VLC プレイヤーは無料で使える多機能なメディアプレイヤー(動画・音楽再生)ですが、その機能の中から洋画 DVD や動画などで英語学習をするときに便利な機能とショートカットをまとめました。
セリフのない部分を飛ばす、聞きたい部分のみを繰り返し聞くなど、効率的に学習できますよ。
0. ショートカットの確認・変更方法
Mac 版での解説ですが Windows 版でも同様に設定できます。バージョン違いも同様です。
まずはショートカットの確認と変更方法を紹介します。
VLC の環境設定を開き、メニューから[ホットキー]を選択すると下の画像の画面が開きます。
左列がアクションで、右列がショートカットです。
変更したいアクションをダブルクリックするか、選択して右下の [変更] をクリックして、好みのショートカットキーを入力して保存します。
他で使用中のショートカットキーを入力した場合はエラーとなるので、別の組み合わせにします。
設定は VLC を再起動すると反映されます。
1. 再生位置を戻す・進める
再生位置を指定した時間分戻したり進めたりできます。
括弧内はデフォルトの時間です。
再生位置を戻す・進める
- ほんの少し前に戻る [ command control ← ] (3秒)
- ほんの少し先に進む [ command control → ] (3秒)
- 少し前に戻る [ command option ← ] (10秒)
- 少し前に進む [ command option → ] (10秒)
※矢印キーのみでも同じ - 前に戻る [ command shift ← ] (1分)
- 前に進む [ command shift → ] (1分)
- かなり前に戻る [ command shift option ← ] (5分)
- かなり前に進む [ command shift option → ] (5分)
戻る・進む時間を指定する方法
戻したり進んだりしたい時間は好みで設定できます。
環境設定を開き、左下にある [すべてを表示] を選択します。
すると、下の画像の画面が表示されるます。
左の赤枠にあるプルダウンメニューから [インターフェース → ホットキー設定] と進み、右の赤枠内で時間を指定します。単位は秒です。
おそらくデフォルトでは画像と同じです。
私はデフォルトのままが使いやすいのでこの設定で使用しています。「10秒だと戻しすぎだけど3秒だと短すぎ」という場合は3秒のショートカットキーを2回入力すれば6秒戻るので、あまり細かく指定する必要はないかと。
2. 2点間 (A-B) ループ
2点間 (A-B) ループは AB リピートとも言われる、指定した任意の区間を繰り返し再生する機能です。
[ command shift L ] がそのショートカットです。
再生中に押すとその地点が始点となり、もう一度押すとその地点が終点となり、その区間が繰り返し再生されます。
AB リピートを停止したいときはもう一度押します。
A-B リピートと次に紹介する倍速再生機能を合わせると面白いリスニング学習ができます。
3. 倍速再生
VLC では再生速度を0.25倍から4倍まで指定できます。4倍以上もできますが、4倍を超えると無音になります。
倍速再生のショートカットキーはデフォルトでは以下の設定です。
速く: [ command = ]
ゆっくり: [ command – ]
少しだけ早く:未設定
すこしだけゆっくり:未設定
通常レート:未設定
ショートカットキーを入力する度に決められた倍数ずつ変更されます。
[少しだけ早く][すこしだけゆっくり]というショートカットキーも用意されています。こちらは0.1倍ずつ変更できます。
[通常レート]という元のスピードに戻すショートカットキーも用意されています。
また、メニューバーの[再生]からスライドバーで調節することもできます。
4. 字幕関連
字幕関連では次の機能を紹介します。
- 字幕ファイルの表示
- 英語と日本語の字幕の切り替え
- 字幕のタイミングの調節
- 字幕フォントの調節(見た目)
- 字幕の位置調節
4-1. 字幕ファイルの表示
VLC では字幕ファイル( srt、ass など)を以下の方法で読み込ませて表示させることができます。
- 動画を再生して字幕ファイルを VLC の画面内にドラッグ&ドロップ
- 動画ファイルと字幕ファイルを同名にして同一フォルダに入れて動画を再生
詳しくはこちらを参考にしてください。
字幕ファイルの入手方法はこれらを参考にしてください。
字幕の切り替え
ちょっと分かりにくいかもしれませんが、字幕の切り替えとしてショートカットキーが2つあります。
字幕の切り替え
- 字幕トラックの切り替え [ S ]
- 字幕の切替 [ shift S ]
[字幕トラックの切り替え]は複数の字幕が収録されている DVD などで、それらを切り替えるためのものです。例えば、英語字幕と日本語字幕の切り替えに使用します。S を押す毎に字幕が収録されている順に切り替わり、最後の字幕が選択されたあとは無効(字幕なし)になります。
[字幕の切替] は字幕の表示と非表示の切り替えです。
字幕タイミングの調節
字幕が表示されるタイミングを調節するショートカットキーの紹介です。
字幕タイミングの調節
- 字幕の遅延を増加[ J ]
- 字幕の遅延を減少[ H ]
「遅延を増加・減少」が分かりにくいですが、字幕のタイミングを遅らせるのが[ J ]、早めるのが[ H ]です。
あえて字幕のタイミングを遅くしたり早めたりしてリスニングするとおもしろいです。
ダウンロードした字幕のタイミングが1〜2秒程度ズレている場合にも使えます。
ただし、より大きくズレている場合は字幕ファイルそのものを編集した方が使いやすいと思います。
字幕フォントの調節(見た目)
VLC では srt 形式の字幕ファイルであればフォントを調節できます。
調節できるのは以下の3つです。
- テキストサイズ
- テキストの色
- アウトラインの太さ
これらは[環境設定 → 字幕 / OSD ]で設定します。この設定がデフォルトとなります。
メニューバーの[字幕]からも変更できますが、この設定は VLC を終了するとリセットされます。
メニューバーからの方がより小さい字幕に変更できます。
私はフォントの色をシルバーにしています。モニターの輝度とのバランスで字幕がまぶしくない程度に感じるのが理由です。とはいえ、映像はやや暗く感じるのでシルバーとグレーの間がほしいです。
見やすいと感じるものに設定すれば目に優しくストレスなく学習できると思います。
フォントの変更方法
VLC では字幕のフォントそのものを変更できます。
私の好みは「游ゴシック体」です。シンプルで横幅が短めなのが理由です。字幕行としても横幅が短くなるので、目線を動かす範囲が狭くなるのも理由です。
フォントが見やすくなると学習効果がアップすると思います。
フォントの変更方法はこちらを参考にしてください。
字幕の位置調節
「字幕の位置を上げる/下げる」はデフォルトでは未設定です。
私は [ control ↑ ] [ control ↓ ] と設定しています。
字幕の位置はデフォルトで指定することもできます。
どこでも字幕再生(余談)
VLC バージョン3から字幕を表示して動画を再生しているときに、巻き戻しなどをしてもセリフの途中であれば字幕が表示されるようになりました。
再生中でも一時停止中でも、ショートカットで3秒戻したりスライダーを動かしたりしても字幕が表示されます。
以前は字幕の始点よりも余分に戻さないと字幕が表示されなかったのでちょっとしたストレスでしたが、解消されました。
ただし、DVD の字幕では以前と同じでした。srt と ass で確認できたので、字幕ファイルを読み込ませた場合に有効のようです。
5. 音声切り替え
オーディオトラックの切り替え
英語と日本語の音声を切り替えたいときは[ L ]です。
入力するごとに収録されている音声の順に切り替わります。
6. チャプター移動
前のチャプターを選択 [ control U ]
次のチャプターを選択する[ control D ]
ちなみに Mac ではフリーソフトの Subler を使って動画ファイルの好きなところにチャプターを作ることもできます。
7. スナップショット
動画を再生中、または一時停止中に画面上で[右クリック → スナップショット]でそのシーンのスクリーンショット(画像)を保存できます。
字幕が表示されていると字幕入りの画像になるので、気になった表現などのメモ代わりに使えます。
画像はこんな感じです。著作権に配慮しているため脳内再現をお願いします。
アニメ「鬼滅の刃」第1話より。
その場面の画像と一緒なので記憶に残りやすいはずです。枚数が多くなると映画ではチャプター毎に分けるなどすると整理しやすいと思います。
詳しい使い方はこちらを参考にしてください。
単語カードアプリなら音声も追加できる
画像ファイルだけでなく音声ファイルも追加できるスマホの単語カードアプリを利用して、録音しておいた洋画や海外ドラマの音声ファイルを追加すると便利な学習ができます。
そのアプリについてはこちらで紹介しています。
録音方法はこれらを参考にしてください。
8. ブックマーク
チャプターと似た機能ですが、ブックマークを付ける機能があります。
(正確にはブックマーク用のファイルを作る機能)
[ command B ] を入力すると上のウィンドウが表示されます。
ブックマークを追加するには、動画を再生中にブックマークを付けたいところで [追加] をクリックします。
追加されたブックマークをクリックするとその時間から再生されます。
ブックマークの名前や時間を変更するには、変更したいブックマークを選択(クリック)して [編集] をクリックします。
ブックマークを保存するには [ command S ] かメニューバーのファイルから [プレイリストの保存] を選択します。
保存するとブックマーク用のファイル( .m3u )が作られるので、次からはこのファイルを開くことでブックマークが付いた動画を再生できます(元の動画ファイルを再生してもブックマークは付いていません)。
ちょっと面倒なので私は使っていませんが、リスニングが難しいところなどに付けておくと繰り返し学習しやすいので便利ですね。
9. 再生を継続
[再生を継続] は再生時に前回終了した時点から再生する機能です。お好みでかまいませんが、英語学習では継続すると効率的かと思います。
[再生を継続] を有効にするには [環境設定 → インターフェース] で下の画像の画面となり、赤枠内の右にあるプルダウンメニューから [常に] を選択します。
保存をして VLC を再起動すると設定が反映されます。
設定とそれぞれの動作は以下。
確認:再生時に再生を継続するかどうかポップアップメニューで選択
常に:前回終了時点から再生
常にしない:動画の頭から再生
10. イコライザー
効果音や BGM が気になってリスニングに集中できない場合はイコライザーの設定で解決するかもしれません。
私はヘッドホンで視聴するときに下の画像の設定にしています。
VLC ではイコライザーの設定を保存してプリセットにできます。
やり方はこちらを参考にしてください。
より過激なイコライザー設定と合わせて紹介しています。
字幕作成ソフトもおすすめ
字幕作成ソフトを語学に使うと以下のことが便利です。
字幕作成ソフトの語学に便利な機能( Aegisub )
- 字幕部分だけの音声・映像の再生
- 再生範囲を狭くしてセリフの聞き取れないところだけを聞く
(繰り返し聞くと再生範囲を戻してもびっくりするくらい聞き取れる) - 字幕部分の音声を抽出
- 字幕にメモを付けられる
- カラオケ字幕を作ってリスニング
私は Aegisub という字幕作成ソフトを使っています( Win/Mac 対応 )。無料ですが本格的な字幕を作ることもできます。
やり方はこれらを参考にしてみてください。
英語ができない犯人は?
英語に苦手意識がある人は多いと思いますが、その犯人を特定できていますか?
英会話でいうと犯人は…
- 喋る練習をしない自分
- 興味がない方向で、効果がない方法でやらされていた自分
ちょっと厳しい言い方になったかもしれませんが、こんなシンプルなことを教えない人こそ犯人だと私は思います。
犯人は分かった。ではどうするか?
私も遊び感覚で使っている「スピーク」という AI 英会話アプリを使うと解決します。
スピークを使うと…
- とにかく喋る練習をさせられる
- 興味がある方向で、効果がある方法でやれる
- 強力な AI 学習サポーターがいる
AI 相手だからこそ、いつでも喋る練習ができる、分からないことを何でも聞ける、恥ずかしくない、といったメリットもあります。
スピークで解決する詳しい理由は下記の記事で述べているので、英語に苦手意識を持っていた方はぜひ参考にしてほしいと思います。
初心者向けとしていますが、スピークの実力や概要を知るのにちょうどいいかなと思います。

まずは無料で AI 英会話アプリ「スピーク」を使ってみる(公式サイト)
なお、私も洋画や海外ドラマ、日本アニメ英語版を素材としたオンラインレッスンを提供しています。お好きな作品でレッスンできるので、勉強感なく、おしゃべり感覚で楽しく英語学習を続けられると思います。
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