見てなくても濃い英語学習ができるディズニー映画「アラジン(Aladdin)」のフレーズと解説集です。
日本語の字幕と音声を確認しても「なんでこれがこの意味になるの?」というような翻訳するだけではニュアンスが分かりにくかったり微妙なズレが生じたりする表現、ネイティブスピーカーのイメージや感覚で理解しないと使いこなしにくい表現、英語好奇心をそそられる表現を中心に集めました。
日本語の発想では思いつかないセリフでもあるので英語学習を効率化できると思います。
作品を見ていなくても文脈がなるべく分かるように解説していますが、英語感覚を身につけるためにもぜひ視聴しながら1つ1つ確認してください。
この記事はチャプター13~15( 1:38:47 – 1:59:37 )です。
ご注意
あくまでいち素人の考察です。正確な解説を心がけておりますが間違いがあるかもしれません。参考程度かエンターテイメントとしてお楽しみいただければ幸いです。
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Chapter 13( 1:38:47 – 1:45:18 )
リンク先は 英辞郎 on the WEB の当該ページです。
例文が豊富なので合わせて確認すると表現のニュアンスや使い方が掴みやすいです。
1/3
1:39:26
Our greatest challenge isn’t speaking up against our enemies…
but defying those whose approval we seek the most.
字:難しいのは 敵に抗うことじゃなく
一番 認めてほしい人に 逆らうこと
音:自分の意見を言って 誰かと戦うのは大変よね
でも 認めてほしい人に逆らって物を言う方がもっと難しい
ジャスミンのハキームに対するセリフで、長いですが後半( but 以下)が分かりにくかったので考えました。
those whose ~ は「〜な人, 〜である人」という意味で、どんな人かは後に続く内容で説明します。
ここでややこしいのが続く内容の approval we seek the most なのですが、そのまま訳すと「私たちが最も求める承認」となり、those whose と繋がりません。
おそらく approval… は倒置されていて、元の形は we seek the most approval ではないかと思います。そうすると「私たちが最も承認を求める人」となるので字幕と音声の「認めてほしい人」という意味になります。
とても分かりにくいのですが、ジャスミンは approval を強調したかったので倒置が起きたのではないかと思います。
DeepL では元のセリフは次の訳になりました。
「私たちの最大の挑戦は、敵に向かって発言することではなく、最も承認を求めている人たちに逆らうことです」
approval を最後に持ってきてもほとんど同じ訳になり、内容は同じでした。
those whose は[ those whose と後に続く内容が = となる]と解釈すると分かりやすいかもしれません。英辞郎 on the WEB で those whose を検索すると次の例文がありました。
test for those whose mother tongue is not Japanese
日本語を母語としない人を対象にしたテスト
those whose = mother tongue is not Japanese
そういう人 = 母語が日本語でない
このセリフの but 以下は DeepL のように直訳すると分かりにくいですが、字幕や音声の訳が分かりやすいです。
ジャファーが魔法によって王となったため、ハキームはこれまで自分が忠誠を尽くしてきた王(彼が最も認めて欲しい人)に逆らって発言(行動)しなければならなくなりました。ジャスミンはそんなハキームの気持ちを察して代弁しているようです。
2/3
1:39:49
And you would win it off the backs of my people!
字:そのために民を犠牲に!
音:国民たちを苦しめて 手に入れるつもりなのよ
直訳:私の民の背中からそれを勝ち取るだろう
このセリフがどうして字幕や音声の意味になるのかは分からないのですが、考えたことを書いておきます。
「アグラバーの栄光を願っている」と主張するジャファーにジャスミンは「自分の栄光を求めてるだけ」と返します。そのあとのセリフです。
it は「 (ジャファーが求める) 栄光」を指しています。
win は「勝つ」と一般に訳されますが、イメージは「獲得する」で、「勝つ」とは意味や使い方が大きくズレます(この辺りは辞書で確認してください)。勝利や努力の結果として何かを「勝ち取る」という感じです。
win off は英辞郎で調べてみると載っておらず、weblio には「〔人から〕〈金などを〉勝ち取る」と載っていました。
off は「〜から離れて」という意味なので、win it off ~ では「それを〜から離して獲得する」というイメージになります。これが「奪う」というニュアンスになるとすると、奪われた人の気持ちから字幕の「犠牲」や音声の「苦しめて」の意味に繋がるのかもしれません。
the backs of my people は「私の民の背中 (後ろ, 裏) 」で、どう解釈していいのか分かりませんが辞書を確認すると次の表現がありました。
live off the backs of …
〈人を〉搾取する.
back:プログレッシブ英和辞典 (macOS 版)
セリフの win it off the backs of my people では「私の民を搾取してそれを勝ち取る」となりそうなので、搾取される側は犠牲になったり苦しかったりするので、字幕や音声の訳に繋がります。
「搾取する」のイメージから the backs を「背後」とすると、馬車に繋がれた馬を後ろから操るイメージが浮かびましたが、いかがでしょうか。
3/3
1:41:01
Genie! I wish to become the most powerful sorcerer there is!
音:ジーニー 私をこの世で最も力のある魔法使いにしろ
sorcerer ( whom ) there is ということだと思います。
「名詞の後に there is がきたら[存在する]と付け加える」と覚えておくと瞬間的に理解できると思います。
Chapter 14( 1:45:18 – 1:53:06 )
1/3
1:50:52
I wish to become the most powerful being in the universe.
字:私を宇宙で最強の存在にしろ
the most powerful being in the universe が出てくるのは2度目です。1度目はアラジンとジーニーが出会ったシーン。
being をかなり強く発音しているところがポイントだと思ったので取り上げました。
存在について気にしすぎなジャファーらしいセリフかと。
2/3
1:51:34
The most powerful in the universe, at last… second to no one.
字:宇宙で最強の存在だ やっと1番になれた
巨大化したジャファーのセリフです。
second to no one は second to none(誰にも負けない)と同じ意味だと考えられます。
second to は「〜の次, 〜から2番目の」という意味です。
例:second to last(最後から2番目の)
「 no one (誰もいない) の次」なので、実質1番ということです。表彰台の2位にジャファーが立って、1位には誰も立っていないところを想像すると分かりやすいと思います。
ずっと2番目だったジャファーらしいセリフでもあります。
second to が「2番目の」という意味になるのが引っかかるかもしれませんが、主語をつけると分かりやすいです。
He is second.(彼は2番目)
He is second to last.(彼は最後から2番目)
to last の to は → で last に向かっているイメージです。最後に向かって2番目です。
3/3
1:51:40
And I thought I had power before!
字:今までは無力だった
音:力がとめどなく溢れてくる
上記に続くジャファーのセリフです。
直訳すると「以前は力があると思った」、DeepL では「前からパワーがあると思っていました, 以前はパワーがあったと思っていたのに」でしたが、字幕の「今までは無力だった」はどういう解釈なのでしょうか。
おそらく、以前から力があると思っていたのに「今はそれを遥かに凌ぐ力を手に入れた、以前の力が無力なくらいだ」という解釈だと考えられます。
あるいは、2番目のポジションで無力さを痛感していたので「今までは無力だった、けど力を得た」という解釈かもしれません。
Chapter 15( 1:53:06 – 1:59:37 )
1/3
1:54:05
No, no long faces, all right?
字:おい 待て しょんぼりするな
アラジンの様子を見てジーニーが言ったセリフです。
どんな顔をしているかは作品を見てもらうしかないのですが、long face は「悲しそうな表情, 浮かない顔」という意味です。
顔が長くなると(表情筋が緩んだ感じ?)悲しそうな表情や浮かない顔に見えるのでしょうか。もしくは「長く待っているときの顔」ということなのでしょうか。
あるいは long の動詞「切望する」ときの表情でしょうか。
↓long(ウィズダム英和辞典 macOS 版)
〖「長く(long)思う」>「切望する」〗
「悲しそうに見える長い顔」、何となくイメージはできます。
2/3
1:54:14
We should just riff on that a little bit.
音:その線でいってみようぜ
アラジンの3つ目の願いを叶えようとするジーニーが、「王族になるのはいいアイデアだった」と言ったあとのセリフです。
riff on は「繰り返す」という意味です。riff は曲の中で繰り返される印象的なフレーズのことで、ジーニーは「それ (王族になるの) をちょっと繰り返そう」と言っています。
同じことを繰り返すことから音声の「その線で」の意味に繋がります。
ノリの良いジーニーらしいセリフです。
3/3
1:58:49
Aladdin: Does that mean I’m in trouble?
字:何か問題?
音:これってやっぱりまずい?
Jasmine: Only because you got caught.
字:私が捕まえた
音:捕まらなきゃ平気
盗みを働いたアラジンをジャスミンが捕まえたシーンのセリフです。
ジャスミンのセリフ Only because you got caught. を考えてみます。翻訳ソフトは次のように訳しました。
DeepL:捕まったからこそ
Google 翻訳:あなたが捕まったという理由だけで
only because は「~だからといってそれだけで, ~であるばかりに, ただ~だから」という意味で、DeepL のように「〜だからこそ」という訳にもなります。
これらの訳とアラジンのセリフを合わせると次のようになります。
DeepL:捕まったからこそ問題だ
Google 翻訳:あなたが捕まったという理由だけで (が) 問題だ
つまり、ジャスミンは腕のいい泥棒であるアラジンが捕まったのが問題だと言っていると解釈できます。「泥棒の腕が鈍ったわね、どうしたの? それはまずいでしょ」と言いたげです。
日本語字幕の「私が捕まえた」は「泥棒を捕まえた」というよりは「アラジン自身を捕まえた」と言っている気がします。「これであなたは私のもの、だから問題よ」と。
なお、ジャスミンのセリフはアラジンのセリフの続きをジャスミンが付け足して言った感じです。2人のセリフを合わせると You are in trouble only because you got caught. となります。
Chapter 16 は歌のみなので省きました。
今回は分からないものが多かったです。すみません。
「アラジン」のフレーズ解説は以上です。
▽動画配信サイトで「アラジン」を見る
›› amazon prime video → 字幕版・吹替版
›› U-NEXT[字・吹]
※本ページの情報は2021年5月19日時点のものです。最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。
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↓英文法と基本単語をイメージで使いこなそうという趣旨。
↓私はこれで文章を感覚的に瞬時に組み立てられるようになりました。
↓辞書もネットでもダメなときにこれを使います。
はじめから使っておけばよかったとなることもあります。
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ちょっと厳しい言い方になったかもしれませんが、こんなシンプルなことを教えない人こそ犯人だと私は思います。
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