洋画で英語のリスニング学習をしていると「音楽だけ消したい」と思うことがあると思います。BGM や効果音が気になる方も多いと思うのでセリフ音声のみを抽出する(取り出す)方法を紹介します。
「パソコン持ってないし」と思って諦めている方もいるかもしれませんが、melody ml というウェブサービスを利用するればできるはずなのでそちらについても紹介します。
この記事で紹介する方法は、洋画のオーディオファイル(音声のみ)から BGM や環境音を削除する方法です。
そのため「 DVD を見ていたら効果音が大きすぎる」という場合の対策とは異なります。
その場合はこちらの記事を参考にしてみてください。
AI とロールプレイ(予習)できるから話せるアプリ
1. セリフ音声を抽出する方法
洋画のセリフ音声のみを抽出する方法( BGM を除去する方法)はいくつかありますが、簡単にできる方法を4つ紹介します。
BGM を除去する方法
- SpleeterGUI(自動で簡単&無料)
- 音きりす(手動だが簡単&無料)
- melody ml(自動で簡単&スマホでもできそう)
- SpectraLayers Elements(有料だが高機能高精度)
他にも remove background music や remove vocal などと検索すると色々と出てきます。
それでは上記4つについて簡単に紹介します。
SpleeterGUI
SpleeterGUI はボーカル、ドラム、ベースなどを音源から自動で分離できる Windows 無料ソフトです。
使い方はとても簡単です。
- SpleeterGUI の使い方
- 分離するパーツを2、4、5のいずれかから選ぶ
(今回は2の「ボーカル+伴奏」で十分) - 保存先を選択
- オーディオファイルをドロップ
「あとは待つだけ…」のはずなのですが、私が試したところ完了はするもののエラーがあるようでダメでした。
バージョンは 2.9.1 です。
ソフトに問題があるのかパソコンに問題があるのかは分かりません。
とはいえ、無料なので試してみるとよいでしょう。
SpleeterGUI は Spleeter というサービスを使いやすくしてくれたソフトです。Spleeter は便利そうですが、導入が面倒なので私は試したことがありません。(やり方は検索すると出てきます)
抽出結果(分離の精度)は同じようなので SpleeterGUI が使えれば Spleeter を使う必要はないし、SpleeterGUI は使い方が簡単なのでおすすめです。
音きりす
音きりす も BGM などを分離できる Windows 無料ソフトです。
SpleeterGUI と異なるのは、自動ではなく、手動で必要な音を抜き出すところです。視覚的に操作できるので音楽の知識は不要で、感覚的に分かると思います。
私が使ってみたところ完全ではないものの簡単に BGM を除去できました。ただし、シビアに BGM を除去しようとするとセリフ(音声)に影響するので、こだわると納得できる設定にするのが難しいかもしれません。ほどほど、がよいでしょう。
使い方についてはネットの情報が詳しいので検索してほしいと思います。
melody ml
melody ml はボーカル、ドラム、ベースなどをパート毎に自動で分離できるウェブサービスです。
使い方はとても簡単です。
- melody ml の使い方
- メールアドレスを入力
- [ Upload MP3 ] をクリックしてオーディオファイルを選択
- 分離するパーツを選択
→ [ Vocals & Instrumental ] で十分 - 音質を選択
→ [ HQ Model (Improved) ] を選択 - 完了したら Download ボタンをクリック
✔︎ 対応オーディオファイル:MP3, Wav, Flac, Ogg/Vorbis
✔︎ 最大ファイルサイズ 100 MB
作業はブラウザ上で行い、完了したらオーディオファイルをサイトからダウンロードする仕組みなのでスマホでも利用できるはずです。(私は試していないのであくまで想像です)
ダウンロードはメールで送られてくるリンクからも行えます。
最大ファイルサイズは 100 MB なので洋画丸ごと1本でも圧縮すればできますが、FAQ には「曲が長すぎるとエラーになることがある」とあります。(英語で)
そもそも、洋画は2時間くらいあるので丸ごと録音すると学習しづらいです。エラーが出なければボーカル分離完了後のオーディオファイルを分割するとよいでしょう。エラーが出る場合はチャプター毎など小分けにしてから行うとよいでしょう。(その分料金はかかりますが)
melody ml の料金は以下の3つから選べます。
- melody ml の料金
- 10曲5ドル
- 20曲10ドル
- 50曲20ドル
✔︎ 初回2曲まで無料
ボーカル分離の精度は?
私が melody ml を音楽( NCS の Gama Over )で試したところ、なかなかキレイにボーカルが抽出できていました。ただし、バイオリンなど人の声と近い音は分離し切れていませんでした。(これは自動では難しそう)
洋画ではあくまで BGM なのでより分離感はありそうです。
melody ml に洋画のオーディオファイルをアップロードするのは著作権法に違反するのでしょうか。
「他人の著作物を権利者(作者)の許可なくネット上にアップロードして公開する」のは違法アップロードです。とはいえ、melody ml にアップロードはしても公開はしていません。
私には何とも言えないので、この辺りは各自の判断にお任せします。
SpectraLayers Elements
SpectraLayers Elements は有料のオーディオ編集ソフトで、自動でボーカル分離ができるだけでなくノイズ除去もできます。
- SpectraLayers Elements の特徴
- 自動でボーカル分離ができる
- 特定の音を視覚的な操作で除去できる
→ 複数の話者が同時に喋っていても片方を除去できるかも - 公式サイトでは30日間の無料トライアルを利用できる
✔︎ 上位版の Pro もあるがセリフ音声の抽出なら Elements で十分
✔︎ 購入はソースネクストが公式よりも安くてお得な場合がある
手動ではサイレンなど特定の音を視覚的な操作で除去できます。
こちらの動画でサイレン音の除去作業の様子と結果を確認できます。(修復作業もあります)
なお、上位版の SpectraLayers Pro もありますが、こちらはボーカルだけでなくレイヤーを各構成要素に分解(楽器をパート毎に分離)できます。
そのため「洋画のセリフ音声のみ」という場合は Elements で十分です。音楽をしていて耳コピしたい方なら Pro がよいでしょう。
SpectraLayers は有料ソフトなので、先に紹介した2つの方法でうまくボーカル分離できない(セリフのみにならない)場合に検討してみてください。
公式サイトでは30日間の無料トライアルを利用できるので試してみるとよいでしょう。
半額以上安く買える!
実は、SpectraLayers Elements は公式サイトよりもソースネクストサイトの方が定価の半額以上も安く購入できる場合があります。(バージョンは1つ古い)
ソースネクストサイトでは、SpectraLayers Elements 8 は SOUND FORGE Audio Cleaning Lab 4 に収録されて販売されています。(2023年3月23日時点)
しかも、セット販売で「自動でノイズ除去できるソフト」もついてきてお得です。
割引は24時間限定もあったので気づいた方はラッキーだと思います。
ちなみに上位版の SpectraLayers Pro 8 は SOUND FORGE Pro 15 Suite にてセット販売されていて、こちらも割引キャンペーン中がお得です。
なお、SpectraLayers Elements には macOS 版もありますが、ソースネクストでは Windows 版のみのようです。
自動でノイズ除去もできる
SOUND FORGE Audio Cleaning Lab 4 に収録されている iZotope RX 10 Elements は様々なノイズを自動的に識別して除去したり低減したりできます。つまり、背景のノイズ、風の音、摩擦音などの環境音の軽減や除去ができます。
環境音を除去すると洋画のセリフは意外と聞きやすくなります。洋画では BGM がなくても環境音が意外とあるので、環境音を除去した音声を一度聞いてしまうと「環境音があると何だか気になるし聞き疲れする」となるし「リスニング学習には絶対こっちだ」となるはずです。
ソフトがいくつもあってややこしいかもしれませんが、SpectraLayers Elements はボーカル分離と特定の音の除去(手動)、iZotope RX 10 Elements は環境音の除去(自動)、という使い分けです。
ノイズ除去は Audacity という無料ソフトでもできるのでボーカル抽出とノイズ除去は無料ソフトの合わせ技でもできますが、SOUND FORGE Audio Cleaning Lab 4 ではより簡単で高精度にできるはずなのでおすすめです。
2. 洋画の音声ファイルはどうするの?
「洋画の音だけってどうやって入手するの?」という疑問があるかもしれませんが、スマホや IC レコーダーで録音するのが手っ取り早いと思います。(2時間くらいかかりますが)
洋画の再生には DVD/Blu-ray や動画配信サービスなど方法は色々とありますが、より音質が良い Blu-ray や配信なら HD を選ぶとよいでしょう。
スマホでもケーブルを使えば高音質な録音ができます。
洋画の具体的な録音方法はこれらの記事を参考にしてみてください。
また、「セリフ毎に抽出したい」という場合は「洋画・海外ドラマの字幕毎にセリフ音声を抽出する方法」がおすすめです。無料の字幕作成ソフトを使う方法です。
なお、洋画の録音についてですが、個人利用に限れば著作権の侵害にならないと私は理解しています。(違ったらすみません汗)
3.「自分じゃ無理」な場合は?
パソコンをお持ちでないと今回紹介した方法は難しいと思います。また、自分でできたとしてもそれなりに時間もかかるし面倒でもあります。
そこで私が BGM 除去を代行いたします。ただし、基本的にはこの記事で紹介した無料サービスを利用するので、完全には除去できません。
そのため、料金はオーディオファイル1つにつき300円です。
なお、BGM を除去する音源は、ご自身が著作権を有するものか著作権が切れたものに限ります。
また、文字起こしも承っております。
ご依頼やご相談は Contact からお気軽にどうぞ。
英語ができない犯人は?
英語に苦手意識がある人は多いと思いますが、その犯人を特定できていますか?
英会話でいうと犯人は…
- 喋る練習をしない自分
- 興味がない方向で、効果がない方法でやらされていた自分
ちょっと厳しい言い方になったかもしれませんが、こんなシンプルなことを教えない人こそ犯人だと私は思います。
犯人は分かった。ではどうするか?
私も遊び感覚で使っている「スピーク」という AI 英会話アプリを使うと解決します。
スピークを使うと…
- とにかく喋る練習をさせられる
- 興味がある方向で、効果がある方法でやれる
- 強力な AI 学習サポーターがいる
AI 相手だからこそ、いつでも喋る練習ができる、分からないことを何でも聞ける、恥ずかしくない、といったメリットもあります。
スピークで解決する詳しい理由は下記の記事で述べているので、英語に苦手意識を持っていた方はぜひ参考にしてほしいと思います。
初心者向けとしていますが、スピークの実力や概要を知るのにちょうどいいかなと思います。
まずは無料で AI 英会話アプリ「スピーク」を使ってみる(公式サイト)
なお、私も洋画や海外ドラマ、日本アニメ英語版を素材としたオンラインレッスンを提供しています。お好きな作品でレッスンできるので、勉強感なく、おしゃべり感覚で楽しく英語学習を続けられると思います。
「中学英語も怪しい…」という方も、英語仲間として基礎からお支えします。安心してお任せください。
洋画などでの英語学習に不安がある方は Lesson+ をご確認ください。
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