映画やドラマなどの srt ファイルをダウンロードして、Aegisub で「字幕のタイミングを部分・全体的にずらして保存」しようとしただけなのに、ass ファイルとして書き出される場合があるので、この原因と対処法についてご紹介します。
対処法は以下の2つがあります。
- srt ファイルとしてエクスポート(そもそも srt ファイルなのに)
- srt ファイルから改行以外のコードを削除
以下のよくありそうなトラブルについても書いておきます。
- srt ファイルを Aegisub で開けないときの対策
- 文字化けを直す方法
- ass ファイルで日本語が文字化けするときの対処法
記事更新:2019年7月4日
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1. 対処法① srt ファイルとしてエクスポート
Aegisub で srt ファイルとしてエクスポートする
大体はこれで解決すると思います。
メニューバーで「 File → Export Subtitles 」と進み、「 Export 」画面が開いたら Text encoding が UTF-8 になっているのを確認して Export をクリックします。
次に保存先を選ぶ画面が開くので、保存先を選択して、下の方にある File type で SubRip(*.srt)を選択して保存します。
これで srt ファイルとして保存されます。
(カラーフォントなどのコードは削除されます)
このときファイル名の入力が面倒なのですが、macOS では保存先を選択する画面に表示される既存のファイル名をクリックすると入力されるので便利です。
使用環境:Mac OS 10.7.5、Aegisub 2.1.9
記事更新時:Mac OS 10.13.6、Aegisub 3.2.1
2. 対処法② srt ファイルから改行以外のコードを削除
srt ファイルから改行以外のコードを削除する
srt ファイルとして保存されない原因は、斜体*やカラーフォントなどのテキスト以外の情報(コード)が含まれているからなので、これらを削除すると srt ファイルとして保存できるようになります。
※バージョン 3.2.2 では斜体コードは削除しなくても srt として保存できます。
カラーフォントなどのコードを削除( \N は改行)
カラーフォントなどのコードは Aegisub の字幕行(テキスト入力欄ではなく一覧)では地図記号の工場のようなマークで表示されます。テキスト入力欄では、セリフ以外のごちゃごちゃした文字列がコードです。
注意したいのは、\N は改行なので、これは残すようにします。
これらをすべて削除できると srt のまま保存できるようになります。
カラーフォントが使われる箇所でよくあるのは、ドラマでは開始から5分前後のオープニングとエンディングで、字幕作成者や作成元の URL などです。
「 ⌘ delete 」で字幕行ごと削除してもかまいません。
テキストエディタで斜体コードを一括削除( <i> と </i> )
これは Mac 標準のテキストエディットを使うとやりやすいです。Windows は未確認ですが、メモ帳などに同様の機能があると思います。
コードを削除するには、テキストエディットの指定した文字を一括で変換する機能を使うと便利です。
テキストエディットで srt ファイルを開いたら、「 ⌘ F 」で検索窓を開き、削除したい文字を入力します。
「置き換え」にチェックを入れて、表示された入力欄は空白のまま「すべて」をクリックします。
これで削除したい文字列が一括削除されます。
斜体コードは <i> と </i> なので、それぞれでこれを行います。
Mac テキストエディットで開けない場合
Aegisub では開けるけど Mac のテキストエディットでは開けない場合があります。
この場合は srt ファイルを Aegisub で開いておいて、「対処法①」を行うと開ける場合があります。
これでだめな場合は最新版の Aegisub を試すか、字幕サイトに他の字幕があればそちらを試します。
また、Aegisub で開いたときに字幕の最後の一行がごちゃごちゃした文字列の場合、これとこれに類似する部分を削除すると開ける場合があります。
3. Aegisub で srt ファイルが開けないときの対策
理由は分かりませんが、Aegisub で srt ファイルが開けないときにこれをしたら開ける、という方法を見つけたのでご紹介します。
これで全てのファイルが開けるようになるわけではありませんが、結構な確率で開けるようになるので、試してみる価値ありです。
テキストエディタで最後の字幕データを削除
やり方はとても簡単で、テキストエディタで srt ファイルを開いて、一番最後の字幕データを確認します。
これがセリフ以外の意味不明な文字列だった場合、これとこれに類似する部分を全て削除します。削除後、保存して Aegisub で開けるかどうか確認します。
逆にテキストエディタで開けない場合に Aegisub でこれをやると開ける場合があります(前項目参照)。
Jubler で開いて保存する
Jubler も Mac で使えるフリーの字幕作成ソフトです。これで開いて保存するだけで Aegisub でも開ける場合があります。
Windows では SubtitleWorkshop もありますので、試してみると良いかもしれません。
下記リンクの方法で対訳字幕を作っているときに発見しました。
› 英語字幕ファイルを日本語化する方法( Google 翻訳 )
4. Aegisub で編集した srt ファイルの文字化けを直す方法
Aegisub で保存したあとで動画を再生して字幕を見ると部分的に文字化けしていることがあります。
♪は文字化けしやすいので、気になる場合はテキストエディットの一括で置き換える機能で直します。要らない場合は削除してしまってもいいですね。この場合もテキストエディットが便利です。
Mac テキストエディットを使って一括修正
「斜体コードを一括削除」のところで説明した方法とほとんど同じです。まずは「 ⌘ F 」で表示される入力欄に文字化けした部分を入力(コピペ)します。
その後「置き換え」にチェックを入れて、表示される入力欄に元の文字を入力します。「すべて」をクリックすると置き換わって修正されます。
メディアプレイヤーで日本語のフォントに設定する
日本語字幕の場合で、字幕ファイルに問題がない場合は、プレイヤー側のフォント設定が英語になっているかもしれません。
英語のフォントに設定していると日本語字幕は文字化けしてしまいます。
VLC プレイヤーでのフォントの設定方法は、
にて紹介しているので参考にしてみてください。
5. ass ファイルで日本語が文字化けするときの対処法
ass ファイルについてなので別記事にした方が良さそうですが、長くもないのでついでに「 ass ファイルの字幕を動画をメディアプレイヤーで再生したときに日本語字幕が文字化けするときの対処方法」を書いておきます。
Aegisub のメニューバーからスタイルマネージャーを開き、右側の Current script 枠内で変更したい(文字化けする)スタイルを選びダブルクリック、日本語のフォント( Hiragino Kaku Gothic ProN など)を選択して「 OK 」、あとは保存して完了です。
これをしても文字化けする場合は他の日本語のフォントを試してみてください。
私は VLC プレイヤーを使っていますが、このケースでは特に VLC の設定はしなくてもいいようです。もし文字化けする場合は VLC の字幕の設定でデフォルトエンコーディングを UTF-8 に、フォントを HirakakuPro-W6 にしてみてください。この設定は srt ファイルに有効なようで、ass には関係なさそうですが。なお、設定後は VLC を再起動する必要があります。
詳しいやり方は下記リンクの記事にてご紹介しています。
字幕を動画に焼き付ける問題
Aegisub ではテレビや YouTube のような字幕やテロップを作れますが、字幕を作ったら、字幕を付けた私的な動画を DVD にしたり YouTube で公開したりしたい場合があると思います。
しかし、Aegisub で作るのはもちろん字幕ファイルであって動画ファイルではありません。そこで、字幕を動画に焼き付ける必要があります。
字幕を焼き付けるとは、字幕を画像として映像の上に貼り付けることです。テレビ画面(動画)にシール(字幕)を貼る行為、と例えると分かりやすいかもしれません。そのため字幕の非表示はできません。
この「動画に字幕を焼き付ける」作業を私は以前したことがあるのですが、少々というか、結構な問題でした。
無料で動画に字幕を焼き付ける方法
動画に字幕を焼き付ける方法は、無料ではまず FFmpeg を使う方法がありますが、これは私はよく分からず挫折しました。簡単らしいのですが。。
そこで Windows 用のフリーソフトを使ったのですが、画質も音質も劣化して残念でした。ソフト名は忘れてしまい探しても見つからないので紹介は諦めましたが、私が使った感触ではあまりおすすめできるものではありませんでした。
無料の動画作成ソフトで字幕を付けた方がいいかも
動画編集ソフトでも字幕は付けれます。Windows ではマイクロソフト社の Movie Maker が無料で使えます。
Mac では iMovie があるのですが、字幕を付けるためにはいまいちなようです。
やっぱり有料の動画編集ソフトが便利そう
とにかく無料でがんばる私ですが、有料ソフトの誘惑に負けることもあります。字幕やテロップ付きの動画が作れるソフトでは Windows 用の動画編集ソフト「 VEGAS Movie Studio 17 」が良さそうです。
私は使ったことがないのですが、カラオケ字幕の作り方を YouTube で見ると使いやすく、動作が軽そうでした。カラオケ屋さんのようなカラオケ字幕でした。
画面を流れるような字幕も作れるようです。Blu-ray に書き出すこともできるので、同価格帯の他社製品と比べると機能的に一歩リードしている印象がありました。私が買うならこれですね。
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Amazon でも購入できますが、ソースネクストでの購入がおすすめですで、VEGAS 製品はよく割引キャンペーンをしている印象があります(情報はメルマガ登録がおすすめ)。
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