「洋画や海外ドラマの音声だけスマホで聞けたらな」と思うことはないでしょうか。
スマホで映画を見るとなると動画配信サービスを利用するのが一般的ですが、音声を録音すると動画を再生しなくてもオフラインで音だけの学習ができます。通勤や通学、家事や運動などをしながら聞くことができるのでスキマ時間を有効に活用できます。
スマホ1台とケーブルのみでできる方法を紹介
録音には IC レコーダーが便利なのですが、スマホやタブレットでもケーブルを使ってライン入力すると高音質な録音ができるのでその方法を紹介します。
さらに応用として、ライン入力で文字起こしの精度を上げる方法についても紹介します。
iPhone でもできるようですが…
Android スマホでの説明ですが iPhone でも同様に録音できるようです。手持ちの iPhone 4s(骨董品)ではできなかったのですがやり方があるのかもしれません。
録音した音声は著作権法に違反しないよう、個人利用に限ってください。
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1. 用意するもの
洋画の音声をスマホ1台とケーブルのみで録音するために必要なものを紹介します。
洋画以外の場合は YouTube など録音したい音声に置き換えてください。
- 用意するもの
- スマホ(動画視聴と録音に十分なスペック)
- 動画配信サービス
- ボイスレコーダーアプリ
- 3極-4極変換アダプタケーブル
- オス-オスのステレオミニプラグケーブル ( AUX ケーブル)
- 音声を聞きながら録音する場合
- ステレオ分配アダプタ
- 音量調節機能付きのスピーカーなど
ケーブル類は下の画像のものを揃える必要があります。
画像が荒くて申し訳ありません。
おすすめのものを後ほど紹介します。
動画配信サービス
スマホで洋画や海外ドラマを視聴しつつその音を録音するのですが、この場合は動画配信サービスを利用するのが手軽で便利です。
動画配信サービスは数多くありますが、録音したい作品が配信されていればどのサービスでもかまいません。
U-NEXT など一部の動画配信サービスでは倍速再生に対応しているので通常速度よりも高速や低速で録音したい場合に便利です。ただし、倍速再生はアプリ(おすすめは無料の VLC )でもできるので必須ではありません。
日本アニメ英語版の場合はこちらを参考にしてください。
ボイスレコーダーアプリ
ボイスレコーダーアプリはライン入力に対応していれば何でもいいのですが、使い勝手がよかった無料の Android アプリ「簡単ボイスレコーダー」を紹介します。
音質は無料アプリという先入観のためか「良い」と感じました。
録音の際、音量が大きすぎると過大入力となり音割れが起きるのですが、このアプリは過大入力になると波形が赤く表示されるため入力レベル(再生側の音量)の調節がしやすいのでおすすめです。
下の画像では波形の赤い部分が過大入力となっています。
入力レベルを最大にして録音すると再生の際に使い勝手がいいと思うので、音量が最も大きいと感じる部分を録音してみてギリギリ赤くならない音量に調節してみてください。
録音の設定を最適化することもできます。
メイン画面右上の[︙→ 設定]と進むと下の画像のページが表示されます。
[マイクのプリセット]タップして[音楽&ライブサウンド]に設定しています。洋画では音楽や効果音があるためこれにしています。
喋るだけ YouTube 動画の場合は[ボイスメモ]が最適だと考えられます。
[音質]はなるべく高音質がいいので[高 (大ファイルサイズ) ]に設定しています。
高音質で録音すると…
なるべく高音質で録音したいところですが、そうするとスマホの空き容量なくなってきます。その場合は、音声ファイルを microSD カードに保存すると解決できます。
microSD カードを選ぶ際はお使いの機種に対応しているかどうかをご確認ください。
3極-4極変換アダプタケーブル
スマホにライン入力するには、こちらの変換ケーブルが必要です。
プラグに3本線が入っているのが特徴です。お間違いのないように。
実際に私はこちらを使用しています。プラグもジャックも挿し心地はしっかりしつつも固すぎず、音質はモニターヘッドホン( SONY MDR-CD900ST )で音楽を聴くとややこもる気がするものの大きな劣化はないと感じました。
あまり選択肢がないものでもあるので、失敗なく選ぶならこちらで間違いないでしょう。
これを直接スマホに挿します。
なお、イヤホンジャックがないスマホやタブレットには USB-C とイヤホンジャックの変換アダプタ に挿します。( iPhone の場合は Lightning との変換アダプタ)
ちなみにリンク先の USB-C の方を持っていますが M2 Mac mini でも使えました。
オス-オスのステレオミニプラグケーブル ( AUX ケーブル)
こちらもスマホでライン入力する際に必要です。3極-4極変換アダプタの赤と緑を繋ぎます。
両端のミニプラグに2本線が入ったケーブルです。画像のケーブルは JVC 製で、今や珍しくなった日本製です。99.995%以上のOFC(無酸素銅)を採用で、この価格帯ではこれが一番良いし、これ以上の価格のものは僅かな差を楽しむための嗜好品だと思っています。
長さは1mのものが使いやすいかもしれません。
ちなみに画像のものはスリムタイプで、プラグ周りとケーブルが太いタイプもありますが、今回の場合はスリムタイプが使いやすいと思います。(太いタイプの方が僅かに音が良い)
抵抗入りケーブルの方がいい?
IC レコーダーなどでライン録音する場合は「抵抗入りのケーブルでないと過大入力となって音が歪む」というケースがあるようです。
私の場合はスマホでも抵抗なしのケーブルで問題ありませんが、もし抵抗なしでうまくいかない場合は抵抗入りのものを使ってみると良いかと思います。
例えばこちら。

私はこのケーブルをオートメモS に使ってみました。取説に「抵抗入りで」とあったので。
録音した場合の抵抗なしケーブルとの違いはこちらの記事で紹介しています。
ステレオ分配アダプタ
音声を聞きながら録音する場合はステレオ分配アダプタを使用します。一方にスマホを繋ぎ、もう一方にスピーカーやイヤホンを繋ぐとどちらにも出力されるので聞きながら録音できます。
事前に録音時間を確認しておけば「無音状態」でも無駄なく録音できますが、洋画を見ながら録音できますし、録音の止め忘れ防止にもなります。
100均でも売っていますが音質に影響するものなので、音の劣化が少なく耐久性が高いものを選ぶのが最善だと思います。
こちらも JVC のものをおすすめします。私も使っていますがヘッドホンを繋いで音楽を聴いても音質の劣化はほとんど感じませんでした。ジャックへの挿し心地はかなりしっかりなので、プラグをぐっと押し込んでカチッと根元まで差し込む必要と安心感があります。
ちなみに JVC では金メッキバージョンもありますが、そこまでこだわらなくていいと思うのでこちらで十分だと思います。
▽プラグはきちんと差し込みましょう
上記のプラグを使用中にステレオで右の音が小さくなる現象が起きましたが、これはもう一方のプラグがきちんと差し込めていないのが原因でした。
先ほど「ジャックへの挿し心地はかなりしっかり」と書きましたが、きちんと差し込めていないとこの現象が起きます。そのため、プラグが正しく挿し込めているかを、挿し心地ではなく見た目で確認するのがおすすめです。
JVC のものはやや重みがあるので、スマホを持ったまま使用する場合はケーブルタイプの方が使いやすいかもしれません。(これはこれで意外と大きいかも)
音量調節機能付きのスピーカーなど
ステレオ分配アダプタを使用して聞きながら録音する場合は、音量調節機能付きのスピーカーやオーディオ延長ケーブルでモニターするのがおすすめ、というか必須です。(ライン入力できるラジカセやミニコンポでも OK )
理由は、先ほど「録音は入力レベルをなるべく大きくすると良い」と述べましたが、そうするとモニター側の音量が爆音になってしまうからです。
音量調節機能付きのスピーカーは、例えばこちら。

「音量調節機能付きのスピーカー」というよりはアクティブスピーカーですね。電源が必要なスピーカーで、このタイプには音量調節機能が付いています。
ちなみにスピーカー本体で低音域をツマミで調節できるので、効果音や BGM がうるさい洋画でもストレスなく見れると思います。(このツマミの設定は録音に影響ありません)
音量調節機能付きのオーディオ延長ケーブルは、例えばこちら。
またまた JVC 製です。手持ちのヘッドホンやイヤホンが使えるので便利だと思います。
レビューによると音量の微調整は難しいようですが、今回の使用目的であれば問題なさそうです。音量はゼロにならないようですが、そうしたいときはケーブルを抜けばいいと思います。
なお、この延長ケーブルも録音に影響はありません。
その他(スマホ用外付け DVD ドライブ)
動画配信サービスで配信されていない洋画などを録音したい場合はスマホ用の外付け DVD ドライブで再生して録音する方法があります。
テレビなどで DVD を視聴できる場合は不要ですが、スマホに CD の楽曲を取り込めるので語学教材に付属の音声 CD を直接スマホに入れたい場合に便利です。
なお、動画配信サービスで配信されている作品であればスマホ用外付け DVD ドライブは不要で、配信を録音する方が低コストかなと思います。
さらに、HD 画質で配信されている作品なら DVD よりも高音質なはずなので配信を録音する方がおすすめです。
2. 配線方法
「スマホ1台で録音するための配線方法」を紹介します。さらに、「テレビなどの音声を録音するための配線方法」も合わせて紹介します。
仕組みが分かりにくい場合はとりあえず配線を画像と同じにして試してみてください。
スマホ1台で録音するための配線方法
「用意するもの」で紹介したものを全て繋ぎ合わせるのですが、文章で説明するとややこしくなるので画像で説明します。
モニター(音声を聞きながらの録音)ありとなしの場合を紹介します。
① モニターなし
シンプルです。
この配線では録音中に音声を聞くことはできません。
② モニターあり
ステレオ分配アダプタを使用しています。
この配線ではヘッドホンに音声が出力されるので音声を聞きながら録音できます。ただし、録音レベルを最大化するとヘッドホンは爆音化します。
ヘッドホンでモニターしたい場合は音量調節機能付きの延長ケーブルを使用するとよいでしょう。
音量調節ができるアクティブスピーカーや、ライン入力ができるラジカセ、ミニコンポなどでもモニターできます。
モノとしては、先に紹介したこれらです。