Aegisub のスタイルマネージャーは字幕のスタイルを管理する機能です。作成中の字幕のスタイルを管理するだけでなく、スタイルを Aegisub 自体に保存する、Aegisub に保存したスタイルを作成中の字幕で使う、といったことができます。
見た目は分かりにくいかもしれませんが、実はシンプルで、使い方が分かるととても便利です。
ぜひ活用してみてください。

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Contents
1. スタイルマネージャーとは
冒頭で簡単に説明しましたが、スタイルマネージャーは字幕のスタイルを管理する機能です。
言葉では説明が難しいのですが、ここではざっくりと説明して、具体的な使い方は次項で説明します。
どのように管理するかと言いますと、まず、スタイルは Aegisub 自体に保存しているものと、字幕ファイルに保存しているものがあります。
Aegisub に保存しているスタイルは字幕ファイルにコピーできるし、字幕ファイルに保存しているスタイルをコピーして Aegisub に保存できます。
スタイルの新規作成や編集、削除をするときもスタイルマネージャーで行います。
さらに、Aegisub に保存しているスタイルは [ カタログ ] にまとめることもできます。パソコンで言うとカタログはフォルダに当たり、スタイルはファイルに当たります。
次の3つの部分で構成されています。
- 読み込み可能なカタログ / Catalog of available storages
- カタログに保存されているスタイル / Storage
- 現在の字幕内スタイル / Current script
日本語は Aegisub の日本語環境で表示される翻訳です。この記事では主に日本語で説明します。
次に、これら3つの部分とスタイルマネージャーの使い方を説明します。
2. スタイルマネージャーの使い方
スタイルマネージャーが構成される3つの部分を説明しながら、使い方を説明していきます。
▽この項目で説明すること
- 読み込み可能なカタログ
- カタログに保存されているスタイル
- 現在の字幕内スタイル
- スタイルの移動(コピー)
- 他の字幕ファイルからスタイルを読み込む
読み込み可能なカタログ
[ 読み込み可能なカタログ ] はスタイルを多く使わないのであれば不要だと思います。
例えば、スタイルを映画用、アニメ用、カラオケ用、などと分けたい場合に便利です。
先ほど説明したように、パソコンで言うとフォルダに当たり、これを管理します。
Aegiusb では [ カタログ / storages ] と表現されています。
カタログはカタログ名( 画像では Default )があるところのプルダウンメニューで選択します。
新規作成する場合は [ 新規 / New ] をクリックして、カタログ名を入力して OK します。
新規作成すると [ カタログに保存されているスタイル ] は空なので、[ 現在の字幕内スタイル ] からスタイルを追加します。スタイルの追加方法は追々説明します。
カタログを削除する場合は、削除したいカタログを選択した状態で [ 削除 / Delete ] をクリックします。
カタログに保存されているスタイル
[ カタログに保存されているスタイル ] では Aegisub 自体に保存されているスタイルを管理します。
下部の各ボタンからスタイルの新規作成、編集、コピー、削除ができます。コピーはスタイルの一部を変更して新しいスタイルを作りたいときに便利です。
[ カタログに保存されているスタイル ] に保存されているスタイルを作成中の字幕ファイルにコピーすると、作成中の字幕ファイルでそのスタイルを利用できるようになります。この方法は「スタイルの移動(コピー)」にて説明します。
[ カタログに保存されているスタイル ] 枠内の右に縦に並んでいるボタンは、スタイルの並びを変更します。これは [ 現在の字幕内スタイル ] も同様です。
▽再インストール&アップデート注意
[ カタログに保存されているスタイル ] 、つまり Aegisub 自体に保存されているスタイルは Aegisub をアンインストールすると消えてしまいます。
再インストールする場合は、アンインストール前に適当な字幕ファイルを作成し、その字幕ファイルに全てのスタイルをコピーしておいて、インストール後にその字幕ファイルから追加すれば大丈夫だと思います。追加方法は「他の字幕ファイルからスタイルを読み込む」にて説明します。
アップデートでもスタイルの消滅が起きるかどうかは確認していませんが、やはりバックアップは取っておくと無難です。Aegiub のアップデートはほとんどないのですが、むしろうっかりしてしまいそうです。
現在の字幕内スタイル
[ 現在の字幕内スタイル ] では字幕ファイルに保存されているスタイルを管理します。
[ カタログに保存されているスタイル ] と同様に、下部の各ボタンからスタイルの新規作成、編集、コピー、削除ができます。
[ 現在の字幕内スタイル ] に保存されているスタイルは [ カタログに保存されているスタイル ] にコピーして Aegisub に保存することもできます。他の字幕ファイルでも同じスタイルを使いたい場合に便利です。追加方法は「スタイルの移動(コピー)」にて説明します。
スタイルの移動(コピー)
▽スタイルの移動:カタログに保存されているスタイル → 現在の字幕内スタイル
Aegisub に保存されているスタイルを作成中の字幕ファイルにコピーするには、 [ カタログに保存されているスタイル ] 内のコピーしたいスタイルを選択して、 [ Copy to current script -> ] をクリックします。
これで [ 現在の字幕内スタイル ] に選択したスタイルが追加されます。
▽スタイルの移動:現在の字幕内スタイル → カタログに保存されているスタイル
作成中の字幕ファイルに保存されているスタイルを Aegisub にコピーするには、 [ 現在の字幕内スタイル ] 内のコピーしたいスタイルを選択して、 [ Copy to storage -> ] をクリックします。
これで [ カタログに保存されているスタイル ] に選択したスタイルが追加されます。
[ カタログに保存されているスタイル ] と [ 現在の字幕内スタイル ] は相互にやり取りができるので、とても便利だと思います。
他の字幕ファイルからスタイルを読み込む
スタイルマネージャーの [ 現在の字幕内スタイル ] へは、Aegisub で現在開いている字幕ファイル以外の字幕ファイルからもスタイルを読み込むことができます。
[ 現在の字幕内スタイル ] の下部にある [ Import from scripts… ] をクリックして、読み込みたいスタイルが保存されている字幕ファイルを選択します。その字幕ファイルに保存されているスタイルが表示されるので、追加したいスタイルを選択して OK します。
スタイルマネージャーの使い方は以上です。
スタイルの作成方法は下記リンクの記事で紹介しています。
字幕を動画に焼き付ける問題
Aegisub ではテレビや YouTube のような字幕やテロップを作れますが、字幕を作ったら、字幕を付けた私的な動画を DVD にしたり YouTube で公開したりしたい場合があると思います。
しかし、Aegisub で作るのはもちろん字幕ファイルであって動画ファイルではありません。そこで、字幕を動画に焼き付ける必要があります。
字幕を焼き付けるとは、字幕を画像として映像の上に貼り付けることです。テレビ画面(動画)にシール(字幕)を貼る行為、と例えると分かりやすいかもしれません。そのため字幕の非表示はできません。
この「動画に字幕を焼き付ける」作業を私は以前したことがあるのですが、少々というか、結構な問題でした。
無料で動画に字幕を焼き付ける方法
動画に字幕を焼き付ける方法は、無料ではまず FFmpeg を使う方法がありますが、これは私はよく分からず挫折しました。簡単らしいのですが。。
そこで Windows 用のフリーソフトを使ったのですが、画質も音質も劣化して残念でした。ソフト名は忘れてしまい探しても見つからないので紹介は諦めましたが、私が使った感触ではあまりおすすめできるものではありませんでした。
無料の動画作成ソフトで字幕を付けた方がいいかも
動画編集ソフトでも字幕は付けれます。Windows ではマイクロソフト社の Movie Maker が無料で使えます。
Mac では iMovie があるのですが、字幕を付けるためにはいまいちなようです。
やっぱり有料の動画編集ソフトが便利そう
とにかく無料でがんばる私ですが、有料ソフトの誘惑に負けることもあります。字幕やテロップ付きの動画が作れるソフトでは Windows 用の動画編集ソフト「 VEGAS Movie Studio 17 」が良さそうです。
私は使ったことがないのですが、カラオケ字幕の作り方を YouTube で見ると使いやすく、動作が軽そうでした。カラオケ屋さんのようなカラオケ字幕でした。
画面を流れるような字幕も作れるようです。Blu-ray に書き出すこともできるので、同価格帯の他社製品と比べると機能的に一歩リードしている印象がありました。私が買うならこれですね。
▽購入はソースネクストがおすすめ
Amazon でも購入できますが、ソースネクストでの購入がおすすめですで、VEGAS 製品はよく割引キャンペーンをしている印象があります(情報はメルマガ登録がおすすめ)。
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