ストリートワークアウトの入門技とも言えるマッスルアップのやり方やコツ、練習方法に加えて「最も効率的に習得できると考えられる筋トレ方法」を紹介します。
さらに、動作のポイントなどを詳しく解説した海外 YouTube 動画の対訳を掲載しているので、合わせて参考にしてほしいと思います。
この記事を読めばやるべきことが明確になり、他の技を習得するための考え方にもなります。
マッスルアップに関して発見があるたびに書き足していたらとんでもなく長い記事になりました。
目次で興味をお持ちになったものだけでもお読みください。
お急ぎのときは、
で必要最低限の知識が得られると思います。
私も始めた頃はダイナミックマッスルアップもできる気が全くしないほどでしたが、今ではクリーンも余裕でできます。
この記事では、その過程で気づいた方法に加えて、成功後の研究で見つけた「初心者におすすめの反動を効率的に使う方法」や「クリーン向けの効果的な練習方法」も紹介しています。
英語学習としては、言葉と動作がリンクするので記憶に残りやすく、フィットネスで使える英語を効果的に学べると思います。マッスルアップの練習中に頭の中を英語化してみましょう。
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目次の項目をクリックすると当該箇所にジャンプできます。
- 0. 初心者は「筋肥大が9割」
- 1. マッスルアップとは
- 2. 最も効率的に習得する方法
- 3. 海外おすすめ解説動画と対訳
- 4. マッスルアップに必要な条件
- 5. マッスルアップの基本
- 6. カウントテクニック(これで私はできました)
- 7. 最も重要な3要素
- 8. 基礎トレーニング
- 9. 肩甲骨懸垂をしてください
- 10. 正しい腕の引き方
- 11. サムレスグリップの功罪
- 12. 連続マッスルアップへの道
- 13. そしてクリーンへ
- 14. 正しいトレーニングの順番
- 15. 懸垂をやり込んでいる人へ
- 16. マッスルアップのバリエーション
- 17. レジスタンスバンドの有効性と注意点
- 18. いつまでもできない人の特徴
- 19. あと少し!で上がれないときの対策
- 20. マッスルアップのデメリット
- 21. おわりに
- おすすめプロテイン
0. 初心者は「筋肥大が9割」
初めに、マッスルアップ習得を目指す上で大事な考え方を紹介します。
知らないまま練習を続けると、
- いつまで経っても習得できない
- 気づけば諦めていた = トレーニングが無駄になった
なんてことにもなりかねないので、必ず理解してほしいと思います。
- 回数が伸びない
- クリーンができない
といった場合にも有効です。
なお、マッスルアップ以外のカリステニクス技を習得する上でも大事な考え方です。
初心者は筋肥大が9割
その考え方は「初心者は筋肥大が9割」です。(残りの1割は技の練習)
ここで、初心者の定義は2つあります。
① 筋トレ初心者
② その技の初心者
(技を練習し始めたばかり、1ヶ月以上やっても成長がない)
①の場合は「筋肥大が9割」でアプローチしてほしいと思います。
②の場合は、その人の筋肉量やバランスによってアプローチの仕方が異なります。筋肥大が9割がいい場合もありますし、技の練習が9割がいい場合もあります。(7:3などがいい場合もある)
いずれの場合もこの記事の続きをお読みいただくと、その理由や具体的なアプローチの仕方が分かるはずなので、ぜひ参考にしてください。
1. マッスルアップとは
マッスルアップは「懸垂の動作で体を引き上げ、上半身を鉄棒に乗り上げるエクササイズ」です。
「超人の懸垂」と言われることもありますが、クリーンマッスルアップ単発ができるくらいではその体に超人感はありません(筆者の経験)。ストリートワークアウトをしている人にとっては基礎エクササイズです。
マッスルアップには多くの種類があります。全身の振りや足の蹴り上げ(反動)を伴うものをダイナミックマッスルアップやキッピングマッスルアップ、反動を伴わないものをクリーンマッスルアップやストリクトマッスルアップと言います。
この記事では、クリーンとダイナミックのどちらにも当てはまる内容にはマッスルアップ、どちらかに当てはまる内容にはそれぞれの名称を用いています(使い分けが曖昧な箇所はご容赦ください)。キッピングマッスルアップの解説はしていません。
ダイナミックとキッピングの違いと難易度は?
ダイナミックマッスルアップとキッピングマッスルアップの違いを、私は明確に理解していませんが、海外の動画を見て「こうかな」という違いを述べておきます。
どちらも懸垂の力を使うのは同じですが、ダイナミックマッスルアップは「スイング+キッピングの力で上がる」、キッピングマッスルアップは「キッピングの力で上がる」ところが違うようです。キッピングマッスルアップでもスイングの力は発生していると思いますが、ダイナミックマッスルアップのように前方に大きく振り出しはせず、鉄棒のほぼ真下でキッピングをしています。
難易度はダイナミックの方が低いと思います。スイングの力を利用する分、腕の筋力を使わないのが理由です。技術的な難易度はどちらも同じくらいに思いますが、キッピングマッスルアップの方が鉄棒のほぼ真下でキッピングをするので軌道の確保が難しい感じもします。
正確な違いが気になる方はストリートワークアウト協会公認のトレーナーの方に聞くか、自分で勉強してみてください。
ちなみに、私が最初に習得したのは膝を曲げてのダイナミックでしたが、やり慣れて筋力がついてくると膝を伸ばしてのダイナミックの方がやりやすくなりました。その方が勢いをつけやすく感じます。とはいえ、連続で疲れてくると自然と膝を曲げてしまいます。足を伸ばすと勢いをつけやすい分、筋力を使うのかな、と考えています。
マッスルアップの語源
ここからは語源を考えてみたいと思います。英語学習ブログなので。
muscle:筋肉
up:(低い位置から)上の方へ[に]
macOS 版「ウィズダム英和辞典」より
なぜ muscle と up を合わせるとあの動作になるのか、疑問に思った人もいると思います。
「筋肉上げって…」と。
muscle は「体全体」もしくは「上半身」という意味?
そこで、muscle は「体全体」もしくは「上半身」を意味するのではないかと考えました。
英語では ass(ケツ)を「体全体」の意味で使うことがあるからです。
ass を使った例文
例1:Get your ass here.(こっち来なよ)
例2:Get your ass up.(ダラダラ座ってないで何かしろよ)
例1が分かりやすいと思いますが、これは電話やメールでパーティーなどに誘うときの表現で、誘った側はケツだけ来られても困ります。誘われた側は…、やめときます。
例2ではケツだけ上げてもどうにもなりません。例1と例2のどちらも「早くしろ」と相手を強引に急かすニュアンスがあります。
なお、上品な表現ではありません。親しい間柄だからこそ使える表現とも言えますが、相手が使っても自分は使わないのが無難です。
確認したわけではないので間違っているかもしれませんが(どこで確認すればいいのだろう?)、「筋肉上げ」よりは「体上げ」と解釈する方が語源に近い感じがします。
また、このようにイメージを使った捉え方( ass → 体全体)を鍛えると、分からない単語や表現でも何となく理解できます。
2. 最も効率的に習得する方法
マッスルアップを最も効率よく習得する方法を2つ、私のトレーニングに関する知識と経験から考えたので紹介します。
これから始める方はもちろん「巷に溢れるマッスルアップ練習をやり込めばいいんじゃないの?」と思っている人にお読みいただきたい内容です。
方法は以下の2つです。
① レジスタンスバンド補助で技術練習と筋肥大&筋力アップを同時に狙う
→ 実際には難しいかも
② 半年〜2年間、筋肥大に特化した懸垂のみをする
→ こっちは確実(クリーンを目指す場合)
どちらも「筋肉量が不十分な状態でマッスルアップ練習をやり込むのは効率が悪い」という考え方が元になっています。
それでは具体的に紹介していきます。
① レジスタンスバンド補助で技術練習と筋肥大&筋力アップを同時に狙う
あくまで理論上ですが、レジスタンスバンド補助のマッスルアップで筋肥大を狙うのが最も効率的だと考えられます。理由はマッスルアップに必要な技術と筋力を同時に向上できるからです。
レジスタンスバンドとは、トレーニング用のゴムバンドのことです。
バンドで補助をすると、技術と筋力が不十分でも、初チャレンジでも、マッスルアップを擬似体験できるはずです。バンドを使用しているとはいえ、動作はマッスルアップと同様なので必要な技術と筋力を同時に鍛えられます。(マッスルアップの技術は「8. 基礎トレーニング」参照)
一般にバンド補助のマッスルアップは技術練習として紹介されますが、ここで紹介する方法では技術練習と同時に筋肥大も狙います。この点がただの技術練習とは異なっています。なお、技術練習ではほとんど筋肥大しません。
筋力は筋肉量に比例しますが、筋肥大しなくてもトレーニングによって筋力は上がります。とはいえ、筋肥大しないと筋力アップは頭打ちになります。筋力アップが頭打ちになると技の成長はストップします。
まとめると[筋肥大しない=筋力アップしない=技が成長しない]となります。筋肥大を狙う理由は、現状の筋肉量ではマッスルアップができない可能性があるからです。筋肥大は、筋トレ未経験者がクリーンを目指す場合には必須です。ダイナミックでも筋肥大しながらの方が確実です。
なお、効率的に筋肥大を狙うのであれば懸垂とディップスを個別にする方が確実です。
ちなみに、この戦略はプランシェなど他の種目でも有効だと考えています。
具体的には以下のように行います。
- 8レップ限界の強度で3〜5セット(これが大事!)
- ネガティブ長め(やらなくてもいいかも)
- 正しいフォームで確実に行う
- バンドなしもやる
- 余力があれば筋肥大向けの懸垂も1セットやる
このようにするとマッスルアップの技術練習と筋肥大を同時にできると考えられます。
マッスルアップに必要な筋力が不足している場合と十分な場合でアプローチの仕方は異なりますが、この方法ではどちらの場合にも有効だと考えられるので、この点は気にしなくていいと考えています。(「13. そしてクリーンへ」参照)
なお、バンドを使用するとゴムの伸び縮みにタイミングを合わせる必要がありますが、練習を重ねるとバンドのありなしを調節できるようになるので問題ありません。
それでは、上記の各項目について詳しく紹介していきます。
8レップ限界の強度で3〜5セット
最も大事なのが「バンド補助マッスルアップを筋肥大を狙う方法で行う」ことです。
そのためには以下のようにします。
- 技術向上と筋肥大を同時に狙うマッスルアップ筋トレ方法
- 8レップ限界の強度で3〜5セット
- 正しいフォームで確実に行う(クリーン目標の場合)
- 鉄棒の上で休んではいけない(当然下でも)
- インターバル:5分
- 頻度:週2
✔︎ クリーン目標では8レップ限界後にダイナミックを限界までするといいかも
✔︎ セット数は他のトレーニング内容や回復度合によって調節する
✔︎ ダイナミックではフォームは気にしなくていい
✔︎ あとで筋肥大向けの懸垂を1セットはやる
連続で行うのが難しい場合は「12. 連続マッスルアップへの道」を参考にしてください。
それでは上記の各項目の理由を紹介します。
「8レップ限界の強度で」の理由
「8レップ限界の強度で」の理由は、筋肥大と筋力アップを同時に狙えるからです。どっちつかずとも言えますが、マッスルアップでは技術も必要なので最適だと考えています。
「8レップ限界」は「9レップはできない (やろうとすると上がれない) 」が目安です。
「3〜5セット」の理由
「3〜5セット」の理由は、筋肉を追い込み、筋肥大のスイッチが入るのに必要なセット数だと考えられるからです。セット数は他のトレーニング内容や回復度合によって調節してください。ただし、筋肥大が主軸なので3セットは必要だと思います。このトレーニングのみをするのであれば6セットしてもいいかもしれません。
この辺りについてより詳しくは下記リンク先の記事の「6. 動的種目のレップ数とセット数 (効率重視) 」にて詳しく述べているので参考にしてみてください。
ダイナミックマッスルアップを目指す場合は「8レップ限界の強度で3セット」を自分がやりやすいフォームで行うとよいでしょう。当然ですがチキンウイング(ディップスに移行する際に腕を左右交互に上げる)は論外です。
2セット目以降、同じ強度で8レップできない場合は、バンドを短くする、赤バンドを足す、などして強度を調節し、なるべく8レップを目指してください。もし5レップで限界になっても、それはそれでよしとして、気にせず次回の強度調節の参考にしてください。
クリーンマッスルアップを目指す場合は「8レップ限界の強度」では筋肥大するような筋肉への刺激は少ないかもしれません。振りや反動を使うともう数レップできる余力が残るのが理由です。
このような場合は以下の方法を試してみてください。
- クリーンマッスルアップを目指す場合のやり方
- クリーン8レップ限界後にダイナミックを限界まで
- クリーン5レップ限界後にダイナミックを限界まで
- クリーン3レップ限界後にダイナミックを限界まで
✔︎ ダイナミックはゴムなしでやる
✔︎ クリーン少なめではダイナミックと合わせて8レップ限界が目安
✔︎ 最終セットのみがいいかも
バンドありクリーンで限界になったらバンドなしダイナミックに切り替えて限界まで行います。切り替え直後はなるべく振りや反動を抑えて行うとよいでしょう。バンドを外すと上がれない場合はバンドをつけたまま行なってください。
クリーンのレップの限界数はどれが正解とは言い難いですが、練習初期はクリーンのレップを多め、動作に慣れたらクリーンのレップは少なめで行うとよいでしょう。怪我をしづらくスムーズに筋肉と技術力を強化できると思います。
なお、クリーンのレップを少なめにする場合は、ダイナミックと合わせて8レップ限界を目安にしてください。
この方法はドロップセットという考え方が元になっています。そういう意味では「クリーン8レップ限界」を数セット行い、最終セットのみ「ダイナミック限界まで」を追加するといいかもしれません。1セット目からドロップセットで追い込むと、以降のセットでトレーニングの質が下がるのが理由です。
「インターバル:5分」の理由
「インターバル:5分」は、筋肉を動かすためのエネルギーが回復するとされているのが理由です。時間があれば5分を目安にしてください。
「頻度:週2」の理由
「頻度:週2」は筋肥大を目的とした筋トレで初心者におすすめされているのが理由です。回復が追いつかない場合はセット数を減らして調節してください。
頻度は、技術力向上としては毎日が理想ですが、このトレーニングの翌日はオフにしてください。筋肉痛で良いトレーニングはできないし、筋肥大しづらくなるのが理由です。
週2以上で練習するのであれば、翌々日以降、バンドの強度を楽に上がれるくらいにして、筋肉にやや疲労感が生じる程度に行うとよいでしょう。低強度の運動をすると血流がよくなって回復が早まると言われているので、うまくハマると成長効率がよくなるでしょう。なお、やりすぎ注意です。
ネガティブ長めで行う(やらなくてもいいかも)
マッスルアップの動作を「ネガティブ長め」で筋肥大向けにすると理論的には効率的です。理由は筋トレをネガティブ長めですると筋肥大しやすいと言われているからです(その違いは僅かとも)。
ネガティブ長めでは「使っている筋肉が分かりやすい」メリットもあります。マッスルアップでは鉄棒から下りる動作の技術や筋力が向上するので、連続を目指す場合の基礎にもなると考えられます。
具体的なネガティブ長めの動作には次の4パターンが考えられます。
マッスルアップにおけるネガティブ長めの動作4パターン
- 1秒で上がり、4秒かけて下りる
- 1秒で上がり、8秒かけて下りる
- 2秒で上がり、4秒かけて下りる
- 2秒で上がり、8秒かけて下りる
✔︎ 2秒で上がる=懸垂1秒+ディップス1秒
✔︎ 4秒かけて下りる=ディップス2秒+懸垂2秒
✔︎ 8秒かけて下りる=ディップス4秒+懸垂4秒
注意:鉄棒の上や下で休んではいけない
なお、6秒かけて下りるパターンや懸垂部分だけネガティブ長めにするパターンも考えられますが細かくなるので省いています。
「上がり」の1秒か2秒かは、上がる動作を素早く行うか、ややゆっくりで行うかの違いです。気持ち程度の違いかもしれませんが、やりやすい方でよいでしょう。
「8秒かけて下りる」はキツいと思いますが筋肥大と筋力アップの効果は最大だと思います。
下りでディップスから懸垂に移行するときにガクッと落ちてしまう場合は、そのポイントで手首を固めるように力を入れるとスムーズに移行できるのでお試しください。(スローマッスルアップ習得にも繋がります)
ただし、ネガティブを長めにすると実際の動作や軌道とは異なる部分もあります。その点では技術練習よりも筋肥大や筋力アップに向いていると考えられます。
ネガティブ長めは最終レップ後の鉄棒から下りるときのみ行うのも良いでしょう。
正しいフォームで確実に行う(クリーン目標の場合)
クリーンマッスルアップを目標とする場合、「8レップ限界」は必ず正しいフォームで確実に行なってください。ここで言う限界は「正しいフォームが維持できなくなるところ」です。正しいフォームでやらないと技術練習にならないのが理由です。
なお、ダイナミックマッスルアップでは正しいフォームを意識する必要はないと考えています。厳格な正しいフォームはないし、基本的にはゴム任せにすればいいし、今の自分が自然にやりやすいと感じる形で行うのがいいと考えているからです。なお、チキンウイング(ディップスに移行する際に腕を左右交互に上げる)は論外です。
クリーンでは正しいフォームは必須です。主なチェックポイントは、初動の振り出しが大きすぎないか、足の蹴り上げをしていないか、膝が曲がっていないか、の3つです。
クリーン判定は主観になりがちですが、ストリートワークアウト協会公認のトレーナー資格を持つ方によると、反動を使っているように見えても上昇に関与しない動作ならクリーン判定されるようです。フォームには理想があると思うので、それを目標とするのもいいと思います。
フォームは動画を撮って確認しましょう。意外と「思ってたのと違う」となるので改善点が見つかります。真横から撮影し、スロー再生するとより改善点が見つかりやすいのでおすすめです。サイドにラインが入ったパンツ を履くのもおすすめ。
バンドなしもやる
筋力アップ(瞬間的に大きな力を出力する)のためにバンドなしでマッスルアップをやるのもおすすめです。と言っても習得前の段階なので、実際には「マッスルアップをするつもりの懸垂」です。するつもりの懸垂の軌道はダイナミックとクリーンの目指す方を選択してください。
今の自分がどのくらいできるかの確認にもなるので、「そろそろできそう」な場合はトレーニングのたびに毎回やることをおすすめします。
やるタイミングは、ウォームアップが済んで「8レップ限界で3セット」をやる前です。回数は多くても3回までで十分で、連続ではなく単発で行います。
ただし、筋トレ自体が初心者という場合は怪我のリスクが高いので慎重に行うか、動作に慣れるまではやらない方が無難です。
余力があれば筋肥大向けの懸垂も1セットはやる
レジスタンスバンド補助で技術練習と筋肥大&筋力アップを同時に狙ったとしても、実際には筋肥大するような刺激は十分に入っていないかもしれません。
余力を感じる場合は筋肥大向けの懸垂を1セットは追加してみてください。
- 1秒で上げる (一瞬で上げる)
- 上げたまま1秒キープ
- 4秒かけて下ろす (キツければ2秒でもいい)
✔︎ 難しい場合は2秒で上げて2秒かけて下す
✔︎ 胸を突き出して、できるだけ背中を反る
(動作中は終始この姿勢をキープする)
✔︎ 上げるときに肩甲骨懸垂をバネのように入れる
✔︎ 強度:8レップで限界になるようネガティブで調節
✔︎ レップ:8目安で限界まで
(限界=懸垂のリズムが維持できなくなってから+2回)
✔︎ セット:3〜5
(トレーニング内容と頻度や回復度合によって調節)
✔︎ 頻度:週2
筋肥大向けの懸垂の詳細は「8. 基礎トレーニング」を参考にしてください。
バンドの強度の設定方法は?
「技術練習+筋肥大&筋力アップ同時作戦」ではレジスタンスバンドの強度設定が命です。強度の調節方法は下記リンク先の記事にて紹介しているので参考にしてほしいと思います。
特に、2本使いで注意が必要だと感じています。強度を低くしたつもりで高くしている人を見たことがあるので。。
② 半年〜2年間、筋肥大に特化した懸垂のみをする
クリーンマッスルアップを目指す場合、半年から2年間くらい筋肥大に特化した懸垂のみをするのが最も効率的かつ確実だと私は考えています。ダイナミック目標でもフルレンジの懸垂が1回もできない場合はこのくらいが目安かと思います。
「半年から2年間くらい」と期間に幅をつけているのは個人差が大きいからです。人によって練習開始時のステータス(筋力、体重、運動経験など)は異なるし、順調にトレーニングを継続できるとは限らないからです。筋トレ経験がない場合は、2年は見積もっておくとよいでしょう。なかなかできないと悩むこともないので。
「筋肥大に特化した懸垂のみ」は「体力や回復力の全てをクリーンができる体づくりに全振りする」という発想からきています。ドラクエで言うレベル上げのようなものです。
具体的には以下の理由です。
- 十分な筋力がない段階での技術練習は効率が悪すぎる
→ 技術練習では筋肥大しづらい
→ 筋肥大しなければ筋力アップは頭打ちになる
- 筋肉量が増えると良い練習ができる
- 技術練習をすると疲れて筋肥大のための懸垂がおろそかになる
- ケガをしづらい
「ない袖は振れない」ように、マッスルアップに必要な筋肉量がなければいくら練習しても習得できません。技術練習でも筋肥大はしますが、わずかなので効率が悪すぎます。
技術練習でも体力は削られるので、技術練習はせず、筋肥大向けの懸垂を1レップでも多くした方が効率的です。一方、筋肥大向けに筋トレをすると筋肉痛や疲労で良い技術練習ができなくなります。筋肥大と技術練習を両立させようとすると、どっちつかずとなりかねないし、疲労が蓄積して体調を崩さないとも限りません。回復力が高い人であればどちらもできるかもしれませんが、筋肥大に特化する方が安全に成長できます。
筋肉量が十分であればケガをしづらいメリットもあります。筋肉が関節への負荷を軽減するし、懸垂動作に慣れていれば無理な体の使い方をしづらくなるからです(無理にやろうとすればもちろんケガの元です)。ケガで練習も筋トレもできないのが一番辛いですよね。
なお、ディップスは不要です。鉄棒でのディップスが1回できればとりあえず十分ですし、懸垂で鍛えた筋肉であってもディップスの動きに転用できるのが理由です。懸垂の力が強ければほとんどそれだけで上がれるのもあります。
ただし、懸垂のみでは骨格のバランスが崩れて肩などの関節の動きが悪くなり、インピンジメント症候群(骨同士の衝突による痛み)が発生する可能性があります。この防止のために、ディップスも限界くらいまで1セットはやるといいかもしれません。
もし懸垂ができる環境が近場になく頻度が確保できない場合はディップスで筋肥大してください。
筋肥大向けの懸垂は下記のやり方がおすすめです。
- 1秒で上げる (一瞬で上げる)
- 上げたまま1秒キープ
- 4秒かけて下ろす (キツければ2秒でもいい)
✔︎ 難しい場合は2秒で上げて2秒かけて下す
✔︎ 胸を突き出して、できるだけ背中を反る
(動作中は終始この姿勢をキープする)
✔︎ 上げるときに肩甲骨懸垂をバネのように入れる
✔︎ 強度:8レップで限界になるようネガティブで調節
✔︎ レップ:8目安で限界まで
(限界=懸垂のリズムが維持できなくなってから+2回)
✔︎ セット:3〜5
(トレーニング内容と頻度や回復度合によって調節)
✔︎ 頻度:週2
筋肥大向けの懸垂の詳細は「8. 基礎トレーニング」を参考にしてください。
「懸垂8回は無理」な場合はレジスタンスバンドを鉄棒に通して足裏か膝下に引っ掛けて懸垂をする方法がおすすめです。
クリーンチャレンジは2週間か1ヶ月に1度
「筋肥大に特化した懸垂のみが効率的」とはいえ、モチベーションの維持がしづらいかもしれませんし、今の自分がどれだけできるのかを見極める必要はあります。
そのため、2週間か1ヶ月に1度くらいの頻度でクリーンマッスルアップにチャレンジするとよいでしょう。なお、筋肥大向けの懸垂の前に行います。
私もこれと似た感じでクリーンを習得しました。「筋肥大全振り」はしませんでしたが、クリーンはいつかできればいいと思っていたので、思い出したときにやってみて(数ヶ月に1度)、できそうだと感じたときに練習しました。
なお、筋肥大全振りの効果を感じたことはあります。ケガで技の練習ができないときに筋肥大向けの懸垂のみを1ヶ月くらいして、久しぶりにフロントレバーをしたら今までよりも良い(キツい)フォームで余裕を感じたことがあります。片手懸垂も同じく。
技の成長をもっと感じたいなら?
これまでに紹介した方法はあくまでも効率重視です。最短でなくてもいい、技の成長を感じながらしたい、という方もいると思います。
そのような場合は「筋肥大に特化した懸垂」をメインにしつつ、技術練習やマッスルアップチャレンジは筋肉の疲労を感じない程度にするとよいでしょう。
目安は、技術練習はウォームアップ程度、マッスルアップチャレンジは10回までがおすすめです。ひどく疲れるほどではないし、回数制限があると集中してできるのが理由です。回数は「今日はこれ以上チャレンジしても良い練習にならない」と感じるくらいを目安にするのもよいでしょう。
そのようにしたあとで筋肥大向けの懸垂をしてトレーニングを終えるルーティンか、筋肥大向けの懸垂の日とマッスルアップチャレンジの日を分けるのもおすすめです。私はダイナミックマッスルアップのときは前者の方法で習得しました。
3. 海外おすすめ解説動画と対訳
YouTube にはマッスルアップの講座動画( tutorial )が数多くアップロードされているのですが、
King Frater というチャンネルの動画を選びました。
選んだ理由は線と円を使ったテクニックを紹介しているのですが、これは日本の YouTuber があまり紹介していない印象があるからです。
また、筋トレしている人が1度は行ってみたくなりそうなロサンゼルスのベニスビーチ( Venice Beach )で撮影されているのも理由です。
もちろん詳しく解説しているのも理由です。
なお、紹介されているのは膝を曲げてキッピングをするダイナミックマッスルアップです。日本ではなぜか反動マッスルアップと呼ばれているものです。
レジスタンスバンドを使った方法は紹介されていないので、やり方は下記リンク先の記事で紹介している動画を参考にしてください。
英語の発音で、couldn’t をクディンのように発音しているのもポイントです。
どこかの訛りでしょうか。
おすすめ動画
How to Muscle Up (Full Tutorial)
The “Line and Circle” Technique to build momentum and get over the bar (1:25)
勢いをつけるためのラインサークルテクニックと鉄棒を越える方法
Why most people get stuck with their chest at the bar (3:04)
鉄棒の高さで胸が止まる理由
How to get proper wrist position and grip strength (4:40)
正しい手首の位置と握る力
Why “whipping” or “kipping” works against you (8:40)
キッピングが反作用する理由
The best workout to build up the strength for a muscle up (10:00)
マッスルアップのための筋力をつける最も効果的なトレーニング
対訳
なるべく話者のニュアンスのまま訳すようにしましたが、日本語にすると回りくどくて分かりづらくなりそうな部分はカットしたり言い換えたりしています。
YouTube の自動生成スクリプト(字幕)を元にしましたが、間違いなどを修正したところはマゼンタ色にしました。なお、間違って修正しているかもしれないので、予めご了承ください。
YouTube に動画をアップロードすると自動で文字起こしと字幕ファイルの作成をしてくれるので英語学習に便利です。
アップロードされている動画のスクリプトをコピーすることもできます。
00:06 ( Introduction )
› more
what’s up everyone
Adam Frater here
みなさん こんにちは
Adam Frater です
I’m gonna be giving you just a quick little muscle up tutorial
マッスルアップのやり方を手短に説明します
I get a lot of questions
on how to build the strength
proper form
proper technique
多くの質問をいただきました
筋力の付け方や
正しいフォーム
正しいテクニックについて
and I’m here to run through it all
explain how I learned it
I’ve taught other people had to do a muscle up
その全てに駆け足で回答していきます
私が習得した方法や
人に教えてきたことを通じて
and we’re just gonna dive right in
let’s go
考えるよりも まずは始めてみましょう
00:26
so the most important thing
in my belief is
if you can do 10 pull-ups
you should be able to do a muscle up
最も大事なのは
私の考えではありますが
懸垂が10回できれば
マッスルアップはできるはずだということです
it really just comes down to form
now there’s many different types of muscle ups
フォームによって変わってくるのですが
マッスルアップには多くの種類があって
there’s a strict* form muscle up
which I’ll show you what that looks like
無反動で行うマッスルアップを
今からお見せします
※ strict:無反動
無反動のマッスルアップは英語では strict と clean のどちらもあります。この動画では strict のみが使われています。日本語ではクリーンのみのようです。
00:41
and the strict form has no kip* in the muscle up
無反動フォームのマッスルアップではキッピング*を行いません
(クリーンマッスルアップは反動を使わずに行います)
※ kip:反動、反動をつける動作
体を反る動作、あるいは、体を反って弓のようにしならせてから素早く折ってくの字にする動作、と私は解釈しています。この記事では反動と訳す場合があります。
↓キッピング参考 YouTube 動画
so really your leg stays straight
muscle up
足を真っ直ぐにしたまま
マッスルアップ
00:48
then you have a little bit of a kit muscle up
where you use your legs to kind of lessen your gravity
わずかでも反動をつけるマッスルアップでは
重力を小さくするように足を使ったところで
your legs come up
and kip your body up
足が上がると
反動で体も上がります
00:57
then you have what gymnast bar* kip up
where you get a little bit of swing going
and you pop yourself up over the bar
体操選手の蹴上がりのように
少しだけスイングして
鉄棒の上に体を乗せるやり方もあります
※ bar は字幕では car となっていてそう聞こえますが蹴上がり (bar kip) をしているシーンなので修正しました。
01:09
and you can also do a false grip muscle up
where you grab the bar like a gymnast
and that gives you the ability to do a slow muscle up
but that requires a lot of strength
フォールスグリップでのマッスルアップでは
体操選手のように鉄棒を握ります
そうするとスローマッスルアップができますが
それには強い力が必要です
01:18
now to explain how to do this properly
requires a little bit of training on different techniques
これを正しく行う方法を説明するために
様々なテクニックを少し練習する必要となります
› less
01:25 ( The “Line and Circle” Technique to build momentum and get over the bar )
› more
so what I really like to show people
is the line and circle technique
私が人に教えるためにお気に入りなのが
線と円を使ったテクニックです
so I start off by saying I’m gonna start at the bar
and take one foot backwards
鉄棒の支柱から
後ろに1歩下がります
one foot backwards I’m going to go ahead
and I’m gonna draw a line
1歩下がったら 鉄棒と平行に進み
線を引きます
you don’t have a beach
you can improvise the line
you don’t need to draw it
do it in the cement whatever put something down
砂浜でなければ
その場に合わせて線を引いてください
コンクリートの地面であれば 線を引かなくても構いません
何か適当なものを置いてください
so my line is one foot behind the bar
私の場合 線は鉄棒の一歩後ろです
01:50
now I’m gonna stand at the bar
and another step in front of the bar
I’m gonna go ahead and make a circle
今私は鉄棒の真下に立っていて
鉄棒の前へ1歩踏み出し
前へ出て 円を描きます
02:02
all right so again
I’m gonna call this the line circle technique
繰り返しますが
私はこれをラインサークルテクニックと呼んでいます
now the idea is that I’m gonna stand at the line
and I’m gonna jump and grab the bar
線の上に立って
ジャンプして鉄棒をつかみ
and by jumping to the bar from the line
I’m naturally gonna have a little bit of swing
so see how I’m rocking
線から鉄棒へジャンプすることによって
自然に少し体がスイングします
私の体がどのように揺れているか見てください
02:19
now if I grab the bar from directly below the bar
I’m not gonna swing
もし鉄棒の真下から鉄棒をつかんだら
スイングしません
doing a muscle up from a dead hang is very difficult
because the bar is in your way
完全にぶら下がった状態からのマッスルアップはとても難しいです
なぜなら 鉄棒が邪魔をするからです
so you need to have a little bit of momentum
to be able to come around and over the bar
だから 少しだけ勢いをつける必要があります
ぐるっと回って鉄棒を越えるために
02:35
so really a muscle up is not up and over
you’re kind of doing a hook shape
マッスルアップは縦に上がって越えるのではなく
釣り針の形でやる感じです
02:44
so I’m gonna stand behind
I’m gonna grab the bar
I’m gonna swing a little bit
後ろに立って
鉄棒をつかんで
少しだけスイングして
and when I get to that circle
I’m actually gonna touch and bring up
円のところに来たら
実際に踏もうとして 持ち上げます
so the point of the circle is to let me know
that when I’ve swung to the extent of my swing
at that moment is when I pull up
この円の目的は 自分に知らせることです
スイングをして 行ったり来たりしているときに
懸垂するタイミングを
› less
03:04 ( Why most people get stuck with their chest at the bar )
› more
now this is what causes people the most frustration
is that you try to kip your legs at an incorrect time
so I’m going to show you incorrect one
最も失敗の原因となるのは
間違ったタイミングで反動をつけて足を上げてしまうことです
間違った例をお見せします
(カメラの人に「 come over here little bit / ちょっとこっちに来て」)
03:15
so incorrect form is
正しくないフォームというのは
alright this guy told me to swing
now I’m here
alright they didn’t get it
bad timing
ある人が言うには
今 ここでスイングすると
できませんでした
これが悪いタイミングです
03:24
again I’m gonna kick* my legs
this is bad too
次は 両足を振り上げます
これも悪い例です
※「自分の両足を蹴る」ではありません
kip とも聞こえますが、kick my legs で足を振り上げるの意味になるのでそのままにしました。
you don’t want to really whip yourself
鞭を打つような動きをしてはいけません
※ここはうまく訳せませんでした。
関連
›› whip 〜 into shape(英辞郎 web )/ ~を鍛えて希望どおりの形に仕上げる、~を正しい状態にする、何とか~の形を整える、~の目鼻をつける
whip myself into shape とすると「自分の体をライザップ後みたいにする」といった意味になります。
03:31
and what ends up happening is you pull yourself up
and you get stuck
because you get the bar to here
but you can’t get your body over
結局 体を引き上げたところで
止まってしまいます
ここまで鉄棒が来ますが
体は越えることができません
03:40
now again a couple of things to realize with a muscle up
マッスルアップについて理解すべきことをおさらいします
you’re not just throwing* your arms over the bar
腕が鉄棒を越えるようにするのではなく
(鉄棒を越えるように腕を投げ出すのではなく)
※ここからの throw は語源の「ねじれる」で捉えると分かるような…。
you actually want to pull up
and get your chest over the bar
懸垂をして
胸が鉄棒を越えるようにします
03:49
so really what you’re doing is to pull up
throwing your chest on top of the bar
and then just doing a dip
とにかくやるべきことは懸垂で
鉄棒の上に胸を乗せて
(鉄棒の上に胸を投げ出すようにして)
あとはただディップスをします
03:55
so the dip parts easiest
really all you have to do is pull your chest over
ディップスのところが最も簡単です
最もやるべきは 胸を引いて越えることです
03:59
so again it’s all about timing
繰り返しますが 全てはタイミングです
start at the line
jump swing
線の上に立って
ジャンプしてスイングします
the moment you’re about to rock backwards
literally at that exact moment
揺れが後ろ向きになりかけた瞬間に
文字通り まさにそのとき
or you’re about to swing backwards
that’s when you want to pull up
あるいは スイングが後ろ向きになりかけたとき
そこが まさに懸垂をするタイミングです
04:14
so I grab the bar
swing forward
touch the circle
knees and then body
鉄棒を掴んで
前にスイングして
円を触って
膝 そして体です
(膝を上げてから体を上げる)
it’s got to be the perfect timing
そうすると 完璧なタイミングになります
04:26
swing again
touch the circle
knees and then body
スイングをして
円を触って
膝 そして体です
04:30
so again I suggest if you’re just learning this
use your knees
because it really lightens your gravity
and gives you the oomph that you need to really get over the bar
これを身につけるには
膝を使ってください
なぜなら 重力を小さくして
鉄棒を越えるための勢いとするためです
04:37
now another explanation
では 他のやり方を説明します
› less
04:40 ( How to get proper wrist position and grip strength )
› more
ignoring the line and circle
線と円はさておき
one of the most important things that
people don’t realize that the muscle-up
is a wrist position and strength in your grip
マッスルアップで最も重要でありながら
人々が理解していないのは
手首の位置と 握る力です
04:55
if you hang from the bar with just your fingertips
you basically have to pull up
指先だけで鉄棒にぶら下がると
基本的に 懸垂をしなければならず
and your whole hand has to rotate 180 degrees
to get you on top of the bar
手を180度回転させなくてはならなくなります
鉄棒に上がるために
05:01
rotating around the bar is very difficult
unless you’ve created a bit of a weightlessness
手を鉄棒に巻きつけるのは とても難しいです
無重力状態を少しでも作らない限りは
05:05
so really strong wrists can benefit this movement
try to grab the bar as high up on your wrist as possible
手首の力が強ければ この動きがやりやすくなります
できる限り手首を巻きつけて鉄棒を掴んでください
(できる限り手首の位置が高くなるように鉄棒を掴んでください)
you want to grab it here
この位置で掴みます
the stronger the wrist
then your wrist just has to unfold
手首の強い力で
手首を返す必要があります
05:21
so again if my wrist is already up on the bar like this
when I muscle up
my hand can just open up
あらかじめ こんな感じで 手首が鉄棒の上にあれば
マッスルアップをするときは
手首を返すだけです
but if my wrist is down here
then I have to rotate all the way around
しかし 手首が下向きになっていたら
わざわざ 手首を回転させなくてはなりません
訳注:手首の返し、手首の回転
日本の解説動画ではこの動作(5:31)を手首の返しとしているものがありますが、ここでは rotate なので手首の回転と訳しました。手首の返しは手が鉄棒に固定されたまま手首の関節を動かす動作として区別しました。
so strong wrists really important
強い手首はマジ重要
05:37
now again as I mentioned you’re not just pulling up
and throwing your elbows over
先ほども言ったように ただ懸垂をするのではなく
肘を跳ね上げます
※ throw over(英辞郎 Web )を訳すのは難しい
you want to pull up and get your chest on top of the bar
懸垂をしたら 鉄棒に胸を乗せます
I’m gonna show you what that looks like
it’s a muscle up without the dip part
ディップスの動作を除いたマッスルアップをお見せします
basically a muscle up without the up
マッスルアップのアップなしバージョンです
05:52
basically gonna do what I said
touch the circle
pull up
get my chest over
つまり 今 私が言ったことをやると
円を触って
懸垂をして
胸を越えさせます
now once I’m here
I’ve done the muscle up
all I have to do is press up
ここまで来たら
マッスルアップは完了です
あとは押し上げるだけです
so again that movement is just a pull up
and get your chest over
really lean
繰り返しますが 懸垂をして
胸を越えさせる動作です
身を乗り出します
if you can get your pecs over the bar
you’ve done a muscle up
胸筋が鉄棒を越えたら
マッスルアップは完了です
訳注:マッスルアップはどこまでか
chest と言うのに飽きたのか pecs とする方がしっくりきたのかはさておき、ここでは懸垂をしてディップスができるところまで体を上げたらマッスルアップは完了という解釈のようです。
06:14
so maybe that simplifies it enough for you to get the idea
このアイデアを分かりやすく単純化すると
pull up
chest over the bar
懸垂をする
胸が鉄棒を越える
(胸に鉄棒を越えさせる)
and at that moment I’m good
and I just threw the dip
その瞬間 私はいい感じで
ただディップスをすればいい
06:24
so the line circle techniques something
that I like to teach people
線と円を使うテクニックは
私が好きな指導方法で
I’ve taught many different people to muscle up using this technique
also explaining getting the chest over the bar
これまで 多くの様々な人達に教えて来ました
胸に鉄棒を越えさせることも含めて
this doesn’t work for you
you can also do an in/out technique
しかし この方法があなたに合わない場合は
インアウトテクニックを試してください
06:37 in/out technique
basically what you’re doing
is loading up for the muscle up
ひとことで言えば
マッスルアップのために 力を溜める というやり方です
※この辺りはスクリプトを無視しがちで翻訳します。
you pull yourself in
you load up
you fire into the muscle up
胸を突き出して(背中を反って)
力を溜めて
体を上げるために一気に解放(発射)します
so this technique would look like this
こんな感じです
here fire up
down
fire up
ここで 発射(瞬発的に上げる)
降りて
発射
06:57
be careful with this technique
because loading like this
really tight on the shoulders and on the pecs
これをするときの注意点は
このように力を溜めると
肩や胸の筋肉が硬くなることです
so just be careful make sure you’re warmed up
so that you can’t injure yourself
しっかりとウォームアップをして
怪我をしないように気をつけてください
07:08
now a lot of people think that they have the strength
they know that they can get the muscle up
but they just try to do it too slowly
マッスルアップをするには
強い力が必要だと思うかもしれませんが
それはとてもゆっくり行う場合です
muscle ups like Olympic lifting
like you ever seen the Olympics
they do the overhead snatch
they do cleans*
マッスルアップは オリンピックの
重量挙げのように見えます
スナッチや
クリーン*の動作です
※筆者補足:クリーン&ジャークのクリーンの部分の動作
they don’t do these movements slowly
they fire these movements
it’s explosive
こうした動きはゆっくり行いません
瞬発的に行います
爆発的とも言えます
muscle up the quicker you do it
the easier it’ll become
マッスルアップは より素早くやれば
より簡単になります
07:30
so again I mean I’ll tell you
I’ll take a quick story
ちょっとしたお話があります
so I was so close to doing a muscle up
I could do 20 pull-ups
I was really athletic
私はマッスルアップがあと少しでできそうなとき
懸垂は20回できましたし
運動はかなり得意でした
I was really strong for my body weight
but for some reason I just couldn’t get the muscle up
体重の割にはとても筋力があったにもかかわらず
何かの理由でできませんでした
it was weeks and weeks and I couldn’t get it
finally I just had a song on
that just had a really good base
何週間もできずにいて
結局 ある曲を聴いたことが
本当に良いきっかけとなりました
it really got me excited
I was like oh this is my song
それでかなりテンションが上がって
「これワイの曲やん」って感じで
I’m gonna try this one more time
and I came out the bar
my god*
「もっかいやったろやないか」
で 鉄棒に駆けよって
「やったるで」
※筆者訳注:my god ははっきりと聞き取れないので掛け声ならなんでもいいと思って訳しました。彼の話し方が関西弁のニュアンスなのかどうかは分かりません。
and I did a muscle up
and I was really excited
そしてマッスルアップに成功し
とても興奮しました
08:02
the reason that it worked for me is
because this song got me excited
これが私が成功した理由です
なぜなら この曲が私のテンションを高めたからです
what I did differently was
I didn’t just stand under the bar and pull up
I came at the bar
これまでと違っていたのは
鉄棒の真下に立って懸垂をしなかったことと
鉄棒に駆けよったことです
I said wow this song is hype
here’s the bar and I stepped at the bar
「この曲めっちゃキマる」って言いながら
ここに鉄棒があって 鉄棒めがけて踏み込みました
this is a big difference maker and a great tip
これは大きな違いを生むものであり 偉大なコツです
筆者補足:うまくいかないときはバカになっていつもと違う方法を試そう。それには音楽も有効。音楽を聴いて興奮したら偶然コツを発見したようです。
08:20
if you step at the bar
basically using the line technique
鉄棒めがけて踏み込むと
ラインテクニックを使うことになります
then when you grab the bar
you’re already loaded up
and you’re firing* in the perfect position
to get the muscle up
そして 鉄棒を掴めば
すでに背中に力を溜めた状態となり
完璧な位置で懸垂をして
マッスルアップができます
※筆者訳注:ここで firing のところが進行形なのは、このやり方をすれば「流れの中で自然と〜している状態」という意識やニュアンスがあるのではと思います。確信はありませんが。他にもこのような進行形の使い方が多いですが「している状態」と考えてみると分かりやすいと思います。
so try this
if you want to learn to try coming at the bar –
試してみてください
鉄棒に駆けよる方法を身に付けたいなら
boom
doing the muscle up
どや
マッスルアップやろ
› less
08:40 ( Why “whipping” or “kipping” works against you )
› more
another don’t that I see a lot of people doing
don’t whip
多くの人がやりがちな間違いは
鞭を打つような動きです
when I mention rocking or swinging
that’s exactly what you’re doing
rocking or swinging*
私が揺れについて言うときは
まさに そのようにしてください
揺れ動かす あるいは 揺れ動くです
※ rocking と swinging の訳はあいまいですが、言語設定を英語にして Google 検索画像すると、前者はロッキングチェア、後者はブランコの画像が多く表示されました。政村秀實著「英語語義イメージ辞典」には「swing には(回転)運動の中心にある<支点>の存在が意識下にある」とあります。
you’re not kipping
キッピングはしません
a lot of the times your body your mind tells you to do this
do not do this
本能がこれをやれと しつこく言ってきますが
やってはだめです
this is very bad form
you see often in CrossFit
you see it often in different types of workouts
これはとても悪いフォームです
クロスフィットや
他のワークアウトでも よく見られますが
I did not back this
and that’s doing this
私はこれを支持しませんでした
これをやると
so a lot of people want to get themselves swinging
多くの人がスイングをしたがり
so they kip
do not want a kip
キッピングをしますが
キッピングはしません
this is actually gonna one
put a lot of strain on your body bad for your joints
and two it throws off your momentum
体に強い負荷がかかり 関節に悪いです
さらに 勢いが減ってしまいます
it actually works against you in the technique
that you need for the muscle up
マッスルアップに必要な技術に
反作用してしまします
so don’t kip
don’t kick your legs back or forward
you want your legs to be straight
キッピングはしないで
両足を前にも後ろにも蹴らず
真っ直ぐにしてください
09:33
so when I grab this bar and I swing
my body straight
my legs are loose
鉄棒を掴んでスイングするとき
体は真っ直ぐで
両足はゆるんだ状態です
I’m not here
my legs aren’t back here
I’m not kipping or anything
ここではないし
両足はここではないし
キッピングみたいなことはしません
I’m just staying loose
so that when the time comes
ただ自然に揺れながら
タイミングが来たら
when up now
now
今 上げます
今です
when I’m about to swing backwards right at that movement
I’m bout to swing backwards
揺れが後ろ向きになりかけた瞬間に
後ろ向きに揺れ始めたら
my legs come up
my body comes up
足を上げて
体を上げます
› less
10:00 ( The best workout to build up the strength for a muscle up )
› more
and with that movement the more strength you build
the more ability you’ll have to do a strict muscle up
この動きで筋力をつければつけるほど
無反動マッスルアップに必要な能力となります
10:05
I’ll give you one quick workout
that’s a great way to build strength
ひとつトレーニング方法を紹介します
筋力をつけるためにとてもいい方法です
other than doing a lot of pull-ups
because obviously pull-ups will get you
the the strength and the power necessary
それは 懸垂を何度もすることです
なぜなら 当然 懸垂をすることで
必要な筋力や体力が得られるからです
try to do pull-ups to your waist
they look a little bit like this
ウエストまで上げるように懸垂をしてみてください
ちょっと こんな感じです
筆者訳注:1回目しかウエストまで上がっているように見えませんが、真上(上空)から見ると上がったように見えると思います。真上ではなく斜め後ろに懸垂する感じですね。ヘソを鉄棒に当てるつもりでやるといいです。
10:25
that’ll just build up the necessary strength
you know for you to realize
that when you’re doing a muscle up here the transition point
and that’ll be extremely helpful
これをすると 必要な筋力が鍛えられます
ここまでマッスルアップをしたら
そこがディップスへと移行する変わり目だと分かります
これはとても役に立ちます
10:35
another thing is to do everything that I’m showing you
with the line circle technique
except don’t do the muscle up
just do a pull-up
他には 今からお見せする線と円の方法の
全てを行うことです
マッスルアップをしないのを除いて
ただ懸垂をします
so again here’s your line
there’s your circle
just do a pull-up
so here I’m gonna go
I’m gonna tag this
線を引いて
円があって
ただ懸垂をします
スイングをして
円を触って
and that’s the movement
that’s the first part of the movement necessary
これがその動きで
必要な動きの最初の部分です
so once I’m here
the second part would be just leaning my chest over
and again that’s a muscle up
一度 この状態になったら
2番目の部分は 胸を乗り出した状態で
マッスルアップとなります
11:04
and I really like to show people the idea
break down the movement to show you how simple it can be
because it really is that simple
私は動きがどのくらい単純になりえるかを説明するために
動きを分解するという考え方を人に教えるのが好きです
なぜなら 本当に単純なことだからです
I’m just here
I just did a pull-up and I said now
I’m putting my chest on the bar
私は 今ここにいて
ただ懸垂をして 今って言ったら
鉄棒の上に胸を置きに行く
and I’m pushing up
and that’s a muscle up
そして 押し上げると
それが マッスルアップです
11:22
practice practice
do pull-ups
practice the technique that I’m showing you
とにかく練習で
懸垂をして
私がお伝えしたテクニックを練習してください
do it at home
do it at a park
put on music
get excited
do explosive workouts
家で
公園で
音楽を聴いて
自分をわくわくさせて
爆発的なワークアウトをしてください
again this is an explosive movement
try to do it fast
try to do it powerful
and you will get that muscle up
繰り返しますが 爆発的な動きなので
素早く
パワフルにやってみてください
そうすれば マッスルアップができるでしょう
11:42
like
comment
let me know how it’s going
いいねや
コメントで
進捗状況を教えてください
I’ll give you all the tips and advice I can
good luck
できる限り コツやアドバイスをお伝えします
がんばって
› less
4. マッスルアップに必要な条件
Adam Frater さんの動画の概要欄に次の言葉があります。
If you can do 10 pullups, then you have the strength.
It’s 70% form and 30% strength.懸垂が10回できれば十分な筋力はある
70%はフォームで 30%は筋力だ
懸垂のやり方によりますが、私もダイナミックマッスルアップの条件として同感です。懸垂は、フルレンジで、1秒で瞬発的に上げるやり方です。
高校時代にクラスで筋肉キャラ扱いだった人も条件を満たしている可能性があります。その後、激痩せもせず、現在の体脂肪率が13%前後で。
クリーンマッスルアップの場合は懸垂の回数よりも高さが重要です。クリーンをやってみて、みぞおちまで上げられると可能性はあると思います。そこまでいけば、あとは技術かと。キッピングをしないために腹筋と腸腰筋も必要です。
懸垂10回に有利となるのが軽量ボディです。マッスルアップをする場合、体脂肪は重りなので可能であれば減らします。
まとめるとマッスルアップに必要な条件は次の3つです。
マッスルアップに必要な条件
- フルレンジ懸垂が10回できる筋力(ダイナミックの場合)
→ クリーンではみぞおちまで上げられる筋力 - ディップスは鉄棒で1回
- 軽量ボディ(なるべく体脂肪が少ない体)
✔︎ 技の成長を感じない練習が週2の頻度で5回続いたら筋力は不十分
(クリーンの場合は週2の頻度で3回)
条件を満たしているか(必要な筋力があるか)の判定には「技の成長を感じない練習が週2の頻度で5回続いたら不十分」と私が考えた方法があります。
「13. そしてクリーンへ」では「3回続いたら」としていますが、ダイナミックは技術要素が多いので5回としています。
なお、ディップスは鉄棒で1回できればとりあえず十分です。
軽量ボディ実現のためにもプロテインは有効です。間食しそうになったときや、食事の1時間前に飲むと食欲を抑えられます。おすすめは 巻末 にて紹介しているので参考にしてみてください。
5. マッスルアップの基本
■2022年2月12日追記
マッスルアップの基本的な動作やコツを動画にしたのでご覧ください。出演は著者本人です。
20秒ほどで確認できます。
どちらかと言うとクリーンマッスルアップ向けです。ダイナミックマッスルアップではピンク色の矢印が自分の足先に向くように鉄棒に力を加えます。
基本というかこれが全てだと思っています。細かいコツはたくさんありますが、動画で紹介している3点を意識して行えば、自然とマッスルアップに必要な体の使い方が身に付くと考えられるからです。
なお、動画では初動で体を前に振っていませんが、少し足を浮かせて振り出すとやりやすいです。足を着けて行う場合は、鉄棒の真下よりも少し前に着けるとやりやすくなります。
6. カウントテクニック(これで私はできました)
この章では、私がダイナミックマッスルアップ(膝曲げ)を習得したときの練習方法やトレーニング内容と、その際に気づいた大事なコツや注意点なども紹介します。他の章でより良い方法を紹介していますが、一例として参考にしてみてください。
Adam Frater さんにならって「カウントテクニック」としてみましたが、なんてことはない、「いちにのさん」でタイミングを取る方法です。人によってタイミングの取り方は異なると思いますが、自分なりのタイミングを見つけるためのヒントにしてみてください。
Adam Frater さんが動画の 11:04 で述べている「動きを分解するという考え方」と共通しますが、これをカウントしながら行います。
ダイナミックマッスルアップの分解とカウント
では、マッスルアップの分解とカウントの仕方を説明します。
鉄棒の高さは、鉄棒を真下から握った状態で、足を着いて体を弓のようにしならせられるくらい(前章の動画の鉄棒)を想定していますが、足がつかない高さの鉄棒でも応用できます。
マッスルアップの分解とカウント
イチ:首の付け根から肩甲骨を突き出して力を溜める(弓の姿勢を作る)
ニ :力を溜めたところを起点に真後ろに飛ぶイメージで懸垂をする
イ :膝を上げて反動をつける
サン:ディップスをする
イチ:首の付け根から肩甲骨を突き出して力を溜める(弓の姿勢を作る)
イチの動作では肩甲骨をぐっと前に突き出して「弓の姿勢」を作ります。鉄棒を横から見て、鉄棒の支柱よりも体全体が前に出た状態にします。
「胸を突き出す」というと背中の筋肉を使う意識が低くなりがちだと思うので「首の付け根から肩甲骨を突き出す」としています。さらに、肩甲骨周りをストレッチさせて、腕が肩甲骨から伸びきるようにします。
鉄棒に足がついていない状態で行う場合は、前方に少しスイングをして体が止まった瞬間(スイングが後ろ向きになる直前)に背中の反りが最大になるようにします。肩甲骨を突き出すだけでなく、腰から両足にかけても反る(全身を反る)とやりやすいと思います。エビ反りの感じで。
ポイントは、肩甲骨を突き出した状態で首の付け根から肩甲骨の内側を中心に力を溜める感じでストレッチすることです。力を溜める感覚が分かりにくい場合は、突き出した状態でストレッチされる感覚があれば十分です。
かめはめ波で言うと「かめはめ」でエネルギーが大きくなっていくところです。
肩甲骨を突き出すと、自然と脇の下が大きく開く形になります。肘はやや正面に向けると無理のない動作ができるでしょう。
このイチの動作のみをウォームアップとして行うのもおすすめです。
ニ:力を溜めたところから真後ろに飛ぶイメージで懸垂をする
ニイでは、ニとイに分割します。ニでは、イチで溜めた力を一気に解放するように懸垂をします。かめはめ波で言うと「はー」のところです。懸垂をすると言っても肘はやや正面に向けて、縦の意識で腕を振り下ろすように、鉄棒と膝(または足先)を近づけるように引きます。
肘を曲げようとすると腕の力で上がろうとしてしまうので、背中の筋肉を使うために腕は伸ばしたままのイメージで振り下ろすのがおすすめです。肘は自然と曲がるくらいが理想的で、実際には120度くらいに曲ります。みぞおちくらいまで上がり、ディップスに移行する辺りで90度くらいに曲がるのは OK です。
このとき大事なのは下を見ることです。目線はつま先か膝です。上を見ると背中を反る姿勢になるのでスムーズに上がれなくなります。
引くときのイメージは「真後ろに飛ぶ」です。肩甲骨を中心に真後ろにジャンプするイメージで引きます。これは遠心力を得るためです。マッスルアップの軌道を Adam Frater さんは動画の 02:35 辺りで hook shape(釣り針)と例えていますが、この軌道を得るためでもあります。
また、混乱させてしまうかもしれませんが、懸垂をするときは「鉄棒に力を加える」が正解です。体に力を入れる感覚では力で上がろうとしてしまうからです。鉄棒が主体で、自分はそれに繋がった振り子のようなイメージです。
ニの動作もウォームアップとしておすすめです。
イ:膝を上げて反動をつける
二で懸垂をしたらすぐに膝を上げます。正確には二のタイミングで膝が上がり始めているかもしれませんが、イで膝が上がり切るようにします。
これは私の感覚すぎるかもしれませんが、懸垂と膝上げを同時にするとうまくいきませんでした。人によっては同時か、膝上げが先で懸垂が後の方がやりやすいかもしれません。
いずれの場合も、腰が鉄棒の支柱よりも前にある間に上げます。
膝は腰から上げるようにします。腰から上げることでより大きなスイングが得られます。「膝で顔面を蹴りにいく」か、膝を胸に近づけるようにすると感覚が分かりやすいと思います。背中はみぞおちの辺りから丸めます。
このときの目線はつま先か膝です。上を見ると遠心力にブレーキがかかる形になるのが理由です。とはいえ、膝で顔面を蹴りにいくと自然とつま先か膝を見る形になります。
ちなみに、私の場合、連続マッスルアップではニとイが逆で、先に膝を上げてから懸垂をします。鉄棒に足がついていない状態でする場合もこのようにすると良いかもしれません。なお、これも私の感覚すぎるかもしれません。
サン:ディップスをする
サンではディップスをするだけなのでタイミングはありません。数える必要もありません。ディップスができる位置に体が来たら上げるだけです。
このとき、イチとニイで作った勢いが十分にあると下半身が後ろへ吹っ飛んでいく感覚があるので、この勢いが遠心力で上向きに変わったタイミングでディップスをすると、ほとんど体を押し上げる必要はなくなります。腕をスッと伸ばすくらいの力で上がります。
ちなみに、私はディップスが嫌いで全くしていませんでした。手首が痛くなるのが嫌でした。痛くなる理由は手首が固かったからと体重を支えるための筋力が不足していたからだったと思います。
Adam Frater さんもディップスはそんなに重要じゃないみたいに言ってます。そのため、鉄棒でのディップスが1回できれば十分だと思います。
動画で確認
これまでに説明したマッスルアップの分解を踏まえてこちらの動画をご覧ください。
後半でより大きく振りや反動を使っています。
演者は筆者本人です。振りや反動をこれでもかと使った連続マッスルアップの動画で、スロー再生すると動きがより分かりやすいと思います。
キッピング講座というマニアックな動画も作ってみたので合わせて参考にしてみてください。
反動をうまく使えていない気がする、という方にぴったりな内容だと思います。
私がしていたトレーニングメニュー
参考までにマッスルアップ習得のために私がしていたトレーニングメニューを紹介します。他の章でより効果的で効率的な方法を紹介していますが、中長期的にのんびりと習得できたらいい、という方には参考になると思います。ご自身の生活習慣や体調などに合わせてアレンジしてみてください。
マッスルアップ習得のために私がしていたのは以下の3つです。
私がしていたマッスルアップのためのメニュー
- 肩甲骨懸垂
→ まずは握力だけでぶら下がる (肩甲骨周りを脱力)
→ 5~10レップを1セット - マッスルアップチャレンジ
→ 実際にはカウントテクニックのイチからニイの動作
→「これ以上やっても今日は良い練習ができない」と感じるくらい - 筋肥大向けの懸垂
→ 限界まで2セット
※頻度は週1。成長はしづらい。
他の筋トレはしておらず、トレーニング自体がこれだけでした。頻度と筋肥大向けの懸垂のセット数は非効率ですが、当時は体調を崩しやすかったのでこのくらいが安全でした。
トレーニングの順番は上記の通りで、まとめると[技術練習 → 筋肥大]です。懸垂を先にやると疲れてマッスルアップの練習をまともにできないので、当然のようにこの順でトレーニングしていました。
懸垂での限界の感じ方は人それぞれですが、「もうまともに上がらない、懸垂のリズムが維持できない」と感じてから2レップはきちんとできなくてもやっていたように記憶しています。
「怪我のリスクがあるから限界までやらない方がいい」という考えもありますが、懸垂では怪我はしませんでした。頻度が週1だったのと、筋トレ自体もまだ初心者で心理的限界と肉体的限界の差が大きかったのが怪我をしなかった理由かもしれません。懸垂のやり方も調べた上でしていましたし。
なお、筋肉がモリモリするようになってからは「上がらなくなはいけどまともに効かせられない」と感じたら限界としています。そこで上げると関節が気になるし、その分を温存して次のセットで効かせればいいという考えです。
インターバル
インターバルはマッスルアップ練習も筋肥大向けの懸垂も行けると感じるまでとしていたのでアバウトですが3分くらいだったと思います。
マッスルアップチャレンジでは1回やる毎に5分くらい休憩していたこともあると思います。1回毎に筋肉に疲労を感じていたので休憩しながら動作のイメージをしていました。イメトレに時間をかけたので必要以上に休憩していた気もしましたが、このイメトレも習得に繋がったと思っています。
ちなみに、筋トレのインターバルは5分がいいようです。筋肉のエネルギーが回復するのにこのくらいの時間が平均してかかるようです。筋トレのインターバルを短くすると回復力が上がるとの説もあるようなので短くするのもいいと思いますが、技術練習では回復しないといい練習はできないのでしっかりと回復した方がいいと思います。
週当たりの頻度
頻度は週1でした。週2にすると体調を崩していたのが理由です。しかし、プロテインを摂るようになってからは週2以上でも体調を崩さなくなり、筋肉もつきやすくなりました。2年半くらいプロテインなしだったのでもっと早く摂っていればと思ってしまいます。(おすすめプロテインは 巻末 にて)
当時の体調でも、マッスルアップチャレンジを週3、筋肥大向けの懸垂は別の日に週1、などとしていればより早く習得できたかもしれません。
筋トレ初心者で体調に問題がなければ、筋肥大向けの懸垂は週2、マッスルアップチャレンジは週3がより早く習得するなら理想かなと思います。肩甲骨懸垂は毎回。
懸垂のやり方
懸垂の手幅は無理がないと感じる範囲でなるべく広く、できるだけ背中を反り、1秒で上げる、1秒静止、4秒かけて下ろす、下ろしたら肩甲骨のバネを使って上げる、というやり方でしていました。
懸垂の手幅はマッスルアップと同じにした方が理にかなっていると思いますが、私は背中の筋肉を鍛えるために懸垂を始めたので自分の目的を優先しました。(これは私の情報不足と勘違いで、マッスルアップと同じ手幅でも主な効く部位が違うだけで十分に背中の筋肉を鍛えられます)
小指側で鉄棒にぶら下がる(力を加える)ようにもしていました。こうすると背中に刺激が入りやすいのが理由です。(2023年時点では親指側と小指側で均等にぶら下がるようにしています。安定感があるので)
ちなみに、限界までの回数を3セットやる場合と、限界の6割の回数で5セットやる場合で、筋力の増加が同程度だったという研究結果があるようです。10回が限界なら6回を5セットです。回数(総ボリューム)が同じなのが興味深いです。
1度に5セットやるのではなく、朝昼晩のように1日のうちで分割して行っても良いとのことでした。フランスの哲学者デカルトの言葉、「困難は分割せよ」は筋力アップにも言えるようです。限界までがキツい場合は試してみてください。なお、この方法は筋肥大としては非効率なようです。
筋肥大向けの懸垂は以下のやり方がおすすめです。
- 筋肥大向けの懸垂のやり方
- 1秒で上げる (一瞬で上げる)
- 上げたまま1秒キープ
- 4秒かけて下ろす (キツければ2秒でもいい)
✔︎ 難しい場合は2秒で上げて2秒かけて下す
✔︎ 胸を突き出して、できるだけ背中を反る
(動作中は終始この姿勢をキープする)
✔︎ 上げるときに肩甲骨懸垂をバネのように入れる
✔︎ 強度:8レップで限界になるようネガティブで調節
✔︎ レップ:8目安で限界まで
(限界=懸垂のリズムが維持できなくなってから+2回)
✔︎ セット:3〜5
(トレーニング内容と頻度や回復度合によって調節)
✔︎ 頻度:週2
筋肥大向けの懸垂の詳細は「8. 基礎トレーニング」を参考にしてください。
注意点(怪我防止策)
人間の体の構造上なのか、鉄棒を胸くらいの高さで掴むと力を加えにくくなります。その位置では懸垂のように引くのもディップスのように押すのもやりにくく、両者を同時にすることもできません。筋トレ上級者や元々押したり引いたりの駆け引きが得意な人はできるのかもしれませんが私はできません。
懸垂とディップスの中間を行えない体の構造がマッスルアップの難しさの要因だと思います。そこで私はこの引くのも押すのもやりにくい位置を「ディップスライン」と呼んでいます。この記事では以下そう呼びますので、お付き合いくださいますようお願いします。
いかにしてこのディップスラインを越えるかなのですが、練習をして越えるか越えないかくらいになってくると注意が必要です。
無理に押しにいくと肩や肘を痛めるからです。無理な体勢で力を入れてしまうからですね。私は幸い軽症でしたが何度かやってしまいました。無理をしてしまうのは、懸垂と反動でディップスラインを十分に越えられていないということです。少しでも無理だと思ったら潔く諦めましょう。それが怪我を防ぐ最善策です。
また、怪我は「あと少しでできる」というときにしやすいです。あと少しなのでついつい無理をしてしまって怪我をする、というパターンを私も何度かやらかしました。筋トレ界では「調子がいいのは怪我する前兆」という言葉もあるくらいなので、あと少しでできると思ったらその日の練習はやめるのが無難です。
その他のコツなど
手首の返しは意識しなくていいかも
マッスルアップでは懸垂動作からディップス動作に移行する際の手首の返しが重要だと言われます。とはいえ、私はずっと手のひらを少し巻き込む形で鉄棒を握って練習していたのもあってか手首の返しは全く意識していませんでした。
この形ではディップスのときの手の角度(手の甲が水平くらい)に近くなるので自然と手首を返しやすくなっていたのもあるかもしれませんが、それよりは懸垂の勢いで勝手に返っていたのだと思います。
なお、このような握り方をフォルスグリップと言う人もいます。実際のフォルスグリップは掌底や手首を鉄棒に置くもので握っていないので、マッスルアップをこの握り方で行うと非常に危険です。
muscle memory (体が覚える)
体が覚えることを英語では muscle memory と言います。ストリートワークアウトの技のチュートリアル動画で「練習をすればするほど筋肉が動きを覚えて、無意識でも体が自然に動くようになる」といった文脈で使われます。なお、「体で覚える」だと合わない感じがして「体が」としています。
「練習をすればするほど、その動きをするための運動神経が発達する」とも読み取れます。「やればできる」というか「やっていればできるようになっていく」というメッセージも含まれていると私は解釈しています。(日本の YouTuber はよく「神経系を鍛える」という言い方をしています)
ただし、「やればできる」はあくまで「正しくトレーニングすれば」です。間違った方法ではいくらやってもできません。
やっている間も楽しいです。できてしまうとちょっぴり寂しいですが、さらに楽しくなりますよ。
なお、muscle memory は「筋トレを休んで筋肉 (筋力) が落ちても再び筋トレを始めると筋肉がつきやすい、トレーニング経験がある人は短期間で戻りやすい」という意味でも使われるようです。
7. 最も重要な3要素
■2021年10月10日追記
私はマッスルアップができるようになってからも「より効率的な反動を使った方法はないか」と試したり、YouTube で練習中の人の動画を見て研究したりしていました。
マッスルアップの重要な要素はいくつもありますが「3つにしろ」と言われたら以下を挙げます。
マッスルアップの最も重要な3要素
- 弓の姿勢 (肩甲骨の突き出し)
- 腕の振り下ろし
- ホローボディ
✔︎ 肩甲骨懸垂も加えたい
肩甲骨懸垂はマッスルアップだけでなくカリステニクスの手を使う技の全てで重要なので、ここでは除外しました。理由は「9. 肩甲骨懸垂をしてください」を参照ください。
① の「弓の姿勢」については前述したのでここでの解説は省きます。
② 腕の振り下ろし
マッスルアップの懸垂動作は、腕を曲げようとするのではなく、伸ばしたままのつもりで振り下ろすとうまくいきやすいです。理由は背中の筋肉を使えるからです。
腕は自然に曲がるくらいでちょうど良くなります。腕の角度は、ダイナミックでは120度くらい、クリーンでは90度くらいになります。どちらも腕を曲げ切ると軌道が確保できなくなって上がれないか、上がれてもぎこちないフォームになると思います。
なお、ダイナミックでもみぞおちくらいまで上がり、ディップスに移行する辺りで90度くらいに曲がるのは OK です。
腕の振り下ろしが大事な理由は3つあります。
腕の振り下ろしが大事な理由
- 背中の力が使える
- 鉄棒と胸の間が広くなる
- 遠心力を利用できる
腕の筋力(腕を曲げる力)は背中の筋力(腕を振り下ろす力)よりも弱いので、腕の力をメインにマッスルアップをやるのは大変です。
練習中の人の動画を見ると、多くの人が体が上がり切る前に腕を90度以上曲げてしまっています。懸垂や足の振り上げで上昇する力が十分に得られていない、ディップスに移行するタイミングが早い、といった原因が考えられますが、このようにすると背中の力を使いづらくなります(主に腕の力を使ってしまう)。しかも、鉄棒と胸の間が狭くなって軌道が確保できなくなり、遠心力が失われてしまいます。
鉄棒と胸が近づくと遠心力にブレーキがかかるだけでなく、体がつっかえてしまいディップスへの移行が困難にもなります。
つまり、腕の振り下ろしが大事な理由は、背中の力と遠心力を効率よく使ってスムーズにマッスルアップを行えるからです。
③ ホローボディ
実は、私はホローボディを全く意識することなくできるようになりましたし(背中を丸める意識はしていたので、していたとも言える)、この章の追記時点で気づいたことでもあるので重要ではないかもしれませんが、マッスルアップにおいてあまり語られていない印象があるので紹介します。
重要とした理由は以下です。
ホローボディが重要な理由
- 鉄棒と胸の間が広くなる
(背中を反ると上がれない) - ホローボディを作る力が鉄棒に伝わって上がる力となる
- クリーンマッスルアップに有効
ホローボディはみぞおちから上の背中を丸めた姿勢のことです。懸垂で腕を振り下ろし始めたらすぐにこの形を作ります。イメージとしてはバレーボールのブロックです。スパイクを相手のコートに叩き落とすように、スパイクの勢いに負けないように体をガッチリと固める感じです。🏐🙌
ホローボディは主に腹筋上部を使って体を丸めて作りますが、このときの腹筋の力が鉄棒に伝わると推進力になります。ホローボディで発生する推進力はわずかかもしれませんが、あとちょっとで上がれない場合には決め手になるかもしれません。
とはいえ、難しくもあると思うので「鉄棒を引いたらすぐに背中を丸める」くらいでも十分だと考えています。
また、クリーンマッスルアップでは直線的な軌道なので鉄棒と胸の間隔が狭くなりますが、ホローボディを作ると少し広くなります。この間隔は僅かでも上がりやすさは大きく違うはずですし、「ホローボディを作る」と意識するとクリーンマッスルアップの練習中にキッピング癖が出にくくなると思うので試してみてください。
8. 基礎トレーニング
マッスルアップに必要な筋肉を鍛えるための基礎トレーニングを紹介します。マッスルアップ習得のためだけでなく、習得してからのレベルアップにも効果的です。
おすすめの基礎トレは次の7つです。
- 背中にしっかり効かせる筋肥大向けの懸垂
- 肩甲骨懸垂
- スキンザキャット(前半)
- 伸肘懸垂&肘曲げ懸垂
- 反動懸垂(学校の懸垂)
- レッグレイズ
- ゴム引き (筋トレ初心者にもおすすめ)
1は筋肥大や筋力アップを目的とし、他は技術練習や身体能力向上を目的としています。6は筋肥大を目的にもできます。
技術練習の種目は全てやる必要はありません。足りないと感じたものを取り入れてください。
それでは1つずつ紹介します。
① 背中にしっかり効かせる筋肥大向けの懸垂
技術練習をいくら重ねてもマッスルアップのための筋力が不十分であれば成功することはありません。筋力は筋肥大に比例するように上がるので、成功を確実にするには筋肥大トレーニングが必須です。
懸垂はマッスルアップに近い形で行うと技術練習としては効果的ですが、それでは背中の筋肥大としては不十分だと私は考えています。背筋を全面的に鍛えにくいのが理由です。
筋肥大には「背中にしっかり効かせる筋肥大向けの懸垂」がおすすめです。
- 筋肥大向けの懸垂のやり方
- 1秒で上げる (一瞬で上げる)
- 上げたまま1秒キープ
- 4秒かけて下ろす (キツければ2秒でもいい)
✔︎ 難しい場合は2秒で上げて2秒かけて下す
✔︎ 胸を突き出して、できるだけ背中を反る
(動作中は終始この姿勢をキープする)
✔︎ 上げるときに肩甲骨懸垂をバネのように入れる
✔︎ 強度:8レップで限界になるようネガティブで調節
✔︎ レップ:8目安で限界まで
(限界=懸垂のリズムが維持できなくなってから+2回)
✔︎ セット:3〜5
(トレーニング内容と頻度や回復度合によって調節)
✔︎ 頻度:週2
上げるときに肩甲骨懸垂を入れるのは「 SSC チンニング」という懸垂でもあるので、詳しくは検索してみてください。
懸垂で背中に効かせる方法はいくつもありますが、基本的には背中を反れば反るほど、胸を突き出せば突き出すほど背中に効きます。初めのうちは背中全体を反るのは難しいので、胸の突き出しを特に意識して背中を反るのをおすすめします。
ポイントは、引き上げる前に胸を中心に背中を反った形を作っておくことです。懸垂の動作中は終始この形を崩さないようにします。レップの後半は姿勢の維持が難しくなってくると思いますが、多少崩れてもかまいません。最初の3レップは鉄棒がちぎれても崩さない意識でがんばってください(4レップ以降もなるべく崩さないように)。
「限界」の目安は難しいですが、懸垂自体が初心者の方はぶら下がって休まないとできなくなってから+2回が目安です。ジャンプして上げてもかまいません。
「懸垂のリズム」は音楽に合わせると取りやすいです(1レップ4カウント)。懸垂に慣れてくると限界はリズムに遅れだしてから+2回が目安です。なお、私は「上がらなくはないがまともに効かない」を限界の目安としていますが(音楽なし)、これは効かせるのに慣れてからがおすすめです。
クリーンでもダイナミックでも、習得するまではこの懸垂を行なってください。マッスルアップチャレンジを5回程度したあとや「これ以上してもいい練習はできない」と感じたあとにこの懸垂でトレーニングを締めるのがおすすめです。
懸垂ができない場合は?
「そもそも懸垂8回できない…」という場合は斜め懸垂にしてください。斜め懸垂の強度は体を水平に近づけるほど高くなるので調節しやすいと思います。斜め懸垂は低鉄棒やディップスバーでもできますが、アーチ型のうんていの方がやりやすいので、公園などにあればお試しください。
また、レジスタンスバンドを使った懸垂もおすすめです。強度の調節もしやすいし、懸垂と同じ動作でできるメリットがあります。
② 肩甲骨懸垂
肩甲骨懸垂ができないとマッスルアップ成功は非常に困難になります。ウォームアップとして毎回必ず行ってください。
肩甲骨懸垂の重要性とやり方は次章「9. 肩甲骨懸垂をしてください」で詳しく紹介しているのでそちらを参考にしてください。
③ スキンザキャット(前半)
スキンザキャットの前半動作はマッスルアップの懸垂部分と似ているので、マッスルアップで使う筋肉に刺激を入れることができます。
膝曲げのダイナミックではちょうどこの動画のサムネ真ん中のような姿勢になります。実際には脇の下の角度がもっと狭くなるし、前に大きく振り出すと上半身は水平に近くなります。
頻度と量は、トレーニングの度にフルで1回、前半動作のみ3回行うくらいが良いでしょう。前半動作は鉄棒に足を通すところまでです。やるタイミングは肩甲骨懸垂のあとです。
なお、後半動作は膝を曲げると楽になります。
④ 伸肘懸垂&肘曲げ懸垂
「伸肘懸垂」と「肘曲げ懸垂」は私が名付けたので正しい名称は分かりませんが、どちらも強めの筋力を必要とするのでマッスルアップを強化したい人やクリーンを目指す人向けのエクササイズです。ダイナミック目標で筋力が足りない場合はレジスタンスバンドで補助をするとできると思います。
これまでに述べたように、マッスルアップの懸垂動作は、意識としては腕を伸ばしたまま振り下ろすのが正解です。肘はそれに連動して自然と曲がる感じです。腕を振り下ろす動作では背中の筋肉を使いますが、肘を曲げる動作では腕の筋肉を使います。「腕を伸ばしたまま振り下ろす」が正解な理由は、背筋の方が腕の筋肉よりも圧倒的に大きな懸垂力となるからです。(軌道の確保もある)
とはいえ、腕を伸ばしたまま振り下ろす動作は意外と意識しづらいので「伸肘懸垂」と「肘曲げ懸垂」に動作を分割して「縦の意識」を鍛えます。
クリーンでは腕を伸ばしたまま振り下ろす動作はしていないように見えるかもしれませんが(いきなり肘を曲げにいくように見える)、実際には振り下ろしと肘曲げを同時に行なっています。
伸肘懸垂
まずは、腕を振り下ろす意識と体の使い方を鍛えるために伸肘懸垂をします。その名の通り、肘を伸ばしたまま懸垂をします。
こんな感じです。動画は著者本人です。
難しい場合は1回ずつ行ってください。
より反動をつけてもいいし、レジスタンスバンドを使ってもいいのでなるべく高く上げてください。胸が鉄棒と同じ高さになるくらいが理想です。
レジスタンスバンドの使い方はこちらの記事を参考にしてください。
肘曲げ懸垂
「肘曲げ懸垂」とは変な言葉ですが、伸肘懸垂の対比としてご理解ください。
腕を振り下ろす感覚が掴めてきたら、今度は肘を曲げたまま懸垂をします。肘は曲げたままですが、感覚としては伸肘懸垂と同じで、腕を振り下ろす力で体を上げます。
上腕または肘の位置だけを見れば伸肘懸垂と同じような動きをしているのが分かると思います。
腕を振り下ろすというよりは「肘を振り下ろす」イメージで行うとよいかもしれません。
ヘソの位置が鉄棒と同じかより高くなるくらいに上げるのが理想です。
なお、伸肘懸垂と同様に高く上げるために反動やレジスタンスバンドを使うのもおすすめです。
⑤ 反動懸垂(学校の懸垂)
学校の体力測定や、懸垂で追い込んだときにやりがちな反動を使った懸垂は、ダイナミックマッスルアップのキッピング動作の基礎トレーニングになります。
自然とできる方もいると思いますが、効率的な反動懸垂のやり方を紹介しておくので参考にしてください。
- 鉄棒にぶら下がって膝を曲げる
- 足を後ろに振りながら背中を反る
- 足を後ろに振った勢いで膝を前に腰まで振り上げる
- 足を振り上げる勢いが上半身に伝わってきたら懸垂する
4では足の振り上げと懸垂のタイミングを同時か、懸垂がやや遅れるとうまくいきます。この辺りは人それぞれの感覚ややりやすさがあると思うので、しっくりくる方で練習してください。同時では勢いがつきやすく(その分力を使う)、懸垂がやや遅れる方は引き上げの初動が楽だと思います。
タイミングが分かりにくい場合は、懸垂で限界まで追い込んだあとに反動を使ってみてください。自然と分かると思います。
⑥ レッグレイズ
レッグレイズはその名の通り足を上げて腹筋下部や腸腰筋を中心に鍛えるエクササイズです。やり方はいくつかあり、鉄棒にぶら下がって行うハンギングレッグレイズや、ディップスバーや並行棒に両手をついて行うもの、床に仰向けに寝て行うものがあります。
ハンギングレッグレイズは鉄棒でやると握力を奪われるので、ブランコの逆 V 字の支柱でやるのがおすすめです。このとき、背中を反った勢いを使うと良い技術練習になります。足を伸ばすときつい場合は膝を曲げて行うニーレイズをお試しください。
マッスルアップ向けとしては足をなるべく高く上げるのがおすすめです。足を高く上げようとすると腰を丸めながら上げる形になるので、マッスルアップでの反動力をより鍛えられます。
ハンギングレッグレイズはこちらの動画の最後で紹介しているのでご参考ください。
リバースクランチもおすすめ
床レッグレイズに似ていますがリバースクランチもおすすめです。リバースクランチでは足を上げるときに腰も浮かせ、膝は曲げて上げます。(この辺り詳しくないので違ったらすみません)
リバースクランチでは腰も浮かせるので、膝を曲げたキッピングでより勢いをつけられるようになります。
他にも V 字腹筋など、腹筋種目は数多くあり、情報も多いので詳しくは検索してほしいと思います。なお、マッスルアップ向けとしては腹筋下部と腸腰筋を中心に鍛えられる種目を選択してください。
腹筋を筋肥大向けにやるなら?
腹筋は筋肥大向けとする場合は1セット当たり12〜16レップ限界が目安のようですが(情報発信者によってまちまち)、動画で紹介しているものはあくまで技術練習としているので、追い込むほどやる必要はありません。
⑦ ゴム引き(筋トレ初心者にもおすすめ)
「ゴム引き」は私が自力で思いついたマッスルアップの基礎トレ方法です。ネーミングセンスは直球ですが、筋トレ初心者でも取り入れやすく、腕を伸ばしたまま引く感覚を鍛えるのに有効です。
腕の振り下ろしだけでなくホローボディも同時に鍛えられるのでおすすめです。(動画は筆者本人)
私自身もこれをウォームアップ程度にやってからマッスルアップをするといつもより軽く、勢い良く、スムーズに上がるのを実感しました。
筋トレ初心者だけでなく、すでにできる人も体の使い方を再確認できると思います。
9. 肩甲骨懸垂をしてください
■2020年6月9日追記
「マッスルアップで一番大事な体の部位はどこ?」と聞かれると私は「肩甲骨です」と答えます。理由は肩甲骨周りの筋肉の使い方が重要だからです。
人に教える機会がちょこちょこあったり、YouTube で挑戦中の人の動画を見たりするうちに気づいたのですが、特に初めてやる人は腕の力だけで上げようとする傾向があります。肩甲骨から引いていないために肩が上がるのがその証拠です。(これは懸垂の初心者にもありがち)
これでは背中の筋肉が使えず、いわゆる「バネ」も使えず、ディップスラインを超えるための力が得にくいです。試しに私も肩を上げたまま腕の力だけでやってみましたが、思いっきり反動をつけないとできないし怪我をしそうな感じもありました。
なお、追記時点でマッスルアップはできるのが当たり前で、疲れていても反動ありはできる状態です。
肩甲骨から引くためのトレーニングは肩甲骨懸垂がおすすめです。
肩甲骨懸垂のやり方
- 肩幅くらいの手幅で鉄棒にぶら下がる (腕は伸ばす)
- 肩甲骨周りの筋肉を緩めて体を落とす (握力だけでぶら下がる)
- 腕を伸ばしたまま体を上げる
✔︎ 上げる感覚が分かりにくい場合はネガティブを試す
注意1:肘を曲げないように気をつける
注意2:初めはつま先を地面につけるなどして、無理をしない
一般的な肩甲骨懸垂は上記の通りですが、体を上げた状態から肩を回旋させるとより体を上げることができます。こうするとマッスルアップの動作に近づくのでより効果的です。
初めのうちは ② のときに意外と肩甲骨周りに力が入ってしまうと思うので、しっかりと脱力してストレッチしてください。
③ も初めのうちは肩甲骨が動いている感覚があまりないかもしれませんが、腕が真っ直ぐなままで体が上下していれば肩甲骨が動いている証拠です。トレーニングのたびに続けていると肩甲骨を意識して動かせるようになりますし、可動域が広がってより大きく動かせるようにもなります。
上げる感覚が分かりにくい場合はネガティブを試してみてください。両腕でバンザイをして肩を下げた状態で鉄棒にぶら下がり、そこからゆっくりと力を抜きます。肩甲骨の動きを感じながら行ってください。
肩甲骨懸垂はシンプルで地味ですが、初めてやると意外と数回でキツくなると思います。5回から10回を目安に気の済むまで行います。ウォームアップにも取り入れてみてください。
手幅を広くしたり狭くしたり、逆手で行うのも可動域を広げ柔軟性を高めるのに有効なので合わせて行うことをおすすめします。
肩甲骨懸垂はヒューマンフラッグやフロントレバーのためのエクササイズとしても有効です。
一般的な懸垂のボトムポジション(引き上げる直前)に肩甲骨懸垂を入れるのもおすすめです。
肩甲骨を「上げる」ストレッチもおすすめ
先ほど紹介した肩甲骨懸垂では肩甲骨を引いて下げますが、反対に肩甲骨を上げるストレッチも可動域を広げるのにおすすめです。
鉄棒にぶら下がって体を落とした状態から胸を含む(みぞおちから体を丸める)と肩甲骨をよりストレッチできます。なるべく腹筋に力を入れないようにするのがコツで、肩甲骨の下にストレッチ感があれば成功です。
注意
脱臼しやすい人は無理をせず、つま先を地面につけるなどしてできる範囲で行うか、外れたときに入れてくれる人がいない場合はおやめください。
上位版
肩甲骨懸垂と言えるかどうかは分かりませんが上位版のようなエクササイズがあるので紹介します。マッスルアップの基礎トレとしてもおすすめです。
フロントレバー講座ですがこちらの動画の3:40から紹介されています。(肩甲骨懸垂も)
ブリッジのような姿勢になるので私は「ブリッジ懸垂」と呼んでいます。
首がニョキっと後ろに伸びる感覚があり、喋れなくなったら成功です。オズワルドさんは喋ってますが。。横隔膜のストレッチとしてもおすすめです。
「肩甲骨だけでこれ以上引けない」というところから3倍引きます。このとき私には肩甲骨が背中にめり込む感覚があります。さらに、そこからは背中の筋肉で上げます。このときの脇の背中側の力の入れ方や肩の動きがマッスルアップの懸垂動作と似ています。
動画ではホールドしていますが、マッスルアップの基礎トレとしては肩甲骨で引ける範囲で上げ下げするくらいで十分でしょう。
ちなみに、この動画を翻訳して私なりのフロントレバーのやり方と合わせて紹介しています。
10. 正しい腕の引き方
■2021年6月10日追記
前章で述べた肩甲骨の使い方もそうですが、マッスルアップにおける「腕の引き方」も詳しく紹介されていない印象があります。腕の引き方も肩甲骨の使い方と同じく重要です。
ここで紹介する腕の引き方は頭で考えたものではなく、日常的にマッスルアップを行ううちに自然と身に付いたものなので「正しい腕の引き方」としています。
動きの無駄が少ないと感じるので「省エネマッスルアップ」と言えるでしょう。初心者にもおすすめです。
効率が悪い腕の引き方
マッスルアップの練習を始めたばかりの多くの人(できない人)は、鉄棒と胸を近づけるように腕を引いている印象があります。しかし、この腕の引き方では胸と鉄棒が近づいたところで体がつかえてブレーキがかかってしまうので反動と筋力で作った勢いが失われてしまいます。
このブレーキを突破できるだけの反動と筋力と技術があればこのやり方でもできるかもしれませんが、非効率であるだけでなく肩や肘の怪我のリスクが上がります。さらに、ぎこちない感じがあるので見た目はかっこよくないと思います。
こうなる原因は腕の力で上げようとするからです。ここで言う腕の力とは肘を曲げる力のことです。これは背中の力を使えていないことが原因です。
正しく効率が良い腕の引き方
マッスルアップにおける正しい腕の引き方は「鉄棒と股関節を近づける」と「腕を伸ばす」です。
「鉄棒と股関節を近づける」のが正しい理由は「最短距離」だからです。マッスルアップで鉄棒に上がると鉄棒と股関節がくっついた姿勢になります。つまり、鉄棒と股関節を最短距離で近づけると最も少ない動作で無駄に筋力を使うことなくマッスルアップができます。
一方、鉄棒と胸を近づけると、距離は[鉄棒と胸の距離+胸と股関節の距離]となります。距離が長くなる分多くの筋力が必要になりますし、先ほど述べたように失われる勢いを反動と筋力と技術で補う必要もあるため非効率です。
なお、「鉄棒と股関節を近づける」軌道は2種類あると考えています。鉄棒の「真横」または「真下」と股関節を近づける軌道です。微妙な違いですが、反動を大きくして行う場合は「鉄棒の真下と股関節を近づける軌道」の方がやりやすいと思います。
追記:「鉄棒と足先を近づける」方がいいかも
鉄棒と股関節を近づけるよりも「鉄棒と足先を近づける」方が効率がいいと感じるようになりました。結果的には鉄棒と股関節を近づけているのですが、足先を的として鉄棒に力を加えるとよりスムーズに上がれる感じがします。
イメージはこちらの動画です。
サムネでも分かると思います。ボールを蹴るイメージにしていますが、矢印を逆向きにすると鉄棒に力を加える形になります。
「鉄棒と足先を近づける」とすると鉄棒に加える力とボールを蹴る力(イメージ)の両方を意識しやすいので、より筋力を効率良く使えるし、無駄な動きもなくなると考えられます。
腕を伸ばしたまま引く理由
マッスルアップでは主に背中の筋肉を使って体を引き上げます。背中の筋肉は腕を振り下ろす動作で使いますが、腕を曲げる意識をすると腕の筋肉を使ってしまうので背中の筋肉が使いづらくなってしまいます。これがマッスルアップで腕を伸ばしたまま引く理由です。
実際にはダイナミックで120度くらい、クリーンで90度くらいに曲がりますが、意識としては「腕を伸ばしたまま振り下ろす」がちょうどいいと思います。
また、腕を曲げると「効率が悪い腕の引き方」で述べたように鉄棒と胸が近づきすぎてブレーキがかかるという理由もあります。
「最短距離」を実現すると
正しく腕を引くとダイナミックマッスルアップでは懸垂の途中で上半身がほぼ水平になります。私は真後ろに飛ぶように引くことをおすすめしていますが、懸垂の途中では上半身がほぼ水平になるタイミングで鉄棒と股関節を最も近づきます。
一瞬、フロントレバー(膝を曲げるとタックフロントレバー)のような姿勢になりますが、より鉄棒と股関節を近づけるのが理想です。膝を曲げるキッピングでは、太ももが半分くらい鉄棒よりも上に出るくらいにします。
少し大げさに書きましたが、ここまでではなくてもマッスルアップはできます。また、このやり方ではディップスをしなくても、というか、する間もなくマッスルアップできちゃいます。
■2021年10月26日追記
腕を伸ばしたままのマッスルアップをやってみました。動画で確認すると横から見て L のような姿勢で鉄棒と股関節が近づいています。
クリーンも最短距離で
クリーンマッスルアップにおいても「鉄棒と股関節を近づける」という考え方は同様です。腕の力も必要なので肘は曲げますが、なるべく背中の力、腕の振り下ろしで引くのがコツだと考えています。
追記:「鉄棒と足先を近づける」方がいいかも。
11. サムレスグリップの功罪
サムレスグリップでのマッスルアップは絶対やめましょう
マッスルアップをサムレスグリップで練習している人がいましたら「やめといた方がいいですよ」というか「絶対にやめましょう」という話です。
YouTube のとあるマッスルアップ講座動画を見てしまったせいで、私はマッスルアップをサムレスグリップで練習していました。
サムレスグリップは鉄棒の上に親指を引っ掛ける握り方です。一方、親指を鉄棒の下から回してロックするような握り方はサムアラウンドグリップと言います。こちらは前回りや逆上がりをするときの握り方ですね。
私は手首が柔らかくはなかったのでフォルスグリップをサムアラウンドにすると握りにくく、サムレスの方が握りやすかったのもありました。(鉄棒の高さの影響もあったかも)
サムレスグリップの危険性
サムレスグリップでマッスルアップをすると危険です。親指でロックされていないので、手が滑って鉄棒に胸をぶつけることになりえるからです。私は何度かやりました。利き手でない左手が離れました。
胸なのでアザにはなりやすいものの日常生活やマッスルアップの練習に支障がなかったのが幸いでしたが、鎖骨やアゴだったらやばかったですね。
考えてみれば手が離れやすのは当然で、前回りや逆上がりをサムレスでやるようなものです。
ポジティブに考えれば胸をぶつけるくらい体を上げられるようになったので成長の証ですが、やはり怪我によっては練習そのものができなくなるのでリスクは減らして損はしません。
ちなみに、この記事を執筆中はクロスグリップのマッスルアップをやり過ぎたことによる手首の怪我がなかなか治らずやりたい技の練習ができずもどかしいです。
結局、連続マッスルアップをするくらいになってさすがにヤバいと思ってサムアラウンドを取り入れると意外と自然に癖づきました。なお、サムアラウンドで連続マッスルアップをしていて人差し指と親指の股 (?) の皮が伸ばされてズル剥けたことはあります。
12. 連続マッスルアップへの道
この章では連続マッスルアップのやり方と成功のための筋トレ方法を紹介します。
① まずは恐怖心をなくして連続の準備をする
② 連続マッスルアップのやり方
③ 連続のためのおすすめ筋トレ方法
① まずは恐怖心をなくして連続の準備をする
私が初めて単発のマッスルアップができたときの感想は「うわっ、できた、やった、高っ、怖っ、どうやって下りよう」でした。ディップスをほとんどせずに懸垂と反動の勢いだけで上がったので、いきなり目線が変わってびっくりしました。それまで高鉄棒に上がったこともなかったので。景色はよかったです。ちなみに、前回りをしながら下りると楽です。
なぜこの話をしたかと言いますと、この恐怖心があるうちは連続マッスルアップをするための準備が肉体的にも精神的にもできていないという目安になると思ったからです。
私が怖いと感じたのは、このまま連続マッスルアップをするような動作で下りると腕がもげるイメージが浮かんだからです。肩甲骨のあたりからちぎれると。
鉄棒から下りるときの筋力が圧倒的に足りないと感じましたし、それまで高鉄棒から下りる動作もしたことがなく、下り方や体をコントロールするための動作も全くイメージしていなかったので当然です。
このことから恐怖心をなくすなら「鉄棒から下りるときの衝撃に耐えられる筋力」と「その衝撃を和らげる体の使い方」の2つが必要だと考えました。この2つがあれば連続マッスルアップのための準備は肉体的にも精神的にも完了したと言えるでしょう。
私は単発のマッスルアップができてから連続でできるまでに3ヶ月くらいかかりました。かかりすぎかもしれませんが、やっていればできるようになりました。恐怖心は当初ほどはなくなりましたが、連続でできだしてからもしばらくは少しあったと記憶しています。
② 連続マッスルアップのやり方
私の場合、連続マッスルアップの「上り」は、基本的にはカウントテクニックと同様にすれば OK でした。問題なのは「下り」で、上りのための形を作るのが難しかったです。
それでは、連続でするためのコツをカウントテクニックをおさらいしながら順に説明します。
下り動作は「ゼロ」としています。
カウントテクニックおさらい+下りマッスルアップ
イチ:首の付け根から肩甲骨を突き出して力を溜める(胸を突き出す)
ニ:力を溜めたところが真後ろに飛ぶ感覚で懸垂をする
イ:膝を上げて反動をつける
サン:ディップスをする
ゼロ:鉄棒から下りてイチに向かう
「イチ」では鉄棒から下りてきたときの負荷が背中や腕にかかるので、体重をコントロールしながらしっかりと突き出すようにします。これさえできれば連続マッスルアップはできたも同然ですが、言い換えればここが一番難しいと思います。
「ニイ」では先程も述べたように、私は連続マッスルアップではニとイが逆になります。意識してそうしたというよりは、やっているうちに自然とそうなった感じです。
「サン」では鉄棒から下りる動作へつなぐために、下半身をコントロールします。ディップスで鉄棒を押して腕を伸ばしたときに、後方に飛んで行った下半身の遠心力の向きが前向きに変わり、鉄棒の前へ下半身が振られますが、これらの勢いをなるべくころさないようにします。この辺りの動作はカウントしにくいというか、字足らずなので、体の動きや遠心力の変化を感じながら行うと良いと思います。
「ゼロ」では、サンで前に振られた下半身を勢いよく後ろへ振り、後方にジャンプし、弧を描くように鉄棒から下りていきます。ここで注意すべきなのが、下りからイチの懸垂をするまで肘を軽く曲げたままにすることです。肘や肩を痛めてしまうかもしれないのが理由です。伸ばした方がきれいですが、怪我につながりやすいので肘を伸ばすのは慣れてからがおすすめです。
Point 1:弧の描き方(クリーンでも初めは大きめで)
先ほど述べた弧はダイナミックの場合です。なるべく大きく弧を描くようにすると下り切ったときの衝撃を和らげられます。クリーンでは大きくするとクリーン感がなくなりますが、初めのうちは大きめで慣れることをおすすめします。
Point 2:単発の逆再生をイメージする
私が連続マッスルアップの練習で意識していたのは、単発の逆再生です。ゼロからイチへ向かう動作は未知でしたが、動き自体は単発を逆再生したものと同じと考えました。
連続マッスルアップをしている動画を探したり、動画編集ソフト(リンク先はおすすめ)をお持ちでしたら自分の単発マッスルアップを撮影してスローの逆再生で見ると良いかもしれません。
③ 連続のためのおすすめ筋トレ方法
連続マッスルアップでは鉄棒から下りるときの体のコントロールが重要ですが、そのための筋力と技術が十分でないと難しいです。
この筋力と技術を鍛えるトレーニングとして「ネガティブスローマッスルアップ」をおすすめします。
ディップスの上げた状態からゆっくりと下りていく動作なのでマッスルアップの実際の動きや軌道とは異なりますが、鉄棒から下りるときに使う筋肉が鍛えられますし、ゆっくり下りることで体をコントロールする技術が身につくのでおすすめです。
こちらのスローマッスルアップのチュートリアル動画の 01:32 からネガティブが紹介されています。
SLOW MUSCLE UP – WITH 4 EASY EXERCISES
かなりきついトレーニングなので、はじめは負荷を軽くするために鉄棒に胸を乗せながらやってみてください。レジスタンスバンドを足裏に引っ掛けてやるのもおすすめです。
ディップスから懸垂に移行するところでガクッと落ちてしまう場合は、手首を固めるように力を入れると耐えられるはずです。手首も強くなりますよ。
特に上腕三頭筋(二の腕)へ負荷がかかるので、慣れるまではやり過ぎるとしばらくつらいです。
マッスルアップ練習の最後に、1回か2回行うくらいがちょうど良いと思います。
なお、「ネガティブスローマッスルアップ」なのか「スローネガティブマッスルアップ」なのか語順が気になったので動画を探すとどちらも見つかりました。上記の動画での語順を採用しました。
13. そしてクリーンへ
ダイナミックマッスルアップを習得すると「次はクリーンだ」と一気に進みたくなると思います。
しかし、まずはそのための筋肉量が「十分な場合」と「不十分な場合」でアプローチの仕方が異なることを理解しましょう。それぞれ紹介するので自分に合った方を選択してください。
特に、筋肉量が不十分な場合に、筋肉量が十分な場合のアプローチをすると上達が悲劇的に遅くなるか、疲れるだけの無駄な運動(苦行)になるかもしれないので注意してください。
- 技の成長が止まったら筋肉量は不十分
- 筋肉量が不十分な場合 → 筋肥大メイン
- 筋肉量が十分な場合 → 技術練習メイン
この章ではクリーンマッスルアップ習得のために以下の項目で紹介します。
① 筋肉量が十分かどうかの判定方法
② 筋肉量が不十分な場合のアプローチ
③ 筋肉量が十分な場合のアプローチ
ダイナミック習得済みの場合を想定していますが、いきなりクリーンを目指す方にも参考にしていただける内容です。
筋力について理解しておくと内容が分かりやすいので下記の点を頭に入れた上でお読みください。
筋力の定義や解釈はいくつかあると思いますが、ここでは「筋肉の出力」としています。
筋力は筋肉量に比例しますが、筋肉量が同じままでも筋力アップは可能です。トレーニングによって筋力は80%くらいまで出力できるようになると言われています。ちなみに、電気ショックを与えると100%出力されます。
なお、筋肉量が同じままでは筋力アップは頭打ちになります。こうなると、筋力アップには筋肥大が必要となります。
① 筋肉量が十分かどうかの判定方法
技術よりも筋力に依存するクリーンマッスルアップでは、成功のための筋肉量が十分かどうかの判定は意外としやすいと思います。
マッスルアップのようなダイナミック技だけでなく、プランシェやフロントレバーのようなスタティック技にも当てはまる判定方法だと思うのでご活用ください。
- 技の成長を感じない練習が3回続く(週2〜3の頻度で)
- 「振り出しの大きさ、足の振り上げ、膝の曲がり」をチェック
クリーンマッスルアップのための筋力が十分にあるかどうかは、技の成長具合で判定できます。技が成長しなくなったら筋肉量は不十分です。
技が成長していない証拠には「振り出しを大きくしてしまう、足を振り上げてしまう、膝が曲がってしまう」があります。クリーン挑戦レベルになると主観でも分かると思いますが、動画を真横アングルで撮って確認するのも有効です。意外と「思ってたのと違う (反動使ってる) 」となりがちなので。
筋肉量は「週2〜3回の練習頻度で、技の成長を感じない練習が3回続いたら不十分」だと考えてよいでしょう。筋力が十分であれば毎回成長を感じるのが理由です。「2回続いたら」でもいいかもしれませんが、調子を考慮して3回としています。
なお、反動を使っていないのにそのように見えてしまう、という場合は「③ 筋力が十分な場合のアプローチ」で紹介している反動癖解消法をお試しください。
② 筋肉量が不十分な場合のアプローチ
クリーンマッスルアップのための筋肉量が不十分な場合は、筋肥大をメインにトレーニングしていきます。
技術練習のみでは筋肥大しづらく、筋力アップが頭打ちとなり、技の成長がしづらいのが理由です。技術練習をメインにすると疲労で筋肥大のためのトレーニングが十分にできなくなる理由もあります。
- 筋肥大向けの懸垂をメインにする
- 腹筋と腸腰筋も鍛える
- 技術練習はウォームアップ程度に行う
筋肥大向けの懸垂をメインにする
筋肉量が不十分な場合は、技術練習よりも筋肥大を中心にトレーニングした方がクリーンマッスルアップ習得に効率的だと私は考えています。技術練習を続けるだけでは筋力アップはすぐに頭打ちとなり、それ以上は上がりづらいのが理由です。
例えば、垂直跳びの記録を更新しようとする場合を想像してください。垂直跳び自体を毎日続けても足の筋肉は大きくなりづらいので、数日でジャンプ力は頭打ちとなり、以降はなかなか記録は更新しないはずです(これは技術練習)。それよりもウエイトを用いたスクワットをメインに行えば筋肥大して筋力が上がるので記録を更新しやすいはずです。
マッスルアップにおけるジャンプ力は背中の筋肉で作るので懸垂で鍛えます。つまり、筋力が不十分な場合は懸垂を筋肥大しやすい方法で行うのが最善策です。
ディップスは1回できれば十分なのでやらなくても問題ありません。効率を重視するのであれば、ディップスはやらずにその分の体力を懸垂に使う方がよいでしょう。ディップスなしを不安に思うかもしれませんが、懸垂で鍛えた筋肉であっても押す力に転用できます。実際に私は全くやっていませんでした(嫌いなので…)。連続クリーンの回数を伸ばしたいときにディップスの力が必要だと感じたら取り入れるとよいでしょう。なお、骨格のバランスを考慮するならディップスもする方が安全です。
また、レジスタンスバンドで補助して行うマッスルアップで筋肥大を狙う方法もあります。[技術練習+筋肥大&筋力アップ]が同時にできるので、うまくできれば最も効率的かもしれません。これについては「2. 最も効率的に習得する方法」と「17. レジスタンスバンドの有効性と注意点」で紹介しているので参考にしてほしいと思います。
筋肥大向けの懸垂のやり方
- 筋肥大向けの懸垂のやり方
① 1秒で上げる(一瞬で上げる)
② 上げたまま1秒キープ
③ 4秒かけて下ろす(キツければ2秒でもいい)
✔︎ 難しい場合は2秒で上げて2秒かけて下す
✔︎ 胸を突き出して、できるだけ背中を反る
(動作中は終始この姿勢をキープする)
✔︎ 上げるときに肩甲骨懸垂をバネのように入れる
✔︎ 強度:8レップで限界になるようネガティブで調節
✔︎ レップ:8目安で限界まで
(限界=懸垂のリズムが維持できなくなってから+2回)
✔︎ セット:3〜5
(トレーニング内容と頻度や回復度合によって調節)
✔︎ 頻度:週2
筋肥大向けの懸垂の詳細は「8. 基礎トレーニング」を参考にしてください。
腹筋と腸腰筋も鍛える
どうしても足を振り上げてしまう、という場合は背中や腕の筋力だけでなく、腹筋下部と腸腰筋の筋力も不足しているかもしれません。クリーンでは足を振り上げませんが、これらの筋肉は足を振り上げないため(体を固めるため)に使います。
腹筋と腸腰筋は Lシットやレッグレイズ系の種目で鍛えられます。どちらもきつくてできない場合は膝を曲げると負荷が軽くなります。
おすすめは床にお尻をつけた Vシットで、足が落ちてきても床につくまで耐える、というものです。これを1日1回やるだけで腹筋バキバキです。なお、膝に痛みが出たら太ももの前側をストレッチしてください(正座して後ろに倒れるようなやつで)。
技術練習はウォームアップ程度に行う
マッスルアップ向けの技術練習はたくさんありますが、筋力不足でクリーンを目指す場合は、それらをやる必要は一切ないと私は考えています。
理由は先に述べた通りで、技術練習をすると体力を消耗して筋肥大のための懸垂がその分できなくなるからです。
- やらなくていいクリーン向け技術練習の例
- トランジション(懸垂とディップス切り替え動作)
- ジャンプマッスルアップ
- できるだけ高く上げる懸垂
- バンド補助でギリギリクリーンなマッスルアップ(単発)
ウォームアップにはダイナミックマッスルアップを3回程度がおすすめです。このくらいでも続けていると動作を忘れないし、動きが洗練されていきます。
ダイナミックを習得して間もない、練習頻度が週1、といった場合で動作をぎこちなく感じるようであれば6回くらいしてもいいかもしれません。
ウォームアップなので、ダイナミックマッスルアップの振りや反動をあえて大きく大袈裟にして行うのもおすすめです。足の振り上げを大きくすると腹筋や腸腰筋の筋トレにもなります。
トランジションは懸垂とディップスの切り替え動作が苦手な人のために考案された練習方法だと思いますが、クリーンのための筋力が不足している段階では疲れるだけの無駄な練習だと私は思います。そもそもダイナミックの時点でできていますし。このことはジャンプマッスルアップも同様です。
懸垂の力が強ければトランジションを全く意識することなくディップスに移行できるのも不要だと考える理由です。切り替え動作をスムーズに行うことを意識するのであれば、普段の懸垂をできるだけ手を巻き込んだグリップでするのがおすすめです。
「バンド補助でギリギリクリーンなマッスルアップ (単発) 」は筋肉量が十分な場合の技術練習(筋力アップ)には向いていますが、筋力アップが頭打ちになると効率の悪い練習になります。今の自分がどのくらいできるかを確認したい場合には有効なので、たまにやるのはありです。
筋肉量が十分な場合
クリーンマッスルアップのための筋肉量が十分な場合は技術練習をメインに行うのが効率的です。
技術練習でクリーンに必要な技術が身に付くだけでなく、筋力アップもするので習得できると考えられます。
- 技術練習をメインに行う
- 筋肥大向けの懸垂もする
- 反動を少しずつ抜いていく
→ 反動癖の直し方は動画参照
技術練習をメインに行う
マッスルアップ向けの技術練習はこれまでに紹介してきたのでここでは種目名のみ紹介します。
-
- クリーンマッスルアップ向けの技術練習の方法
- ダイナミックマッスルアップの振りや反動を段階的に小さくしていく
- とにかく高く上げる懸垂① 振りや反動を目一杯使って
→ 高さを意識するため - とにかく高く上げる懸垂② 腕を伸ばして振りや反動を目一杯使って
→ 腕を振り下ろす動作を覚えるため - バンド補助のマッスルアップ
→ 強度は余裕を感じるくらいに設定 - スローマッスルアップ
✔︎ 各1レップ3セットずつ
✔︎ ダイナミックとバンド補助は1レップ6セットでもいい
全て行う必要はありませんが、1つ目のダイナミックマッスルアップの振りや反動を段階的に小さくしていく練習は必須だと思います。私が行なっていたのはこれのみでした。
練習の最初に行うことで今の自分の成長具合を確認することもできます。
レジスタンスバンドで補助して技術練習をする場合、バンドの強度はクリーンをして余裕を感じるくらいが目安です。技術練習として体に動きを覚えさせることが目的です。
スローマッスルアップを段階的にスピードアップしていくアプローチもあるかもしれません。
筋肥大向けの懸垂もする
筋力はあればあるほど有利なので、筋力は十分と感じても筋肥大向けの懸垂も行うとよいでしょう。
クリーンマッスルアップを習得したら「次は連続で」となると思うので、その準備も兼ねて。
先に技術練習を行い「もうこれ以上しても良い練習ができない」と感じたらこの懸垂を行なってください。
やり方はすでに述べていますがコピペしておきます。
- 筋肥大向けの懸垂のやり方
① 1秒で上げる (一瞬で上げる)
② 上げたまま1秒キープ
③ 4秒かけて下ろす (キツければ2秒でもいい)
✔︎ 難しい場合は2秒で上げて2秒かけて下す
✔︎ 胸を突き出して、できるだけ背中を反る
(動作中は終始この姿勢をキープする)
✔︎ 上げるときに肩甲骨懸垂をバネのように入れる
✔︎ 強度:8レップで限界になるようネガティブで調節
✔︎ レップ:8目安で限界まで
(限界=懸垂のリズムが維持できなくなってから+2回)
✔︎ セット:3〜5
(トレーニング内容と頻度や回復度合によって調節)
✔︎ 頻度:週2
筋肥大向けの懸垂の詳細は「8. 基礎トレーニング」を参考にしてください。
反動を少しずつ抜いていく
ダイナミックマッスルアップの振りや反動を1つずつ段階的に抜いていくとクリーンマッスルアップを習得できます。実際に私はこのやり方でクリーンを習得しました。無理なく自然と動きを覚えられるし、自分に足りない筋力が分かるのでおすすめです。
使ってしまいがちな振りや反動は、主に次の3つです。
- 足を上げる
- 体を前に大きく振り出す
- 胸を突き出す
これらの動きを1つ1つ小さくしていくとクリーンを習得できます。全てを1度にやろうとすると体が混乱すると思うので、できそうなものから少しずつ攻略していってください。
「足を上げる」ではいつもの半分程度に足を上げます。それができたら次はその半分程度に足を上げます。腰からくの字になるのをlの形に少しずつ近づけていくイメージです。足を上げないと鉄棒に上がれないようであれば筋力が足りていない可能性があります。
「体を前に大きく振り出す」も足を上げるのと同様に半分ずつ振り出しを小さくしていきます。
「胸を突き出す」は、小さくしなくてもクリーンに見えると思いますが、胸を勢いよく突き出すと反動を使っているように見えがちです。胸を前にぐっと突き出す部分を抜いて、あらかじめ胸を突き出した状態からマッスルアップをします。
胸の突き出しは見た目にはほどんど変わらなく見えるかもしれませんが、鉄棒にぶら下がった状態から初動もなくいきなり上がっていくように見えるのでインパクトがあります。私のこれを中学生男子が少し遠くから見ていたようで、驚いた様子で「今の見たか?」と友達に確認していました。
このように1つ1つ反動を段階的に抜いていく方法で練習をすればクリーンマッスルアップを習得できます。
クリーンに近づけば近づくほど、マッスルアップの軌道は横から見るとより直線的になります。ダイナミックを「 C 」とすれとクリーンでは「 ( 」になります。
反動による勢いがなくなるので、ディップスラインを越えたら鉄棒に胸を乗せにいくようにするとディップスへの移行がスムーズになります。一瞬止まる感じになるので見た目はいまいちかもしれませんが、動作に慣れて力がついてくるとより直線的できれいな軌道になっていきます。
反動癖の直し方
「反動癖の直し方」は動画にしたのでご覧ください。
あくまで癖レベルなので「反動として機能していないのに反動を使っているように見える」という方におすすめの方法です。
クリーンマッスルアップのデメリット?
クリーンマッスルアップのデメリットを簡単に紹介しておきます。
- ケガのリスクが高い
- 筋トレとしていまいち
(筋肥大、筋力アップ、筋持久力アップ、瞬発力アップのいずれも) - 振りや反動を思いっきりつけた方が一般受けがいい
(むしろ蹴上がりの方が…)
懸垂には「無反動が正義、反動は悪」という信仰があるし、マッスルアップも「マニアの間では」クリーンができてなんぼみたいな空気がありますが、デメリットを理解した上で「今の自分」がやるべきかを判断しましょう。それができる人は賢者です。なお、私は腕の筋肥大のために反動懸垂(肘は伸ばし切らないくらいで胸まで上げる)もメニューに入れてバンバンやってます。
私は稀にしかマッスルアップをやりません。公園で出会った人に見せるくらいです。やらないと決めているわけではありませんが、関節の保全と筋肥大を優先したいので自然とそうなっています。筋肥大は見た目のためではなく、技のためです。技を習得するにも強化するにも、まだまだ筋肉量が足りないと感じていて、筋肥大優先でトレーニングをするのが確実で効率的だと考えているからです。
クリーンに限らずマッスルアップのデメリットを「20. マッスルアップのデメリット」で紹介しているので参考にしてほしいと思います。
5倍の筋力を準備するといい
豊臣秀吉は合戦で必ず5倍の兵力を準備したそうです。クリーンマッスルアップに必要な5倍の筋力があれば怪我なく無理なく楽々習得できるでしょう。
とはいえ、そんなに筋力が上がるのを待っていられないと思うので、これまでに筋肥大を優先しつつ技術練習もするトレーニング方法を紹介しました。
トレーニングの考え方としてもおすすめの書籍を紹介しておきます。
下記リンク先ページで視聴できるサンプルだけでも参考になりますよ。
›› 実践版 孫子の兵法
「筋トレで本を読む時間がない」という場合にはオーディオブックがおすすめです。聞きながらトレーニングできるので一石二鳥です。
オーディオブックのサービスは購入は audiobook.jp がおすすめで、私も利用しています。気に入っている点は、購入した音声ファイルをアプリだけでなくダウンロードして好きな端末に入れて聞けるところです。倍速再生すると時短になりますし。
14. 正しいトレーニングの順番
トレーニングの順番を間違えると効果が激減してしまうので、何となくでメニューを決めている方は一度確認してみてください。
正しいトレーニングの順番
正しいトレーニングの順番は以下の通りです。
- ウォームアップ
- 技術練習
- 筋肥大&筋力アップの筋トレ
マッスルアップの場合は、具体的には次のようなメニューです。
- ストレッチ
- 肩甲骨懸垂
- マッスルアップチャレンジ(5〜10回)
- 筋肥大向けの懸垂
「マッスルアップチャレンジ」は、ダイナミックとクリーンの目指す方をやろうとします。できなくてもいいので、コツを掴むつもりでやります。レジスタンスバンドを使う練習もここです。
「5〜10回」の理由は、これ以上は疲れていい練習ができないからです。少ないと思われるかもしれませんが、毎回フルパワーを出すので意外と筋肉が疲労するのが理由です。そのため、1回毎に1分から3分ほど時間をおいて、その間にフォームやタイミングをイメージして丁寧にするのがおすすめです。
懸垂が技術練習の後なのは、逆にすると疲れて練習にならないからです。
私がマッスルアップを習得したときもこの流れでしたし、他の技もこのようにしています。
- 筋肥大向けの懸垂のやり方
① 1秒で上げる (一瞬で上げる)
② 上げたまま1秒キープ
③ 4秒かけて下ろす (キツければ2秒でもいい)
✔︎ 難しい場合は2秒で上げて2秒かけて下す
✔︎ 胸を突き出して、できるだけ背中を反る
(動作中は終始この姿勢をキープする)
✔︎ 上げるときに肩甲骨懸垂をバネのように入れる
✔︎ 強度:8レップで限界になるようネガティブで調節
✔︎ レップ:8目安で限界まで
(限界=懸垂のリズムが維持できなくなってから+2回)
✔︎ セット:3〜5
(トレーニング内容と頻度や回復度合によって調節)
✔︎ 頻度:週2
筋肥大向けの懸垂の詳細は「8. 基礎トレーニング」を参考にしてください。
頻度をなるべく多くするのであれば、マッスルアップチャレンジは週3、筋肥大向けの懸垂は週2が初心者に無難でおすすめです。
マッスルアップチャレンジは筋肥大向けの懸垂と同じ日でもいいですが、筋肥大向けの懸垂をした日の翌日は休むのが無難です。
非効率なトレーニングメニュー
言わずもがなだとは思いますが、非効率なトレーニングメニューについても紹介しておきます。
- ストレッチ
- マッスルアップ練習
- 懸垂(動作、レップ数、セット数は何となく)
- マッスルアップ練習
15. 懸垂をやり込んでいる人へ
懸垂をやり込んでいる方の場合、胸を突き出し背中を反った姿勢で懸垂をする動作に慣れていると思いますが、これと同じようにするとマッスルアップは成功できません。
理由は背中を反った姿勢では鉄棒に胸がつっかえるような軌道になるからです。ダイナミックでもクリーンでも鉄棒を回り込むようにして懸垂をします。
「筋力は十分なはずなのに」という場合は、懸垂動作はみぞおちから背中を丸めた姿勢(ホローボディ)を作るようにしてください。
16. マッスルアップのバリエーション
ここではマッスルアップのバリエーションを5つ紹介します。
同じ技でも呼び方はいくつかありますが、私がよく目にする気がするものを選んでいます。
- Wide Grip Muscle Up
- Close Grip Muscle Up
- Reverse Grip Muscle Up
- Alternate Grip Muscle Up
- Dead Hang Muscle Up
4つ目まではグリップを変えるだけです。ダイナミックマッスルアップを連続で5回くらいできる方なら、振りや反動を伴う形で単発でできると思います。
5つ目は最上級に高難易度なマッスルアップです。
それでは1つずつ簡単に紹介していきます。
Wide Grip Muscle Up
ワイドグリップマッスルアップは、その名の通り手幅を広くして行うマッスルアップです。厳密な手幅の基準は分かりませんが、肩幅からこぶし2つから3つ分くらいです。広くすればするほど難易度が上がりますし、見た目もすごくなります。
いきなり広くしてやると肩や肘を痛めかねないので、こぶし1つ分ずつ広くしてやっていくのがおすすめです。
Close Grip Muscle Up
ワイドグリップマッスルアップと反対に、手幅を狭くして行うのがクロースグリップマッスルアップです(クローズではありません)。ナローグリップ( narrow grip )とも言います。
手幅は左右の手がくっつくぐらい狭くします。ちなみに、2cmくらい空いているものもクロースグリップとして紹介されていました。
こちらもワイドグリップと同様に、いつもの手幅から少しずつ狭くしていく練習がおすすめです。
私は初めてでいきなりやってしまい、ディップスに移行する瞬間くらいに本能がヤバいと察知したようで、思わず鉄棒に左腕を置きにいきました。思わず笑ってしまいました。
考えてみれば、手幅が狭くなるのでバランスを取る必要があるんですよね。私は面白かったから良かったのですが、怪我をするかもしれないので、初めはいつもの手幅から少しずつ狭くしていくのがおすすめです。なお、バランスを取るため思わず足を開いてしまうパターンもあります。
Reverse Grip Muscle Up
リバースグリップマッスルアップは逆手でのマッスルアップです。逆手での懸垂は chin up なのでチンアップマッスルアップという呼び方もあります。
握り方とディップスの腕の伸ばし方以外は通常のマッスルアップと同じコツでできると思います。
もう1つ大事なコツがあります。それは鉄棒を巻き込んで握らないことです。指の先から数えても付け根から数えても2番目の関節が鉄棒の頂点にくるように握ります。
私が初めてやってみたときは、鉄棒を巻き込むように握り込んでしまい、おそらくそれが原因で手のひらに激痛が走ったのでちょっとしたトラウマでした。手のひらの痛みとしては人生最高だったように思います。転んだときに手をついたくらいの経験しかありませんが。
手を握り込んだ分、手首の返しが難しくなることはちょっと考えれば分かるはずなのですが、その頃はマッスルアップと言えば「手をなるべく巻き込む」だったのでそのまましてしまいました。
リバースグリップをクロースグリップで行うバリエーションもあります。
Alternate Grip Muscle Up
オルタネイトグリップマッスルアップは、片手は順手、片手は逆手、と互い違いに鉄棒を握って行うマッスルアップです。
手幅が肩幅くらいでは逆手マッスルアップよりも簡単だと思います。
ただし、オルタネイトのクロースグリップは難しいかもしれません。体を横にくの字に曲げながら上がっていく形になるのが理由です。事前にシミュレーションしていないとズッコケるかもしれません。低鉄棒を使ったジャンプマッスルアップで体の動きを確認しておくのがおすすめです。
Dead Hang Muscle Up
デッドハングマッスルアップは、鉄棒に完全にぶら下がって静止した状態から行うマッスルアップです。(鉄棒にだらんとぶら下がることをデッドハングと言います)
振りや反動はもちろん使わないし、軌道を作るのが難しいのでクリーンマッスルアップよりも高難易度です。
YouTube には11回連続でやっている方がいて衝撃です。
後半こそフォームが乱れますが、初動の体の反りや胸の突き出しは最小限にしているように見えます。
なお、鉄棒の下で揺れが完全に止まっていなくてもデッドハングマッスルアップと紹介されている動画を見たことがあるので、彼のように完全に揺れを止めなくてもいいのかもしれません。とはいえ、デッドハングという言葉から彼のやり方が「正に!」という感じがします。
ちなみに私はできません。以前、連続クリーンが数回できるくらいでチャレンジしましたが軌道の確保が謎でした。調子がいいときに再チャレンジして、できたら動画をアップしたいと思っています。
その他のバリエーション
マッスルアップには多くのバリエーションがあり、ここで紹介したのはほんの一例です。
グリップのバリエーションでは鉄棒を腕を交差させて握るクロスグリップや、順手と逆手で交差させて握るゼフグリップなどのマッスルアップもあります。
最高難易度はワンアームマッスルアップだと思います。その名の通り片手でマッスルアップします。これのスローとどちらが難しいかは私には分かりませんが、いつかチャレンジしたいと思います。(習得したら更新して報告します)
YouTube で「 muscle up variations 」と検索するとまとめ動画が多く出てくるので、面白い技ややってみたい技があると思いますよ。単純にすごいと見とれるものもあります。
17. レジスタンスバンドの有効性と注意点
「2. 最も効率的に習得する方法」で述べた通り、レジスタンスバンドで補助をして行うマッスルアップは「条件付き」でその習得や強化に有効なトレーニング方法です。
この章では、その条件を明確に説明するために、レジスタンスバンド補助における「① 有効な場合と無効な場合」と「② 注意点」について紹介します。
マッスルアップでのバンドの使い方はこちらの動画を参考にしてください。
① 有効な場合と無効な場合
- レジスタンスバンド補助は筋力が十分な人の技術練習として有効
- 筋力が不十分な人には効率が悪く習得に時間がかかる可能性がある
- 戦略的に行えばバンド補助のみでも効率良く習得できる (はず)
レジスタンスバンドで補助をして行うマッスルアップ練習は筋力が十分にある人にとっては有効な技術練習となります。一方、筋力が不十分な人にとっては非効率なトレーニングです。これはダイナミックでもクリーンでも同じです。
理由は「13. そしてクリーンへ」で述べたので詳細は省きますが、筋力不足の場合にバンド補助のマッスルアップを単発で行う練習を続けても(鉄棒の上で休むと連続ではなく単発)筋肥大しづらいからです。筋肥大しづらいと筋力アップもしづらくなり、成長もしづらくなるからです。
筋力不足の場合の技術練習が全くの無効というわけではありませんが、筋力が不十分な場合は筋肥大向けの懸垂をトレーニングのメインにした方が短期間で習得できるはずです。バンド練習に使う分の体力を温存し、筋肥大向けの懸垂を1回でも多くした方がより早い成長を期待できます。
ただし、「2. 最も効率的に習得する方法」で紹介した方法では技術練習だけでなく筋肥大も狙うので、バンド補助の練習のみでも効率的に習得できるかもしれません。
② 注意点
レジスタンスバンドを使ってマッスルアップを行う際の注意点は「強度設定」と「動作の制限」です。
「正しいフォームで行う」という注意点もありますが、こちらは「2. 最も効率的に習得する方法」で述べたのでここでは省略します。
- 強度設定の注意点
- 効率重視なら8レップで限界になる強度に設定する
- 技術練習としては余裕がある強度に設定する
- ゴムの弾力に動作とタイミングを合わせる
強度設定の注意点
レジスタンスバンドの強度は高い順に[緑 → 紫 → 黒 → 赤]です。そのため強度の高い順に練習や筋トレをしていくといずれはマッスルアップを習得できます。(バンドの強度は素材で若干異なります)
各バンドの間の強度は長さと本数で調節します。しかし、これができていない人が意外といる印象を私は持っています。強度を低くしたつもりで高くしている人を見たことがあるので。
また、クリーンマッスルアップでは正しいフォームで行えるようにバンドの強度を設定する必要があるのに、思いっきり前に振り出したり、足を振り上げたりしている人を見たことがあります。これでは「回数が伸びた」と喜んでも、実際にはその動作がうまくなっただけかもしれません。これはこれで成長ですが、あくまでダイナミックマッスルアップの技術の成長です。
バンドの強度の調節方法はこちらの記事で紹介しているので、確認してほしいと思います。
効率重視なら8レップで限界になる強度に設定する
「8レップ限界で3セットが効率的」な理由は「2. 最も効率的に習得する方法」で述べたので、ここでは省略します。
技術練習としては余裕がある強度に設定する
マッスルアップのための筋力が十分であれば技術練習のみで OK です。バンドの強度を段階的に低くしていくとスムーズに習得できるでしょう。これはダイナミックとクリーンのどちらもです。
とはいえ面倒でもあるので、余裕を感じる強度で行うだけでも習得できると思います。理由は、フルパワーに近くないとマッスルアップができない強度では動作の確認が難しいからです。
ちなみに、私は片手懸垂を[紫+黒]の技術練習のみで習得しました。筋力が十分だったようです。
ゴムの弾力に動作とタイミングを合わせる
レジスタンスバンドでマッスルアップを行うと、顔にバンドが当たる、動作やタイミングをゴムの弾力に合わせる必要がある、などで動作が制限されるため、実際の動作と異なる部分があります。
「顔バンド」の対策として、バンドを避ける、気にせず突っ込む、をしてもやはり動作が制限されてしまいます。確実に対策するならバンドを2本使う方法があります。鉄棒への吊るし方は同じですが、取り付ける位置は手の外側に1本ずつです。そうしたら2本を交差させるように片足か両足に引っ掛けます。正面から見るとバンドが V 字になります。
デメリットは同じ強度のバンドが2本必要なことと、足を引っ掛けづらいことです。同じ強度のバンドが2本ない場合は左右差が発生するのでセット毎に向きを変えて行ってください。足を掛けるのは1人だとそれだけで疲れてしまいそうなので、踏み台を用意するか、トレ仲間と一緒のときに試すとよさそうです。(夜の公園で踏み台を使ってやってるとあらぬ誤解を…)
「動作とタイミング」は自分もゴムになったつもりで、完全にバンドに合わせましょう。初めは違和感を覚えると思いますが、すぐに慣れると思います。
なお、私はマッスルアップをバンドなしで習得して、しばらくしてから初めてバンドを使ってみました(フロントレバーなどのために購入したので)。すると、いつもの感覚でやろうとして何度か失敗しました。柔軟にいきましょう、ゴムだけに。
おすすめレジスタンスバンド
レジスタンスバンドは OEM 品なのでどれも強度や素材などは同じだそうですが、実際には臭かったりベタベタしたりするものもあるようで品質に違いがあるようです。
私が使っていておすすめなのはこちらです。1本ずつや強度別2本セットもあります。
臭くもベタつきもなく長期間ほったらかしにしてもヘタらずしっかりしています。黒は購入3年10ヶ月で切れましたが、人に貸すときは土足 OK にしていたので、完全土禁にしていたらもっと長く持ったかもしれません。(端を結べばまだまだ使える)
知り合いにもすすめて1人こちらを使っていますが、そちらも臭くもなくベタつきもなく良いものです。他よりもやや割高ですが、知り合いも購入後にレビューを書いて フォームローラー をもらったので総合的にお得で満足していらっしゃいました。なお、現在もプレゼントをもらえるかは分かりません。
18. いつまでもできない人の特徴
この記事をお読みの方には当てはまらないと思いますが、私が思う「いつまでもできない人の特徴」を挙げておきます。
「こうすればできる」ことしか書きたくないのですが、「できないための努力」を続けているとしか思えない人を見かけるので書きました。
特に、クリーンマッスルアップを目指しているのになかなかできない人に多い特徴という印象を私は持っています。これまでに紹介した内容と重複する部分もありますが、チェックリストのようにご活用ください。なお、プランシェやフロントレバーといったスタティック技にも共通する考え方です。
- 無知
→ 自分を知らない
→ 情報を集めない・集めすぎ - 筋肥大トレをしない
- 自分を過信している(自分はまだまだと口にする人も)
- 「努力を続ければ成功する」という危険思想を持っている
→ 筋トレを修行や苦行だと思っている - 「才能がないせい」と自惚れている
- 複数の種目を練習しすぎ
- 骨格や体質がマッスルアップに向いていない
→ 弱点を強化するとできる可能性は十分ある
✔︎「再考しない人」とまとめることもできる
上記を逆向きにすれば「苦もなく成功できる人」になります。
厳しい表現もあるかもしれませんが、印象に残れば幸いです。
なお、持病やケガの後遺症などがあり身体的に運動が難しい方は例外です。とはいえ、対策となる考え方はあると思うので参考にしてほしいと思います。
無知(自分を知らない、情報を集めない・集めすぎ)
いつまでもできない人の特徴を一言で言うと「無知」です。「ちゃんと調べてるよ」という人でも、集めた情報を自分の成功のために最適化して整理できていなければ無知に等しいです。もちろん、情報を集めるだけで実践していなければ「無駄」です。
「13. そしてクリーンへ」でも紹介した孫子の兵法に「敵を知り己を知れば百戦危うからず」とありますが、こうもあります。
- 敵を知り己を知らなければ勝敗は五分
- 己を知り敵を知らなければ勝敗は五分
- 敵も己も知らなければ戦うごとに必ず負ける
敵はマッスルアップです。やり方やコツ、練習方法だけでなく、必要な筋力とその鍛え方、などを知る必要があります。さらに、そこから自分にとって最適なものを見分けて戦略を練る必要があります。戦いを略すのが戦略です。「練習方法が色々ありすぎて迷う」場合は3つに絞ってみてください。これは兵力の分散(体力の消耗)を抑えるためでもあります。
敵を知らない例にはトレーニングの順番もあります。この記事の他のところで書いたように[マッスルアップ練習 → 懸垂 → マッスルアップ練習]の順でトレーニングをしている人がいましたが、これは間違いです。懸垂は筋肥大向けに行い、そこでトレーニングを終了するのが正解です。なお、懸垂直後にマッスルアップ練習ができるのであれば筋肥大向けの懸垂としては不十分です。
己はもちろん自分ですが、いつまでもできない人は敵よりも自分を知らないと感じます。例えば、懸垂を1回もできない人がマッスルアップを目指しているとします。その人がレジスタンスバンドを何本も使ってマッスルアップの練習ばかりしていたら、あなたはどう思いますか。「まずは懸垂1回目指せ」と言いたくなるはずです。
極端な例ですが、これと同じ無知はクリーンを目指す人に多い印象があります。クリーンを目指してダイナミックをやり込むのは効率が悪いと私は考えています。クリーンとダイナミックでは動作そのものが違うし、ダイナミックをやり込んでも筋肥大しづらいのが理由です。
クリーンがなかなかできない人には「まずは筋肥大せよ (懸垂で) 」と申し上げておきます。
なお、孫子の兵法の究極は「戦わずして勝つ」です。これをマッスルアップに当てはめると「知識と筋肥大で準備をしておけば最低限の技術練習で成功できる」となるでしょうか。
筋肥大トレをしない
技の練習ばかりして筋肥大向けの筋トレをしない人もなかなか成長しません。理由は、技の練習だけでは筋肥大しづらく、技に必要な筋肉量がない場合、技に必要な筋力に達しないからです。
まとめると、
筋肥大しない = 筋力アップしない → 技の練習をしても成長しない
となります。
冒頭にも書きましたが、筋トレ初心者の方は「筋肥大9割」でアプローチしてください(残りの1割は技の練習)。10割でもいいくらいです。技の練習1割の目安は「筋肉に疲労を感じない程度」です。
多少筋トレ経験のある方は「筋肥大7割、技練3割」くらいでもいいかもしれません。技練3割の目安は「筋肉にやや疲労を感じる、これ以上してもいい練習はできないと感じる」くらいです。
技練だけで筋肥大して成長するなら
「筋肥大トレはしたくない、技の練習しかしたくない」という方もいると思います。どうしてもそうしたい場合は「1度の練習量を5倍」にしてください。
「練習量5倍」は私のなんとなくの印象ではありますが、技の練習しかしていない人を見ると( YouTube 動画)そのくらいは必要に感じます。
目安は「翌日筋肉痛になるくらい」です。ひどい筋肉痛が2日続いたらやり過ぎです。頻度は週2が筋肥大向けにはいいとされています。関節への負担を考慮しても週2が無難です。
なお、マッスルアップの場合はこれでいいと思いますが、プランシェやフロントレバーなどのスタティック技は違います。静止練習だけでは筋肥大しづらいので、動的な種目を組み合わせることをお勧めします。
自分を過信している(自分はまだまだと口にする人も)
これも「無知」ですが、自分を過信している人もなかなか成功できないと思います。「オレはオレのやり方でできる」と信じ込んでいるため正しいトレーニング方法を調べようともしないし、「気合いが足りない」と無理をして怪我をするからです。足りないのは知識と筋肉と謙虚さです。
一方「自分はまだまだ」と口にする人も実際には自分を過信しているように見えます。例えば、レジスタンスバンドを使ったクリーンを[緑 → 紫 → 黒]と成功させてきたあとで、赤バンドと反動を使ったマッスルアップばかり続けている人です。この人がしているのは赤バンドと反動を使ったマッスルアップの練習です。この人がやるべきは筋肥大です(技術は足りている)。
後者の人はおそらく「黒はできた」というプライドで次に進みたがるのでしょう。赤バンド+反動よりも黒バンドでクリーンをやり込む方が技術は洗練されるし、筋力アップとしても多少は成長しやすいと思います。反動 OK にするとフォームは異なるし、無意識に反動を大きく使ってしまい背中や腕の負荷が軽くなるのが理由です。なお、このケースでも黒バンドでやり込むよりも筋肥大向けの懸垂をした方が成長効率はいいと私は考えています。
後者の他の例には、筋トレではありませんが「英検準2級にギリギリ合格してすぐに2級の勉強を始める」があります。ギリギリで合格したのなら、まずは準2級満点レベルを目指すのが合理的です。
専門性や経験値、能力が低い人は自身を過大評価する傾向があります(これをダニングクルーガー効果と言います)。自分を正しく認識できていないために起こる心理現象、認知バイアスのひとつです。
これとは反対に、専門性や経験値、能力が高い人は自身を過小評価する傾向があることもダニングクルーガー効果です。能力の低い人と高い人で逆転するのが興味深いです。
実はこの心理は、能力が低い人にとっては成長の原動力になります。うまく使えばモチベーションにもなります。
自分を過大評価しがちな人もそうでない人も、今の自分に合ったトレーニングができているかを、常に検証と再考していれば成長を続けられるはずです。
「努力を続ければ成功する」という危険思想を持っている
うさぎと亀の話のように、歩いてさえいればゴールできるほどマッスルアップは単純ではありません。
「努力を続ければ成功する」「頑張ればいい」と思っている人も無知です。頑張って努力を続けたのに成功しなかった人はいくらでもいるのに「成功しなかったのは努力や頑張りが足りなかったからだ」、あるいは「頑張り過ぎて無理をしたからだ」という発想しかありません。
このタイプの人は、初めこそ成功者の真似をしますが、その真似もできているとは言い難く、実際には劣化版の自己流で努力します。継続しても成長しない努力をするので成長しません。(多少の筋肉はつきますが…)
さらに、筋トレや運動を修行や苦行だと思っているので、続けることで自分が成長していると勘違いしています。このような人は成功ではなく苦行を継続することが目的になっているように見えます。手段の目的化というやつですね。もはや苦行の継続で満足してしまっている状態です。
苦行を何年も続けて成功したら、それはそれは大きな達成感を得られて自己満足は大きいはずなので、本人の自由とも思いますが。
マッスルアップ成功が目標であれば、やるべきなのは修行や苦行ではなく正しいトレーニングです。一に筋肥大、二に技術練習です。正しいトレーニングができていれば技の成長を実感するし楽しくなるはずなので、それは修行や苦行ではないと思うのですが、どうなのでしょう。
そもそも、自分がマッスルアップを習得したくてトレーニングしているはずです。やりたいことをやっていて、それを修行や苦行と思うことに私は違和感しかありません。もちろん、やりたいことでもレベルアップしていくと壁に当たることもあります。挫けそうになることもあると思いますが、壁を攻略して乗り越えるのが楽しいのではないでしょうか。
筋トレや練習をやりたいこと、楽しいこと、ゲーム、趣味の1つ、健康のため、と思ってしている人の方が苦もなく成功できますし、早く成功できると思います。
成功に必要なのは「正しい努力」
間違った努力を続けると永遠にできない可能性があります。成功に必要なのは「正しい努力の継続」です。
なお、ビジネスやトップアスリートの世界での成功といった再現性が低いものは例外です。これらには正しい努力だけなく運(偶然)も必要です。マッスルアップは再現性が高いので、運がなくても正しい努力を続ければ成功できると私は確信しています。
「才能がないせい」と自惚れている
才能がないせいでできないと自惚れている人もいつまでもできない人です。このような人を見ると「才能のせいにできるくらいのことをしたのかな」と疑問に思ってしまいます。
ないのは才能ではなく知識と筋肉です。
「今の自分に必要なトレーニングや練習ができているか」を常に自分に問いかけ、自分は間違っているかもしれないと再考し、改善を続けていると才能のせいにすることなく成長できると思います。
複数の種目を練習しすぎ
マッスルアップに限らず複数の種目を練習しすぎている人は、いつまでもできないほどではないにしても「成長が遅い人」です。
やりたい技が多くてあれもこれもとやりたくなるのは私も同じですし、技の練習を毎日のようにやり込むと早く習得できそうな気がするのも分かります。しかし、それでは練習のしすぎで逆に成長しなくなります。理由は、技の練習をやればやるほど筋肥大しづらくなり、筋力も上がらなくなるからです。
この記事で何度も述べていますが、筋肥大を優先した方が成長効率は良いです。筋肥大すると筋力が上がり、良い練習ができるのが理由です。そもそも、技に必要な筋肉量がないと技の習得は不可能なので筋肥大優先をおすすめしています。
とはいえ、技の練習もしたいと思います。技の練習と筋肥大を両立するなら、技の練習は筋肥大にほとんど影響がない程度にするのがおすすめです。
技の練習の目安は、筋肥大向けの筋トレの前やその翌々日以降に、筋肉にやや疲労を感じる程度です。具体的には、マッスルアップならマッスルアップチャレンジを5回、フロントレバーなどの静止技ならホールドの限界までを3回が目安です。静止技は同じ日に2種目までを各3回です。
筋肥大向けの筋トレ日の翌日は完全オフかアクティブレストにします。この日に技を練習すると筋肥大しづらくなるのが理由です。筋肉痛や疲労でいい練習にもならないので回復に努めましょう。
筋肥大向けの種目は、懸垂、ディップス、倒立腕立て伏せ(壁 OK )がおすすめです。全自重を負荷にできるし、技で使う筋肉を鍛えられるのが理由です。なお、これらを筋肥大向けの強度、レップ数、セット数、頻度で行う必要があります。
筋肥大向けのやり方は下記を参考にしてください。
- 筋肥大向けの懸垂のやり方
① 1秒で上げる (一瞬で上げる)
② 上げたまま1秒キープ
③ 4秒かけて下ろす (キツければ2秒でもいい)
✔︎ 難しい場合は2秒で上げて2秒かけて下す
✔︎ 胸を突き出して、できるだけ背中を反る
(動作中は終始この姿勢をキープする)
✔︎ 上げるときに肩甲骨懸垂をバネのように入れる
✔︎ 強度:8レップで限界になるようネガティブで調節
✔︎ レップ:8目安で限界まで
(限界=懸垂のリズムが維持できなくなってから+2回)
✔︎ セット:3〜5
(トレーニング内容と頻度や回復度合によって調節)
✔︎ 頻度:週2
筋肥大向けの懸垂の詳細は「8. 基礎トレーニング」を参考にしてください。
セット数は、懸垂、ディップス、倒立腕立て伏せを同じ日に行う場合は各2セットから始めて回復具合によって調節してください。ディップスと倒立腕立て伏せはどちらも押す種目なので、懸垂3セット、ディップス2セット、倒立腕立て伏せ1セット、のような組み合わせも OK です。
頻度もセットと同様に回復具合によって調節してください。
筋トレ初心者で各種目が難しい場合は、懸垂を斜め懸垂に、ディップスを腕立て伏せにしてください。倒立腕立て伏せはパイクプッシュアップで代用できます。
レジスタンスバンドで補助する方法もおすすめです。
骨格や体質がマッスルアップに向いていない
孫子は「敵を知り己を知れば百戦危うからず」と言っていますが「必ず勝つ」とは言っていません。どんなに戦略を練って完璧に実行しても負けることはある、と言っているようです。(天気が急変してこちらに不利な状況で敵が攻めてきた、とかでしょうか)
残酷かもしれませんがマッスルアップも同じだと思います。どんなにマッスルアップを知り尽くして正しく練習を続けても、骨格や体質が絶望的に向いていなければ、いつまで経ってもできないかもしれません。
主に、以下のような体質の人がマッスルアップに向いていないと考えられます。(あきらめる理由にしないでください)
- 骨格 (骨の長さやバランス、骨に対する筋肉のつき方) が向いていない
- 筋肉の質が向いていない
- 回復力が低い・筋肉がつきづらい
いずれも「極端に」です。
整体や整形外科で自分の体質を知ることも「己を知る」ことです。さすがは孫子様です。
それぞれに対策があるので合わせて紹介します。
骨格が向いていない
筋力は同じ筋肉量でも筋肉が関節にどのように付着しているかで強かったり弱かったりします。骨格が極端にマッスルアップ向きでなければ習得するのは難しいでしょう。
とはいえ、筋肉量が増えれば筋力でカバーできる可能性は十分にあります。とにかく筋肉をデカくしてみてください。骨格が絶望的に向いていないとしても、クリーンマッスルアップが10回連続できる人と同じくらいの筋肉量があって1回もできないことはないはずです。
こちらの YouTube 動画では22回連続してます。
クリーン1回にこれほどの筋肉量は必要ありませんが、諦めるくらいなら、まずはこの体を目指してみてはいかがでしょうか。
なお、骨密度が非常に高い人は骨の重さの分で不利ですが、これも筋肉パワーでクリアできます。
筋肉の質が向いていない
筋肉の質がマッスルアップのような瞬間的に大きな力を発揮する動作に向いていなければマッスルアップの習得は難しいと考えられます。
ただし、このタイプの方は速筋を鍛えるメニューを中心に筋肥大するとクリアできるかもしれません。
「まずはあきらめる」も戦略
骨格と筋肉の質がどちらも向いていない人は、一時的にマッスルアップ習得を諦めて筋肥大に全振りするのも戦略です。
兵力(体力)を必要なところに集中させる戦術です。まずは前項で紹介した動画の人のような体を作ることを目指します。
筋肥大には、何度もこの記事で紹介していますが、懸垂を「1秒で上げる、1秒キープ、4秒かけて下ろす」を限界まで2か3セットがおすすめです。限界の目安は同じリズムでの上げ下げがつらくなってからプラス2回程度です。速筋重視なら「1秒で上げる、2秒で下ろす」でもいいかもしれません。
スタティックに向いているかも
骨格と筋肉の質がどちらもマッスルアップに向いていない人はスタティック技が得意かもしれません。
筋肥大のメニューを中心としながらも、比較的に習得しやすいバックレバーやヒューマンフラッグを練習してみてはいかがでしょうか。もちろんプランシェやフロントレバーから始めるのもありです。
マッスルアップ以外の技に興味がない方もいるかもしれませんが、フロントレバーの体の使い方はマッスルアップと共通する部分があります。これは戦法と言えそうです。遊び人がレベルアップして賢者になるパターンでもあります。
技ができると楽しいのでおすすめです。
回復力が低い・筋肉がつきづらい
トレーニングをすると逆に弱くなるほど回復力が低いとマッスルアップ習得は難しいでしょう。極端に筋肉がつきづらい場合も厳しいと思います。(どちらもダイナミックならできるかもしれません)
私は子供の頃に首を怪我した影響からか回復力が低いと感じています。懸垂を始めて2年半くらい筋肉はつきにくいし、頻度を週2にしたら体調を崩して1ヶ月くらい筋トレできないことが何度かありました。ときには3歩進んで5歩下がるようでした。
しかし、プロテインなどのサプリメントを摂るようになって筋肥大を実感し、体調を崩さなくなりました。このことから、この2年半の筋肉がつきにくく回復力が低かった原因の1つは栄養不足だったと考えています。
栄養(サプリメント)では以下のもので回復や筋肥大、体調の良さを私は実感しました。
- プロテイン
- グルタミン
- ビタミンB群
- ビタミンD
- 亜鉛
- シトルリン
- クエン酸
プロテインは単体ではなく、ビタミンB群や糖質などと一緒に摂っています。
摂取量や摂取タイミングについては長くなるので割愛します。オーソモレキュラー栄養療法(分子栄養学)の観点で調べてみてください。自分にとって必要な栄養素とその量が分かるかもしれません。
栄養以外にも、整体やマッサージ、温泉、サウナといった疲労回復方法もあるので、自分が取り入れやすい方法で積極的に回復しましょう。手軽にできておすすめなのは温冷交代浴です。足だけでも行うと血流がよくなって全身がポカポカする感じがしますよ。
また、睡眠もとても大事です。健康は「食事、睡眠、運動」と言われていますが、おろそかにしがちなのが睡眠ではないでしょうか。
睡眠については「スタンフォード式 最高の睡眠」がおすすめです。
19. あと少し!で上がれないときの対策
ダイナミックマッスルアップがあと少しで上がれそうなのに、という方に向けた対策を紹介します。
クリーンについてはとにかく筋肥大です。詳しくは「13. そしてクリーンへ」を参照ください。
- キッピングを見直す
- 低鉄棒マッスルアップの途中までをやる
- 振り出しを大きくする
- 全ての動作をフルパワーでやる
- 練習を休む
- 筋肥大する
このようにしてできるマッスルアップはカッコよくないかもしれませんが、どんな形でもまずは上がれることが大事だと私は思います。
キッピングを見直す
キッピングを「ただ足を上げるだけ」でしていると反動の効率が悪くなっている可能性があります。足先を鉄棒に近づけるように蹴り上げるのが最も反動効率がいいと私は考えています。このとき、手を足先に近づけるように鉄棒に力を加えるのも有効です。
こちらの動画で詳しく紹介しているので参考にしてみてください。
また、蹴り上げるタイミングも重要です。タイミングは肩の位置が鉄棒の真下にあるときに蹴り上げる力を最大するとスイングの効率がよくなります。
膝を曲げるキッピングでは、このとき、腰から膝までが垂直か鉄棒側に傾きます。なお、これは蹴上がりでも同じです。
感覚では分かりにくいので、動画を撮って静止画で確認するのがおすすめです。
低鉄棒マッスルアップの途中までをやる
これもキッピングの見直しですが、低鉄棒のマッスルアップの途中までをやるとキッピングが改善されるかもしれません。「途中まで」は「ディップスの手前まで」です。
やり方は説明しづらいので、低鉄棒での蹴上がり講座を YouTube などで探してみてください。それを膝を曲げた形で行います。ディップスの手前で立った姿勢が無理なく作れたら成功です。
蹴上がりでは上半身が鉄棒の真下を通過するときに水平に近くなります。ダイナミックマッスルアップも振り出しを45度くらいにすると同様になります。低鉄棒マッスルアップ(途中まで)はこの感覚に近いのでキッピング改善になると考えられます。
上半身が鉄棒の真下を通過し、上昇し始めるタイミングで鉄棒へ真下に力を加えるのがコツです。なお、先にこのやり方での低鉄棒マッスルアップを成功しても OK です。
振り出しを大きくする
あと少しで上がれない場合、振り出しをより大きくできないか試してみてください。こうすると体がより高い位置にくるので後ろ向きのスイングの力が大きくなります。
技術的にはその分難しくなりますが、スイングの力がプラスされるので今の筋力のままでも成功できる可能性があると考えられます。
全ての動作をフルパワーでやる
今以上にスイングの力を得られない場合は、全ての動作を今よりも高出力でやれないか試してみてください。意外と体(脳)は怠けるので、全力を出しているつもりでも5割程度だったりします。今一度、2倍のパワーでトライしてみてください。
足の振り上げでは、鉄棒に膝蹴りをくらわせる勢いでやります。鉄棒を両手で押さえつけて膝蹴りをすれば破壊力は上がりますし、自然とスムーズに上がれる軌道になります。私も鉄棒に膝蹴りをしたことはありますが、いい音はしたものの意外と痛くなかったので大丈夫です!(無責任)
ともあれ、鉄棒に膝蹴りができるくらいであれば成功できます。心配な方は鉄棒のやや下を狙って膝蹴りしてください。
なお、力が入りすぎると逆にできなくなることもありますが、「あと少し」という段階では不要な部分にまで力が入ることはないでしょう。
練習を休む
練習を週2以上の頻度でしている場合は丸1週間は休んでみてください。週2の練習でも知らず知らずのうちに疲労が溜まって本来の筋力が出せていない可能性があります。
この状態ではいい練習はできないので休むことをおすすめします。なお、1週間くらい休んでも筋力は落ちないし技術も後退はしないのでそこは安心してください。
筋肥大する
ダイナミックマッスルアップでも筋力が足りないと成功はできません。技術練習はほどほどにして、筋肥大をメインにトレーニングを進めていきましょう。
20. マッスルアップのデメリット
目指す人にとっては憧れのマッスルアップですが、デメリットもあるので紹介します。デメリットを理解した上で目指していただきたいし、何のために習得するかを考えるきっかけにもなればと思います。
私が考えるマッスルアップのデメリットは、一言で言うと「効率が悪い」につきます。具体的には下記のものがあります。なお、クリーンとダイナミックのどちらにも当てはまります。
- 筋トレ種目としていまいち
- ケガのリスクが高い
- 習得に時間がかかる(個人差あり)
まず、マッスルアップは「筋トレ種目としていまいち」です。筋肥大、筋力アップ、筋持久力アップのいずれも懸垂とディップスを個別にした方が効率的です。瞬発力アップについてもハイプルアップの練習をするか、懸垂をなるべく高く上げるようにした方が効率はよいでしょう。
懸垂やディップスに比べてケガのリスクが高いのもマッスルアップのデメリットです。習得するまではもちろん、習得して動作に慣れていても、疲れたときや、関節の動きが悪くなっているときにやってしまうとケガをしやすいです。ケガをすると治るまで筋トレできなくなるので効率が悪くなりなす。ケガを避けながら筋トレをするなら、懸垂やディップスを個別に行う方が安全です。
また、個人差はありますが習得に時間がかかるのもマッスルアップのデメリットです。マッスルアップを習得する時間を懸垂やディップスをする時間に充てた方が効率的に筋肥大や筋力アップできます。(一度習得すればその時間はなくなります)
なお、ついでに述べておきますが、マッスルアップの強化や連続の回数を増やす、クリーンを目指す、といった目的でマッスルアップをやり込む人もいますが、懸垂などで筋肥大した上でマッスルアップをやり込んだ方が効率的です。
もちろん、マッスルアップにはメリットもたくさんあります。マッスルアップを目指すと楽しいし、筋トレのモチベーションにもなります。公園で知らない人と交流するきっかけにもなります。これらはトレーニングには直接関係ありませんが、マッスルアップの魅力と言えるでしょう。
私としては技の1つとして持っておくといいこともあるので、懸垂などで十分な筋力(フルレンジ反動なし懸垂15回くらい)をつけた上でサクッと習得して、その後はウォームアップ程度にやり続けるのがいいかなと思います。
ケガで心配なのは関節ですが、このように習得して続けるとケガのリスクはほとんどないと考えられます。関節への負荷は筋力アップと動作の効率化によって軽くなるのが理由です。筋力は筋トレで筋肥大すれば上がるし、動作の効率も続けていれば自然と良くなっていきます。無理さえしなければケガのリスクはほとんどないと思います(無理はついついしがちなので要注意)。なお、動作の効率化は、無駄な動きがなくなることと、必要最低限の筋力でマッスルアップができることを意味しています。私も習得した頃はダイナミック単発も全力でしたが、いつの間にかクリーン単発も懸垂1回くらいの感覚でできるようになりました。
何かと効率の悪いマッスルアップですが、デメリットを理解した上で楽しむのは、私はアリだと思っています。
ついでに、ケガは同じ系統の種目ばかりしているとしやすくなります。私も懸垂ばかりしてディップスのような押す種目をしないので肩の調子が常に悪いです(2023年)。おそらくインピンジメント症候群で、原因は前鋸筋にあると考えてストレッチや軽い筋トレをして改善感があるところです。
21. おわりに
私がマッスルアップに成功するまでの話を備忘録的に綴っておきます。成功するまでと成功してからの具体的なイメージがどちらもあるとより楽しく充実して練習できると思うので、お時間とご興味がありましたらお読みください。
- 私がマッスルアップに成功するまで
- フィットネスカルトにご用心
- ひきこもり、人間関係に疲れた人へ
- 最後に
私がマッスルアップに成功するまで(こんな感じでもできるようになります話)
私がマッスルアップ(ダイナミック膝曲げ)に成功したのは筋トレ(懸垂のみ)を始めてから2年が過ぎた頃で、マッスルアップの練習期間は3ヶ月ほどだったと記憶しています。懸垂はマッスルアップを目的に始めたのではなく健康のために始めました。
体調が悪く、日々の辛さに加えて、このまま歳を取っていったらどうなるかという恐怖が動機でした。一度はムキムキボディになってみたいのもありましたし、女の子にモテるかなというのもちょびっとはありました。
まあ、それでモテるとはそろそろおじさんなので期待はしてなかったんですけどね。人からたまにスゲーって言われるくらいかと。見せる機会もないですが。筋肉があると災害とかいざというときに役に立つ、というのもありましたね。
恐怖がモチベーションだったので一番強力なのかもしれませんが、チャラい理由もあり懸垂自体は苦にならずに続けていました。元々体を動かすこと自体は好きでしたし。
懸垂を限界までした翌々日の体がキツかったのですが、これは後々、迎え酒ならぬ迎え筋トレとプロテインで乗り越えました。筋トレで上がった代謝が下がったときにキツく感じるんだろうと考えてのことです。体が回復をサボっている感じもしていましたし。
迎え筋トレは、筋トレを限界までした翌日以降も筋トレをして代謝や回復力の低下を防ぐものですが、科学的根拠は全くありません。限界までの半分のレップ数で2セット行っていました。
のちに知ったのですが、初心者は筋肉痛があっても低強度の筋トレをすると血流が良くなって回復が促進されるようです。
懸垂以外には、懸垂を始める前から続けていたランニングです。懸垂は週1、ランニングは軽めでほぼ毎日していました。ランニングの終わりに近所の公園で懸垂して帰るパターンでした。筋トレが週1だったのはそれ以上すると体調を崩してしまうからでした。がっつり体調を崩して1ヶ月以上筋トレできないことも何度かありました。
そんな調子で筋トレ2年目のどこかのタイミングで、ふとテレビか YouTube で見たマッスルアップを思い出しました。懸垂をしているので自分もやってみたくなり、名前も覚えてなかったので「懸垂 鉄棒に上がる技」みたいなので検索しました。それでも見つかるものですね。
やってみるとできる気がしなくて、YouTube で解説動画を見る度に「この人たちは何か特別な遺伝子でも持っているのでは」と思ったものです。しかし同時に「人間がやっているのだから自分にもできなくはないだろう」とも思いました。プランシェに比べると格段に人間味があります。
いつマッスルアップの練習を始めたのかははっきりと覚えていないのですが、できるまでに半年はかかったと思います。集中的に練習して(と言っても週1の頻度)成功したのが3ヶ月ほどです。
反動なしのフルレンジ懸垂が1回、初動をごまかして4回から始めて2年と2ヶ月でマッスルアップ(ダイナミック膝曲げ)に成功しました。こんな長話をしたのは、こんな感じでもマッスルアップはできるようになるとお伝えしたかったからです。
そして、健康目的に遊び的な目標が加わって楽しくなったことも合わせてお伝えしたいです。体調は改善したかや達成基準が曖昧ですが、マッスルアップという目先の目標があるとそれに向かいやすいですし、達成基準もできるかできないかなので明確です。
マッスルアップだけを目標としている人がいましたら、できるようになった自分がどうなりたいかを想像しながら練習するとより楽しくなると、先にできただけでおこがましいですが私は思います。
途中で出てきた、筋トレの二日酔い的な状態を迎え筋トレで乗り越えられたのは、プロテインを摂るようになってからです。翌日以降の疲労感やボーッとする感じが明らかに少なくなり、筋肉もつきやすくなりました。
2年以上プロテインなしでやっていましたが、もっと早く取り入れておけば何かと違っただろうと思います。
おすすめのプロテインは 巻末 にて紹介しているのでぜひお試しください。
フィットネスカルトにご用心
昨今、筋トレブームらしくて、テレビでも他人を限界まで追い込むトレーナーが注目されているようです。テレビ的に映えるのも分かりますし、短期的に体を変えるならそのようなトレーニングも必要かもしれませんが、それで運動自体をやめてしまう人もいるのが残念なところです。
そのような想像上のフィットネスが、本来は自由に楽しめば良いはずの筋トレやエクササイズを苦行化して、精神力で乗り越えようとする姿がカルトに見えてしまいます。
ストリートワークアウトは知名度的にもまだまだマイナーで、流行るには美女が総出で SNS 映えする必要がありますし、「女子もムキムキがかっこいい」みたいなイメージを定着させる必要があります。
そうなるとストリートワークアウトもカルト化してしまいそうですが、YouTube を見たりするとそんな心配をする必要はないというのが今の実感です。
何を心配しているかというと、流行ってしまうと、今のところ独占状態の夜の公園が使いにくくなるかもしれないという自分の心配ですね。
トレーニング好きが集まれば技を見せ合ったり教え合ったりも楽しいのですが、なんちゃって系みたいなのが集まると教えるのも無駄ですし、言い方悪いですが邪魔なだけなので、流行ってほしくないという気持ちがあります。
ただし、流行ると公園に鉄棒が増えたり(怪我する人が増えて減ったり…)、思い切り技の練習ができる施設が増えたりするかもしれないので、その辺りは期待したいところです。欲張りです。
話はそれましたが、ストリートワークアウトに限らずフィットネスは本来自由なのでを自由に楽しみましょう、という話でした。(効率的にやろうとすると自由も制限されますが)
ひきこもり、人間関係に疲れた人へ
もし現役のひきこもりの人や、人間関係に疲れた人がお読みでしたら、外に出るきっかけとして、利害関係のない人との交流を目的として、夕方くらいの公園でマッスルアップをしてはいかがでしょうか、という話です。
▽公園デビューしてみましょう
私は連続マッスルアップが数回できるようになった頃に公園デビューしました。理由は単純で、人に見てもらいたくなったからです。人に見られたくなくて夜な夜な練習していたのに、できるようになると見てもらいたくなっちゃいました。知らない人と交流できそうというのもありました。
頻度は週に1回か2回で、土日。おじさんが1人で夕方の公園というシチュエーションに初めはなんだか緊張して、ウォームアップはほとんどせず、ちょっとやってすぐに帰っていたのでなかなか人と話すことはなかったのですが、ときどき子供の「すごいー」という声が聞こえてきました。そんな感じで続けていると慣れてきて少しずつ長くいられるようになりました。
「知らないおじさんは子供に話しかけちゃダメ」と言いますが、子供の方から寄ってきて話しかけてくれるので、そのタイミングで親御さんと話す機会があれば、さらっと不審者ではありませんよとアピールしておきます。
シンプルに「健康目的で運動してます」と言ったり、夕方であれば「昼間よりは子供が少ないと思って」とか「仕事でこの時間になる」とか。前者は子供嫌いと取られるかもしれないので「自分が子供の邪魔にならないように」というニュアンスを含めると良いと思います。
▽不審者に思われないコツ
「運動が好きな人」と思われたいものですが「公園で筋トレしている変な人」とコンボされる可能性もないとは言えないので、不審者に思われないためのコツを3つ紹介します。
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- 最低限の身だしなみを整える
- なるべくおしゃれで新しい服を着る
- 堂々とする
身だしなみは、顔を洗う、寝癖を直す、男性ならヒゲを剃るか整える、くらいはしておきます。
服は自分ではまだまだ着れると思っていても、見た目には古びているものです。自分では気づきにくいですが、全体的な印象が違います。ユニクロでも良いので、新しい服をおすすめします。
服なので好みではありますが、ストリートワークアウトなので全身スポーツウェアよりは、下はスエットパンツ(細めで)、上はマウンテンパーカーといったカジュアル感があると無難でかっこいい気がします。普段着としても使えるのでコスパも良しです。
不審者に思われないかどうかは気にしすぎるとこちらの被害妄想も入りがちなので、堂々とします。表情も緩めておきます。疲れてくると険しい顔になりがちですが、それだと怖いです。
以前、後輩が妹を高校に迎えに行って、不審者に思われて問題になったという話を伝え聞いたことがあります。なぜそうなったのか分かりかねますが、おどおどしていたのが原因だったようです。
▽逆上がりもマスターして教えられるようにしておく
ときどき逆上がりの練習をする親子がいたり、来たりします。そんなときにはコツを教えることもあります。もちろん体を支えるような補助はしません。怪我させるかもしれないし。
そのために逆上がりをこれまた YouTube で覚えました。連続マッスルアップは大技に見えるのに逆上がりも教えられないのはおかしな感じがして。
逆上がりや鉄棒というと子供がするイメージがあるかもしれませんが、ストリートワークアウトの技と共通するものがあるので、練習すると連続技ができるようになるのでおすすめです。
見本として高鉄棒で逆上がり(懸垂逆上がり)をしてから空中逆上がりをすると、「コイツできる」みたいな目では見てくれます。厳密には技術が異なるのですが、一般には分かりませんし、こっちも技を見てもらえて楽しいです。
▽人に褒められるメリット
男性は自分の能力を女性に褒められると、男性ホルモンであるテストステロンが増加し、ストレスレベルが下がります。自信を取り戻すきっかけにもなります。同性や子供に褒められた場合は分かりませんが、良い気はするので良しとします。
女性の場合は男性とは異なり少し複雑なのですが、自分の時間を取ったり、会話をして気持ちを表現したりすると女性ホルモンが分泌され、ストレスが下がり幸福度が高まります。
ストリートワークアウトはホルモンバランスを調節するのにも有効だと言えそうです。
参考書籍
▽子供がいる公園でマッスルアップアップをするときの注意点
大事な注意点があります。それはマッスルアップをするときに周囲をよく確認することです。小さい子供は危なさが分かっていないので、走って近づいて来ることがあります。
私が高鉄棒に上がった状態で下を潜り抜けていった子供もいました。バックレバーをしているときにも後ろから。
連続マッスルアップをする場合は、前後左右を確認し、十分距離が離れていることを確認してからにしましょう。
▽自分から話しかけてみましょう
同じように公園でトレーニングをしている人がいたら自分から話しかけてみましょう。昼でも夜でも公園で筋トレしている人がいたら怖いかもしれませんが、気軽に話しかけるのがおすすめです。相手もこっちを怖いと思っているかもしれないですしね。
話しかけないと、お互いなんとなく鉄棒が空いたら使うという感じになって気まずいですが、話しながらだとインターバルを取りながらシェアできます。
公園で筋トレする人はだいたい同類なので話も合うと思います。私が行く公園ではほとんど筋トレしている人はいなくて、話しかけたのは3年で2人なので説得力はありませんが、やはり2人とも筋トレに興味がある人で、マッスルアップを見せると興味を持ったので簡単に教えたりしました。
相手も自分も筋トレ初心者、という場合もあると思いますが、それはそれで話が合うと思いますし、その公園でできそうなトレーニングを探したり、筋トレ情報を交換し合ったりするのも楽しいと思いますよ。
おすすめプロテイン
日本の通販よりも圧倒的に安く量を取りやすいので「マイプロテイン」がおすすめです。セール時は激安ですが満足な品質です。
私にとってプロテインは体調を崩しにくくなったのが1番のメリットで、筋肥大、筋力アップ、疲労感の軽減などを実感しつつトレーニングを継続できています。
お得に買うなら?
毎月のゾロ目の日(例:7月7日、11月11日)と24日頃に割引率が高いセールが開催されるのでお得に買うならどちらかが狙い目です。特に GW はお見逃しなく!
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でも最近は値上がり感があるので Amazon や楽天と変わらないかも。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。
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他の技などはこちらのカテゴリーリンクから参考にしてみてください。
› Street Workout & Calisthenics
■記事更新メモ
2024年5月29日:初心者は「筋肥大が9割」追記
2023年10月8日:「あと少し!で上がれないときの対策」追記
2023年5月10日:「いつまでもできない人の特徴」追記
2022年9月29日:「正しいトレーニングの順番」追記
2022年8月9日:タイトル変更「マッスルアップの細かすぎるコツとやり方|海外動画の英語翻訳」(旧)
2022年8月9日:「レジスタンスバンドの有効性と注意点」追記
2022年8月9日:「最も効率的に習得する方法」追記
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