プランシェ(上水平)のための筋トレとして最も効果的だと考えられる方法を思いついたので紹介します。初心者からできる人のレベルアップまで有効な方法です。さらに、コツを習得するための練習方法も紹介します。
また、これからプランシェ練習を始める人で「筋トレ自体もこれから」という人の基礎作りとして参考になる海外動画を翻訳して紹介します。すでにプランシェに取り組んでいる人にも体の使い方を確認するために参考になる動画です。
思いつく度に書き足していたら長い記事になってしまいましたし、新旧混在して矛盾もあるかもしれませんが、自分にとって「必要、効果的、効率的」だと感じるものを取り入れてみてください。
カリステニクス、ストリートワークアウトをしていると1つの到達点として大きな目標にしたくなるのがプランシェだと思います。私自身は、初めは「プランシェはいいかな」と思っていましたがフロントレバーなど他の技を習得していく中でやりたくなってしまいました。
私は2022年8月下旬時点ではプランシェ完成にはちょっと遠いのにほとんど練習していないのが現状です。プランシェの優先順位が低いのと、練習すると体調が悪くなるし他のトレーニングで体が限界なのが理由です。とはいえ、最も効果的と紹介している筋トレだけぼちぼちやっていきたいところでもあります。
日本の通販よりも圧倒的に安く量を取りやすいので「マイプロテイン」がおすすめです。セール時は激安ですが満足な品質です。私にとってプロテインは体調を崩しにくくなったのが1番のメリットで、筋肥大、筋力アップ、疲労感の軽減などを実感しつつトレーニングを継続できています。
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でも最近は値上がり感があるので Amazon や楽天と変わらないかも。
1. おすすめ海外動画
動画を見る前に(要確認)
次の3点に注目しながら動画を見てください。
- 全体重を支える手首の力
- 肩を前に出す力
- 地面を押す力
特に「地面を押す力」に注目です。
おすすめ動画
おすすめは OSVALDO LUGONES というチャンネルの動画です。タックプランシェまでの動画ですが簡潔にまとまっていて体の使い方が分かりやすいのがおすすめする理由です。
全3回のシリーズの1回目で、以降はストラドルプランシェ講座、フルプランシェ講座と続きます。これらの講座も分かりやすいので合わせて確認してみてください。
↓ストラドルプランシェ講座
›› HOW TO STRADDLE PLANCHE | BY OSVALDO LUGONES
↓フルプランシェ講座
›› HOW TO FULL PLANCHE | BY OSVALDO LUGONES
動画には5つのステップがあり、さらに各ステップ(種目)を達成するためにそれぞれ5つほどのエクササイズが紹介されています。動画の概要欄にまとめられているのでメモしておくのもいいでしょう。
私は紹介されているエクササイズの全てを行う必要はないと思いますが、筋トレ自体がこれからという人は全て行うのもいいですし、紹介されているものが全てできそうな人も体の使い方の確認やウォームアップとして取り入れるといいのではないかと思います。
HOW TO PLANCHE FOR BEGINNERS | BY OSVALDO LUGONES
00:00
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What’s up guys, my name is Osvaldo and welcome back to my youtube channel.
こんにちは オズワルドです
As promised, today’s video be how to planche for beginners.
今回は初心者のためのプランシェ講座です
Before we start, it’s important for me to say that this is not a complete full planche tutorial.
この動画はフルプランシェを完成させるための講座ではありません
Instead, this will be a 4 part series, starting with this video being for beginners.
代わりに この動画は初心者がプランシェを始めるために4つのパートに分かれています
The goal of this video, is to develop your strength and a good foundation for planche.
この動画の目的は プランシェのための筋力と基礎を作ることです
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00:44 WHAT IS STRAIGHT ARM?
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Let’s start with straight arm.
ストレートアームから始めましょう
Ok, first I want you guys to get a dumbbell.
まずはダンベルを用意してください
Raise the dumbbell up.
And far from your body.
ダンベルを上げます
そして体から遠くに*
※筆者補足:肩甲骨から腕を前に伸ばす
Squeeze the tricep as much as you can.
上腕三頭筋を思いっきり絞ります
Rotate the dumbbell.
ダンベルを回転させます
And feel all the weight on top of your arm.
そして 腕の上にその重さの全てを感じてください
Right here.
ここに
I hope you guys understand what is straight arm.
ストレートアームとは何かを理解していただけましたか
Second, you guys have to know how to work on your scapulas.
次に 肩甲骨を鍛える方法を紹介します
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01:18 HOW TO WORK ON SCAPULAS
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I will give you some exercises to work on them.
肩甲骨を鍛えるエクササイズを紹介します
So, we have scapula push-ups.
それは 肩甲骨腕立て伏せです
Protractive scapula hold.
(肩甲骨を突き出してホールド)
Lay down dumbbells scapula protractive.
Elbow plank scapula protractive.
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01:51 PERFECT FORM IN PLANCHE
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Now, let’s talk about what is perfect form in planche.
プランシェの完璧なフォームとは何かについてお話しします
First, get into plank position.
まず プランクの姿勢に入り
Make sure your arms are straight and locked.
腕がまっすぐでロックされていることを確認します
Protract your scapula.
肩甲骨を突き出して
Tilt down your hips.
お尻を下げて
Chin forward.
顎を前に向け
And lean.
そして体を傾ける
After you guys are clear, let’s start with the training.
しっかりと理解したら トレーニングを始めましょう
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02:15 STEP 1-) PLANK LEAN HOLD 20SEC
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First step is the plank lean hold for 20 seconds.
ステップ1はプランクリーンホールドを20秒間です
Make sure to lean forward as much as you can.
できるだけ前傾姿勢になるようにしましょう
This move will help you with straight arm strength.
この動きはストレートアームを鍛えるのに役立ちます
Before you move on to the next step,
make sure you feel comfortable with the 20 second hold.
次のステップに移動する前に
20秒ホールドを楽にできると感じるようにしてください
In order to achieve this move,
you have to do the following workout.
この動きを習得するためには
次のワークアウトを行う必要があります
The first exercise is going to be plank lean hold for five seconds.
You have to do it four times.
最初のエクササイズは 5秒間のプランクリーンホールドです
4回行ってください
The second exercise is going to be plank lean back and forth, ten times.
2つ目は プランクリーンの体勢で前後に移動を10回
The third exercise is going to be knee plank lean hold for 20 seconds. Four times.
3つ目は 20秒間のニープランクリーンホールドを4回
The fourth exercise is going to be knee plank lean back and forth, 15 times.
4つ目は ニープランクリーン前後を15回
Exercise number 5, is going to be dumbbell arm raise. Ten times each.
You have to repeat this workout four times.
5つ目は ダンベルアームレイズを左右10回ずつ
4セット行なってください
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03:34 STEP 2-) PIKE LEAN HOLD 20SEC
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Second step, is the pike lean hold for 20 seconds.
ステップ2はパイクリーンホールドを20秒間です
This move will help you with straight arm strength and core.
この動きはストレートアームと体幹を鍛えるのに役立ちます
Before you move to the next step,
make sure to feel comfortable in the pike lean.
次のステップへ進む前に
パイクリーンを楽にできると感じるようにしてください
In order to achieve this move,
you have to do the following workout.
この動きを習得するためには
次のワークアウトを行う必要があります
The first exercise is going to be pike lean hold for five seconds. 4 times.
1つ目のエクササイズは 5秒間のパイクリーンホールドを4回です
Exercise number 2, is going to be pike lean back and forth, ten times.
2つ目は パイクリーンを前後に10回
Exercise number 3, is going to be plank arch to hallow, 15 times.
3つ目は プランクをアーチからホローへ15回
Exercise number 4, is going to be boat hold compressions, ten times.
4つ目は ボートホールドコンプレッションを10回
Exercise number 5, is going to be scapula push-ups, ten times.
5つ目は 肩甲骨腕立て伏せを10回
Exercise number 6, is going to be dumbbells straight arm raises, ten times each.
You have to repeat this workout four times.
6つ目は ダンベルストレートアームレイズを左右10回ずつ
これを4セット行なってください
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05:08 STEP 3-) FAKE TUCK PLANCHE HOLD 20SEC
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Third step, is the fake tuck planche hold for 20 seconds.
ステップ3はフェイクタックプランシェホールドを20秒間です
This move will get you closer to the tuck planche hold.
この動きでタックプランシェに近づきます
The point of this move is to release your body weight from your toes,
and transfer to your arms.
この動きのポイントは つま先に掛かる体重を
腕に移動させることです
Before you can move to the next step,
make sure you feel comfortable with the 20 second hold.
次のステップへ進む前に
この20秒ホールドを楽にできると感じるようにしてください
In order to achieve this move,
you have to do the following workout.
この動きを習得するために
次のワークアウトを行なってください
Exercise number 1, is going to be fake tuck planche hold for five seconds, four times.
1つ目のエクササイズは 5秒間のフェクタックプランシェホールドを4回
Second exercise is going to be fake tuck planche jumps, ten times.
2つ目は フェイクタックプランシェジャンプを10回
Exercise number 3 is going to be pike lean hold, max, four times.
3つ目は パイクリーンホールドをできるだけ4回
Exercise number 4 is going to be dumbbell straight arm raises, ten times each.
You have to repeat this workout 4 times.
4つ目は ダンベルストレートアームレイズを左右10回ずつ
これを4セット行なってください
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06:28 STEP 4-) TUCK PLANCHE HOLD 15SEC
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The fourth step, is the tuck planche hold for 15 seconds.
ステップ4は 15秒間のタックプランシェホールドです
This move is important because you have to put all the body weight on your arms.
腕に全ての体重を乗せる必要があるので この動きは重要です
Before you can move on to the next step,
make sure you feel comfortable with the 15 second hold.
次のステップへ進む前に
これを15秒間 余裕でできるようにしてください
In order to achieve this move,
you have to do the following workout.
この動きを習得するために
次のワークアウトを行なってください
Exercise number 1 is going to be tuck planche hold for five seconds, five times.
1つ目のエクササイズは 5秒間のタックプランシェホールドを5回
Exercise number 2, is going to be plank to tuck planche, five times.
2つ目は プランクからタックプランシェへの移行を5回
Exercise number 3, is going to be tuck l-sit to tuck planche, 10 times.
3つ目は タックL-シットからタックプランシェへの移行を10回
Exercise number 4, is going to be tuck planche pumps, ten times.
4つ目は タックプランシェパンプスを10回
Exercise number 5, is going to be dumbbel arm raises, ten times each.
You have to repeat this workout ten times.
5つ目は ダンベルアームレイズを左右10回ずつ
これを10セット行なってください
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07:45 STEP 5-) TUCK PLANCHE PRESS
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Finally, the last step, tuck planche press.
最後のステップは タックプランシェプレスです
This move is going to give you the strength on your arms to press and lift your tuck planche.
この動きでタックプランシェを押し上げるための腕の力を鍛えます
In order to achieve this move, you have to do the following workout.
この動きを習得するために 次のワークアウトを行なってください
Exercise number 1, is going to be high tuck planche hold for five seconds, four times.
1つ目は 5秒間のハイタックプランシェホールドを4秒間
Exercise number 2, is going to be tuck planche lean back and forth, 8 times.
2つ目は タックプランシェで前後に8回傾けます
Exercise number 3, is going to be tuck l-sit to tuck planche press, ten times.
3つ目は タックL-シットからのタックプランシェプレスを10回
Exercise number 4, is going to tuck planche hold, max, four times.
4つ目は タックプランシェホールドをできるだけ4回
Exercise number 5, is going to be dumbbells straight arm raises, ten times each.
Make sure to repeat this workout four times.
5つ目は ダンベルストレートアームレイズを左右10回ずつ
これを必ず4セット行います
Please, keep doing this workout up ‘till you feel comfortable with all the steps I’ve been given you.
私が紹介した全てのステップに慣れたと感じるまでこのワークアウトを続けてください
I hope to see you in the second part of this series, how to straddle planche.
このシリーズの第二部 ストラドルプランシェ講座でお会いできることを願っています
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すぐにお会いしましょう
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「地面を押す力」に注目していただいた理由は3つの中で一番鍛えにくい力だからです。この力を鍛える方法は次項「3. 最も効果的な補助トレ方法」で紹介します。
2. 最も効果的な筋トレ方法
あくまで理論上ですが「プランシェプッシュアップ (レジスタンスバンド補助) 」がプランシェの最も効果的な筋トレ方法で、習得にも強化にも使えると考えています。(プレスからのネガティブで効かせる方がいいかなとも…)
プランシェプッシュアップはその名の通りプランシェの姿勢で腕立て伏せをするエクササイズで、これをレジスタンスバンドを使って負荷を軽くした状態で行います。
なお、強化についてはバンド補助なしでプランシェプッシュアップが5回くらいできる上級者には必要ないかもしれません。とはいえ、バンド補助で8回前後を目安に行えばその回数やプランシェの静止秒数が伸びる可能性はあるかもしれません。
この章ではプランシェプッシュアップについて以下の3つを紹介します。
① プランシェに最も効果的な筋トレ方法である理由
② やり方(基本姿勢やレップ数など)
③ 技術練習と筋肉強化の割合
① プランシェ習得に最も効果的な筋トレ方法である理由
- プランシェプッシュアップをすると技術練習と筋肉強化が同時にできる
(筋肉強化=筋肥大+筋力アップ) - 技術練習(静止練習)だけでは筋肥大しづらい
- 筋肥大するとプランシェの成長の鈍化を回避できる
この理由について、詳しくは下記リンク先の記事の「5. 静止系種目を最も効率的に習得&強化できる筋トレ方法」にて紹介しているので、興味がありましたらお読みください。
なお、バンド補助プランシェの姿勢で「完全にゴムで吊られている状態」であればプッシュアップはできないし、バンドの強度をそれ以下にできない場合はプランシェ練習を始めるための筋力が不足していると考えられます。まずは腕立て伏せや Lシットなどを続けて筋肉を強化してくださいm(__)m
② やり方(基本姿勢やレップ数など)
- 基本姿勢は一般的なやり方と同じ
- 強度、レップ数、セット数は目的に応じて調節する
- 必ず正しいフォームで行う
- バンドを使えない場合は〇〇プッシュアップで
基本姿勢は一般的なやり方と同じ
まずはレジスタンスバンドで補助したプランシェの姿勢を作ります。これは一般的に紹介されているやり方です。鉄棒などに吊るしたバンドを体の重心に通して、手は鉄棒の真下につきます。
体の重心の位置には個人差がありますが、目安としては、フルでは腰骨の出っ張りがあるところ、ストラドルではヘソの少し下です。
詳しくはこちらの動画を参考にしてください。
一般的な技の使い方が一通り紹介されているので参考になりますよ。
こちらの記事で翻訳とレジスタンスバンドの注意点などを紹介しているので参考にしてください。
バンド補助でプランシェの姿勢を作ったらそのままプッシュアップをします。
初めのうちは動作に慣れる必要があるのでバンドの強度を強めでやるのがおすすめです。肘はいきなり深く曲げず、浅めで確実に動作できるくらいに曲げるとよいでしょう。
強度、レップ数、セット数は目的に応じて調節する
プランシェプッシュアップの強度、レップ数、セット数は目的によって調節してください。
目的は「筋肥大」または「筋力アップ」です。
筋肥大向けのやり方は次の通りです。
-
- プランシェプッシュアップの筋肥大向けのやり方(中級者以上向けかも)
▽レップ数とセット数
- 8レップ限界の強度で3セット
(9レップ目は正しいフォームでできないという強度)
▽動作のポイント
- 4秒かけて下ろす(1秒の方がいいかも)
- 1秒で上げる
- 上げ切った姿勢で1秒キープ
✔︎ 終始プランシェの正しいフォーム(特にホローボディ)をキープする。
✔︎ 上げるときは反動やゴムの弾力を使ってもいい。
「上げ切った姿勢」は「肘を完全に伸ばした状態」ですが、筋肥大を目的とする場合は肘を伸ばし切らない方がいいとも言われます。とはいえ、その差は僅かだとも言われているので、私は技術練習を兼ねて伸ばす方がいいかなと。
次に、筋力アップ向けのやり方です。
-
- 筋力アップ向けのやり方
▽レップ数とセット数
- 1レップをギリギリできる強度で3セット
▽動作のポイント
- 4秒かけて下ろす
- 1秒で上げる
- 上げ切った姿勢で1秒キープ(できれば)
✔︎ 4秒かけて下ろすだけでもいい
筋力アップの目的ではネガティブのみ(下ろす動作)でもいいかもしれません。
どちらの目的でもバンドの強度設定が命なので、その調節方法と注意点を下記リンク先の記事で確認してほしいと思います。強度を低くしたつもりで高くしている人を見たことがありますし。。
必ず正しいフォームで行なってください
プランシェ練習は正しいフォームでやらないと効果が激減するし、ほとんど無駄になる可能性があります。フォームが崩れるとプランシェに必要な筋肉への刺激の入り方がまるで違ったり、そもそも発動していなかったりするのが理由です。
「崩れたフォームを習得するための練習」にならないように、必ず正しいフォームで練習してください。
正しいフォームは以下の3点ができていれば問題ないはずです。
プランシェフォームのチェックポイント
- ホローボディ (みぞおち辺りを丸めて以下は真っ直ぐな姿勢)
- 肘の内側は正面
- 肩を下げる (肩をすくめていない)
Plus:前鋸筋や肩甲骨周りを意識的に固められるとより良い
正しいフォームについてはこちらの動画が分かりやすいのでご確認ください。この解説者はあるストリートワークアウト世界大会の優勝者です。
特に肩甲骨の使い方やホローボディが分かりやすいと思います。
プランシェリーンの入り方も「これが正解!」です。膝を床に着いて形をしっかり作ってから入るので力の入れ方を意識しやすいと思います。また、動画では述べられていませんが、膝を床に着いたときの腰の高さをキープしたまま膝だけを上げると良いでしょう。腰が上がりすぎるのを防げます。
プランシェ練習をしていると先に進みたくて今の自分のレベルよりも上の強度の種目をやりがちかもしれません。私は崩れたフォームで練習を続けている人を見たことがありますが、これでは「崩れたフォームを習得するための練習」になります。
正しいフォームで行えないということは、その種目の強度が今の自分のレベルに合っていないという証拠です。必ず正しいフォームで確実に行える強度に調節して行なってください。
プランシェプッシュアップではレジスタンスバンドの強度を高くする(太いものにする、短くする)、プランシェリーンでは膝を床に着けて行う、といった方法で強度を低くした練習ができます。
あくまで理論上かプランシェできかけレベル以上向けかも
2022年8月上旬時点で私はまだこのトレーニングをやり込めてはいませんが、筋肥大向けにやっても肥大しそうな刺激はありません。何だかよく分からないうちに全身に限界がきてしまいます。(暑すぎて調子が出ないのもありそうです)
今のところはタックプランシェプッシュアップやシュードプランシェプッシュアップ(プランシェリーン+プッシュアップ)を筋肥大向けにする方が圧倒的に筋肥大にも筋力アップにも効果がありそうな感じです。
動作に慣れたら変わるかもしれませんが、もしかしたらこのトレーニングは静止ができるかできないかくらいのレベルかもう少し上のレベルの方向けかもしれません。ネガティブを1秒にするなどしてもう少しやり込んでみます。
あるいは、プレスからのネガティブ(倒立 → プランシェ)ゆっくりの方がいいような気もします。なお、こちらもバンド補助で行えます(バンドは腰の位置)。
ただし、フロントレバープルアップではすでに習得しているからか同様にして筋肥大するような刺激を感じるし、数日に1回の頻度ですが回復後は毎回パワーアップを実感しています。そんな訳でプランシェにも効果があると考えていたのですが。
なお、[レジスタンスバンド×完成形]で行う筋肥大向けの筋トレは、マッスルアップのようなダイナミック技と親和性が高いと考えています。
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バンドを使えない場合は〇〇プッシュアップで
レジスタンスバンドを使える環境にない場合は、「シュードプランシェプッシュアップ (プランシェリーン+プッシュアップ) 」と「タックプランシェプッシュアップ」がおすすめです。
これらも必ず正しいフォームで行なってください。
シュードプランシェプッシュアップは、手と骨盤の出っ張りの辺りが垂直線上にある位置関係で行うのが理想です。ホローボディが崩れたり腰が上がったりしてはいけません。フォームの維持が難しい場合は膝を着いて行ってください。
タックプランシェはプランシェと腕の角度が違うのでこればかりしてもプランシェには近づかないと言われています。とはいえ、プッシュアップを組み合わせれば筋肥大するような刺激が得やすいのでプランシェに近づくための基礎作りになります。
タックプランシェ自体がキツい場合はつま先を床に着けたまま行なってみてください。「上げるのが無理」という場合は足の力で補助して上げて、ネガティブ(下ろす動作)のみ効かせると良いでしょう。余裕があればネガティブのみつま先を浮かせて行なうとより効果的です。
タックプランシェプッシュアップに余裕があれば、アドバンストタック(膝と足の付け根が垂直)にしたり、プランシェリーンからネガティブのみストラドルで行ったりすると良いでしょう。
筋トレ初心者でいずれも難しい場合は、まずは一般的な腕立て伏せをホローボディを維持したままで行うのがおすすめです。プランシェリーンのような前傾はホローボディを維持できる範囲で行なってください。
おすすめレジスタンスバンド
レジスタンスバンドは OEM 品なのでどれも同じだそうですが、実際には臭かったりベタベタしたりするものもあるようで品質に違いがあるようです。
私が使っていておすすめなのはこちらです。
臭くもベタつきもなく購入から2年半は経ちますが、長期間ほったらかしにしてもヘタらずしっかりしています。
1本ずつや強度別2本セットもあります。
知り合いにもすすめて1人こちらを使っていますが、そちらも臭くもなくベタつきもなく良いものです。他よりもやや割高ですが、知り合いも購入後にレビューを書いて フォームローラー をもらったので総合的にお得で満足していらっしゃいました。なお、現在もプレゼントをもらえるかは分かりません。
③ 技術練習と筋肉強化の割合
プランシェの技術練習と筋肉強化の割合は、結論から言うと人によります。
まとめからすると以下です。
- 技術練習と筋肉強化の割合
- プランシェ筋力が不十分 → 筋肉強化メイン
- プランシェ筋力が十分 → 技術練習メイン
プランシェ筋力が十分か不十分かは、プランシェを正しいフォームでやってみて判断します。フォームがやや崩れても3秒くらい静止できれば十分だと思います。
注意として、これは普段プランシェ練習をしていない人の判断の仕方です。日常的に練習をしていてこれと同じような状態であれば筋肉強化をメインで行うことをおすすめします。
なお、技術練習と筋肉強化の割合はプランシェ以外の静止技でも同様ですし、マッスルアップでも同様です。
3. 最も効果的な補助トレ方法
プランシェで使う筋力のうち最も鍛えにくいのが「地面を押す力と感覚」だと私は考えています。他に必要な、手首、肘、肩の筋力については例の動画で紹介されているトレーニングをすれば自然と負荷がかかるので鍛えること自体は難しくありません。
しかし、押す力と感覚は意識しないと鍛えられないと思います。日常生活や一般的な筋トレでプランシェの腕の角度で押したり力を入れて静止したりする機会はまずないので、体(脳)が筋肉の使い方を知らないし、鍛えること自体が難しいのが理由です。なので、プランシェの押す力を鍛える難しさがプランシェを習得する難しさでもあると考えています。
プランシェに必要な主な力(復習)
- 全体重を支える手首の力
- 肩を前に出す力
- 地面を押す力
この押す力の鍛え方として、私が最も効果的だと考える方法を紹介します。レジスタンスバンド(ゴムバンド、ゴムチューブ)を使うので「ゴム押し」としました。名称は Planche Push Forward with Resistance Band や Planche Push Band とするとそれっぽいですが、長いので「ゴム押し」を通称として使います。
また、バンドを使わない場合の基礎トレでも筋肉の使い方は同じように意識できるので合わせて紹介します。
1. 基本姿勢
2. バンドの強度と長さ
3. 動作時のポイント
4. レップ数とセット数、頻度
5. 注意点
6. 最も効果的である理由
7. プランシェ中も意識して
8. マルティスにも効果的、なはず
9. バックレバーにも効く
10. バンドを使わない場合
1. 基本姿勢
まずは「ゴム押し」の基本姿勢から紹介します。
立ったまま次の姿勢を作ります。
ゴム押しの基本姿勢
- バンドを腰に回して両手で持つ
- プランシェの体勢 (腕の角度) でバンドが水平
- なるべくホローボディ
- 腕を伸ばして肘の内側を正面に向ける
- 肩を開く
- 壁も押す
この基本姿勢は動作中も崩さないように意識します。
バンドの持ち方は、ループに手を入れて、親指の外側から掌底を通るようにします。こうするとよりプランシェの押す感覚に近い感じがします。
やりにくい場合は親指と人差し指の間を通して持ってみてください。持ち方によっては手首によろしくない負荷がかかるのでどちらかの持ち方をおすすめします。
ゴム押しはホローボディで
みぞおちから上を丸めた体の姿勢をホローボディと言います。ホローボディの作り方は大事なので次項にて詳しく紹介しますが、ここではゴム押し中の感覚について紹介します。
まずは、みぞおちから上をしっかり丸めてホローボディを作りますが、さらに丸めた背中の頂点(肩甲骨の辺り)を頭の方向(垂直方向)に引き上げるようにします。こうするとより背中が丸くなるので上半身が短くなるイメージがあります。
こうすると自然と肩が下がるのでプランシェに理想的なホローボディとなり、より押せる感じがします。まずはバンドを持たずにエアでやると分かりやすいです。
さらに、ヘソと仙骨を垂直方向に引き上げるイメージで力を加えます。より「ハマる感」があり、エアでも腹筋に入ってくるはずです。
注意点
注意としては、腰まで丸めないことです。腰は直線を意識しますが、反るようにして力を入れるのではなく、丸める意識で直線のまま固めます。これはゴム押しだけでなくプランシェでも同様です。腰を反ると見た目が悪いだけでなく怪我に繋がるので注意してください。
姿勢が安定する方法
背中とバンドの間に鉄棒の支柱や柱、そこら辺の電柱を挟むと姿勢が安定します。先にこのやり方を思いついたもののやりにくいと感じてボツにしたのですが、姿勢が安定するため押す動作に集中できるメリットがあります。
また、高強度のバンドを使用する場合はこちらの方がやりやすいかもしれません。ポイントは、かかとと仙骨を柱にくっつけたまま基本姿勢を作ることです。
一方、柱を挟まないやり方は腰で押し返す力も使っているため、純粋に押す力を鍛えるには挟むやり方よりも効率が悪いかもしれません。しかし、プランシェ自体がとても不安定な姿勢なので、挟まない場合の方が姿勢を安定させるための筋肉も鍛えられることから総合的には効果的だと考えられます。
柱を挟む方法では場所を選ぶデメリットがありますが、それぞれにメリットがあるのでどちらも続けてやるのがいいと思います。
- 柱を挟むと押す力を鍛えやすい
- 柱を挟まない場合は総合的に鍛えられる
壁も押す(より効果的な方法)
基本姿勢は同じで、両手で壁を押すとより効果的です。壁を押すというよりは、基本姿勢のまま壁に両手を当てて体重をかけるようにします。
これだけのことですが、すでにゴムを押しているので負荷を一段と重く感じるはずです。さらに、押す感覚が明確になるだけでなく、より多くの筋肉を使う感覚があります。壁さえあればどこでもできますし、やるならより効果的な方がいいので試してみてください。
壁押しだけでも意外と…
「壁を押すなんて楽勝すぎ」と思うかもしれませんが、ゴムなしでもしっかりホローボディを作って体重をかけると意外とキツいです。
さらに、プランシェに必要と言われる前鋸筋にも刺激を入れやすいです。そのため私は壁押しもプランシェに有効な補助トレと考えています。
プッシュアップを加えるのもおすすめなので、ウォームアップやアクティブレスト、初心者の基礎トレとして取り入れてみてほしいと思います。
2. 動作時のポイント
ゴム押しの動作のポイントを紹介します。
ゴム押し動作中のポイント
- 基本姿勢を崩さない
- 肩を下げたまま前に出す
- 肩甲骨回りと背中全体で押す
- 手と水平位置の腰で押す
- 親指の付け根辺りで押すイメージ
- 押し切ったら3秒〜6秒くらいホールド
(使う筋肉を確認する場合はより長くホールド)
(筋力アップとしては1秒ホールド&ネガティブゆっくりがいいかも) - 肘を伸ばしたまま戻す
- 肩を下げたままにする
戻すときは背筋を伸ばしてもいいですし、猫背のままでも構いません。再び押す動作に入るときにより背中と腰に力が入ると感じる方を行なってください。
「押し切ったら3秒〜6秒くらいホールド」している間に使っている筋肉を確認します。確認筋肉は肩甲骨周りを中心に背中全体と腰です。
1秒で押して、1秒静止、4秒で戻す、というのも筋力アップにおすすめです。ちなみに私は懸垂の上げる、止める、下ろすをこの秒数の順でやってます。
「肩を下げたままにする」は私がしているとついつい上がってしまうのでポイントとして紹介しました。
成功の感覚
肩甲骨周りを中心に、背中と腰の全体に疲労感があれば成功です。一番細いバンドで行うと分かりやすいです。
私は肩に入る感覚はほとんどありません。一般論とは異なりますが、もしかしたらプランシェでは肩甲骨回りの筋肉をしっかりと使っていれば肩はあまり使わないのかもしれません。
また、さらに強度の高いバンドで行うと腹筋にもかなり入ってきます。これは押す力で体が反らないように、体を丸めたままキープするためだと考えられます(腹筋は上半身を丸めるための筋肉です)。
肩甲骨や腹筋よりも使っている感覚がないとはいえ肩や胸にも入ってくるので、「上半身は全部使う」感覚が成功かもしれません。
肩甲骨回りをモッコリ凸に
「肩甲骨で押す」と言われても分かりにくいかもしれませんが、押し切ったときに、肩甲骨の辺りををもっこりさせるように背中側に突き出します。
こうすると、実際には肩甲骨は元々肩があった位置に近くなります。
※次項「3. ホローボディの作り方 (実は2つある?) 」に追記しましたが、肩甲骨回りを凸ではなく、反対の凹にするのが正解かもしれません。詳しくは当該項目を参考にしてください。
使っている筋肉が分かりにくい場合
一番細いバンドを持って基本姿勢を作り、片腕のみ押します。背中や腰から押す、肩を前に出す、などをして部分的にどこの筋肉が使われているかを確認します。両腕で行う場合よりも使う筋肉を確認しやすいはずです。
片腕ずつ左右で確認をしたら、今度は両腕で同じ筋肉を使って押します。さらに片腕押しと両腕押しを繰り返し行いながら確認をします。
これはウォームアップとしてもおすすめです。
ここまでの要点まとめ
ゴム押しの要点をまとめておきます。
ゴム押しの要点
- 腰から前傾してなるべく猫背
- 肩を前に出す
- 肩甲骨で押す
- 腰で押す
- 背中と腰の筋肉を全部使う
- 腕を伸ばして肘の内側を前に向け、肩を開く
細かく説明してきましたがこの6点のみを意識すれば十分だと思います。バンドの強度やホールドする時間は自分なりに工夫するのもいいと思います。
3. バンドの強度と長さ
レジスタンスバンドの強度は「プランシェの腕の角度でもう押せません (最大強度) 」で行います。
強度の調節はバンドの太さと長さで行います。長さは結んで調節します。レジスタンスバンドでは強度が合わない場合は100円ショップでも売っているゴムチューブや薄手のゴムバンドなどを試してください。
バンドの長さは腰に回して両手で持って「両手が腰の横」くらいが目安です。
ただし、使う筋肉を確認する目的では「プランシェの腕の角度で少し筋肉に刺激が入る」くらいの強度もおすすめです。
「他に使えそうな筋肉ないかな」と探しながらやる感じです。ウォームアップとしても有効です。
▽バンドの強度と目的まとめ
高強度 → 筋力アップ
低強度 → 筋肉確認、ウォームアップ
「ゴム押し」をやり始めの頃、私にはこの筋トレをする場合は一番細い赤を1/3くらいのところで結んで短くして丁度よかったのですが(やり始めなので体への影響を考えて)、数日後には赤の次に太い黒を1/4くらいのところで結ぶとちょうどよくなってきました(プランシェの角度でもう押せませんの強度)。
▽私が使用しているレジスタンスバンド
上の画像のものを私は使っていますが、臭いやベタつきなど品質に問題がなく耐久性があるのでおすすめです。
単品でも販売されていますが4本セットが一番お買い得で、揃っているとプランシェ以外にも静止技を完成形で練習する場合に負荷を調節しやすいのでおすすめです。
› 筋トレ自重技をレジスタンスバンドで効率化する方法|海外動画の英語翻訳
4. レップ数とセット数、頻度
レップ数とセット数、頻度に決まりはありませんが、体力と日常生活が可能な限りなるべく多く毎日行うのが理想です。
1日のうちでも朝昼夜に分けて時間差で行うのも効果的です。例えば1度に10レップ3セットを行う場合、最後の方は疲れてまともにできないかもしれません。それなら朝昼夜に1セットずつ行う方が効果的ですし、疲労感も少なくてすみます。インターバルも不要です。なお、可能であれば例えば10レップ3セットを朝昼夜でもかまいません。
私の場合は他の技の練習などもあるのでまだベストなペースを掴めずにいますが、最大強度で3レップを1セットとして、その日の状態に合わせて1日2セットまでかなというところです。1秒でゴムを押し切る、1秒ホールド、4秒で戻す、を1レップとして、3レップ目のみできる限りホールドしてなるべくゆっくり戻すようにしています。
ウォームアップとして少しずつ負荷を上げるのもしています。
また「このくらいがベストだな」というのが見つかれば更新します。
回復力には個人差があるので、ケガをしたり体調を崩したりすることなく(仕事や日常生活に影響がなく)、自分ができる最大値を見極めるのが最も効果的で効率的です。これは他のトレーニングでも同様です。
5. 注意点
まず、どの筋トレ方法にも言えますが「やりすぎ」は注意です。特にゴム押しはこれからプランシェをやり始める人にとっては体に今までにない負荷がかかるので、関節などを痛めるリスクが高いかもしれません。
私は首回りを痛めました。同時期にワイドグリップのフロントレバーの練習を始めたので相乗効果もあったかもしれません。複数の新しいトレーニングを同時期に始めるのは要注意です。無駄に力が入りがちなので、当たり前ですがトレーニングの前後に首回りをよくストレッチしてください。
初めは物足りないくらいの強度でレップ数とセット数のどちらも少なく行うことをおすすめします。
また、ゴム押し自体の注意点ではありませんが、落とし穴的なのが「全体重を手首で支える力」が鍛えられない点です。
先ほど手首の力は勝手に鍛えられると書きましたが、この筋トレのみをやり込むと地面を押す力ばかりが強くなって手首を痛めてしまうかもしれません。
手首も合わせて鍛えてください。手首は腕立て伏せの腕を伸ばした姿勢で肩を前傾して、体重をかけてから戻す動作をすると鍛えられます。地味ですが。腕立て伏せは膝をついてもかまいません。私はストレッチをかねて立ったまま公園のベンチに手をついて同じようにしています。
6. 最も効果的である理由
- プランシェと同じような姿勢
- 静止で使っている筋肉を確認
- 動的な動きで筋力アップ
ゴム押しでは「プランシェで最も鍛えにくい地面を押す力と感覚が鍛えられる」ので、プランシェのための筋トレとして最も効果的だと考えています。
プランシェ練習を始めて2ヶ月近くレジスタンスバンドを使った完成形で止まる練習(ゴム吊りプランシェ)のみをしていましたが、地面を押す感覚が掴みにくいし、筋力アップや成長を実感しにくいし、このままでは時間がかかりすぎると思って地面を押す筋力と感覚に効果的な方法はないかと考えていました。
この筋トレ方法を思いついたのは、その条件としての上記3つと「フロントレバーとプランシェでは使う筋肉は大体同じで使う向きが反対ではないか (使う割合は違う) 」と考えたことがきっかけです。
さらにフロントレバーは「肩甲骨で引く、背中を反って固める」なのでプランシェはその逆で「肩甲骨で押す、背中を丸めて固める」という考えに至り、これら全てを満たすのがゴム押しでした。
そう考えると「背中で押す」と書いてきましたが、フロントレバーは「背中で引く」なのでプランシェは「腹筋で押す」なのかもしれません。とはいえ、押せる筋肉は全部使うのが効率的ですし、背中で押すのは意識しづらいと思うのでやはり背中で押す意識は必要だと思います。
また、お相撲さんが張り手をするときやボクサーがストレートパンチを打つ場合、肩だけでなく肩甲骨からも押しているだろう、などと考えていたのもきっかけです。
なお、張り手やパンチは腰や足も使います。プランシェで押す場合に足は使いませんが、イメージとして踏ん張るとより力が入るかもしれませんし、余計なことは意識しない方がいいかもしれません。
完成形で止まる練習に加えて筋力アップのトレーニングが必要だと思うのは、フロントレバーができ始めた頃に懸垂を再開したら一気に安定した経験からです。
› できる人も要確認!フロントレバーの基礎とやり方|海外動画の英語翻訳
完成形で止まる練習のみをして、それで疲れた背中を使いすぎないようにと懸垂を休んでいたのですが、なかなか安定しないので追い討ちをかけるように懸垂を再開してみたところすぐに安定するようになりました。これと同じことはプランシェにも言えるはずです。
▽合わせて確認
› 筋トレ自重技をレジスタンスバンドで効率化する方法|海外動画の英語翻訳
7. プランシェ中も意識して
私はプランシェ練習としてはレジスタンスバンドを使ったフルプランシェで止まる練習(ゴムプランシェ)のみをしていますが(「フルできるけどストラドルもタックもできません」てなるのか検証したい)、このバンドを使った筋トレ方法と同じ体の使い方を意識したところ一気に安定感が増した感じがしました。
› 筋トレ自重技をレジスタンスバンドで効率化する方法|海外動画の英語翻訳
安定感は増したのですが、それまでよりもキツく感じることもありました。以前は背中が潰れるなどしていましたし、おそらく体が無意識に楽な体勢へ流れていたからだと思います。
とはいえ楽だと思っているのはその時点の体や脳です。フロントレバーなど他の技を習得して分かったことですが、正しいフォームが一番楽です。いずれ背中が潰れた姿勢の方が不安定でキツく感じそうな気がします。
8. マルティスにも効果的、なはず
私はまだまだプランシェができそうになくてマルティスの練習をする気もしませんが、ゴム押しはマルティスにも効果的なはずです。ゴム押しの基本姿勢で両手を広げればマルティスの姿勢になるので、マルティスで使う筋肉とその使い方が鍛えられそうなのが理由です。
マルティスを練習している人はもちろん、「プランシェよりもマルティスを先にしたい」という人は試してみてください。
「マルティスできるけどプランシェできません」てなるのか、私は興味はありますがやっぱりプランシェを先にできるようになりたいです。
9. バックレバーにも効く
プランシェとバックレバーの共通点
実はプランシェよりも先にこの「ゴム押し」筋トレ方法の効果を実感したのがバックレバーでした。バックレバーをやり始めて1ヶ月くらい、筋力は十分で、メイン種目ではないので1日に1回か2回の完成形で止まる練習をしてみる程度で安定してきたところではありましたが、ゴム押しを始めて3日目(ゴム押しを行ったのは2日間)でいきなりがっちりと安定しました。
考えてみればプランシェの体幹はバックレバーの姿勢と同じで腕を押す方向も同じです。妙に納得したところでした。
さらに、バックレバーでも胸を含みますが、このときも上半身を胸から短くするように丸めるとうまく含むことができます。両足を伸ばしたフルのバックレバーの姿勢でも背中を丸めれば丸めるほど負荷が軽くなるのでバックレバーの練習方法としてもおすすめです。
こちらの動画(著者出演&制作)で逆手バックレバーとプランシェの共通点を紹介しているので参考にしてください。プランシェリーンについても紹介しています。
バックレバー用にアレンジ
ゴム押しをバックレバーにより効果的な筋トレとするには、バンドと自分の間に鉄棒の支柱や家の柱、そこら辺の電柱を挟んで、バックレバーの腕の角度まで前に出て、基本姿勢のまま体を前傾していくと効果的ではないかと思います。
「まずは何か技をマスターしたい」という場合にはバックレバーは他の静止技と比べて難易度が低いので、この方法かプランシェ用のゴム押しで鍛えることをおすすめします。
プランシェの体幹の使い方を覚える目的でもバックレバーはおすすめです。
10. バンドを使わない場合
バンドを使わない場合は「プランシェリーン」で同様にします。プランシェリーンは腕立て伏せの腕を伸ばした体勢から肩を前に出していくように前傾するエクササイズです。見た目はつま先を地面に着けたままのプランシェです。
ゴム押しの基本姿勢を崩さずプランクリーンの最中に背中全体と腰で押すようにします。このときもゴム押しと同様に手と垂直位置にある背中の部分を中心としてそこから押すイメージです。手の真上にみぞおちがあればその部分の背中で押して、手の真上にヘソがあれば腰で押す、という要領です。
加えて、手の位置がどこにあっても肩甲骨からしっかり押すようにします。プランシェの腕の角度まで前傾すると一番効果的なのですが、難しい場合はギリギリ前傾できるちょっと手前くらいで耐えるのをおすすめします。
なお、ホローボディをしっかりと作ってキープするのも大事です。ホローボディができていると、みぞおち(腹筋上部)と肋骨の外側(前鋸筋)に強い刺激を感じるはずなので成功の目安としてください。
動的ではないため筋力アップの効果はバンドを使うよりも低いかもしれませんが、体の使い方を覚えるのには有効です。
可能であればプランシェリーンの姿勢で腕立て伏せを加えてみてください。
4. 下半身を上げる力の鍛え方
プランシェに必要な力として先に3つを上げましたが、さらに「下半身を上げる力」も必要です。感覚的には「下半身を背中の筋肉で巻き上げる」です。この鍛え方を紹介します。
ゴム押しでも腰を後ろに出すと「下半身を上げる力」は鍛えられるはずですが強度としては低いし、「背中で巻き上げる感覚」は鍛えられません。ここで紹介するのはより効果的にこの力と感覚を鍛える方法です。
しっかり鍛えるとプリケツ対策にもなるはずです。
▽プランシェに必要な主な力(復習)
- 全体重を支える手首の力
- 肩を前に出す力
- 地面を押す力
▽この項目の目次(下半身を上げる力を鍛えるのに有効な種目)
- 犬神家のプランシェ
- バックレバー(逆手)
- ボックスマルティス
- 三点プランシェ
- Lシット(かかとをつけて)
- うつ伏せレッグレイズ
- しんぴ倒立
上記の7つを紹介しますが、自分に必要だと思ったものを取り入れてみてください。取り入れ方としては、毎日やるものと週に2回か3回程度やるものに分けるのがおすすめです。
特に効果を感じるものは毎日、それ以外と体への負担が大きい(回復に時間がかかる)と感じるものは週に2回か3回、という分け方もあります。
1. 犬神家のプランシェ
■2022年7月30日追記
数ヶ月前に思いついてやっていたのですが追記が遅くなりました。
首を壁に押し付けたプランシェを「犬神家のプランシェ」としています。
見た目が「犬神家と言えば」なのでこの名称にしていますが、もちろん正式名称ではありません。(正式名称は分かりません)
私はこれが最もプランシェの浮く感覚を体験できる感じがしますし、それゆえ下半身を上げる力も鍛えられると感じています。
頭を壁につけたプランシェもありますが、それよりは簡単だと思いますし、自然とホローボディになってあちこち強化される感じがするのでおすすめです。
やり方
やり方は、壁倒立をして、首を壁に押し付けたままネガティブ動作で体を水平にするというものです。
手を着く位置は、壁から手(中指の先から手のひらの下端)2つ分か3つ分くらい離れたところです。壁から手が離れるほどプランシェに近くなり、キツくなります。
実際に壁に押し付けているのは首ですが、肩甲骨も壁に押し付けるように力を入れると成功しやすいと思います。
また、肩からしっかりと押すことも意識してください。意外と逆に押し込まれるし、押し込まれるとケガしそうな感じがするので。
注意
犬神家プランシェをすると頭から落下する恐れがあるのでトレーニング初心者はやらないでください。私は手2つ分までしかやったことはありませんが、気を抜くと頭から落ちるんじゃないかと危険を感じます。
自信がある方も、まずは壁から手を1つ分離したところから始めてください。この場合はプランシェというよりはしんぴ倒立の練習になります。
背中を壁に押し付けて、腰やお尻は壁から離れないように力を加えます。
2. バックレバー
バックレバーは体幹の姿勢がプランシェと同じなので「下半身の巻き上げ力」を鍛えるのに最も効果的だと考えています。腕の力を加える方向も同じなのでプランシェの前にバックレバーを習得するのもおすすめです。技ができると楽しいですし。
バックレバーの練習方法として紹介されるスキンザキャットもおすすめです。「背中の筋肉で巻き上げる感覚」を掴みやすいと思います。反動は使わず、ゆっくりと動作するとキツくなりますが効果的です。
また、バックレバーの姿勢から足を伸ばしたままゆっくりと下ろしていく動作もおすすめです。さらに、足を完全に下ろした状態をジャーマンハングと言いますが、その状態から足を伸ばしたままバックレバーまで持っていく動作もおすすめです。これが一番巻き上げ力を鍛えることができます。キツい場合はタックやアドバンストタックで行います。
特に腰の筋肉の使い方に注意が必要で、腰は「反る」のではなく「丸めたまま固める」です。背中で巻き上げていって体が水平になったときに「そのまま固める」感覚です。
反って固めるとプリケツですし腰を痛める可能性もあるので「丸めて固める」を意識します。
逆手がより効果的
一般的にバックレバーは順手で行いますが、プランシェの基礎トレとしては逆手で行う方がより効果的です。逆手ではプランシェの腕の向きと同じになるのが理由です。
バックレバーは逆手になると一気にキツくなるので順手でできる人も難しいかもしれませんし、関節を痛めるかもしれません。まずは逆手でのスキンザキャットやタックでの静止から始めてみてください。
逆手バックレバーはヘフェストの基礎トレとしても効果があるはずなのでお得感があります。
こちらの動画(著者出演&制作)で逆手バックレバーのポイントを紹介しているので参考にしてください。プランシェリーンについても紹介しています。
3. ボックスマルティス
ボックスマルティスも体幹の姿勢がプランシェと同じなので「下半身の巻き上げ力」を鍛えるのに最も効果的だと考えられます。客観的にバックレバーとどちらが効果的かは言い難いですが、自分にとってやりやすい方が効果的だと思います。
ボックスマルティスをするにはその名の通りボックスを用意する必要がありますが、動画で紹介されているようなボックスはなかなかないと思うので、椅子で代用します。
やり方は、まずは同じ高さの2つの椅子を身幅か両乳首がしっかり乗るくらいに並べて、両肩と両腕をうつ伏せで乗せた姿勢を作ります。このとき足は床につけたままです。
その状態からタック姿勢で軽くジャンプをすると意外と体が上がると思うので、そのままひっくり返らないように注意します。上げるのは45度くらいで十分なので、そこからゆっくりと下ろしていきます。
まずはタックから始めて、慣れるのと共に少しずつ足を伸ばして負荷を重くしていきます。タックで足が浮かない場合は、太ももを椅子の足にくっつけると負荷を軽くして練習できます。
足を伸ばした姿勢で数秒止まれるようになると、プランシェで下半身を上げる力は習得できていると思います。
なお、バックレバーと同様に背中と腰を「丸めて固める」がコツです。
バックレバーとボックスマルティスどちらが効果的?
私はバックレバーを技自体の強化にもなるので積極的にやりたいところですが、腕はそれなりに疲れるし肘の状態が気になるときは避けたい種目でもあります。とはいえボックスマルティスでは上腕と肩に結構な負荷がかかりますし、それ自体が技として披露するものではないので積極的にやりたいとは思えないところです。
なので、肘の状態がいいときはバックレバー、肘の状態が気になるときや自宅でしかトレーニングできない日はボックスマルティス、という使い分けでやっていくつもりです。また、ゴム押しでは背中の上部が特に疲れるので、その状態ではボックスマルティスがよさそうです。
4. 三点プランシェ
■2020年9月6日追記
昨日思いついてやってみたのが「三点プランシェ」です。三点倒立のように頭(額)をつけたプランシェなのでこの名称にしました。感覚としては首プランシェですが、手で床を押す力が強くなるほど首への負荷が軽くなります。
やり方は、頭と手足をついたままプランシェの姿勢を作り、軽くジャンプをするようにして下半身を浮かせます。浮かせるのは45度を目安にします。そこから体幹と足が水平になるところまでゆっくりと下ろします。
みぞおちから背中をできるだけ丸めると負荷を軽くすることができます(首への負荷は重くなります)。丸めた背中を伸ばしていって、首にかかる体重を腕に移し、これ以上の伸ばすと姿勢を維持できなくなるところでホールドします。
やりにくい場合は、まずはストラドルかタックで試してみてください。
ボックスマルティスと似た感覚ですが、私はこちらの方が左右のバランスを取るのが難しいと感じました。ただし、ボックスマルティスも体を置く面積を小さくするとバランスを取るのが難しくなると思います。
三点プランシェの方が押す感覚は実際のプランシェに近いはずなので、より効果的だと考えています。
首に注意
注意点としては、首への負荷です。首を痛めるのでやりすぎないでください。私の場合は幸い翌日には治る程度の軽症でしたがグキッといってしまいました。。また、頭が痛いはずなので座布団などを敷いてください。
5. Lシット(かかとをつけて)
プランシェの基礎トレとして主に胸を含む力と腰を上げる力を鍛える方法として紹介されるLシットですが、私はこれをかかとを床につけたままお尻だけを上げるやり方がより効果的だと考えます。
かかとをつけるので腕への負荷が軽くなり、より高く腰を上げることができるのとともに、胸をより含むことができて、背中が丸くなり、肩が前に出て腕の角度がプランシェに近くなるのが効果的な理由です。
また、かかとを上げる分の力を使わないので、胸を含む動作や床を押す感覚に集中できるのも理由です。とはいえ、やり方によっては通常の Lシットよりキツいです。
意識するポイント
意識するポイントは次の5つです。
- 手の位置はできるだけ前
- 肩を下げて広がった肩甲骨から押す
- 背中を天井に向ける
- 腰をできるだけ高く上げる
- みぞおちを背中側に突き上げるイメージで胸を含む
肩甲骨回りの筋肉と腹筋に刺激が入る感覚や疲労感があれば成功です。
手の位置を前にすればするほど…
初めてやる場合、手をつく位置は「通常の Lシットのより手のひら1つ分前」がおすすめです。腰を上げたときに床に対する腕の角度がタックプランシェに近くなり、比較的負荷が軽いのが理由です。
手の位置が前になればなるほど腕(脇)の角度がストラドルやフルに近くなるのでよりプランシェに対して効果的になります。
かかとは腰を上げるのとともに床の上を手前に引くように滑らせて、腰を下ろすのとともに反対側に滑らせます。かかとを滑らせるのが難しい場合は手をつく位置を少し前にしてから腰を上げてみてください。
腰の位置に関しても、高く上げれば上げるほど負荷が重くなるのでより効果的です。
頻度は、毎日するのであれば1日1回、できるだけお尻を上げて胸を含んだ姿勢でホールドして、疲れてお尻が床についてしまうまで耐える、というのがシンプルなのでおすすめです。
ウォームアップとしてホールドせずに腰を上げ下げするのもおすすめです。このとき反動をつけて腰をより高く上げると、引き上げる感覚を鍛えたり可動域を広げたりすることもできると思います。
手の位置を前にすればするほど、腰の位置を高くすればするほど、通常の Lシットよりも高強度なトレーニングになります。
プランシェに効果的なLシットのポイントまとめ
- かかとをつけて
- 胸をできるだけ含む(みぞおちを背中側に突き上げるイメージ)
- お尻をできるだけ高く上げる
- 背中を天井に向ける
- 肩を下げる
- しっかりと床を押す
- 手の位置で負荷を調節する
6. うつ伏せレッグレイズ
正式名称は分かりませんが、テーブルやベンチ台にうつ伏せで上半身のみを乗せた姿勢から、足を水平まで上げる動作も下半身を上げる力を鍛えるのに有効です。このときテーブルの足などを手で持つと姿勢が安定しやすいです。
上半身を台に乗せる面積を小さくするとより効果的です。台の角が当たって痛い場合は座布団やクッションを間に挟みます。
ポイントはバックレバーと同様に「背中と腰を丸めて固める」です。
7. しんぴ倒立
私はしんぴ倒立ができないので感覚は分からないのですが、プランシェができる人で「しんぴ倒立ができると良い」と言っている人がいました。おそらく、しんぴ倒立にも背中を巻き上げる動作があるので背中の巻き上げ力が鍛えられるはずです。
ただし、足を伸ばして水平にするわけではないので(それはもうプランシェ)、背中と腰を丸めて固める筋力と感覚は鍛えられないと思います。
とはいえ、体操選手も基礎として覚える種目なので、できて損は絶対にないです。
しんぴ倒立のやり方は YouTube などが詳しいので検索してみてください。
5. ホローボディの作り方 (実は2つある?)
プランシェにおいて重要と言われる要素の1つがホローボディです。ホローボディは胸を含んでみぞおちを背中側に突き出すように上半身を丸めた姿勢のことです。プランシェでは「肩、腰、かかと」の3点が横から見て直線上にあるのが理想的なようです。
ただし、腰まで丸めないように注意します。腰はあくまで直線ですが、反るようにして力を入れるのではなく、丸める意識で直線のまま固めます。
これがホローボディの基本的な「見た目」ですが、プランシェにおけるホローボディの作り方は2つあると私は考えています。
ホローボディ壱の型
1つ目は、みぞおちから上の背中をとにかく丸めるようにするホローボディの作り方です。前述したやり方をとにかく強調する方法です。
一般的に紹介されるホローボディなので、このやり方をまずは試してみてください。
ホローボディ弐の型
2つ目は少しややこしいのですが、「肩甲骨(みぞおち)から上の背中を反ったまま前傾」というホローボディの作り方です。
これは私が見つけたやり方なので正しいかは分かりませんが、より安定する感じがするので「壱の型ではしっくりこない」という場合に試すといいことがあるかもしれない気がします。
弐の型の作り方
立ったままエアでやると分かりやすいと思いますが、まずはフロントレバーをするように両腕を構え、肩甲骨と肩を引き、胸を張って背中を反ります。つまり、ホローボディと真逆の姿勢を作ります。さらに、鎖骨を突き出すとより反れます。
そして、なるべくこの形をキープしたまま、今度はみぞおちから上の背中を前傾させます。みぞおちから体を前に倒していくイメージで行うと反った形をキープしやすいと思います。形のイメージとしては「へ」の山頂を背中の頂点として右上がりの部分が反った状態です。
形を作るために、立ったままのエアだけでなくゴム押しでも行ってみてください。
弐の型の肩の位置
フロントレバーでは肩甲骨と肩を引くため肩は体の後ろに位置します。この姿勢のまま弐の型をすると肩が後ろに位置します。しかし、プランシェでは肩を前に出すのが一般的なので、弐の型ではホローボディはそのままに肩だけ前に出す必要があります。
とはいえ、弐の型で肩が後ろに位置したままでもプランシェはできるかもしれません。その場合は肩への負担が減り、その分が肩甲骨の回りにかかってくると考えられます。
弐の型発見の経緯
私が弐の型に気づいたのは、倒立の練習で「肩甲骨の辺りは反った方がいいのかな」などと試しているときにプランシェにも有効かもと思ったのがきっかけでした。
また、以前に YouTube で海外選手が肩甲骨辺りから上の背中がガクッと折れ曲がったプランシェをしているサムネイルを見たことも影響しています(動画を視聴しましたがサムネの場面は見つけられず)。この形はバックレバーでは見たことがあったので、プランシェでも同様にできるのかなと。
6. 肩甲骨の使い方
■追記(2021年5月12日)
肩甲骨は骨なので「使う」というと違和感を覚える方もいるかもしれませんが、感覚的には肩甲骨を使っているので「肩甲骨の使い方」と表現しています。
実はこの記事の中で最も大事な内容かもしれないので、詳しく紹介します。
肩甲骨の使い方が1番大事
プランシェだけでなくフロントレバーやマッスルアップなど腕を使う全ての種目において、私は肩甲骨の使い方が1番重要だと考えています。
「腕を使う種目は全て肩甲骨で行う」と言ってもいいくらいです。なぜなら、腕は肩甲骨周りの筋肉を使って動かすからです。肩の筋肉も使いますが、筋肉の大きさや可動域を考慮するとメインは肩甲骨周りと言えるはずです。
試しにマッスルアップを背中の筋肉をなるべく使わないように腕の筋肉のみで行ってみてください。と言いつつ怪我のリスクがあるのでやらないでいただきたいのですが、普段マッスルアップを楽々できる人も難しいはずです。
なお、フロントレバーは肩甲骨を使わないとできません。もし「フロントレバーをすると肩にめっちゃ効いてやばい」という人がいたら、その人はバーに対して外向き(バーを引き伸ばすように)に力を加えています。胸に効く場合は内向きに力を加えています。特別な理由がなければ、無駄なので垂直に力を加えましょう。
プランシェにおける肩甲骨の使い方
プランシェにおける肩甲骨の使い方は「背中にめり込ませる」です。
まずは立ったままフロントレバーの姿勢を作ると分かりやすいです。肩甲骨を引いて胸を張ります。さらに、鎖骨を前に出しながら肩甲骨を意識すると、背中に肩甲骨めり込む感覚があるはずです。
肩甲骨が背中にめり込む感覚が得られたら、そのままみぞおちから上の背中を丸め、ホローボディを作ります。これがプランシェにおける肩甲骨の使い方であり、基本姿勢です。ちなみに、バックレバーと共通します。
追記時点で、これをタックプランシェで試したところバランスが取りやすくなり一気に安定感が増した感じがしました。肩に痛みが出るためプランシェ練習はしばらくしていなかったのでこれの効果だと考えられます。
この時期、プランシェ練習はしていませんでしたが倒立の練習はしていました。実は「肩甲骨を背中にめり込ませる」は倒立のコツとして発見しました。
倒立では「肩入れ」と言われる姿勢かもしれませんが、倒立においても肩甲骨の使い方が大事だと感じています。
また、フロントレバーにおいては肩甲骨を背中にめり込ませるときれいな一直線のフォームを作るのに役立ちます。とはいえ、一直線のフォームは背中が丸いフォームに比べると同じ種目とは思えないくらいキツくなるので怪我のリスクがあります。試す場合はタックやレジスタンスバンドなどで補助しつつ行ってみてください。
7. 最短で習得するために
YouTube では「◯ヶ月でプランシェを習得した方法」というようなタイトルの動画がおすすめによく上がってきます。この「◯ヶ月」という期間は、あくまでその人と、その人と同じような体型(身長、体重、骨格、筋肉量、脂肪量など)と体質の人に当てはまるものだと考えられます。
私はこの記事公開時点ではまだプランシェができませんが、フロントレバーなどを習得した経験から「こうすれば効率良く静止技が習得できる」というトレーニングの方向性は分かったので紹介します。
自分にとっての最短のための参考にしてみてください。
▽この章の目次
1. 筋力が十分な場合、不十分な場合
2. 使う筋肉を知る
3. トレーニングの順番
4. トレーニング頻度
5. 筋力アップトレーニングの強度と回数
6. 回復力を上げる
7. おすすめ攻略本
1. 筋力が十分な場合、不十分な場合
プランシェを習得するための「筋力が十分な場合」と「筋力が不十分な場合」でアプローチの仕方が異なるのでそれぞれ紹介します。
これを間違えると、筋力が不十分な場合は習得に何年もかかるし、もしかしたら何年かけてもできない可能性があるので理解しておきましょう。
「2. 最も効果的な筋トレ方法」でも紹介したのでまとめ程度に。
- 筋力が十分か不十分かの判定方法
- フォームがやや崩れても3秒くらい静止できれば十分
→ ただし普段プランシェ練習をしていない場合
→ 日常的に練習していてこれに当てはまる場合は不十分
- 筋力が十分な場合のメニュー
- 完成形で止まる練習をメインに行う
- 筋力アップのための筋トレは1レップ限界で3セットほど
- 筋力が不十分な場合のメニュー
- 完成形で止まる練習を疲れない程度に行う
- 筋肥大&筋力アップのための筋トレをメインに行う
筋肥大と筋力アップのための筋トレ方法も「2. 最も効果的な筋トレ方法」で述べたものです。
2. 使う筋肉を知る
プランシェに限らずスタティック技ではその技で使う筋肉を知ることがとても大事です。技に必要な筋肉を調べて、完成形でその筋肉に力を入れて確認します。立ったままエアで技と同じ姿勢を作って力を入れる、レジスタンスバンドの強度を強めにして完成形を作る、プランシェの場合は立ったまま壁を押す、などをすると確認できるでしょう(ゴム押しももちろん有効です)。
なお、どの技も気合いだけでできるほど甘くありません。気合いでやろうとすると怪我をするので、気合いではなく必要な筋肉に力を入れてください。
私はヒューマンフラッグとバックレバーを筋力が十分な状態で始めて、どちらも3日くらいでそこそこ形になり、1週間くらいで完成形で止まれるようになり、2週間経つ頃には習得したと言えるほどになりました。練習頻度はほぼ毎日でした。
これは筋力が十分だったこともありますが、使う筋肉を知った上で、力の入れ方を十分に確認した上で完成形での静止練習をしたからだと考えています。
ちなみに、ヒューマンフラッグでは初めのうちは体が後ろに流れていましたが、その感覚がなんだか面白くて気にせず練習していたら急に流れなくなりました。
3. トレーニングの順番
技に対する筋力が十分でも不十分でも、どちらの場合もトレーニングの順番は[静止練習 → 筋肥大&筋力アップトレ]です。
先に筋肥大や筋力アップのための筋トレを行うと疲れてしまい、止まる練習がきちんとできなくなるのが理由です。例えば、マッスルアップを習得したい人が先に懸垂をしてしまうと、マッスルアップの練習がきちんとできなくなります。マッスルアップは動的ですが静止系種目でも同様です。
ただし、ウォームアップとして筋力アップトレを低強度で少しだけ行うのであれば問題ありませんし、した方がいいと思います。
4. トレーニング頻度
トレーニング頻度は「毎日こまめに」が理想ですが、回復が必要なので多ければ良いというものでもありません。効率的に技を習得するためのトレーニング頻度の考え方と、トレーニング時間の確保が難しい場合の対処法を紹介します。
「毎日こまめに」が理想ですが…
最短で技を習得するためには毎日トレーニングを行うのが理想です。止まる練習も、筋力アップも毎日です。筋力アップトレは毎日しなくてもいいと思うかもしれませんが、これも体の使い方を覚えるために有効なのが理由です。
とはいえ、毎日トレーニングをするとやり過ぎになりがちで、そうなると怪我をしますし、オーバートレーニング症候群を発症して辛い日々を過ごすことにもなりえます(これ、マジで辛いです)。毎日ではトレーニング量を見極めるのが難しいので、週に1日か2日は休みを入れるのが無難です。
止まる練習はなるべく毎日、筋力アップトレは2日か3日に1回、のようにしつつ、疲労が溜まるようであれば休んでトレーニング量を減らすと無難です。
頻度を多くする場合は「追い込まない」のもコツです。特に、静止練習は筋肉に疲労がないフレッシュな状態で行うのが効果的です。極度に疲れた状態での静止練習は質が悪く疲れるだけなので無駄です。
怪我をしたり仕事が忙しかったりで数日トレーニングを休むと、意外とパワーアップした自分を実感するので「最近調子が出ない」と感じる場合は数日休んでみてください。毎日トレーニングするよりも休みを入れる方が効率的に技を習得できる場合もあると思うので、戦略的に休息しましょう。
なお、「毎日トレーニングしないといけない」みたいに思っているとしたら心理学でいう「一貫性の罠 (原理) 」に陥っている可能性があります。毎日続けること自体には何の価値もありませんが、この場合はアクティブレスト(積極的休息)をトレーニングとして行うと気持ちは楽だと思います。
ちなみに、この傾向が強い人は詐欺に引っかかりやすい可能性があるようなので日頃から「自分も引っかかるかも」とご注意ください。
時間がない場合はスキマ時間でも OK
「トレーニングはまとまった時間を取って」と考えがちかもしれませんが、こまめに行っても効果はあります。「静止練習を1セット」ならウォームアップを含めても2分あればできます。
例えば「仕事のコーヒー休憩の前にゴム押しを1セットやる」「トイレに行ったら減量後のタックプランシェをする」「電子レンジでチンする間はシュードプランシェプッシュアップをする」などです。
この方法は「これをやったらこれをする」という「 if then ルール」と言われるものです。特にゴム押しは場所を選ばないメリットがあるのでやりやすいと思います。
こまめにやるのは、特に静止練習の頻度確保に向いていると思います。
なお、こまめにやると体感は楽ですが、意外と疲労はまとめて行う場合と同じくらい蓄積している可能性があります。怪我をすると最長で習得することにもなりかねません。くれぐれも無理のないように。
5. 筋力アップトレーニングの強度と回数
筋力アップには高強度の種目を少ないレップ数で行うのが効果的です。何かの論文を引用して紹介している人がいた気もしますが、あくまで私の経験です。
フロントレバーができ始めた頃、筋力アップのための懸垂はせず、完成系で止まる練習のみをしていましたがなかなか安定しませんでした。
他のトレーニングで背中をよく使っていたので休ませる目的で懸垂はしていなかったのですが、「甘やかすからいけないのかな」と懸垂を再開したところ、すぐにフロントレバーが一気に安定しました。筋力アップトレーニングも必要だと実感した経験です。
その懸垂のやり方は、なるべくフロントレバーに近い形が効果的だと考えたので、背中を反って体が水平になるように、ブリッジのような姿勢で、ネガティブをゆっくり、というものでした。これに加えて垂直な姿勢で上げる一般的な懸垂も背中に効かせる形でしていました。タイミングは全てのトレーニングの最後です。
レップ数は3から6くらいで、ブリッジ懸垂1セット、他2セットなので、懸垂の総回数としては10回前後です。レップはきちんとは数えません。数えるまでもない回数ですが、背中に効かせることだけに集中します。インターバルも数えませんがは30秒から1分くらいです(さっと終わりたかったので)。とても高強度なのでやり終わると足がガクガクします。
各セットを限界まではせず、「あと2回か3回は何とかできるかな」くらいでやめます。それ以上やってもきちんと効かすことができなくなるし、翌日の練習に影響が出ます。
フロントレバーの話になってしまいましたが、プランシェでも高強度、少レップ数で筋力アップトレーニングをすると有効なはずです。
▽強度と回数まとめ
- 高強度
- 3〜6レップ
- 2か3セット
6. 回復力を上げる
回復力を上げるとトレーニング量を増やすことができます。
きちんとした食事で栄養を摂るのはもちろん、食事が不足した場合はプロテインなどのサプリメントを摂ると回復力が上がりますし(プロテインなどのおすすめは巻末にて紹介)、温冷交代浴やマッサージをすると血行が良くなって疲労が取れやすくなります。
自分でマッサージをするのは面倒ですし背中は無理なので、私は「フォームローラー(リンク先は Amazon 検索結果)」を使って首、背中、腰をゴリゴリしています。足首にも良いです。15分くらい時間を削ってもその分疲れが取れるので時間対効果は抜群です。
他にもこのような魅惑的なアイテムもあります。(私も使ってみたい)
7. おすすめ攻略本
プランシェ攻略のためはもちろん、最短で習得するために、トレーニング効果の最大化のために、鈴木 博毅 (著)「実践版 孫子の兵法」をおすすめします。
サンプルの視聴はこちら 実践版 孫子の兵法
もちろんプランシェの攻略本ではありませんが、プランシェ習得のために「孫子ならどうする?」と考えると適切なトレーニングができるのでおすすめです。
どういうことかざっくりと説明すると、次の3つを元に戦略を立てます。
敵:プランシェ (習得したい技) , 疲労, 仕事やプライベート, 正常性バイアス
味方:栄養, 休養, 時間, 情報,トレ仲間
兵力:筋力
最大の敵は「疲労」だと私は考えています。「無理せず」とよく言いますが、無理の基準は意外と曖昧ではないでしょうか。そこで私は「疲れず」を正義としています。
疲れたまま質の悪い練習を多くこなすよりも、疲れない範囲で質の高い練習をする方が早く技を習得できると考えています。疲れていては質の高い練習はできません。一方、疲れない範囲では怪我や体調を崩すリスクが下がり、肉体的にも精神的にも健康を保てるので早く技を習得できるはずです。
「時間」は敵にもなりえますが味方にします。時間を味方にするとは、自分の生活スタイルに合わせて「トレーニングの効果が最大化する時間」を見つけることです。
夜に2時間くらいまとめて行う方法もありますが、例えば、朝はストレッチ、昼は技の練習、夜は技の練習と基礎トレ、というように分割する方法もあります。このようにすれば各トレーニングの間に数時間の休憩を挟むことになるので疲れずの質の高い練習がしやすくなります。
「正常性バイアス」は簡単に説明すると、病気や災害などの危機的な状況で「自分 (だけ) は大丈夫」と思ってしまう心理のことです。味方にできるかもしれませんが敵だと私は考えています。
一例ではありますが、このように考えていくための思考力が身につく本です。
ちなみに、豊臣秀吉は合戦のときは必ず5倍の兵力を準備したそうです。「5倍の兵力がない場合はどうするか」は兵法を参考にしてください。
オーディオブックがおすすめ
「筋トレで本を読む時間がない」という場合にはオーディオブックがおすすめです。聞きながらトレーニングできるので一石二鳥です。
オーディオブックの購入は audiobook.jp がおすすめで、私も利用しています。気に入っている点は、音声ファイルをダウンロードして好きな端末に入れて聞ける、倍速版もある、といったところです。
8. 押す力の鍛え方
押す力が足りないと感じる場合には、ディップスをプランシェ向けで行うのがおすすめです。端的に言うと「タックプランシェに近い形でディップス」をします。要は「タックプランシェディップス」です。
タックプランシェがキツい、できない、という場合は「タックプランシェ風ディップス」でも効果的なので解説を参考にできる範囲で行ってみてください。
ディップスの基本的な解説は省きます。ディップスが初耳という場合は YouTube などの動画を参考にしてください。
基本姿勢(上げた状態)
1. 肩を開いて肘の内側を正面に向ける
2. 肩で押し切る
3. 肩甲骨の辺りを盛り上げる(凸の形)
4. 膝を曲げて抱え込む
5. 背中から腰を丸める(体を反らない)
この順で姿勢を作るとやりやすいと思います。1、2、3は形を作ってから3倍は大げさにします。十分だと思っても、肩はさらに10cmくらい押し込めるかもしれませんし、肩甲骨の辺りは20cmくらいより高くできるかもしれません。
肩甲骨を盛り上げていくとつられて腰も上がってくるのですが、それが正解です。つられてというよりは肩甲骨を凸に凸にとしていくと体が前傾して重心が移動するので自然に腰が上がってくるのかもしれません。いずれにしても、腰を上げる意識をすると体が反りがちになるので「肩甲骨を起点に体は丸めたまま」を意識します。これはプランシェをするときも同様です。
なお、手幅はプランシェをするときと同じくらいにします。
動作のポイント
1. 基本姿勢をなるべくキープ
2. 脇を締める(腕が体に沿う程度)
3. なるべく前傾(肩を前に出す)
4. 上げたときに基本姿勢まできちんと戻す
5. ネガティプをゆっくり(6秒)
脇は開かず、腕が体に沿う程度に締めます。基本姿勢をキープすると自然とこの形になりますが、脇が開くと胸に刺激が入るので、その場合は脇を締めるように意識してください。
肘を曲げると前傾しやすくなるので、このときもなるべく前傾します。
肘を曲げる角度は90度で十分だと思いますが、体重に押し込まれて90度以上に曲がる場合もあると思います。無理をして肘などを傷めないように気をつけてください。90度のつもりで、実際には押し込まれてもう少し曲がってる、くらいがちょうどいいかもしれません。
ディップスでは下ろすときの動作をネガティブと言いますが、これをゆっくりにするとより高強度にできるのでおすすめです。慣れないうちは取り入れなくてもかまいませんが、できる範囲でゆっくりと下ろすようにして、だんだんと秒数を伸ばして、最終的には6秒にします。
下ろし始めるときに肩や肘がガクっと落ちないように、スムーズに動作することを意識します。
強度と頻度
強度のおすすめは「3〜5レップで限界直前」です。これを1セットとして、頻度は毎日の場合は2セットで十分だと思います。他のトレーニングもあるので1セットでも十分かもしれません。2日に1度の場合は2セットか4セットです。毎日でも2日に1度のいずれの場合も回数が同じなので成長も同じなのがポイントです。
高強度の理由は筋力アップのしやすさです(筋肥大もします)。最大筋力を発揮するためのトレーニングにもなります。また、短時間でできるメリットもあります。
強度の調節はネガティブの秒数で調節します。「3レップで限界直前」とする場合は3レップ目のみネガティブを10秒くらいにします。
効く筋肉
ボディメイクを目的とする場合、ディップスは上腕三頭筋を鍛える種目として紹介されます。しかし、このプランシェの基礎トレを目的としたディップスでは「肩甲骨の外側」と「肩の前」に最も刺激があります。なお、他の筋肉も色々結構つかいます。
ネガティブオンリーもあり
上げるのがキツくなってくるとネガティブオンリーでもかまいません。むしろ基本姿勢をしっかり作るという意味では全てのレップをネガティブオンリーでする方が効果的かもしれません。
なお、ネガティブオンリーでも下ろし始めるときに肩や肘がガクっと落ちないように、スムーズに動作することを意識します。
ディップスに必要なもの
ディップスをしたくても「ディップススタンドがないぴえん」となるかもしれませんが、同じ高さの椅子が2脚あればできます。
椅子がなくても公園に行くとディップスができるところが見つかるかもしれません。なお、遊具や手すりを破壊しないように、十分な強度があることを確認して行ってください。
ディップススタンド
リーディングエッジ LEADINGEDGE 2WAYディップスタンド 耐荷重120kg ホワイト | ||||
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「やっぱりディップススタンドほしい」という場合のために1つ紹介しておきます。ディップススタンドは OEM で作っている工場は同じで(世界で工場が1つしかないってことはないと思いますが)、どこで買っても同じらしいです。品質は当たり外れなようです。
となると、なるべく安くて使い勝手がいいものを選ぶのがコスパ良しです。Amazon などネット通販では5千円くらいからあります(価格は時期によって変動します)。
ただし、私は見た目もかっこいい方がいいので買うなら上の画像のものを選びます。プッシュアップバーや倒立バーのようにも使えるので便利です(付け替えは絶対面倒)。ブラックのみもあります。
つり輪(参考商品)
32mm 体操吊り輪 高品質 筋トレ | ||||
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つり輪でディップスをするとバーよりも不安定なので、姿勢を支えるためにより多くの筋肉を使います。強度や難易度も上がりますが、より質の高いトレーニングができます。自宅で使うのは難しいかもしれませんが、公園の鉄棒やブランコなどにかけて使えます。鉄の塊(ディップススタンド)を買うのに抵抗がある場合にもおすすめです。
つり輪も OEM らしいので、なるべく安いのがコスパが良いと言えます。Amazon だと3千円くらいからあります。上の画像のものは太さが32mmですが、手が小さかったりして太いものを握るのが苦手な方は28mmが無難です。ロゴがなさそうなのが良さげです。なお、楽天もクーポンやポイントで意外とお買い得だったりします。
9. 楽して習得する作戦
これも「最短で習得する方法」ですが強調したいのでこちらで紹介します。プランシェ自体が楽じゃないのですが少しでも簡単な「形」で習得する作戦を3つ紹介します。
背中をできる限り丸めて重心移動
1つ目は「高知県型プランシェ」をまずは習得するという作戦です。フォームの見た目が高知県の形なので画像検索してみてください。
具体的には肩甲骨を中心に上半身をできるだけ丸めたフォームです。言い換えると、限界ギリギリなホローボディなフォームです。なぜこれが楽なフォームかと言うと、上半身を丸めること(上半身を短くするイメージ)で真っ直ぐな姿勢よりも重心が体の上(前)にくるので負荷が軽くなるからです。ちなみにこれはバックレバーでも同じです。
丸めた分、体が前に(頭の方向)行こうとするかもしれませんが、反対に、後ろ(足の方向)に行くことで楽にできるはずです。
プランシェでは背中を丸めることを多くの人が難しいと感じているようで、鳥取型を見かけることも少なくないですが、これはゴム押しでクリアします。
「沖縄型が理想だ」という人も早く成功したいはずなので、まずは高知型から練習してはいかがでしょうか。とはいえ、人によっては沖縄型の方がやりやすいかもしれません。
なお、背中を丸くすると言っても腰は水平です。
180度開脚(なるべく開脚)
最も楽にできる作戦は、ストラドルプランシェ限定ですが「なるべく開脚する」です。ストラドルプランシェでは足を開くほど上半身の負荷が軽くなるのでその分楽になります。
足を開くという難しさが加わるかもしれませんが、180度以上開くと理論的にはタックプランシェと同等の負荷になりそうです。
見た目の好みはあると思いますが、成功(浮くこと)を優先するなら最善策です。180度かそれ以上開脚したプランシェも凄さや美しさがあるので習得するとバリエーションにもなり映えます。
とはいえ、そもそも普通は180度開脚ができないと思います。180度でなくてもかまわないので、なるべく開くためにプランシェの練習と合わせて開脚のためのストレッチをしてはいかがでしょうか。
脇を締める
できる人が言っているコツの1つに「押して引く」があります。「押す」は分かりますが、「引く」は「脇を締める」ということのようです。感覚としては「引く」だそうです。
これはバックレバーのコツとしてよく言われる「脇を締める (広背筋を引っ掛ける) 」と同じ仕組みだと考えられます。その仕組みとは、脇を締めることによって背中の上部が固定されるため、上半身が安定しやすくなり、体幹の筋肉をその分だけ使わなくてよくなる、というものです。
プランシェでは広背筋を引っ掛けることはできませんが、脇を締めることによって腕の骨で体重を支える姿勢になり、その分の筋肉への負荷がなくなる(押す力が少なくて済む)のがコツである理由だと考えられます。
考えれば考えるほど、プランシェとバックレバーは共通点が多いです。脇を締めないクリーンなバックレバーでは体幹のみで姿勢を維持しなければならないのでより難易度が高くなります。この点もプランシェと同じですね。
10. 絶対的な注意点
他のところでも述べましたが、プランシェ静止練習での絶対的な注意点は「崩れた姿勢で追い込まない」ことです。崩れた姿勢で練習すると、崩れた姿勢(ダメなフォーム)を強化または習得するための練習になるのが理由です。さらに、ケガに繋がる場合もあるので最悪です。
このことはプランシェだけでなくフロントレバーやヒューマンフラッグといった静止形種目全般に言えますし、マッスルアップのような動的種目全般にも言えます。
マッスルアップでは、クリーンを目指して反動を使ったマッスルアップで追い込んでも、それは反動を使ったマッスルアップの練習になります。練習しても反動を使ってしまう場合は、筋肉量が足りないので筋肥大向けのやり方で懸垂をする必要があります。
少し話が逸れましたが、プランシェ静止練習はフォームが崩れる前にやめましょう。レジスタンスバンドを使った練習でも、フォームが崩れると感じたらそこでやめましょう。また、技術練習は頻度が多い方がいい、つまり毎日やるのが理想なので、セットを重ねて追い込まず、疲れる前にやめましょう。
11. できる人のレベルアップ応用方法
レジスタンスバンドを腰に回して両手で持って、プランシェをします。こうするとゴムの力によって強度が上がります。
筋力アップとプランシェの秒数を伸ばすのに有効なはずですが、まだまだできない私でもこんなことをする意味はなさそうにも思います。
あくまでアイデアとして、できる人は試してみてください。
12. プランシェ矯正ギプス?
プランシェの姿勢が維持しやすくなりそうなアイテムを見つけたので紹介します。あくまで私は試していないのでアイデアとして参考にしてみてください。
紹介するのは「ホローボディサポーター」と「腰への字対策ベルト」の2つです。併用もありかも。
ホローボディサポーター?
ホローボディサポーターとして使えるかも?
こちらは「姿勢サポーター」で猫背などを改善するためのものですが、これを後ろ前&裏表反対にして着用すると猫背になりそうなのでホローボディを維持しやすくなりそうです。
なお、通常の着用方法ではフロントレバーに有効だと考えられます。
腰「へ」の字対策ベルト?
腰から「への字」になる対策としてこのようなベルトが使えそうです。
こちらは「幅広タイプ」でより広範囲を固定できるのでよさそうです。姿勢サポーターと併用する場合は幅広でないタイプでもよさそうです。
なお、このベルトはフロントレバーやヒューマンフラッグなど静止技全般のサポーターとしても有効だと考えられます。
なぜ矯正されるの?
「甲冑を着ると動きやすくなる」という内容がこちらの本にありました。
甲冑は重いので動きが鈍くなるというイメージがあるかもしれませんが、締めるべきところを締めて体を固定すると無駄な動きがなくなるのが理由だそうです。
プランシェに置き換えると、ガンダムのコスプレをしてプランシェの姿勢で関節を固定するイメージをすると分かりやすいと思います。こうすると、おそらく全く力を使わなくても誰でもプランシェができるはずです。
これでは全く練習になりませんが、負荷を調節できるようにすると効果的な練習ができます。そのような「プランシェ養成ギプス」やサポーターを私も作ってみたいものです。
記事は以上です。
気づいたことがあれば加筆、修正、追記します。
■記事更新メモ
2023年12月11日:「絶対的な注意点」を追記しました。
2022年7月26日:「最も効果的な筋トレ方法」を更新しました。
2022年5月10日:「プランシェ矯正ギプス?」を追記しました。
2021年6月24日:「ホローボディの作り方 (実は2つある?) 」を追記しました。
2021年5月12日:「肩甲骨の使い方」を追記しました。
2020年12月25日:「押す力の鍛え方」を追記しました。
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