カリステニクスおよびストリートワークアウトの自重技は、静止系種目(スタティック)と動的種目(ダイナミック)のどちらも完成形と同じ姿勢や動作で行うのが最も効率的とされています。理由は完成形で練習する実際に使う筋肉や神経系が発達するからです。
完成形での練習を実現できるのがレジスタンスバンドです。例えば、プランシェが絶望的な場合でも完成形で練習できます。さらに、プランシェができる場合も、フォームの調整やプランシェプッシュアップで強化するトレーニングができます。
この記事では多くの種目でのレジスタンスバンドの使い方を分かりやすく紹介した海外の動画を翻訳して対訳にしたので参考にしてほしいと思います。
落とし穴もある
便利なレジスタンスバンドですが、完成形と同じ姿勢や動作で練習を続けても、いつまで経っても技を習得できない可能性があります。この原因や対応策も紹介しているので合わせて参考にしてください。
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1. 海外おすすめ動画と対訳+補足
レジスタンスバンドの使い方が分かりやすく紹介されている海外動画と、私が気づいた点や使い方を補足として紹介します。
補足では以下の種目の使い方を紹介しています。
① 片手懸垂
② フロントレバープルアップ(もう1つの握り方)
③ 倒立腕立て伏せ
④ 片手倒立
⑤ マッスルアップ(基礎、初心者向け)
おすすめ動画
おすすめ動画は TrainingPal というチャンネルの動画です。自重トレーニングをしているとやってみたくなりそうな技は一通り紹介されています。
紹介されている技は以下の9つです。
- Human Flag / ヒューマンフラッグ
- Musle Up / マッスルアップ
- Front Lever / フロントレバー
- One Arm Chin Up / 片手懸垂
- Back Lever / バックレバー
- Planche / プランシェ
- V-SIT / Vシット
- Ring Muscle Up / リングマッスルアップ
- Handstand Push Ups / 倒立腕立て伏せ
なぜ最後のだけ複数形なのかは分かりませんが、動画のままです。
レジスタンスバンドは動画の他にもヘフェスト、ネックホールド、片手フロントレバーなど、基本的にどんな技でも使えます。なお、負荷のバランスが多少完成形と異なるものもあります。
TrainingPal では他にも自重技の解説や筋トレグッズのレビュー動画もあるので参考になると思います。つり輪の使い方が面白かったです。
英語学習としては、発音はとてもゆっくり話すので聞き取りやすいですが、語彙や文法ではドキュメンタリーのようなやや堅く知的な言い回し(回りくどいとも…)もあるので良いトレーニングになると思います。
02:02 の put into を使った表現は非常に記憶に残りやすく、感覚も分かりやすいと思います。コメント欄を見ると反応した人が多く、「ビールを吹き出してキーボードをびしょびしょにした」といった内容もあるので学習も兼ねて目を通してみてください。
How to Learn BEST Calisthenics SKILLS with Resistance Bands
00:00
› more
What’s up guys, TrainingPal here.
というわけで TrainingPal です
00:02
Bodyweight skills are among the most common reasons why we love calisthenics so much.
自重技は私たちがカリステニクスをこよなく愛する最も一般的な理由の1つです
00:07
Not only can they be used to develop huge strength and a great body,
but they also look awesome.
強靭な筋力と素晴らしい肉体を発達させるために用いられるだけでなく
見た目もすごいです
00:12
The desire to be able to do them
was something that motivated me to train the most at the beginning.
自重技ができるようになりたいという願望は
最初の頃 私をトレーニングへと駆り立てました(一番のモチベーションとなっていた)
00:17
However, practically all of the best skills are quite difficult
and take a lot time to master.
しかし 最高の技はどれも非常に難しく
習得するのにとても時間がかかるものばかりです
00:23
This is because they not only require vast amounts of strength,
莫大な筋力を必要とするだけではなく
00:27
but also an excellent control and awareness of your body.
体のコントロールや意識も優れている必要があるからです
00:31
Using the progressions also known as easier variations of the skill
技の簡単なバリエーションとしても知られるプログレッション*を用いると
※例えばプランシェのトレーニングとしてタックプランシェを行うこと
00:35
is an awesome tool to build up the necessary strength,
必要な筋力を鍛え上げるための素晴らしいツールとなりますが
00:38
but doesn’t teach you what it feels like to be in the final position.
完成形での感覚が掴めません
00:43
This is why using resistance bands is a great way to learn skills even faster.
これが レジスタンスバンドを使うことが
より早く技を習得するための優れた方法である理由です
00:48
If used properly, the bands make performing the skill easier without changing the mechanics of it.
正しく使えば バンドは技の仕組みを変えることなく 簡単に行えるようにします
00:54
You still have to use the same exact muscles
完成形と全く同じ筋肉を使い
00:56
and position* your body in the same exact way, but without the strength needed for the skill.
全く同じ方法で体を位置付ける必要はありますが 完成形に必要な筋力はいりません
※ position
動詞です。ここでは「使う」と訳すと分かりやすいと思います。
01:01
This way you can train your body and mind* to know what it means to hold, for example,
この方法は あなたの神経*がホールドするという意味を知る訓練になります 例えば
※mind の原義は「記憶」です。直訳で「体と精神」とすると心や気力の意味が強くなり「体が記憶する」というニュアンスから離れてしまうので「神経」としました。
01:07
front lever properly, that is holding the body straight and parallel to the ground.
正しいフロントレバーでは 体を真っ直ぐかつ地面に対して平行に保ちます
01:12
Its very common problem for people to think that they’re doing it right,
自分が正しく行なっていると思うことは 非常に一般的な問題で
01:17
but in fact their hips are too low and thus the body isn’t horizontal.
実際には腰が低すぎて それゆえ体が水平ではありません
01:21
It applies to all the other skills as well.
こうしたことは 他の全ての技にも当てはまります
01:24
In this video I’m gonna show what are the best ways to use resistance bands to develop this mind-body connection.
このビデオでは 神経を発達させるためのレジスタンスバンドの最適な使い方をお伝えします
01:30
Without further ado let’s get to the specific skills.
難しい話は抜きにして 具体的な技をやりましょう
› less
01:35 HUMAN FLAG
› more
Here’s what you have to do to make the band help you hold the human flag in the most comfortable way.
ヒューマンフラッグのホールドを簡単にするためのバンドの使い方を説明します
直訳:バンドが最も楽にできる方法でヒューマンフラッグをホールドするのを助けるために あなたがやるべきことはここにあります
01:42
First you need to attach the band to the upper handle (in case of horizontal handles)
まずは 上のハンドルにバンドを通します(ハンドルが水平の場合)
01:47
or just above your upper hand (in case of vertical pole).
または 上の手のところに通します(棒が垂直の場合)
01:54
Then, you have to put a proper leg into the loop,
そうしたら 適切な足を輪に通します
01:57
that is the one which is going to be on top, when you’re already holding the human flag.
ヒューマンフラッグをするときに 上になる方の足です
02:02
Just be careful no to put your balls into the loop.
ボールを輪っかに引っ掛けないように注意してください
›› put A into B(英辞郎 on the WEB )
02:09
The green band helps quite a lot here, but the flag still isn’t easy.
緑のバンドは非常に役立ちますが それでも簡単ではありません
02:17
I can hold it for 2-3 seconds on my weaker side,
私は弱い側では2、3秒ホールドできますが
02:20
but with the band I’m able to do it for 10 or 15 seconds.
バンドを使うと10秒か15秒できます
02:24
I also tried the purple band and it makes things easier as well, but is a little more comfortable.
紫のバンドでもやってみたところ 同様に簡単になりますが もう少し楽にできます
訳注:緑のバンドの方が太く強度があるので緑バンドの方が楽にできそうなのですが、紫の方が楽にできると言っています。強すぎてやりにくいのでしょうか。あるいは私の解釈が間違っているか。。
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02:44 MUSCLE UP
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Muscle up is pretty straight-forward* with the band.
マッスルアップはバンドを使うと とても真っ直ぐに進みます
※おそらく「バンドを使うと体の軌道が真っ直ぐになる」という意味だと思います。
02:47
You need to attach it to the bar and put one or both feet into the loop.
鉄棒に取り付けて 片足か両足を輪に引っ掛けます
02:53
Another important thing to note is that you have to keep your knees extended all the time.
もう1つの注意する重要なことは 常に膝を伸ばしたままにすることです
02:59
If you would bend them, the band would get shorter and thus help you less getting above the bar.
膝を曲げてしまうと バンドが短くなり それゆえ鉄棒より上へ行く力が弱まってしまいます
03:09
Even if you can do one or two reps without any help,
補助なしで1回か2回できる人でも
03:13
doing the muscle ups with a band is going to be greatly beneficial for you.
バンドを使う利点は多いにあります
03:16
First of all, it’s going to let you do more reps and practice the exact move more extensively.
まず より多くの回数をこなせますし 正確な動きをより大きく練習できます
03:22
And secondly, you can perform harder versions of the muscle up with the band,
さらに よりハードなバリエーションの動きができます
03:26
like wide or narrow grip muscle ups
ワイドやナローグリップでのマッスルアップや
03:35
or explosive muscle up*.
エクスプローシブマッスルアップです
※ explosive muscle:ディップスでガツンと押し上げる動作を加えたマッスルアップ
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03:50 FRONT LEVER
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Using bands is a great way to learn front lever.
バンドを使うことは フロントレバーを身につけるための素晴らしい方法です
03:54
The best way to do in my opinion is to grab a band with both hands,
私が考える最良の方法は 両手でバンドを握り
03:58
put it behind you on your lower back and get into the position.
腰に当てて フロントレバーの姿勢をとります
04:01
The most convenient bars to do that are dip bars. They’re usually on a perfect height.
ディップスバーが最もやりやすいです 大抵はちょうど良い高さです
04:11
If you don’t have such possibility you can use a higher bar,
そのような可能性がない場合は 高鉄棒を使えますが
04:15
but you have to stretch the band as you reach for it.
手を伸ばす分 バンドを伸ばす必要があります
04:17
That may be difficult with particularly high pull up bars.
そのため 特に高い鉄棒を使うとやりにくくなるかもしれません
04:24
However if you have rings, they can be used to make things very easy,
しかしながら つり輪があれば とても簡単にできます
04:28
because they let you adjust the height according to your needs.
必要に応じて高さを調節できるからです
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04:40 ONE ARM CHIN UP
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This one is actually quite tricky.
片手懸垂はとても厄介です
04:42
I tried a couple of different setups and none of them seemed to work good for me.
いくつかのやり方を試しましたが どれもしっくりきませんでした
04:46
The band was forcing me to rotate all the time
動作の間中ずっと バンドによって体を回転させられるか
04:49
or lifting my legs in a weird way as I was trying to go up.
私が上に行こうとしているのに おかしな方向に持ち上げられます
04:56
However after testing many different ways of attaching the band I finally found a perfect one.
しかし 色々と異なる方法を試して ようやく完璧な方法を見つけました
05:02
Here’s how to do it, if you pull up with your right hand:
右手で懸垂をする場合は
05:06
put your right foot into the loop and grab the bar on the left side of the band.
右足を輪に掛けて 鉄棒はバンドの左側を握ります
筆者補足:バンドの右側を握っても同じです。順手、逆手のどちらも同じです。右手のときは右足、握るのはバンドの右側です。
05:13
Then put your left leg between the band and your right leg, so the band wraps behind it.
左足はバンドと右足の間に置き バンドは左足の後ろに巻き付けます
05:19
This setup is ideal, because the band does not make you rotate too much
この付け方が理想的です なぜならバンドによってあまり回転することがなく
05:23
and allows you to stay vertical throughout the whole move.
動きの間中ずっと 体を垂直に保つからです
05:28
Keep your legs straight to get uniform assistance during the movement.
動きの間 一定の助力を得るために 足は真っ直ぐ伸ばしたままにします
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05:43 BACK LEVER
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Back lever is probably the easiest of the skills I’m showing here,
バックレバーは今回紹介する中で おそらく最も簡単な技です
05:47
but that doesn’t mean you can’t use a band to practice it.
しかし だからと言って 練習するためにバンドを使えないわけではありません
05:50
Here’s the best way to get into the position.
これがその姿勢を取る最高の方法です
05:53
Grab the band with both hands and reach for the bar.
バンドを両手で掴んでから 鉄棒を握ります
05:56
Then lift your hips up and put your feet through the loop.
お尻を持ち上げて 足を輪に通します
05:59
It’s not the easiest thing in the world to do for a beginner,
初心者にとっては 最も簡単な方法ではありませんが
06:02
but after some practice you should be able to do it without big problems.
少し練習をすれば 大きな問題なくできるはずです
06:06
Another way of getting into the position that I found requires you to hang on the bar by your knees.
私が見つけたもう1つのやり方では 両膝を鉄棒に掛ける必要があります
06:12
Then you just hold the band in your hands and reach for the bar.
そして 両手でバンドを持ってから 鉄棒を握ります
06:20
The most convenient method, however, is using the rings.
最もやりやすい方法は つり輪を使うことです
06:23
You just need to get into inverted hang position and then lower yourself slowly on the band.
上下逆さまにぶら下がった姿勢から ゆっくりと下半身をバンドに乗せます
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06:33 PLANCHE
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Using the band for planche hold is a little bit tricky, because you need it to be on very specific height.
プランシュホールドにバンドを使用することは 非常に特殊な高さにする必要があるため 少し注意が必要です
※この訳は「 Google 翻訳」のままです。tricky が訳しにくかったので試したらこの精度です。すごい。直すとしたら specific と tricky のニュアンスと、プランシュくらいです。
06:40
Finding a proper setup for a particular band requires you to do a few tests.
バンドの種類による適切な設置を見つけるには いくつかのテストを行う必要があります
06:46
Great way to make things easier is, again, use rings to adjust the band height freely.
これを簡単にする素晴らしい方法は またまた つり輪を使ってバンドの高さを自由に調節することです
06:57
Here, I’m using a purple band attached directly to a pull up bar
ここで 私は紫のバンドを鉄棒に直接繋いで使っており
07:02
and it seems to work quite good for me.
私にとってはとても良い感じです
07:05
This way you can do negatives quite comfortably as well.
これにより ネガティブも非常に快適に行うことができます
› less
07:20 V-SIT
› more
V-sit requires a simple setup to work great.
Vシットを素晴らしく行うには シンプルな設置が必要です
07:23
You need to hook up the band to the dip bars and put your feet into the loop.
ディップスバーにバンドを繋いで 足を輪に引っ掛けます
07:27
The band is pulling strongly when your legs are on the ground,
両足が地面についているとき バンドは強く引き上げます
07:31
but as you go up it assists less and less.
しかし 足を上げるとともに 助力は弱まっていきます
07:34
When you hold an actual V-sit it helps just a little bit.
実際のVシットをホールドすると その力はほんの少しです
07:40
You can adjust the amount of assistance you get by moving closer or away from the bar.
鉄棒から離れたり近づいたりすることで 助力の量を調節できます
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07:52 RING MUSCLE UP
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To do the band assisted ring muscle ups you need to put the band behind you
バンドを補助としたリングマッスルアップをするには バンドを体の後ろに回し
07:57
and hold it in your hands as you grab the rings.
手に持ったまま リングを握ります
08:00
Then get into the support position* and sit on the band as you go down.
支持の姿勢を取り 体を下げながらバンドに座ります
the support position:おそらく体操競技、つり輪の支持です。
08:04
Be sure to lock out your elbows* at the bottom of the move
動きの一番下で 必ず肘を曲げないようにしてください
lock out your elbows:ネットで調べると質問サイトに「肘を曲げない」という解釈がありました。筋トレ用語かもしれません。
08:07
to practice this important aspect of a proper rings muscle up.
適切なリングマッスルアップのこの重要な側面を練習するためです
08:11
Hold the false grip all the time you’re under the rings.
リングの下にいる間は 常にフォールスグリップを保持します
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08:22 HANDSTAND PUSH UPS
› more
And lastly handstand push ups.
最後は 倒立腕立て伏せです
08:24
I haven’t really found a good way to use bands for assistance.
助力を得るためにバンドを使用する良い方法を実際に見つけていません
08:27
The method you watch me use right now is pretty good, but getting your feet into the band is a hard thing to do.
今あなたが見ている方法はかなり良いのですが 足をバンドに入れるのが難しいです
08:33
I had to use years of my experience in handstands to do it smoothly.
スムーズに行うには 私の逆立ちの長年の経験を使用する必要がありました
08:38
This other way I found is much easier but looks quite stupid.
他に見つけたやり方はより簡単なのですが 見た目がかなり馬鹿げています
08:42
You need to attach the band to dip bars and put your head inside.
ディップスバーにバンドを取り付けて 内側に頭を入れます
08:46
It works, but isn’t the most comfortable method.
うまくいきますが 最も快適な方法ではありません
08:58
I hope this video showed you one of the benefits of owning a set of resistance bands.
このビデオがレジスタンスバンドのセットを所有する利点の1つをお見せすることを望みます
09:03
If you’d like to get them for yourself, the link is in the description below.
導入したい場合は 下の概要欄にリンクしています
09:07
By using this link to place an order you help to support my channel, so I’d be very grateful for that.
このリンクを使用して注文すると 私のチェンネルをサポートできるので 非常に有り難いです
09:13
If you wonder which bands to choose, I recommend getting the set of black, purple and green one,
どのバンドにするか迷ったら 黒と紫と緑のセットをおすすめします
09:18
because they together fulfill all the needs for calisthenics whether you are a beginner or an advanced athlete.
あなたが初心者でも上級者でも カリステニクスの全てのニーズを満たすからです
09:23
Thanks again and see you in the next video.
ありがとうございます 次のビデオでお会いしましょう
› less
倒立腕立て伏せでのバンドの使い方に TrainingPal さんは満足していないようですが、次項で私が思いついたものを紹介します。
補足
他の人の動画や私が使っていて気づいたレジスタンスバンドの使い方を補足として紹介します。
① 片手懸垂
② フロントレバープルアップ(もう1つの握り方)
③ 倒立腕立て伏せ
④ 片手倒立
⑤ マッスルアップ(基礎)
① 片手懸垂
私の理解力の問題かもしれませんが、TrainingPal さん紹介の片手懸垂のやり方は初めのうちは鉄棒の握り方が順手と逆手で分からなくなっていました。
順手も逆手も気にせず握るなら、どちらもバンドの上から握れば OK です。鉄棒を握る場合は、順手の右手ではバンドの右側、逆手の右手ではバンドの左側を握ります(左手ではその反対側)。
また、バンドにどちらの足をかけるか分からなくなっていました。右手のときは右足をバンドにかける(左手のときは左足)、と覚えて解決しました。
私が片手懸垂を習得した方法
実は、私はこのバンドアシストの練習のみで片手懸垂を習得しました。
バンドの強度:[黒+紫]のみ(余裕を感じるくらい)
練習量:左右3レップずつ、2セットくらい、週3くらい
これくらいだとほとんど疲れないし、片手間という感じで上記を続けて(続けた期間は数えていませんでした…)、ある日そろそろできるかなとやってみたらできました。筋肉量が十分だったので技術練習のみで習得できたと考えています。
3年くらい片手懸垂の練習を続けて習得できていない人を見かけます。筋肉量が足りていれば1ヶ月もかからないと思うので、その人に必要なのは練習よりも筋肥大だと思います。実際、その人は練習ばかりして筋肥大向けの筋トレをあまりしていません(他の技も同様)。片手懸垂の練習で追い込んでも筋肥大するような筋肉への刺激を得にくいのが理由だと私は考えています。片手懸垂向けに筋肥大するなら広背筋と大円筋に強い刺激が入る種目がよいでしょう。
また、その人はグリップが浅いように見えます。浅いグリップ(指で握るような形)では片手懸垂は極端に難しくなります。手のひらで握り、できるだけ巻き込む形がおすすめです。(フォルスグリップではない)
片手懸垂を習得するなら、私が練習として行なっていた方法を多くて3セット行い(筋肥大トレに影響がない程度)、その後、筋肥大向けの筋トレを行うのがおすすめです。
② フロントレバープルアップ(もう1つの握り方)
TrainingPal さんはフロントレバーの際、バンドを手に持ってからバーを握っていましたが、この方法には軽微なデメリットが2つあります。
1つは「握りづらい」ことです。手が捩れるような負荷がかかるので、それを抑えるための力が発生してしまいます。もう1つは「強度の微調整ができない」ことです。強度の調整は端を結んで短くするとできますが、こうすると強度は大きく変わってしまいます。なお、いつも同じ強度で練習できるのはメリットでもあります。
もう1つの握り方は、バーにバンドを乗せて、その上から握るというものです。バーの太さよってはこちらの方が握りにくい場合もあるかもしれませんが、手が捩れるようなことはないので実際の感覚に近くなります。強度はバンドの長さで簡単に調節できます。
後者はフロントレバープルアップにも使える握り方なので、こちらの方がおすすめです。フロントレバープルアップでは、立った姿勢でバーと腰の間に隙間なくバンドを持つのがおすすめです。
③ 倒立腕立て伏せ
TrainingPal さんの倒立腕立て伏せでの使い方は2つあり、逆立ちの姿勢で鉄棒に引っ掛けたバンドに足先を引っ掛けるものと、頭頂部に当てるものでした。本人はどちらもしっくりこないようでした。
私が思いついたのは以下の2つです。
① 首の後ろにかけ、脇の下を通す
② お腹に通して腰に引っ掛ける(プランシェと同じ)
① の方が安定しますが動作がしづらいかもしれません。② はずり上がってズボンが脱げるかもしれません。どちらもやってみて、やりやすい方や安全な方、しっくりくる方をお選びください。
④ 片手倒立
片手倒立での使い方は動画にしたのでご覧ください。(著者本人出演)
倒立は両手も練習していませんでしたが、自力で思いついた使い方をリクエストがあったので動画にしました。初めてでしたが何度か練習すると動画のようにできました。
バンドの片方をお腹側に通すとより良いはずなのですが、やろうとしてズッコケたのでやめました。このやり方でもバンドが重心へ引っ張ってくれる感覚があったのでバランスが取れた感じがしました。足が鉄棒に触れるのもちょうど良く、姿勢を崩しにくかったです。
ポイントはバンドを吊るしているところの真下に手をつくことです。
⑤ マッスルアップ(基礎)
レジスタンスバンドにはマッスルアップの基礎におすすめの使い方もあります。またまた自力で思いついたのですが、オリンピック体操メダリストの池谷幸雄さんが YouTube の蹴上がり講座で同じような方法を紹介されていたので効果はあると考えています。
簡単そうに見えますが、適当に引くと効果はいまいちになります。真下に力を加えるように引くと広背筋に刺激を感じるはずで、おそらくそれが正解です。
これをやってからクリーンマッスルアップをやるといつもより軽くスムーズに感じたので、すでにクリーンができる人にも効果はありそうです。もちろん初心者にもおすすめ。
この方法を思いついたのは、マッスルアップ練習中の人は腕の力(肘を曲げる力)で上げようとする人が多いと気づいたのがきっかけです。マッスルアップでは腕の力よりも背中の力(腕を振り下ろす力)の使い方が重要です。池谷さんの動画は蹴上がりですが、同様の見解でした。
レジスタンスバンドは技の補助だけでなく筋トレやストレッチにも利用できるので、技をやるなら持っていて重宝しかしないと思います。
2. 注意点
レジスタンスバンドを使って技の習得を目指す場合は、以下の2点に注意してください。
① 正しいフォームで使うべき筋肉を使う
② 筋肥大が必要かどうかを見極める
→ 分からない場合は筋肥大を優先する
どちらもバンドを使わない場合にも注意が必要です。
それでは上記2つの注意点を説明します。
① 正しいフォームで使うべき筋肉を使う
レジスタンスバンドを使って静止練習をするときは「正しいフォームで使うべき筋肉を使う」ことに注意してください。
バンドを使うと完成形は作れますが「筋肉には正しいフォームで行わないと発動しないものがあったり、発動していても使い方が異なるものがあったりする」ので、上達が遅くなるどころかいつまで経っても技を習得できないかもしれません。
この章では「オレできる」と錯覚せず正しいフォームで行うための方法を3つ紹介します。
- 正しいフォームで行うために
- 自分の動画を撮影して理想の人と見比べる
- 使うべき筋肉を理解して使う
- 正しいフォームで確実にできる強度に設定する
✔︎ より高強度なフォームで練習するのもおすすめ
✔︎ バンドの強度設定では2本使いにも注意
なお、「正しいフォームで行う」はバンドを使わない基礎トレなどでも同じです。例えば、意外とプランシェリーンを間違えている人が多い印象があります。この機会に見直してみてください。
それでは上記の1〜3について詳しく説明します。
1. 自分の動画を撮影して理想の人と見比べる
練習中の自分の動画をスマホなどで撮影して、自分が理想とする人のフォームと見比べると正しくできているかが一目瞭然です。
フォームが正しければ必要な筋肉が発動していると考えてよいでしょう。
理想の人
理想のフォームは人それぞれだと思いますが、やはり海外のトップレベルのストリートワークアウト選手は素晴らしいフォームです。
YouTube では技の名前を英語で検索すると出てくるので参考にしてほしいと思います。
2. 使うべき筋肉を理解して使う
「フォームが正しければ必要な筋肉が発動している」と考えられますが、実際には正しいフォームに見えても筋肉を意識的に使わないと発動はしていてもあまり使われていない可能性があります。(特に高強度のバンドを使用している場合)
例えば、フロントレバーでは「主に背中の筋肉を使って真っ直ぐな姿勢を維持する」ことを理解しておきます。「フロントレバーは腹筋だ」と思って練習すると、バンドを使っても腹筋を中心に力を入れてしまうと思います。しかし、これでは腰が落ちたフォームになるし、横から見たときの脇の角度が大きくなるので見た目がいまいちになります。(このフォームでいいならかまいませんが…)
ちなみに、フロントレバーでは胸を突き出してみぞおちから上を中心に背中を反ったフォームで行うと、真っ直ぐなフォームよりも肩甲骨周り(特に内側)に負荷がかかります。このようにより高強度なフォームで練習するのもおすすめです。
また、プランシェ向けのトレーニングをすると「肩がパンパンになる」と言う人が多い印象がありますが、私の場合、特にバンパンになると言われる肩の前(三角筋前部)にはあまり疲労を感じません。肩を意識すると肩に刺激は入りますが、より大事と言われる前鋸筋や肩甲骨周りを意識するとそちらに刺激が入ります。なお、私の肩は強くないと思います。肩トレは全くしないし、腕立て伏せもディップスもしないので。
使うべき筋肉を理解して使わないと技が成長しない可能性すらあります。技で使う筋肉を理解した上で練習しましょう。
使うべき筋肉を使うために
技毎に使う筋肉を紹介している動画をこちらの記事で紹介しているので参考にしてほしいと思います。
筋肉は理解したからといって使えるわけではないのが自重技の難しいところですが、そのためのエクササイズをすると使えるようになります。
海外の YouTube 動画では初心者向けに基本的なエクササイズが紹介されているものもあるので参考にしてみてください。
3. 正しいフォームで確実にできる強度に設定する
プランシェのような静止技でもマッスルアップのような動的種目でも、レジスタンスバンドは「正しいフォームで確実にできる強度に設定」してください。強度設定が命です。
理由は、繰り返しになりますが「筋肉には正しいフォームでないと発動しないものがあったり、発動しても使い方が異なるものがあったりする」からです。
具体的な強度の調節方法は次章「3. 強度の調節方法」で紹介します。
② 筋肥大が必要かどうかを見極める
スタティックでもダイナミックでも、技の習得に必要なのは筋力と技術です。しかし、技に必要な筋力がなければどんなに技術練習をしても技を習得できません。懸垂を1回もできない人がマッスルアップの練習だけをしているようなものです。技に必要な筋力がなければ筋肥大する必要があります。
筋力は筋肉の大きさに比例します。つまり、筋力を上げるなら筋肥大する必要があります。筋力は技の練習でも上がりはしますが、筋肥大しないといずれ頭打ちとなります。こうなるといくら技の練習をしても技は成長しないし、疲れるだけの無駄な練習となりかねません。そのため、技の習得が目的であっても筋肥大向けの筋トレが必要です。
今の自分に筋肥大が必要かどうかを見極めるには1つ方法があります。それは、調子が良いという条件付きで「成長を感じない練習が5回続いたら」というものです。成長を感じるかどうかは主観ですが、感覚で分かると思います。回数は目安ですが、このくらい成長を感じなければ筋力不足と判断してよいでしょう。
この見極めが分かりにくい場合は、筋肥大を中心にトレーニングを進めていくのが無難で効率的だと思います(明らかに筋力が足りない場合も)。技の練習はたまにやってみて、できそうに感じたら集中的に練習してみるとよいでしょう。
「技の練習だけしたい」という人もいると思います。以下の章で技術練習と筋肥大が同時にできる方法(理論上)を紹介しているので参考にしてください。
3. 強度の調節方法
レジスタンスバンドの強度を高い順に並べると以下の順です。
- レジスタンスバンドの強度(強 → 弱)
緑 → 紫 → 黒 → 赤
素材によって多少強度は異なりますが、同じ素材であれば強度は同じです。メーカーによっては上記の通りでない色分けをしているものもありますが、多くは上記の通りで共通しています。
強度は次の方法で調節します。
- 色 (太さ) で調節する
- 長さで調節する
- 2本使いでは幅を足して強度とする
色 (太さ) で調節する
言わずもがなですが、強度別に色分けされているので、その色(太さ)で調節します。なお、太くなるほど強度は高くなります。
長さで調節する
レジスタンスバンドの強度は長さでも調節できます。バンドを短くすると強度は高くなるので、端を結んだり短く持ったりして調節します。
長さでの調節には各バンドの中間の強度にできるメリットがあります。例えば、紫と黒の間の強度にしたい場合は、低強度の方のバンド、つまり黒バンドを短くして調節します。
なお、短くしすぎると、この場合は黒バンドでありながら紫バンドよりも高強度になってしまいます。こうなるとバンドが切れる可能性もあります。引っ張ったり重いものを吊るしたりして強度を確認してください。
短くするやり方はいくつかありますが、高鉄棒を使う場合は2回巻きつけて通す、低鉄棒では端を結んで引っ掛ける、フロントレバーのように手に持つ種目では短く持つ、などがあります。
2本使いでは幅を足して強度とする
緑よりも高強度にする場合は[緑+赤 or 黒 or 紫][紫+赤 or 黒]の組み合わせで使用します。
レジスタンスバンドの強度は幅に比例します。そのため「2本使いで強度を低くしたつもりが実は高くしてた」なんてことにならないように組み合わせに注意してください。
[紫<黒+赤]がその例です。[黒+赤]は紫と黒の間の強度ではなく、緑と紫の間の強度です。実は、緑以下の強度ではこの組み合わせが2本使いで作れる唯一の中間の強度です。
2本使いの組み合わせは4本で6通りあるのでややこしいかもしれませんが、実際に実物を並べて幅を比べると分かりやすいし、感覚で覚えるので心配無用です。
4. 静止系種目のホールド秒数とセット数
紹介した動画では静止系種目で何秒静止するかやセット数には触れられていませんが、目的別に3つのやり方を紹介します。
なお、レジスタンスバンドの強度は目的とご自身のレベルに合わせて調節してください。
- 筋肉確認には40秒限界でホールド
- 技術練習には15秒限界でホールド
- 筋力アップで技を習得するなら3〜6秒限界でホールド
- 1種目3セットまで
※限界は正しいフォームが維持できなくなってきたところ
筋肉確認には40秒限界でホールド
技に取り組み始めの練習初期におすすめなのが「40秒限界ホールド」です。正しいフォームを確認しやすいし、技で使用する筋肉が分かりやすいのが理由です。
セット数は練習初期であれば2セットで、あとは次に紹介する技術練習向けのホールドを1セットするとよいでしょう。技を習得しかけの段階ではウォームアップとして1セットするのもおすすめです。
なお、40秒は長いのでスマホなどのタイマー機能を使うと便利です。50秒に設定しておいて、10秒の間に準備します。
インターバルは5分がよいでしょう。筋肉のエネルギーの回復に5分くらい必要と言われているのが理由です。
- 40秒限界ホールドのメリット
- 正しいフォームを覚えやすい
- 必要な筋肉を探せる
- 無駄な力が抜ける
40秒限界の強度では負荷が軽く、始めのうちはあまり力を入れなくてもできるので、この間に正しいフォームを作ります。
時間の経過とともにその技で使われる筋肉に刺激が入ってきます。あらかじめ技で使われる筋肉を調べておいて、その筋肉に刺激が入っていないと感じたら意識的に使おうとしてみてください。
なお、40秒耐えられなくてもフォームが崩れてきたらそこで終了します。それ以上すると崩れたフォームの練習になってしまうのが理由です。
技術練習には15秒限界でホールド
技術練習としては15秒のホールドで限界になる強度で練習するとよいでしょう。実は、40秒ホールドでは負荷が軽すぎて発動していても感じにくい筋肉があります。
そのような筋肉も15秒を目安にすれば筋肉が十分に発動して刺激が感じられるでしょう。なお、15秒はあくまで目安なので、筋肉の刺激が感じられるように10秒から20秒の間で調節してみてください。
筋力アップで技を習得するなら3〜6秒限界でホールド
静止系種目の習得のために科学的に最も効率の良い静止秒数は6秒だそうです。これは YouTube チャンネル「サイバーフィットネス TAMO 」の T氏が何度も言っているのでご存知の方も多いと思います。
1日3セットが目安で、理由は「6秒限界3セット」が人間が1日に出せるフルパワーの限界だからだそうです。それ以上やっても良い練習ができない、ということです。私としても、このくらいであれば他の種目の練習や筋肥大向けのトレーニングにあまり影響がない点からも最適と感じています。
秒数は短いほど筋力は上がるので、技の習得が近づいてきたと感じたら3秒限界にするのもいいかもしれません。なお、1秒では短すぎて練習にならないと思います。
3セットは少ないと感じるかもしれませんが、練習頻度は多い方がいいので(理想は毎日)、回復を考慮するとやはり3セットがベストだと思います。バンドを使ったプランシェの静止練習で、フォームが崩れても頑張って追い込むのを何セットもしている人を見かけますが、そんなことはしないで、その分を翌日にした方がいいと私は思います。
なお、いきなり6秒限界ホールドをやろうとすると正しいフォームできちんとホールドできないと思います。先に紹介した2つのやり方で練習やウォームアップをしてから行いましょう。
バンド静止練習のメニュー例
レジスタンスバンドを使った静止練習のメニュー例を紹介します。あくまで例なので、ご自身のレベルやその日の調子に合わせて調節して行ってみてください。
- 練習初期のメニュー例
① 40秒限界ホールドを2セット
② 15秒限界ホールドを1セット
③ 6秒限界ホールドを1セット
- 練習に慣れてきた頃のメニュー例
① 40秒限界ホールドを1セット
② 15秒限界ホールドを2セット
③ 6秒限界ホールドを1セット
- バンドなしで静止できそうな頃のメニュー例
① 紫で10秒ホールドを1セット
② 黒で10秒ホールドを1セット
※ ① と ② はウォームアップとして
③ 6秒限界ホールドを3セット
おそらく、これらのメニューでは「ちょっと物足りない」と感じると思います。とはいえ、あくまで静止練習は「技術練習」なので、毎日練習するのであればこのくらいで十分で、これ以上はやりすぎになると思います。
もし体力に余裕がある場合は同じメニューを1日に2回朝と夜などに時間をおいて行うのもいいと思いますが、それよりは筋肥大向けの筋トレをした方が技の成長効率は良いと私は考えています。
その方法と理由は次章で紹介するので参考にしてほしいと思います。
5. 静止系種目を最も効率的に習得&強化できる筋トレ方法
レジスタンスバンドを使ってプランシェやフロントレバーといった静止系種目を最も効率的に習得したり強化したりできると考えられる筋トレ方法を紹介します。
それは「完成形で行う筋トレ」です。プランシェではプランシェプッシュアップ、フロントレバーではフロントレバープルアップですが、これらをバンドを使って行います。
最も効率的かはあくまで理論上ですし、全ての静止系種目に当てはまるかは未検証ですが、フロントレバーでは私はトレーニングの度にパワーアップを実感しています。
完成形で筋トレをすると…
- 技術練習と筋肥大が同時にできる(筋力もアップする)
- 筋肥大すると技が成長する
- 静止練習でもあるので技が成長する
✔︎ 静止練習では筋肥大しづらい
「完成形での筋トレ」が静止系種目に最も効果的な筋トレ方法である理由は「技術練習と筋肥大向けの筋トレが同時にできる」からです。筋肥大するだけでも筋力アップするので技は成長しますが、完成形で筋トレすることで静止練習にもなります。つまり、技に必要な筋力と技術が一挙両得となります。
例えば、プランシェプッシュアップではプランシェの姿勢を維持しながら腕立て伏せをするので、体幹は常にプランシェの技術練習となりますし、腕を曲げる動作によって連動する筋肉の肥大が期待できます。このことが技術練習と筋肉強化が同時にできる理由です。
筋力は静止練習でも上がりはしますが、アイソメトリック(動かない筋トレ)では筋肥大しにくいと言われています。そのため技術練習ばかり続けても、いずれ筋力アップは頭打ちとなり、それ以上は上がりにくくなります。こうなると技の成長が鈍化します。
筋肥大に興味がない方もいると思いますが、筋力は筋肉の大きさに比例するところがあります。そのため技をするための筋肉のサイズが十分にない場合は筋肉を大きくする必要があります。細いままがいい方も習得するまでは筋肥大向けの筋トレを取り入れるのがおすすめです。
人によって体型や骨格は異なるので技に必要な筋肉のサイズを見極めるのは難しいですが、この点でも「完成形で行う筋トレ」にはメリットがあります。「筋肥大向けの筋トレは面倒、楽しく技だけやりたい」という人にも向いていると思います。
理論上の部分もありますが、最も効率的に技を習得できる筋トレ方法だと考えられるので、技術練習だけでなく筋肥大も期待できる「完成形での筋トレ」を試してみてはいかがでしょうか。
具体的なやり方はこれらの記事を参考にしてください。
「完成形で行う筋トレ」のレップ数やセット数、動作のポイントなどは次章「6. 動的種目のレップ数とセット数」で紹介しているもの同じと考えられるので参考にしてください。
初心者には不向きな種目もあるかも…
2022年8月上旬時点で、私はまだレジスタンスバンド補助のプランシェプッシュアップでは筋肥大するような刺激を得る前に限界を迎えてしまいます。これは私がプランシェを未習得で、久しぶりにプランシェ向けのトレーニングを再開したばかりで静止にも動作にも慣れていないからかもしれません。
フロントレバーは習得済みで安定してできるからか良い刺激が入っていると感じています。もしかしたら「完成形で行う筋トレ」は技を習得しかけている人や既に習得している人、バンド練習でプランシェの姿勢に慣れている人の強化に向いているのかもしれません。
この辺りはもう少し検証して、何か気づいたことがあれば追記します。
6. 動的種目のレップ数とセット数
レジスタンスバンドを使ってマッスルアップやヘフェストといった動的種目を行うと、その技に必要な筋肉や技術を同時に鍛えられます。
ただし、ここで紹介する方法ではバンドを使いながらも筋肥大を狙います。バンドを使った技術練習でありながら筋肥大も同時に狙うので、効率よく技を習得したり強化したりできると考えられます。(あくまで理論上)
これらは前章で紹介した「静止系種目の完成形で行う筋トレ」でも同様です。また、筋トレ初心者で懸垂やディップスが難しい場合に、それらの種目でバンドを使って効率良く筋肥大や筋力アップするのにも有効な方法です。
筋肥大向けと筋力アップ向けで方法が異なるので別々に紹介します。
また、それぞれに共通する「正しいフォームで行う」必要性についてと、頻度についても紹介するので合わせて参考にしてください。
- ① 筋肥大向けには「8レップ限界の強度で3〜6セット」
- ② 筋力アップ向けには「1レップ限界の強度で3セット」
- ③ 必ず正しいフォームで行う
- ④ 頻度は「筋肥大は週2、筋力アップは毎日か週5」
これらについて、マッスルアップではこちらの記事でより詳しく紹介しているので合わせて参考にしてください。
① 筋肥大向け
筋肥大向けには「8レップ限界の強度で3〜6セット」を「ネガティブ4秒 (下ろす動作をゆっくり) 」で行うのが効果的です。
- 8レップ限界の強度で3〜6セット
- 頻度:初心者は週2、中級者以上は4日か5日に1回
▽ 動作のポイント
1. 1秒で上げる (難しければ2秒でも OK )
2. 上げたままで1秒キープ
3. 4秒かけて下ろす (キツければ2秒でも OK )
✔︎ 2 はマッスルアップのような鉄棒の上で負荷がなくなる種目ではしない
✔︎ 3 はマッスルアップではしなくてもいい
→ 取り入れると技術練習や筋力アップにもなる
✔︎ 正しいフォームで確実に行う
「8レップ限界の強度」は「9レップはできない」という意味です。あくまで目安なので6レップや10レップになっても OK です。次回の強度調節の参考にしてください。なお、9レップできそうでもフォームが大きく崩れて全身がブルブルする場合は、そこを限界として、そのセットは終了します。
セット数はトレーニング量によって調節してください。筋肥大を目的とするとセット数は1種目当たり3セットは必要だと思います。ただし、似た動きをする他の種目も同じ日に行う場合は1種目当たり2セットがいいかもしれませんし、1セットでも十分かもしれません(例:プランシェプッシュアップ2セット、倒立腕立て伏せ1セット)。
頻度もトレーニング量と回復具合で調節してください。筋肥大を目的とすると、筋トレ初心者は週2、中級者以上は4日か5日に1回がいいと言われています。これはウエイトトレーニングの全身法を参考にしていますが、より多くの筋肉を同時に使う自重種目でも同様と考えています。
セット数も頻度も、ケガなく安全にトレーニングするなら、少ないセット数から試して増やしていくのが無難です。
以下に上記の理由を説明するので、詳しく知りたい方は参考にしてください。
「8レップ限界の強度」は筋肥大向けで技術練習もできる
筋肥大を目的とする筋トレでは8〜12レップで限界になる強度が効果的と言われています。一方、筋力アップは1〜5レップ限界が効果的と言われています。そのため、筋肥大狙いの最少レップ数である8レップにすれば筋肥大しながら筋力アップも狙えます(そもそも筋肥大すれば筋力も上がる)。
また、8レップ限界の強度は技術練習としてもちょうどいいと思います。4レップ限界だと1レップ当たりの動作がキツくなって使っている筋肉や自分のフォームが分かりづらいし、12レップ限界になると心肺がキツくなってきます。8レップ限界だとこの辺りのバランスもいいと思います。
8レップ限界でもフォームの維持が難しいかもしれませんが、最初の3レップはバンドがちぎれても崩さない意識でがんばってください(4レップ以降もなるべく崩さないように)。
なお、練習初期の段階や技術練習を主に行う場合は動作に余裕を感じるくらいの強度から始めるのがおすすめです。
ネガティブを長くすると筋肥大しやすいし、技術向上もしやすい
ネガティブ動作を4秒くらいかけて行うと筋肥大しやすいと言われています。ネガティブに時間をかけない場合と比べるとその差は僅かという研究結果もあるようですが、可能性があるのであれば取り入れる方がよいでしょう。
ネガティブ動作を長くすると筋肥大しやすいのには、ネガディブの方が強い力を発揮できる、動作時間が長くなる(トレーニング総量が多くなる)といった理由があるようですが、技術練習にもなるという要因もあると私は考えています。例えば、懸垂ではネガティブ動作の間、背中に効いている感覚を得やすいし、効いていない部分を探すこともできます。効かせる技術が向上した結果、より筋肥大したのではと。
また、ネガティブ長めは、例えばマッスルアップでは鉄棒から下りる動作のための技術や筋力が向上するので連続マッスルアップに有効というメリットがあります。このようなメリットがあるので「ネガティブ長め」はおすすめです。
ちなみに、懸垂では「肘を伸ばしきらない方が筋肥大しやすい」と言われているようです。こちらもその差は僅かではないかと私は思いますが、この点に関しては「気にせず動作しやすい方でやる」のがいいと思います。
② 筋力アップ向け
筋力アップ向けには「1〜3レップ限界の強度で3セット」をネガティブのみで行います。なお、1レップ限界の強度では最も最大筋力が向上します。
セット数はあくまで目安です。同じ筋肉を使う他の筋トレもメニューにある場合は2セットがいいかもしれませんし、1セットでも十分かもしれません。
- 1〜3レップ限界の強度で3セット
→ 初めのうちは3レップ限界が無難 - ネガティブのみで行う
→ 2~4秒目安
✔︎ 上げ切ったときや下ろし切ったときに1秒静止を入れてもいい
✔︎ 正しいフォームで確実に行う
✔︎ 頻度は毎日か3日に2回
筋力は「筋肉に最大筋力の出力が必要なほどの負荷を加えると上がる」と言われています。そのため1レップで限界になる強度(1レップしかできない強度)か、ネガティブしかできない強度で行うと最も上がると考えられます。
とはいえ、1レップ限界の強度では何が何だか分からないうちに終わってしまうかもしれないし、ケガをする危険性があります。そのため初めのうちは3レップ限界の強度がおすすめです。
慣れてからは、1セット毎に[3レップ限界 → 2レップ限界 → 1レップ限界]と強度を上げていくやり方もおすすめです。
「ネガティブしかできない強度」は、例えばフロントレバープルアップでは、引き上げはできないけど引き上げた状態から下ろす動作はできる強度です。
先ほど「ネガティブ長めでは筋肥大しやすい」と述べましたが、このようにすると筋力アップ向けとなります。
なお、関節などを怪我しやすいやり方なので、ウォームアップを入念にしてから行なってください。ウォームアップには同じ種目を余裕のある強度にレジスタンスバンドを調節して行うのもおすすめです。
③ 正しいフォームで確実に行う
筋肥大向けも筋力アップ向けも、必ず正しいフォームで確実に行なってください。これはレジスタンスバンドを使わない基礎トレでも同じですが、フォームが崩れると使うべき筋肉に正しく刺激が入らず効率が悪くなるのが理由です。
そのため、レジスタンスバンドの強度設定が命となります。強度の調節は「3. 強度の調節方法」を参考にしてください。
とはいえ、毎回バンドの強度を厳密に設定するのは難しいし、する必要はないと思います。筋肥大向けでは最後の2レップで多少フォームがブレるくらいは問題ないと思いますし、8レップで余裕がある場合はそこでやめずにそのまま限界まで続ける方がよいでしょう。
また、2セット目以降で8レップが難しそうな場合はバンドの強度を高くするか、同じ強度で限界まで行ってもよいでしょう。
マッスルアップでのフォームのチェックポイントはこちらで紹介しているので参考にしてください。
④ 頻度
頻度は高くすればするほど効率的ではありますが、それはあくまで疲労や怪我がなく、毎回質の良いトレーニングができる場合に限ります。
頻度についての正解は人それぞれですが、目安を紹介するので参考にしてみてください。
- 筋肥大向け「8レップ限界で3セット」
→ 初心者は週2
→ 中級者以上は4日か5日に1回 - 筋力アップ向け「1レップ限界で3セット」
→ 毎日か筋肥大向けがオフのとき
※目安とはいえかなりハードかもしれません。
「8レップ限界の強度で3セット」の頻度は上記が安全に怪我なく筋肥大できる目安です。理由は、筋トレ後の筋肉の回復には48時間から96時間かかると言われているからです。私の経験上もこの頻度が無難な印象です。中級者以上の定義は難しいですが、中級者であればトレーニング量と回復度合いを判断できると思います。
一方、筋肥大向けの筋トレをすると筋肥大のスイッチが入ると言われていますが、そのスイッチがオンの状態は筋トレ後の48時間と言われています。そのため「きちんと回復ができれば」という条件付きで2日に1回が理論上は最も効率的です。
もし、毎日問題なくできるのであればそれが最も効率的です。しかし、毎日できる場合は「8レップ限界の強度で3セット (正しいフォームで) 」が守れていない可能性があるので強度設定やフォームを見直してみてください。
筋力アップ向けは毎日か、筋肥大向けの筋トレの間の日に行うのがおすすめです。ただし、こちらも回復とのバランスを調節してください。
回復には完全休養もありますが、場合によってはレジスタンスバンドの強度を技の動作に十分な余裕がある設定にして、ウォームアップ程度に行うのもおすすめです。こうすると血流が促進されて回復が早くなる可能性があります。
これは「筋肉に疲労はあるけれど気力は十分ある」という状態のときに行うのが良いと思います。「疲労困憊で気力もない」場合は完全休養がおすすめです。完全休養と言っても寝るだけではなく、栄養をしっかり摂ったり温冷交代浴をしたりすると回復が早くなる可能性があるのでお試しください。
なお、オールアウトという倒れて動けなくなるまで行う筋トレはやめましょう。回復に1週間前後かかるので筋肥大にも技の習得にも非効率です。
「トレーニングが週1しかできない」という場合でも倒れない程度にしておきましょう。
7. おすすめレジスタンスバンド
レジスタンスバンドの呼び方は、ゴムバンド、チューブ(チューブじゃないのに)、エクササイズバンド、トレーニングバンドなど色々あります。
そのため検索するときは「レジスタンスバンド」がよいでしょう。レジスタンスバンドは OEM 品なのでどれも同じだそうですが、実際には臭かったりベタベタしたりするものもあるようで品質に違いがあるようです(品質管理の方?)。
私が使っていておすすめなのはこちらです。
臭くもベタつきもなく購入から2年半は経っても切れてないし、長期間ほったらかしにしてもヘタらずしっかりしています。
1本ずつや強度別2本セットもあります。
知り合いにもすすめて1人こちらを使っていますが、そちらも臭くもなくベタつきもなく良いものです。他よりもやや割高ですが、知り合いも購入後にレビューを書いて フォームローラー をもらったので総合的にお得で満足していらっしゃいました。なお、現在もプレゼントをもらえるかは分かりません。
私がレジスタンスバンドを使って感じたメリットは以下です。
- 完成形で練習できる
- 余裕がある(筋肉をしっかり使える)
- 追い込める(頻度を多くする場合は追い込まない方がいい)
- やることがシンプル
- 楽しい
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■記事更新メモ
2022年8月9日:「注意点」更新
2022年8月9日:「強度の調節方法」追記
2022年8月9日:「静止系種目のホールド秒数とセット数」追記
2022年8月10日:「動的種目のレップ数とセット数(効率重視)」追記
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