となりのトトロ|英語版のフレーズ&発音解説 Chap. 11-15

ジブリアニメ映画「となりのトトロ(英題:My Neighbor Totoro )」の英語セリフの中から「ちょっと分かりにくいかな」という表現や会話で使える表現を集めて解説するシリーズの第3回です。

記事の主旨はチャプター1から6の記事に書いています。この記事から見た場合は合わせてご確認ください。

この記事での解説はチャプター11から15です。

 

他のチャプター

 › Chapter 1-5

 › Chapter 6-10

 › Chapter 16-18

 

 

Attention

私は素人なので、解説が間違っているかもしれないという危機感を持ち、疑問に思ったら自分で調べるスタイルで学習していただけると幸いです。

 

DVD、英語スクリプト&字幕ファイル

この記事の元とした DVD、英語版のスクリプトおよび字幕ファイルはチャプター1から5の記事にて紹介しています。この記事を先に見た場合は確認してください。

 

 

 

Chapter 11( 46:17 – 50:05 )

1/10

46:27

You were probably playing with it, and broke it in half or something.

傘を忘れたカンタにキレるカンタママのセリフです。

怒っているためか早口で発音が曖昧です。

with it:ウィジッ
and:ン
broke i t in:ブロウキティン

音が繋がった部分はマゼンタ、省略された部分はグレーで表記しています

2/10

46:44

Excuse me! Is anybody home?

傘を返しにきたサツキのセリフです。

excuse の ex を「ス」のように発音しています。よくある省略です。

 

3/10

46:57

Well, besides that, we wanted to bring back the umbrella we borrowed.

傘を返しにきたと説明するサツキのセリフです。

bring back の復習です。「所有者に返す (戻す) 」と覚えておきます。

 

4/10

47:02

Why would he give you this beat-up thing?

カンタがボロボロの傘を貸したことを恥じるカンタママのセリフです。

beat up(英辞郎 on the WEB )は形容詞で「 (物が) 使い古しの, ぼろぼろの」という意味です。人に対しては「だらしない, 老いぼれた」という意味です。

動詞の「打ちのめす」という意味からイメージしやすいと思いますが、beat は「繰り返し叩く」というイメージ(「英語語義イメージ辞典」より)で、up はこの表現の場合は日本語の「仕上げる」の「上げる」と同じような「終わりまで」というイメージです。

[終わりまで繰り返し叩く → ぼろぼろになる]と連想できます。

 

5/10

47:04

It came in handy, because we didn’t have one…

傘を借りて助かったと説明するサツキのセリフです。

come in handy(英辞郎 on the WEB )は「 (物・人が) 役に立つ, 重宝する」という意味です。handy も「役立つ」という意味ですが、come の「話題の中心に近づく」イメージと合わせて「役立つようになる」という感じです。

It was handy. では「役に立った」というだけですが、It came in handy では役立つに至った背景が意識される感じがします。そのためサツキは because ~ と役に立った理由を説明しているのだと思います。

 

6/10

47:07

…but I’m afraid he got soaking wet.

カンタさんが濡れて申し訳なかったというサツキのセリフです。

wet だけだとただ濡れたという感じですが、soaking があると[雨がしみ込むほど濡れた → びしょ濡れになった]という感じです。

get は「これまでなかった状態になる」や「至る」というイメージです。濡れていない状態から濡れた状態になったカンタさんです。

セリフを DeepL で翻訳すると「びしょ濡れになってしまったようです」と訳しました。I’m afraid (that) … は言いにくいことを言うときの表現でもあります。

 

7/10

47:11

I will. I’m always telling him to wash the mud off, so some rain did him no harm at all.

雨に濡れてもカンタは大丈夫と説明するカンタママのセリフです。

wash off は「洗い落とす」という意味で、泥や汚れだけでなく化粧にも使えます(wash off one’s makeup)。

off の原義は「〜から離れて」の意で分離を表します。wash と合わせて「 (泥を) 洗って (カンタから) 離す」イメージです。

 

8/10

47:16

Are you on your way to meet your father?

カンタママのセリフです。

on one’s way(英辞郎 on the WEB )は be 動詞と合わせて「途中にいる」という意味です。セリフでは「お父さんに会いに行く道の上に」から途中にいるイメージがしやすいと思います。

なお、in one’s way や in the way という似た表現がありますが、この機会に整理したい場合はリンクしておくのでご確認ください。ごちゃごちゃしたくない場合は確認せずに次へお進みください。

 ›› in one’s way

 ›› in the way

in the way は次のセリフに出てきました。

06:50
Mei, how am I supposed to open the house up if you’re in the way?

 

9/10

47:40

Oh, boy, we made it!

バスがちょうどきたというサツキのセリフです。

oh boy は 05:07 のメイのセリフにもありました。詳しい解説をそちらでしましたが、ニュアンスを覚えていましたか。

このセリフでは「やったあ!」という感じでバスの到着に間に合った気持ちを表しています。

 

10/10

48:08

Mei: Daddy wasn’t on that one, right?
Satsuki: I’m sure he’ll be on the next one.

バスにお父さんが乗っていなかったことが分かった2人の会話です。

on の使い方として取り上げました。on の原義は「‘接触’; …の上に, …にくっついて」(ウィズダム英和辞典 macOS 版より)です。

この会話の少し前の車掌( Bus Conductor )のセリフ「 (Are you) getting on board or not? 」の使い方も合わせるとイメージしやすいと思います。

 

ちなみに以前、「 board は板のくせに乗るとか会議とか意味を欲張りすぎ」と思ったものですが、「英語語義イメージ辞典」で board のイメージを確認すると「板の周りを囲んだ人々」のイメージが浮かんでハッとした経験があります。

それ以来、語彙の使われ方に分かりにくいものがあるとイメージや連想をするようになりました。この記事を書きながらもお世話になっている書籍です。

 

Chapter 12( 50:05 – 56:15 )

1/5

51:47

You put it over your head like that.

トトロに傘の使い方を説明するサツキのセリフです。

日本語のセリフが「こうやって使うのよ」となっているように、日本語の感覚では this を使ってしまう場面です。

なぜ that が使われているかは分かりませんが、傘地(生地)の部分を it と言っていると仮定して、「それをトトロの頭の上にそんな感じで…」と言っていると考えてみました。そうすると that はトトロの頭の上を指しているような気がします。「そういう風に…」とトトロがサツキの説明を再現するイメージです。

洋画や海外ドラマを見ていても、this と that は日本語の「これ」「それ」とは感覚が異なる使われ方をしていることがあります。

 › 日本語感覚と異なる this の使い方・使い分け考察

 

2/5

55:20

I’m surprised I can write to you at all, ‘cause my heart is still beating so fast.

お母さんへトトロに会ったことを手紙に書くサツキの心の声です。

at all はセリフでは「本当に, とにかく」という意味ですが、at の「点」のイメージから「全ての点で」と解釈するとニュアンスが分かります。

 

3/5

55:40

Magic nuts and seeds.

手紙の続きです。

日本語のセリフでは「木の実」ですが、英語では magic がついています。少々ネタバレというか伏線のような感じがしますし、そもそもサツキはどうして magic だと分かったのでしょうか。

 

4/5

55:46

We’ve decided to plant them all out in the front, because someday they’ll be tall and beautiful.

手紙の続きです。

all out はセリフでは「全部」という意味で使われています。them は木の実のことなので「表 (庭) に木の実を全部植える」という内容です。

all out は副詞では「全力で」という意味ですが、セリフでは文脈に合いません。節分で鬼は外するなら合いますが。

なお、フィットネスや筋トレで限界まで追い込むことを all out と言います。ちなみに、筋トレでは all out しなくても筋肥大しますし筋力アップもします。

 

5/5

56:00

Oh, yes, Mei sends her love and wanted to make sure you saw her drawing.

手紙の続きで、お母さんがメイガニを見るシーンです。

「サルカニ合戦」は英語圏の人には分からないためなのか、メイガニの絵を書いたのがサツキではなくメイになっています。

この Oh yes は「そうそう, あっそうだ」のようなニュアンスで何かを思い出したときの表現です。

あっそうそう、セリフを DeepL は「そうそう、メイが愛を込めて描いた絵を見てくれたかなと思って」と訳しました。「愛を込めて描いた絵」の部分は内容を汲み取って翻訳した感じがします。

 

Chapter 13( 56:15 – 1:02:08 )

チャプター13はありません。

寝ていたらトトロが出てきて芽が出るまでです。

 

Chapter 14( 1:02:08 – 1:07:06 )

1/6

1:03:04

Your vegetable garden is more like a mountain of treasure.

おばあさんの畑でのサツキのセリフです。

more like は It’s more like ~ の形で「ていうか…」と言いたいときに使えます。「ていうか」のようにくだけた表現ではないので「どちらかというと, というよりも」というニュアンスでも使えます。

「宝の山」は日英同じです。

 

2/6

1:03:35

…and that’s what makes them so good for the body and good for the soul.

キュウリがおいしい理由を説明するおばあさんのセリフです。

them は「ェム」のように発音されますが、セリフでは makes の s とくっついて「セム」のように発音されています。

 

3/6

1:03:42

My vegetable garden is bound to make anyone feel better in no time at all.

ばあちゃんの畑のものを食べるとすぐに元気になる、という内容です。

be bound to do は「きっと〜する, 〜するはずだ」という意味です。bound は bind の過去分詞形ですが、その「縛る, 束ねる」という意味から「因果関係が紐で縛ばられている」イメージをすると連想しやすいと思います。

at all は「全ての点」をイメージします。復習です。全ての点で feel better という感じです。

 

4/6

1:04:02

But we’ll fatten her up on my fresh vegetables.

お母さんを新鮮な野菜で太らせようというおばあさんのセリフです。

fat her up を直訳すると「彼女を太らせ上げる」ですが、この up は日本語の「仕上げる」と似ていて「終わりまで」のようなイメージです。fat だけよりも up があると「しっかり太らせる」という感じが出るように思います。

なお、これと似た on の使い方に[ live on 食べ物]という表現があります。「 (特定の食物だけを) 食べて生きている」という意味で、He live on rice. とすれば「彼は米だけ食べて生きている」となります。会話では fast food を入れる機会が多いかもしれません。

on は「接触, くっついて」というイメージですが、どちらも食べ物にくっついているイメージです。

 

5/6

1:04:58

Take them back to your mother’s place, and let them use the phone to reach their father.

カンタに「本家へ連れてってあげな」というおばあさんのセリフです。

your mother’s place に違和感を覚えたのでこの英訳になった理由を考えました。直訳は「お母さんのところ」ですが、この時点のカンタママの居場所は作中では描かれていません。

仮に、お母さんが家にいて、カンタの家に電話があるとすれば your house と言えます。しかしそうすると、メイはサツキと傘を返しに行ったことがあるので、この後、遅れながらも家まで行けたはずです。

「本家」を辞書で確認するとこの英訳になった理由が分かりました。

 

▽本家(ウィズダム和英辞典 macOS 版)

〖分家に対して〗the head [main] family (!米英には本家・分家の概念はない)

 

あえて your mother’s place と場所をぼかして、米英にない概念を乗り越えた訳にしたのだと考えられます。

なお、実際の会話でも place を使うと「どこよ?」となるかもしれないので、待ち合わせをするときなどは場所を明確に言う癖をつけておくと誤解が起きにくいです。

 

6/6

1:06:41

What’s happened to mommy? Tell me everything’s gonna be all right!

お父さんと電話中のサツキのセリフです。

Tell me everything’s gonna be all right! は「大丈夫だと言って!」ですが、おそらくお父さんもサツキが話した内容(電報の内容)しか情報はないので、お母さんが大丈夫かどうかは分からない状況です。

洋画や海外ドラマでもそうですが、Everything’s gonna be all right. や Everything will be all right. は「根拠はなくても」気休めとしてよく使います。たまに気を使って言ったのに「あんたに何でそんなことが分かるのよ」とキレられてしまうシーンもあるので、ややこしいです。

お父さんは There’s no need to worry. と返します。オウム返しだと気持ちがこもっていない感じになるのかもしれません。

 

Chapter 15( 1:07:06 – 1:11:34 )

1/4

1:08:24

Come on, Mei.

サツキに置いてけぼりにされたメイに声をかけるカンタのセリフです。

come on を「クモン」のように発音しています。一般的には「カモン」のように発音しますが、曖昧母音で発音したため出だしが「ク」ような音に聞こえます。

曖昧母音は口をはっきりと開けず、下も動かさずに発音するため、母音のどれかに聞こえます。多くの場合は「ウ」のような音に聞こえます。

一番多く使われる母音でもあるため、聞き取りにくい場合は曖昧母音の可能性が高いです。自分で発音すると納得しますよ。

 

2/4

1:09:07

Your old Nanny’s here to help.

落ち込むサツキを励まそうとするおばあさんのセリフです。

I’m here to help. ではなく Your old Nanny’s ~ と言って、自分がサツキと親しい存在であることを伝えています。これと同じニュアンスの表現は、おばあさんがメイを学校に連れて行ったシーンに Our Mei has been a very good little girl, eh? がありました。

 

3/4

1:09:14

Your father’s going to be stopping off at the hospital on his way home, eh?

「お父さんが病院に寄る」と状況を確認するおばあさんのセリフです。

stop off は「途中で立ち寄る, 途中下車する」という意味です。stop は「 (動いているものが) 止まる」、off は「〜から離れて」なので、セリフでは「お父さんが家への道から離れて病院で止まる」イメージです。

 

4/4

1:11:10

Where could she possibly have gone off to?

メイがどこに行ったかと疑問に思うおばあさんのセリフです。

go off(英辞郎 on the WEB )には多くの意味があり、セリフでは「出発する, 立ち去る」という意味が当てはまりますが、私は go を off(〜から離れて)で強調したようなニュアンスだと考えます。

go を辞書で確認します。

 

▽ go(ウィズダム英和辞典 macOS 版)

発話の時点または発話の中で話題になっている時点において, 話し手・聞き手や話題になっている場所から離れていくことを表し, 必ずしも日本語の「行く」と一致しない…(以下省略)

 

私の思いつきですが、セリフがもし go のみだったら「どこに行ったかは分からないけど近くにいる」くらいの感じかもしれませんが、go off なので「どこか遠くへ行った」という感じかもしれません。

あるいは私の考えすぎで、おばあさんとサツキが近くを探したあとなのでそんな感じがするのかもしれません。

 

少し後のセリフでサツキが Maybe she went off to visit mommy in the hospital!(メイは病院に行ったかもしれない)と言っています。ここでも「出発する」という意味が当てはまりますが、日本語で「出発する」という場合は遠くへ行くニュアンスが背景にあると思うので、やはり go のみよりは off があると「遠くへ」のニュアンスが加わるのではないかと考えます。

 

この記事での解説は以上です。

 

他のチャプター

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英語学習で地味にモヤっとする原因とは?

英語学習をしていると疑問が頻出するものですが、地味にモヤっとするのが「直訳すると日本語が不自然」な点です。特に英会話の場面、口語表現に顕著で「普段そんな言い方しねーし」と思ったことがある方も多いと思います。

例えばこんな表現です。

That's what I was told.
それは私が言われたことです

直訳していますが、この日本語は会話では不自然です。もう少し普段の会話っぽくすると「そう聞いています」です。とはいえ、実際には「〜のようです」「〜なんだって」というような言い方をしている人がほとんどだと思います。

(「〜のようです」「〜なんだって」は I heard that. や They (he, she) said that. と表現することもできます。)

つまり、モヤる原因は次の2つです。

 

地味にモヤっとする原因
  • 英語を直訳すると「普段頭の中にない日本語の言い回しになる」
  • 普段頭の中にある日本語を直訳すると「不自然な英語になるか行き詰まる」

 

「〜なんだって」と英語で言いたい場合は[なんだって → そう聞いています → それは私が聞いたことです]と変換して That's what I was told. を導き出すことになります。(最悪の場合)

こんなことをしているとテンポが悪くなって会話どころではなくなるし、頭が疲れて会話そのものを放棄したくなります。

しかし、[なんだって → That's what I was told. ]と直接変換できれば楽ですし会話をスムーズにこなせます。

 

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