安村さんの Don’t worry, I’m wearing! に審査員が Pants! と返した3つの理由

お笑い芸人のとにかく明るい安村さんが、イギリスのオーディション番組「ブリティッシュ・ゴット・タレント」に出演されました。

英語バージョンでネタを披露すると、安村さんが決め台詞「 Don’t worry, I’m wearing! (安心して下さい、履いてますよ) 」を言ったあとに審査員の女性が「 Pants! 」と返すコールアンドレスポンスが起きていました。

その様子はこちらの YouTube 動画にて。

  UNBELIEVABLE! Tonikaku BARES ALL with hilarious poses | Auditions | BGT 2023

この記事では、このコールアンドレスポンスが起きた理由の考察と、このネタの海外の反応を紹介します。

 

 

1.  – Don’t worry, I’m wearing!  – Pants! となった理由

このコールアンドレスポンスが起きた理由を、以下の3つ思いつきました。

 

「 Don’t worry, I’m wearing! 」「 Pants! 」となった理由

  • コールアンドレスポンスと勘違いした?
  • 会場を盛り上げるため?
  • ネタが面白すぎた

 

オーディション番組なので事前の打ち合わせや台本はないものとして、その可能性は除外しています。

ここからは上記3つの理由について詳しく紹介します。

英語学習としてのポイントも紹介するので参考になれば幸いです。

 

コールアンドレスポンスと勘違いした?

最初に「 Pants! 」とレスした審査員の女性は、動画では安村さんがキメ顔でパンツを指差し「 Don’t worry, I’m wearing! 」と言ったのを見て思わず(自然と)言ってしまったように見えます。

この理由は3つ考えられます。

  • イギリスはコールアンドレスポンスの文化が根付いている
  • ネタの説明で安村さんが「 I’m wearing pants. 」と言っていた
  • 目的語を補完したくなった

このような理由で、出演者と観客で「 I’m wearing… pants! 」とフレーズを完結させるネタだと瞬間的に察して「 Pants! 」と発したように私には見えました。

安村さんのキメ顔はレスポンスを促しているようにも見えるので、レスポンスを要求していると勘違いしたのかもしれません。結果的に英語ならではのネタに発展し、オーディエンスを巻き込むスタイルへと進化した印象です。

あるいは安村さんの計算で、コールアンドレスポンスを起こす前提だったのかもしれませんが、動画を見るとこの反応は想定外だったようにも見えます。これは本人に聞いてみないと分からないですね。

 

▽ wear は目的語がないと意味が異なる

wear は「〜を身につけている, 着ている」という意味ですが、これは目的語がともなう他動詞の場合です。I’m wearing pants. では pants が目的語です。目的語がない場合、つまり pants がない場合は「傷む, 摩損する, すり切れる」などの意味になります(自動詞の用法)。

このことから、今回のネタのような場面で I’m wearing. と言われると、ネイティブスピーカーの頭の中は I’m wearing ~ と続きを想像して「何を?」となるのではないかと思います。

このことも「 Don’t worry, I’m wearing! 」「 Pants! 」の掛け合いに繋がったと考えらえます。

 

▽ pants はアメリカではズボン

pants はイギリスではパンツの意味ですが、アメリカではズボンの意味です。アメリカでパンツは underpants、underwear、briefs などと言います。

もし安村さんがネタを披露したのがアメリカだったら bikinis と言っていたかもしれないですね。

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会場を盛り上げるため?

初回のネタ披露で思わず pants と言ってしまった感のある審査員の女性ですが、2つ目のネタ以降は会場を盛り上げるためにも言っていた印象を受けます。

あるいは、初回から会場を盛り上げるために言っていたのでしょうか。私には驚きと笑いで思わず言ってしまったように見えました。

 

ネタが面白すぎた

言うまでもありませんが、安村さんのネタが面白かったのが、このコールアンドレスポンスを生み出した1番の理由だと思います。

余談すぎですが、このネタを見たあとでボディビルの大会を見ると履いていないように見えて安心します。

 

2. 海外の反応

冒頭のリンク先 YouTube 動画のコメントを5つ紹介します。

翻訳は話題の ChatGPT によるものを掲載しています。

 

1.

J I

He is absolutely hilarious. Need to import more Japanese jokesters.

彼は完全に面白い。もっと日本のお笑い芸人を輸入しないといけないね。

hilarious は「めっちゃウケる」という感じです。

 

2.

shinpeidaten

He really know the timing to pose and response, facial expression as a comedian. It’s perfect.

彼は本当にタイミングを知ってポーズを取り、返答し、芸人としての表情も完璧だね。

ぎこちない翻訳となりました。

「彼は芸人としての間の取り方と反応、表情を熟知していている。その全てが完璧だ」という感じです。

 

3.

R.J.

The fact that the judges are calling him “Tony” makes it even more awesome!
Tonikaku is part of his stage name, which is Tonikaku Akarui Yasumura (translated as Basically Cheerful/Bright Yasumura).
He made his hit gag a global one, kind of like what Picotaro did with PPAP (Pen Pineapple Apple Pen)!

審査員たちが彼を「トニー」と呼ぶ事実が、さらに素晴らしい!トニカクは彼の芸名の一部で、トニカクアカルイヤスムラ(基本的に明るい/元気なヤスムラ)という意味です。 彼はヒットギャグをグローバルに展開し、まるでピコ太郎がPPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)でやったように、世界的に成功させました!

made his hit gag a global one を「ヒットギャグをグローバルに展開」と「世界的に成功」の2つに訳し分けているのがすごいです。

この最後の一文は「彼はピコ太郎が PPAP (ペンパイナッポーアッポーペン) でやったようにヒットギャグを世界的なものにした」とも訳せます。

それにしても、ChatGPT は「 PPAP = ペンパイナッポーアッポーペン」て知ってるのか。もはや AI ではなく人とやり取りしている感じがしています。

なお、安村さんが審査員から「トニー」と呼ばれていたのは、彼のエントリー名が「トニカク」だったからです。トニカクの愛称でトニーです。

 

4.

gunkun

Omg, he went viral around 10 years ago in Japan. But finally the world found him!! He’s so hilarious and unique!!

おお、彼は約10年前に日本でバイラルになったんだ!でもついに世界が彼を見つけたんだ!彼はとても面白くてユニークだね!

go viral は「バズる」というような意味です。

このコメントでは10年前とされていますが、日本のニュースチャンネルでは8年前とされていました。

 

5.

LongoTV

Made every single person laugh and smile and gave em all a very memorable experience! Such a great person with an extraordinary sense of humor.

彼は一人一人を笑わせ、笑顔にし、みんなにとって非常に思い出深い体験を与えた!素晴らしい人物で、非凡なユーモアのセンスを持っている。

em は them の省略です。

 

批判的なコメントもあったかもしれませんが私には見つけられませんでした。コメント数が多いのでご容赦ください。

なお、紹介したコメントには日本人が英語でコメントしているものもあるかもしれませんが、プロフィールからは確認できませんでした。

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