ジブリアニメ映画「となりのトトロ(英題:My Neighbor Totoro )」の英語セリフの中から「ちょっと分かりにくいかな」という表現や会話で使える表現を集めて解説するシリーズの第4回(最終回)です。
記事の主旨はチャプター1から6の記事に書いています。この記事から見た場合は合わせてご確認ください。
この記事での解説はチャプター16から18(1:11:34 – 1:26:24)です。
私は素人なので、解説が間違っているかもしれないという危機感を持ち、疑問に思ったら自分で調べるスタイルで学習していただけると幸いです。
DVD、英語スクリプト&字幕ファイル
この記事の元とした DVD、英語版のスクリプトおよび字幕ファイルはチャプター1から5の記事にて紹介しています。この記事を先に見た場合は確認してください。


✔︎ 「聞くだけ」でも効果あり!

Chapter 16( 1:11:34 – 1:17:05 )
1/5
1:12:06
Well, you haven’t seen a little girl come by this way, have you?
メイを探すサツキがおじさんに尋ねるセリフです。
come by(英辞郎 on the WEB )は「やって来る, 通過する, 立ち寄る」という意味の他にも様々な意味がありますが、come の「話題の中心に近づく」イメージと by の「〜のそばに」の基本の意を合わせると訳さなくても内容をイメージできると思います。
セリフではメイが「この道のそばに近づく」イメージです。
2/5
1:12:12
Well, <it> seems to me I remember someone.
Eh, yes, near as I can recall, she went that way.
サツキの質問に答えるおじさんのセリフです。
near as I can recall は「思い出せる範囲では」「私の記憶の限りでは」という意味です。
日本語のセリフではおじさんは女の子を見ていませんが、英語では見ています。とはいえ、あとのセリフで And, then again, she might’ve gone in the other direction. と言っているので、当てにならないのは同じです。
さらに、
All sorts of folks come by here, but I don’t see them.
いろんな人がここに来るけど 彼らを見てないな
と関係ない人たちの話までします。
3/5
1:14:25
There’s no way she could get past all those people without somebody noticing.
池でサンダルが見つかったとサツキに伝えたあとのカンタのセリフです。
日本語音声ではセリフがない部分で「誰にも見られないなんてありあえない」という内容です。
サツキの不安に追い討ちをかけることは言わなくていいと思いますが、観客に対して不安を煽る意図で加えられたのかもしれません。
4/5
1:16:21
Mom, I told you, you jump to conclusions too fast.
サンダルがメイのものでないと分かったあとのばあちゃん息子のセリフです。
jump to conclusions はよく使う表現なので覚えておきましょう。
▽ jump to conclusions(英辞郎 on the WEB )
〔慎重に考えずに〕結論に飛び付く、結論を急ぐ、慌てて結論を出す、速断する、早とちりする、早合点する、勘違いする◆【同】rush for a conclusion
5/5
1:16:36
Kanta’s Father: …but if you could keep searching…
メイを探し続けることになり仲間にお願いをするカンタパパのセリフです。
if you could ~ と仮定法過去が使われていますが、難しいことは考えなくても「助動詞の過去形は低めの可能性を表す」と覚えておくと分かりやすいです。
セリフでは「探し続けてくれる可能性は低いとは思うけどできることなら」という気持ちが込められていて、お願いを遠回しに伝えています。
Chapter 17( 1:17:05 – 1:23:24 )
1/5
1:17:06
Totoro, I beg you, please protect Mei. She’ll be lost, and probably scared.
Please believe me, I’ll be good for the rest of my life if I can just see her again.
森の前でサツキがお願いをするシーンです。
セリフの英語解説ではありませんが、日本語のセリフでは、サツキは森に対してお願いと状況の説明をしています。
一方、英語のセリフではトトロに対してお願いと懺悔のようなことを口にします。なんだか海外ドラマの教会で懺悔をするシーンを連想してしまいます。トトロを神様のような存在だとしている印象です。日本は八百万の神という考え方があるので森が神でも違和感はないですが、英語には森や山や石が神だという発想はないようです。
さらに、メイが怖がっているかもしれないと感情に訴えるセリフもあります。英語では何かと感情に訴えるといいのかもしれません。
2/5
1:17:52
Oh, please, you have to help me find her.
トトロにお願いをするサツキのセリフです。
have to ~ は「 (義務として) 〜 しなければならない」という意味なので、セリフの状況では言われた側は「何で自分が?」と思ってしまいそうです。
この have to ~ は「強いお願い」をするときの使い方です。「頼まれる側がしなければならなくなるくらいのお願い」という感じでしょうか。DeepL はこのセリフを「お願いだから、彼女を探すのを手伝って」と訳しました。
3/5
1:20:25
But how does he make it do that?
日本語のセリフでは「気がよけてる」のところです。
does he:ジイ
does he が「ジイ」のように発音されています。do と h の音が省略されて、残りの音が連結しています。
4/5
1:22:56
I can’t wait to get up on my feet again.
元気になるのが待ちきれないというお母さんのセリフです。
on one’s feet は「立っている状態で, 元気になって, 自立して」という意味です。「自分の足で」という意味なのでイメージしやすいと思います。
get up on my feet の直訳は「自分の足で立ち上がる」なので、仮に、お母さんが足の骨折で入院している場合は文字通りの意味でも使えます。
5/5
1:23:14
Well, I’m not sure, but I could’ve sworn that I saw both the girls up in the treetop laughing.
サツキとメイを見た気がするというお母さんのセリフです。
DeepL は「まあ、よくわからないけど、梢の上の二人の女の子が笑っているのが見えたのは間違いない」と訳しました。とにかく優秀です。
in the treetop の in が気になるところです。木の上というと on を使うものと思ってしまうのですが、in が使われている理由は分かりません。
Chapter 18( 1:23:24 – 1:26:24 )
チャプター18は歌のみで、歌詞はシンプルです。そのため瞬間的に訳せそうにないもののみを取り上げました。
1/2
1:24:09
But things are not what they seem
物事は見た目通りじゃない
2/2
1:25:22
Watch him play in the rain
雨の中で遊ぶ彼を見て
この記事での解説は以上です。


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