英語学習教材に「絶対〇〇できる」という宣伝文句があると基本的に怪しいと思ってしまうし、「英語学習に絶対はない」と私は考えています。しかし、今回紹介する方法では絶対にリーディング力が上がるし、応用するとリスニング力も上がると言い切れます。
なぜなら、かなりハードな内容なので、絶対というかむしろ「ここまでやると嫌でも上がる」「上がらない方がおかしい」と考えられるからです。
CD ラジオや動画プレイヤーなどに AB リピート機能がありますが、それになぞらえて「 AB リピート音読」としました。そのやり方を紹介します。
1. 絶対読力向上「 AB リピート音読」とは
「 AB リピート音読」とは、動画プレイヤーなどにある指定した任意の区間を繰り返して再生する機能( AB リピート)と同じように英文を読む音読方法です。
具体的なやり方とポイントは以下の4つです。
AB リピート音読のやり方
- 英文を一文ずつスムーズに読めるようになるまで繰り返して読む
- つまったらその部分のみをスムーズ化*
- 同じ文章全体を読み直してスムーズ化*
※「スムーズに読めるようになるまで繰り返し読む」が長いので「スムーズ化」と略しました。以降も同様です。
AB リピート音読のポイント
- 声に出して読む
- 英語の語順で理解できるまで繰り返す
(きれいな日本語に訳さなくても理解できるまで)
繰り返しの回数は5回から10回くらいになると思いますが、スムーズ化できるまでなので特に回数は決めないで行います。
「あまり使わなさそうな単語は読み飛ばしても OK 」です。
声に出して読むことが大事
「読む」というのは黙読ではなく声に出して読む「音読」です。黙読でもいけなくはないですが、読んだつもりになってしまうので効果は激減します。
声に出して読むと詰まってスムーズに読めないところが出てきますが、そこが弱点なので弱点の発見になりますし、そこをスムーズ化することで弱点の消化ができます。
声に出して読むことが大事ですが、体調によって出しづらいときや周囲の目が気になる場合はささやく程度か口パクでもかまいません。これは、シャドーイングやリピーティングでも同様です。
洋画や海外ドラマを見るときにもおすすめです(見るだけを防げるので)。
英語の語順のまま理解する
音読の基本でもありますが、英語の語順のまま意味を理解するつもりで読まないとリーディング力は上がりません。
英語の語順のまま理解するのは難しいと思われるかもしれませんが、意味のまとまりで区切ることを意識して読むとできるようになっていきます。
この手法をスラッシュリーディングと言いますが、それゆえスラッシュリーディングは英語学習に必須のトレーニングだと私は考えています。
2. 英文の選び方
AB リピート音読をする際には英文選びが大事です。「スラスラと読めるが部分的に引っかかる」くらいのレベルのものを自分のリーディング力に合わせて選んでください。
今のレベルより1つか2つ下のレベルが良いと考えられます。英検でいうと、準1級を目指している方で「準1級の長文は難しい」という場合は級か準2級の長文問題が最適です。
おすすめ音読素材は日本アニメ
「レベルが分からない」や「何を読んだらいいか分からない」「教材や問題集はつまらない」という方には自分が好きな日本アニメで行なってみることをおすすめします。
おすすめする理由は、日本アニメは当然ですが日本語を元に作られているので、その英語字幕で学習すると「これってこう言えるんだ」という発見しかない状態になるからです。
英語学習におすすめの日本アニメはこちらの記事を参考にしてみてください。

日本アニメで英語学習というと「英語吹替音声が収録された海外版 DVD/Blu-ray で」というイメージがあるかもしれませんが、音読をする目的なら手持ちやレンタルした DVD でもできます。
字幕サイトから英語の字幕ファイルをダウンロードして表示させればアニメを見ながら「 AB リピート音読学習」できるのでおすすめです。なお、字幕のダウンロードは無料です。
やり方はこちらの記事を参考にしてください。
また、音読なら英語版マンガでも十分できます。


作品によってはバイリンガル版のマンガもありますよ。

バイリンガル版は英語のセリフがメインですが(吹き出し内は英語)、枠外に日本語のセリフもあるので内容を確認しながら読むことができるので便利です。
Amazon などで試し読みができるので確認してみてください。
3. 学習量と学習期間
効果を感じられるまでの学習量と期間期間をあくまで目安として載せておきます。
量も期間も「これだけやれば効果はあるだろう」ということで多めにしていますが、この半分くらいで効果を感じる方が多いと想像しています。
なお、当ブログは洋画や海外ドラマ、日本アニメを使った学習を提案しているので、それぞれで学習するときの学習量を目安としています。
作品によってセリフの量に差がありますが、大体以下が目安です。
洋画
- 3本を3周(1本ずつ3周しても OK )
海外ドラマ(40分)
- 3話〜6話を3周(1話ずつ3周しても OK )
- 1シーズンを1回ずつ(3周しても OK )
海外ドラマ(20分)
- 3〜10話を3周(1話ずつ3周しても OK )
- 1シーズンを1回ずつ(3周しても OK )
日本アニメ
日本のアニメは大体20分なので「海外ドラマ(20分)の場合」と同じとします。
- 1日に15分から30分
(もっと長くても OK )
- 2週間から1ヶ月
この手の学習方法は短期集中が効果的なので、上記の期間内に学習量を消化できるくらいに調節してみてください。
なかなか大変だとは思いますが、期間と分量のバランスをうまく取って、無理しすぎない程度にがんばってください。
4. リスニング × AB リピート音読(応用編)
AB リピート音読を AB リピート再生させた英語の音声を聞きながら行うとリスニング力と発音力の向上に効果的です。
AB リピート再生はパソコンやスマホの動画プレイヤーや CD ラジオを使うと簡単に実現できます。
さらに、シャドーイング機能が付いた IC レコーダーを使うとより効果的なトレーニングができます。
それぞれのやり方とおすすめ機器は以下。
パソコン
無料で使える VLC プレイヤーがおすすめです。
使い方や機能はこちらの記事を参考にしてください。
スマートフォン
NHK の語学プレーヤーが無料で高品質でおすすめです。(iOS/Android 両対応)
ダウンロードは下記リンク先より。
CD ラジオ
下記の語学向けの CD ラジオには AB リピート機能の他にも、語学に便利な再生速度調節機能や、3秒戻る、10秒進む、といった機能があります。
東芝さんの方が少しお安いです。
(※3秒戻る、10秒進む機能はありません)
シャドーイング機能付き IC レコーダー
IC レコーダーは会話や周囲の音を録音するだけでなく、MP3プレイヤーのように再生することもできます。
下記のオリンパスの ICレコーダーでは語学向けの機能として、AB リピート、倍速再生(0.5〜2倍)、シャドーイングが装備されています。