英語字幕に単語や表現の意味をメモしておくと、映画やドラマを見返したときに辞書を引く手間が省けます。さらに、聞き取れない箇所を太字や下線付き、色付きにしておくとリスニングの苦手なところを注意して聞くことができます。
フリーの字幕作成ソフト Aegisub を使って、語学向けに映画やドラマの英語字幕にメモを追加する方法をご紹介します。
Aegisub の使い方として
Aegisub の使い方としては、字幕を画面の指定した位置に表示させる方法なので、語学以外の方も参考にしてみてください。
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1. 語学向けの字幕とは
この記事で紹介する語学向けの字幕は以下の4つのもので、それぞれ作り方をご紹介します。
- 単語や表現の意味のメモ
- 字幕を太字・斜体・下線付き・色付きにする
- 日英同時字幕
- 「超字幕」風英語字幕
2. 単語や表現の意味のメモを作る
メモは以下の手順で作れます。
- Aegisub で字幕ファイルを開く
- メモしたい字幕行を右クリック → 選択行を複製( Duplicate Lines )
- 複製した字幕行のテキストを削除してメモを入力
※メモはネットの英英辞書のコピペが英語学習にはおすすめです。 - 位置コードを追加する
位置コードを追加すると画面の左上などに字幕が表示されます。
他に、スタイルマネージャーでスタイルを作成して字幕のスタイルを変更する方法でも字幕の位置を指定できるので後述します。
なお、位置を指定しなくてもいい場合はごちゃごちゃしますが複製した字幕行にメモを入力するか、複製はせず元の字幕行に入力してもできます。改行コードは /N でショートカットは shift return/enter(↩︎)です。
字幕に位置コードを追加する
字幕に位置コードを追加すると、字幕を画面上の割り当てられた位置に表示することができます。
位置コードは字幕の位置毎に数値が割り当てられています。
{\anX} が位置コードで、X を1〜9の数値に置き換えます。
左上:{\an7}
中央上:{\an8}
右上:{\an9}
左:{\an4}
中央:{\an5}
右:{\an6}
左下:{\an1}
中央下:{\an2}
右下:{\an3}
パソコンのテンキーの並びと同じです。
実際の画面上では下の画像です。
( VLC で字幕の位置を0にしています)
⑦⑤③に文字を入れると下の画像です。
字幕はそれぞれ左揃え、中央揃え、右揃えになります。
(揃えが分かりやすいように for の後で改行しています)
⑦の字幕行は以下になっています。
{\an7}How to make subtitles for\Nstudying English.
ちなみに \N は改行コードで、「 shift return 」のショートカットでも入力できます( Mac 版。Windows は未確認)。
メモ字幕の位置は好みで良いですが、やはり左上⑦が見やすいかと思います。
下の画像は実際に入力したところです。位置コードと改行コードは未入力です。
(見やすいようにテキストを大きくしています。赤枠はここでは無視してください。。)
字幕のスタイルを変更する
スタイルマネージャーでメモ字幕用にスタイルを作成しておくと、そのスタイルに変更するだけでメモ字幕の位置を変更できます。
スタイルマネージャーでスタイルを作成する方法と字幕のスタイルの変更方法は、下記リンクの記事の「4. 手順とやり方」の「スタイルマネージャーで上になる字幕のスタイルを作る」で解説しているので参考にしてみてください。
3. 字幕を太字・斜体・下線付き・色付きにする
知らない単語や聞き取れない箇所の字幕を太字などにする方法です。
太字や下線のどれを選ぶかはお好みで良いのですが、例としましては、
- 単語・表現:下線付き
- 聞き取れない箇所:色付き
(リスニング重視の場合) - 強く発音される単語:大文字
とすると見やすいかと思います。
大文字に関しては入力し直すだけなのでここで紹介するやり方ではありませんが、参考まで。
なお、斜体は元の字幕が斜体だと使えないので、部分的に斜体にしたいときは一度斜体コードを削除して入力し直すか、スタイルを斜体でないものに変更する必要があります。
太字・斜体・下線付き
下の画像の左上、赤枠の「 B、I、U 」ボタンで字幕をそれぞれ太字、斜体、下線付きに変更できます。
太字・斜体・下線付きはボタンが違うだけでやり方は同じなので、太字を例に解説します。
まずは、字幕入力欄のテキストの、太字にしたい部分をドラッグします。
そのまま B ボタンを押すと、ドラッグした部分に太字コードが入力されます。
上の画像の例で、to make を太字にするとテキストは、
How {\b1}to make{\b0} subtitles for studying English.
となります。
ドラッグしてボタンを押すだけ、簡単です。
色付き
色付きでは少々事情が違います。
先ほどの画像の「 B、I、U 」の隣り、「 AB 」をクリックして色を選択するのですが、先ほどと同じやり方(ドラッグ&ボタンクリック)で to make のみ色を変更しようとすると、to 以下の文字の色がすべて変更されてしまいます。
to make のみ色を変更するには先ほど述べた操作をしたあとで、make の後ろにカーソルを持ってきて、「 AB 」をクリックして、make 以下を元の文字色に指定する必要があります。
少々めんどうです。
ちなみに、「 AB 」の隣りの「 AB 」はカラオケ字幕で色が変わる前の色を指定するときに使います。
4. 日英同時字幕
日本語と英語の字幕を合わせて、日本語と英語が同時に表示される字幕を作ることもできます。
やり方は下記リンクに書いているので参考にしてみてください。
5. 「超字幕」風英語字幕
「超字幕」は日英同時字幕表示など、映画やドラマで学習するときの便利機能が充実したソフト・アプリですが、特徴的なのがその字幕。
前後の字幕も数行ずつ(フォントサイズによる)上下に表示されるので、前後の繋がりを確認したり、先読みするのに利用できます。
この超字幕風の字幕も自作できます。
ただし、はっきり言って、これを作る時間を英語学習に当てるか、超字幕を買った方がマシです。時間がかかりすぎます。
作り方は、ざっくりと説明しますと、元の字幕の複製を2つ作って、前後の字幕を入力、各字幕に位置コードを入力、となります。
興味本位で作ったサンプルは下記 Download ボタンからダウンロードしていただけますので、興味がある方は参考にしてみてください。
映画「 The Intern/マイ・インターン」の冒頭3分程度のものです。


The Intern en choujimakish sample
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6. Aegisub 関連記事
Aegisub 関連では以下の記事も書いています。
語学向けのものもありますので、参考にしてみてください。
› Aegisub で srt を保存しようとすると ass になるときの対処法
› 英語字幕ファイルを日本語化する方法( Google 翻訳 )
› どんなに細かい英語の音も字幕作成ソフトを使って聞き取る方法
↓Aegisub カテゴリーリンク
› Aegisub
字幕を動画に焼き付ける問題
Aegisub ではテレビや YouTube のような字幕やテロップを作れますが、字幕を作ったら、字幕を付けた私的な動画を DVD にしたり YouTube で公開したりしたい場合があると思います。
しかし、Aegisub で作るのはもちろん字幕ファイルであって動画ファイルではありません。そこで、字幕を動画に焼き付ける必要があります。
字幕を焼き付けるとは、字幕を画像として映像の上に貼り付けることです。テレビ画面(動画)にシール(字幕)を貼る行為、と例えると分かりやすいかもしれません。そのため字幕の非表示はできません。
この「動画に字幕を焼き付ける」作業を私は以前したことがあるのですが、少々というか、結構な問題でした。
無料で動画に字幕を焼き付ける方法
動画に字幕を焼き付ける方法は、無料ではまず FFmpeg を使う方法がありますが、これは私はよく分からず挫折しました。簡単らしいのですが。。
そこで Windows 用のフリーソフトを使ったのですが、画質も音質も劣化して残念でした。ソフト名は忘れてしまい探しても見つからないので紹介は諦めましたが、私が使った感触ではあまりおすすめできるものではありませんでした。
無料の動画作成ソフトで字幕を付けた方がいいかも
動画編集ソフトでも字幕は付けれます。Windows ではマイクロソフト社の Movie Maker が無料で使えます。
Mac では iMovie があるのですが、字幕を付けるためにはいまいちなようです。
やっぱり有料の動画編集ソフトが便利そう
とにかく無料でがんばる私ですが、有料ソフトの誘惑に負けることもあります。字幕やテロップ付きの動画が作れるソフトでは Windows 用の動画編集ソフト「 VEGAS Movie Studio 17 」が良さそうです。
私は使ったことがないのですが、カラオケ字幕の作り方を YouTube で見ると使いやすく、動作が軽そうでした。カラオケ屋さんのようなカラオケ字幕でした。
画面を流れるような字幕も作れるようです。Blu-ray に書き出すこともできるので、同価格帯の他社製品と比べると機能的に一歩リードしている印象がありました。私が買うならこれですね。
▽購入はソースネクストがおすすめ
Amazon でも購入できますが、ソースネクストでの購入がおすすめですで、VEGAS 製品はよく割引キャンペーンをしている印象があります(情報はメルマガ登録がおすすめ)。
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