガティブ長めの動作には次の4パターンが考えられます。
マッスルアップにおけるネガティブ長めの動作4パターン
- 1秒で上がり、4秒かけて下りる
- 1秒で上がり、8秒かけて下りる
- 2秒で上がり、4秒かけて下りる
- 2秒で上がり、8秒かけて下りる
✔︎ 2秒で上がる=懸垂1秒+ディップス1秒
✔︎ 4秒かけて下りる=ディップス2秒+懸垂2秒
✔︎ 8秒かけて下りる=ディップス4秒+懸垂4秒
注意:鉄棒の上や下で休んではいけない
なお、6秒かけて下りるパターンや懸垂部分だけネガティブ長めにするパターンも考えられますが細かくなるので省いています。
「上がり」の1秒か2秒かは、上がる動作を素早く行うか、ややゆっくりで行うかの違いです。気持ち程度の違いかもしれませんが、やりやすい方でよいでしょう。
「8秒かけて下りる」はキツいと思いますが筋肥大と筋力アップの効果は最大だと思います。
下りでディップスから懸垂に移行するときにガクッと落ちてしまう場合は、そのポイントで手首を固めるように力を入れるとスムーズに移行できるのでお試しください。(スローマッスルアップ習得にも繋がります)
ただし、ネガティブを長めにすると実際の動作や軌道とは異なる部分もあります。その点では技術練習よりも筋肥大や筋力アップに向いていると考えられます。
ネガティブ長めは最終レップ後の鉄棒から下りるときのみ行うのも良いでしょう。
正しいフォームで確実に行う(クリーン目標の場合)
クリーンマッスルアップを目標とする場合、「8レップ限界」は必ず正しいフォームで確実に行なってください。ここで言う限界は「正しいフォームが維持できなくなるところ」です。正しいフォームでやらないと技術練習にならないのが理由です。
なお、ダイナミックマッスルアップでは正しいフォームを意識する必要はないと考えています。厳格な正しいフォームはないし、基本的にはゴム任せにすればいいし、今の自分が自然にやりやすいと感じる形で行うのがいいと考えているからです。なお、チキンウイング(ディップスに移行する際に腕を左右交互に上げる)は論外です。
クリーンでは正しいフォームは必須です。主なチェックポイントは、初動の振り出