洋画や海外ドラマの DVD を英語音声で見ているときに日本語吹替音声に切り替えたら日本語音声の方が大きく(うるさく)感じる、という経験はないでしょうか。
その原因と理由を考察しました。ただし、仮に私の考察が正しいとしても、解決策はボリュームを調節するしかありません。その解決策を求めていらっしゃった人には申し訳ありませんが、役に立つ記事ではありません。
とはいえ、原因がなんとなく分かって仕方ないかと受け入れやすくなる効果はあるかもしれません。
ご注意
あくまでいち素人の考察です。証拠はありません。そんなものかなと、1人でなんとなく納得する程度のエンタメとしてお楽しみください。ドヤ顔で披露した場合に、偶然、たまたま、都合よく居合わせた専門家に論破されても「スカッとジャパン」(フジテレビの番組)のネタにもならないのでご注意ください。

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1. 英語と日本語音声の音量は同じ?
数年前ですが、何かをネットで調べているときに洋画の DVD では「英語音声と日本語音声は同じ音量」という情報を見た記憶があります。しかし、何かの記事だったか質問サイトだったかは忘れてしまい、今回改めて探しましたが見つかりませんでした。
それによると、同じ音量なのに日本語音声の方が大きく感じる理由は「母語の方が大きく感じる」というものでした。母語の方が馴染みがあり理解できるから大きく感じるとのこと。
本当であれば特に英語の子音で日本語にない音はネイティブスピーカーが感じるよりも小さく感じると考えられます。
私は納得はできませんでしたが、そいういうものかなとも思いました。しかし、それだけではないだろうと思ったのがこの記事を書くきっかけでもあります。
以前、下記リンクの記事も書いたのもあります。
› 【洋画 DVD】「セリフ→小さい、効果音→大きい」対策まとめ
この他、「母語以外の言語は脳にとっては雑音」というのもどこかで見た記憶があります。脳が言葉として認識していないので、同じ音量の場合に理解できる母語の方が大きく感じると考えられます。
「英語音声と日本語音声は同じ音量」はその通りではないかと想像します。おそらく日本版を作成するときに原作側からそうするように指示があるためだと思います。
セリフが原作よりも大きかったり小さかったりすると効果音や BGM とのバランスが崩れ、作品のイメージが変わってしまうからです。
これを私は「原作リスペクトの法則」としています。日本語の音声スクリプトと字幕を作成する場合にも、翻訳は原作側と日本側の双方の綿密な協議の上で決定されるそうです。
著作権法には翻訳権があり、私のように著作権を持たない者が作品を翻訳してネットなどで公開すると違反になります。一部であれば引用として認められますが、全部や大部分はアウトです。
それほどに原作は尊重されるものなので、音量に関しても尊重されると想像します。
2. 日本語音声の方が大きく感じる理由(考察)
「英語音声と日本語音声は同じ音量」なのになぜ違って聞こえるのか、「母語の方が大きく感じる」以外の理由を考えたところ、次の2つの原因を思いつきました。
- 英語の子音の方が日本語の子音より大きい
- 英語音声が 5.1 ch、日本語音声は 2 ch
英語の子音の方が日本語の子音より大きい
子音で特に息だけで発音される音( f 、th 、h など)は機械で確認すると耳で聞く印象よりも音量レベルが高い可能性があります。機械で確認するとは、マイクで録音するときに音量レベルを確認するメーターをイメージすると分かりやすいと思います。
子音では高音域が主なので聴感上よりも機械的には大きい音である可能性があります。つまり、耳では感じにくくても実際には意外と大きい音である可能性があるということです。
詳しくは「モスキート音」と検索すると関連する内容が出てくると思います。
英語の子音は日本語の子音よりも大きい音で発音されるため、子音を最大音量として DVD 化した場合に日本語では英語よりも母音の音量レベルが高くなり、これが日本語が大きく聞こえる原因となるのです。
ただし、吹き替えをする声優さんがあえて子音を強く発音することで音量を揃えることはできそうな気もします。
普段、日本語音声は英語学習の確認程度にしか聞くことはないのですが、今回しっかりと聞いてみると英語と同じくらい強く子音を発音しているのに気がつきました。
音量の関係なのか、原作リスペクトのために子音を強調することで原作らしさ(英語らしさ)を表現しているのかもしれないです。
英語音声が 5.1 ch、日本語音声は 2 ch
最近の DVD の音声は 5.1 ch が多いですが、日本語吹替音声のみ 2 ch というものもあります。これが可能性として最もあり得ます。
5.1 ch と 2 ch の違いを簡単に説明しますと、5.1 ch は6つのスピーカーを使って再生する音声、2 ch は2つのスピーカーを使って再生する音声です。
基本的にテレビやパソコンでは2つのスピーカーで音声を出力しますが、5.1 ch の音声を再生するにはスピーカーが足りません。
その足りないスピーカーから出力される音声にもセリフの音声は含まれているため、5.1 ch を2つのスピーカーで再生するとセリフの音量が本来の音声よりも小さくなります。
このため効果音や BGM が大きすぎる、セリフが小さすぎる、となってしまいます。
この対策は下記リンクの記事で。
›【洋画 DVD】「セリフ→小さい、効果音→大きい」対策まとめ
日本語音声が 2 ch であれば2つのスピーカーで再生する場合に最適化されているので、当然セリフの音声も2つのスピーカーで再生する場合に最適化されています。
実は日本語音声は大きいのではなく普通で、英語音声が視聴環境によって小さくなってしまっていた、ということです。
▽英語音声 5.1 ch と日本語音声 2 ch を聞き比べた感想
実際に英語音声 5.1 ch と日本語音声 2 ch が収録された DVD を聞き比べてみましたが、明らかに日本語音声の方が大きいです。セリフだけでなく、周囲の環境音も大きいです。
視聴環境は iMac( 21.5-inch, Mid 2010 )、macOS High Sierra 、 VLC プレイヤー、音の輪郭が明確な英語学習にも音楽再生にもおすすめのヘッドホンです。
›【2019】英語学習に最適なおすすめヘッドホン “Jabra Move Style Edition”
macOS の機能なのか VLC の機能なのかは分かりませんが、iMac で視聴すると 5.1 ch の音声を再生した場合には自動で 2 ch に統合して最適化してくれるようなのですが、元々 2 ch の音声とは音量が違います。
▽英語音声 5.1 ch と日本語音声 5.1 ch を聞き比べた感想
ちょうどブログのネタにディズニーアニメ「アナと雪の女王」の英語を拾っているときにこの記事を書くことを思いついたので、英語と日本語の音声を切り替えて聞き比べました。
英語と日本語音声のどちらも 5.1 ch で収録されているのですが、同じ環境で聞き比べるとほとんど違いは感じられませんでした。
むしろ英語音声の方が大きいような気がする場面もありましたが、これはその場面のみの可能性はありますし、私はほぼ毎日、海外ドラマの英語音声を聞いているので DVD 音声では英語の感度が高めの可能性もあります。
いずれにしても音量の違いは微々たるものでした。
3. まとめ
専門家が見たら笑ってしまうかもしれない、日本語吹替音声の方が英語音声よりも大きく感じる理由(の考察)まとめ。
- 母語の方が大きく感じる
- 英語の子音の方が日本語の子音より大きい
- 英語音声が 5.1 ch、日本語音声は 2 ch の場合
(これが最もらしいと私は思う) - 再生環境
- スカッとジャパンのネタにもならない
▽洋画や海外ドラマを使ったおすすめ学習方法
洋画や海外ドラマで英語学習をするようになり数年、「こんなにシンプルで短く言えるんだ」というセリフに出会うものの、恥ずかしながらその法則が分からずにいました。英語の発想で文を組み立てる意識はしていたものの、どうしても反射的に[日本語 → 英語]の翻訳をしていました。
そんなとき、中山裕木子著「会話もメールも 英語は3語で伝わります」という本を読むと(正確にはオーディオブックのサンプルを聞くと)、目から鱗が落ちて SVO が鍵だと納得しました。
一番良いのは「 SVO で英文を作る」と決めておくと迷わなくなり余計な脳力を使わなくなるところです。さらに、言いたいことを組み立てるときの道が増えた感じがします。この方法に慣れると、同じ内容でも SVO で作る場合と be 動詞や受動態などで作る場合のニュアンスの違いを理解し、最適な文法を選択してより幅広く自由な英語表現ができるようになるはずです。
おまけ的に、SVO を意識する癖をつけると英語を聞く場面では内容を予測しやすくなるのでリスニング力向上にもなります。おまけとしては大きな効果です。
会話もメールも 英語は3語で伝わります [ 中山 裕木子 ]![]() | ||||
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