macOS の標準機能の中には英語学習に便利なものいくつかあるので、使い方も合わせてご紹介します。すでにお使いのものもあるかと思いますが、ちょっとしたコツもご紹介していますので確認してみてください。
また、フリーソフトで語学に便利なものも合わせてご紹介しています。とても便利なのでぜひ参考にしてみてください。
El Capitan を使用していますが、基本的な機能なので他のバージョンでも共通だと思います。
おすすめ記事
› 洋画・海外ドラマの英語学習効果を最大限に高める方法・コツまとめ
1. Safari
分からないことを何でも調べられる
Safari が語学に便利なブラウザというわけではありませんが、盲点かと思いましたのであえて一番最初に取り上げました。とにかく分からないことは何でもネットで調べてみることをおすすめします。
ネットはスラングや慣用表現(熟語・フレーズ)、句動詞を調べるのに向いていると思います。辞書では載っていなかったり探すのに時間がかかるのも理由です。
また、映画などのセリフはそのまま検索するとブログや質問サイトにあったりします(解説が間違っている場合があります)。
他にも文法を解説する記事も多いですし、YouTube では文法から発音の解説まで様々で、ネイティブスピーカーのリアルな発音を聞いたり特定の地域の訛りを知りたいときにも便利です。
関連記事
› 動画とか無料英語学習サイトおすすめは?「YouTubeです」
おすすめ辞書サイト
表現を確認したいときは英辞郎の Web 版、英和辞書で分かりにくいときや単語で UK と US の発音の違いを確認したいときは Cambridge Dictionary が便利です。
英語学習には Google Chrome の方が便利かも
Google Chrome ではページを自動で翻訳してくれる機能があるので原文と比較しながら読むことができます。翻訳に頼りすぎるのも良くないですが、理解の助けになるメリットがありますし、時短にもなると思います。
› 英語字幕ファイルを日本語化する方法( Google 翻訳 )
ブラウザの画面上にテキストファイルをドラッグ&ドロップすると翻訳してくれる機能もあるので、これを使って英語字幕ファイルの翻訳(日本語化)もできます。
2. 辞書.app
効率的で十分な内容
単語をさくっと調べられる「辞書」は動作も軽いので起動させたままでも Mac が遅くなることもないので、私は特に重い作業をするとき(は英語もしていませんし)以外は常に起動させています。気になったら単語をコピペしてすぐに調べるためです。
収録されている辞書は内容を絞ったサブセット版ではありますが、効率的で、十分な内容で解決することが多いですし、より調べたい場合はネットで検索すればいいし、もしそれでもダメなら紙の辞書をしぶしぶ開きます。
基本的な使い方
辞書.app の検索窓に英単語や熟語を入力して検索します。
ウェブサイトなどの画面上のテキスト(英単語)がドラッグできるものであれば、英単語の上でマウスを右クリックで選択→コピーで辞書.app の検索窓に貼り付けると入力の手間が省けます。
または、単語の上で右クリックして表示される右クリックメニューに、例えば English を右クリックすると「“English”を調べる」と出ますのでクリックするとポップアップでプレビューが表示されます。
プレビューを下までスクロールすると左下に「“辞書”で開く」、右下に辞書のアイコンがありますので、どちらかをクリックすると辞書が開いて English が検索され内容が表示されます。
プレビューの表示は単語をダブルクリックなどで選択して control command D でもできます( OS によってはショートカットが設定されていないかもしれません)。
なお、プレビューの辞書の順序は環境設定で指定した順序が反映されるので、英語学習に特化するのであれば英和/和英辞典を一番上にしておくと良いでしょう。
ちょっと不満
実は上記のプレビューから辞書を開く動作が OS を Lion → El Capitan とアップデートしたところ使いづらくなったので、改悪としてご紹介しようと思いましたが、この記事の範囲ではないのでまたの機会にします。
command F 検索も使える
辞書の内容を command F で検索できるので、熟語の検索に便利です。
Spotlight 検索からも
Spotlight 検索も英単語をさくっと調べれるので便利です。ショートカットは El Capitan では control space、 High Sierra では command space がデフォルトですが環境設定の「キーボード → ショートカット」から変更できます。
英単語を入力するとプレビューで確認できるだけでなく、return( ↵ )で辞書.app を起動して検索できます。
結局は辞書.app で確認する場合も多いですが、素早くできますし、洋画を見ながらだとウィンドウが小さいので英語字幕を確認しながら入力しやすいメリットがあります。
Spotlight の環境設定で「定義(辞書)」以外のチェックを外しておくとごちゃごちゃせずより素早く検索できます。「変換」にもチェックを入れておくと単位の換算ができるのでおすすめです。「1フィート」と入力(英語環境では「1feet」と入力)すると相当のメートルやインチが表示されます。数値はいくつでも変換してくれます。為替レートも同様です。ちなみに私は計算機にもチェックを入れていますが、Spotlight では数式を入力して計算できる便利さがあるのが理由です。
予測変換
検索窓に英単語を入力する途中で「 command . 」を押して候補を表示することもできます。詳しいやり方はテキストエディットの項目にてご紹介します。
辞書を増やせる
辞書.app には辞書を追加できます。
macOS の辞書は Lion 以前と Mountain Lion 以降(当時は OS X ですね)で変更されたのですが、Lion に搭載されていた辞書を以降の「辞書.app 」にインストールすることができます。インストールというと大げさで、やることはファイルのコピペです。
英和と和英辞典の変更は以下(他の辞書も変更されています)。
Lion 以前:ウィズダム英和辞典 / ウィズダム和英辞典
Mountain Lion 以降:プログレッシブ英和・和英中辞典
辞書ファイルは Dictionaries というフォルダにあります。
フォルダの場所は以下。
/Library/Dictionaries
これをコピーして Finder のメニューから「移動→フォルダへ移動」で「フォルダの場所を入力:」に貼り付けて移動できます。
辞書ファイル( .dictionary )がありますので、追加したいファイルをコピーして、もう一方の OS の Dictionaries フォルダにペーストします。
ライセンスが気になりますが、私は Lion の1つ前の Snow Leopard に有料でアップデートしたので問題ないかなと思っています。もし環境を残されていればとても便利なのでおすすめです。
それぞれの辞書は command と数字で切り替えられるので便利です。
ちなみに、OS X Lion は今も購入できるのでリンクを貼っておきます。対応機種である必要がありますが、外付け HDD か SSD にインストールして辞書ファイルを取り出す方法が現実的かと思います。起動ディスクにパーティションを作ってインストールする方法もあります(リスク高め)。詳しいやり方は「 mac os 外付け hdd インストール」などと検索してください。
辞書のために OS 代¥2,222 (税別) は高いかもしれませんが(紙の辞書買った方がいいかなってなるし、WEB 版とセットだし)、どちらかの辞書にしか当てはまる意味が載っていないこともあるので、便利さとしては高くないかなとも思います。
OS X Lion (10.7)
›› https://www.apple.com/jp/shop/product/D6106Z/A/os-x-lion
なお、無料の辞書をネットでダウンロードして追加することもできるようです。私はしたことがありませんので、辞書の内容や精度は分かりません。
WEB 版を使うために買ってみたくなります。
ウィズダム英和辞典 第4版 | ||||
|
3. テキスト読み上げ
「テキスト読み上げ」は選択した範囲のテキストを読み上げてくれる機能です。英文を読むときに音声を聞きながらだとより理解しやすいと思うので便利です。単語のみ選択して発音の確認にも使えます。
テキストをドラッグして選択し、右クリックで「スピーチ → 読み上げを開始」でテキストが読み上げられます。また、ショートカットを設定するとドラッグしてキーを入力すると読み上げられるので便利です。
環境設定の「音声入力と読み上げ」をクリックすると下の画像の画面が表示されます。タブが「音声入力」になっていたら「テキスト読み上げ」に切り替えます。
※ High Sierra ではアクセシビリティ → スピーチで設定します。
ショートカットキーの設定
読み上げのショートカットは画像の下の赤枠でお好みのキーを設定できます。「キーを変更…」をクリックしてキーを入力します。私は押しやすさでと分かりやすさで shift control S にしています。S は Speech の S です。
システムの声の変更
読み上げるときの声を変更できます。上の赤枠のプルダウンメニューから変更します。英語なので、英語の人を選択します。ちなみに私はイギリスの Daniel さんに読んでもらっています。リストにない人に読んでほしい場合は「カスタマイズ…」をクリックしてリストからチェックを入れて OK します。インドや南アフリカの方もいらっしゃいますよ。
注意としましては、このときデフォルトで macOS に収録されていない音声を選択すると音声ファイルがダウンロードされるのですが、このファイルを高品質音声にアップグレードしたものでは1GB 程度になるものもあります。空き容量が気になる方は Finder から以下へ移動して削除できます。
/System/Library/Speech/Voices/
ちなみに、Daniel さんのフォルダ名は「 Daniel.SpeechVoice 」で 547.3 MB あります。
ところで、macOS には便利な音声入力機能がありますが、拡張音声入力を有効にするとダウンロードされる Recognizers というフォルダも /System/Library/Speech/ に保存されます。拡張音声入力にはメリットもデメリットもあるようですが、1.22 GB あるので不要な場合は削除しても大丈夫です。再び有効にすればダウンロードされます。この音声入力は英語音声の文字起こしにも使えて便利なのですが、Google ドキュメントの方が優秀だと感じたのでこの記事では紹介していません。
› 英語音源を音声入力で自動文字起こしする方法・コツ( Google ドキュメント)
注意:Kyoko さんに読ませてはいけない。
おそらくデフォルトでは日本語の Kyoko さんになっているかもしれませんが、彼女に英文を読ませると、カタカナ英語の発音で淀みなく淡々と読んでくれます。なんだか教室で先生にあてられて教科書を一生懸命読んでいる Kyoko さんの姿を想像して笑いが止まらなくなってしまいます。英語学習に挫折したときなどには効果的かもしれないですね。
録音もできる
macOS が読み上げた音声を録音しておいてあとでスマホで聞く、という学習もありますね。アプリやターミナルを使って録音できるようですが(やり方はネットが詳しいので省略)、ケーブル1本と QuickTime でもできます。
下の画像のようにヘッドホン出力とマイク入力をつないで環境設定のサウンドで出力をヘッドホンにして、QuickTime のオーディオ収録で録音ボタンの横の v でライン入力にして録音します。ライン出力がない Mac では別の記事で紹介した USB 変換ケーブルを使います。なお、これをすると Audio MIDI Setup の設定がデフォルトに戻ります。
別の記事
› 英語音源を音声入力で自動文字起こしする方法・コツ( Google ドキュメント)
録音関連記事
› PC 不要で洋画・海外ドラマの音声を録音からスマホで聞くまで
› 英語学習におすすめ IC レコーダーと常軌を逸した活用方法
4. 言語
macOS の言語を英語に設定するとほとんど全ての表記が英語化されるので、ちょっとした動作の表現( Move to Trash など)やパソコンに関連する表現( Internal Speakers など)が分かります。会話でパソコンの使い方の話題になると関連する表現は知らないとなかなか出てこないのではないでしょうか。macOS のオリジナルである英語と翻訳された日本語を比べてみるのも面白いと思います。
環境設定の「言語と地域」をクリックすると下の画像の画面が出てきます。
赤枠の中で優先する言語をドラッグして入れ替えます。設定したい言語がリストにない場合は左下の+をクリックして追加します。
これで一部の表記が英語に変わり、システムを再起動するとほとんど全ての表記が英語に変わります。
English (U.K.) にするとスペルチェックが変わる
私は上の画像のように English (U.K.) が最優先の言語に設定しています。English に設定したときと一見同じに見えますが、UK と US でスペルが異なる単語( UK:colour、US:color など)が US 表記であった場合に赤波下線が引かれます。アメリカの映画などで学習していると、イギリスとスペルが異なる単語が分かるのでへーってなります。ときどきミスなのかスペルが異なるのか分からなくなるときもありますが、そんなときは「辞書.app」の出番です。
注意:エラー表示も英語
注意としましては、エラーの表示も英語になるので対処に困るかもしれないことです。日本語でも意味が分からないときはせめてエラーの文章を検索すると分かることもありますが、英語だと検索結果も英語のサイトなので解決に時間がかかってしまいます。このとき無理に英語を読んでもあまり学習にはならないと思うので、慣れていない操作や普段使わない機能を使う前に日本語に戻しておくと無難です。私は面倒なのでそのまま使っちゃってますが。
iPhone の言語も英語に
ちなみに iPhone の言語も英語に設定することができます。設定は「設定 → 一般 → 言語と地域」です。
5. スティッキーズ
付箋のようにデスクトップにぺたぺた
「スティッキーズ」はその名の通り付箋のアプリケーションです。デスクトップに付箋を貼り付けるイメージです。
テキストエディットと似ていて文字入力に関する機能(フォントの変更やサイズ・カラーの変更もできる)はほとんど同じですが、シンプルな見た目なのでデスクトップにより馴染みます。メニューバーのカラーでは色を変更できますし、ノートから以下のように付箋の状態?を変更できます。
フローティング:常に一番手前に表示
トランスルーセント:透過(半透明で背景が透けて見える)
これらをデフォルトとして設定することもできます。
ちなみに私はどちらもオフで、色はピンクにしています。デスクトップの画像が Lion 標準のピンクと紫の富士山なので(これが私にとって一番目が楽)、ピンクが一番存在感がなく馴染んだのが理由です。逆に目立つようにしてもいいので、お好みで試してみてください。
気になった英語表現や覚えておきたい単語を色分けしてメモしておいたり、テキストエディットの代わりとしても使えます。
便利な使い方
付箋でデスクトップがごちゃごちゃすると気になる方は、デスクトップを追加して1つをスティッキーズ用にする方法があります。
まず、デスクトップを追加するために F3 で全てのウィンドウを表示させて画面上部の右隅の+をクリックします。次に、スティッキーズを起動して付箋(ノート)の上部の枠をドラッグして追加したデスクトップがある方向へ画面の端まで引っ張ります。すると追加したデスクトップへスティッキーズが移動します。この状態で Dock にあるスティッキーズのアイコンを右クリック → オプションで「このデスクトップ」を選びます。これで追加したデスクトップのみでスティッキーズが表示されるようになります。
ちなみに私はメモはすぐに書いたりコピーしたりしたいのでメインのデスクトップに表示されるようにしているので、この設定はしていません。
保存はありません
スティッキーズで保存することはできませんが、メニューバーのファイルから書き出すか、閉じると確認画面が出てテキストファイルとして保存することができます。フォントなどを整えたい場合はテキストエディットにコピペして編集してから保存してもいいですね。
予測変換
英単語を入力中に「 command . 」を押して候補を表示することもできます。詳しいやり方は次のテキストエディットの項目にてご紹介します。
6. テキストエディット(予測変換)
テキストエディットで英単語を入力している途中で「 command . 」を押すと候補が表示されます。
例えば eng とタイプして上記のショートカットを入力すると English などが候補として表示されます。候補の表示であって予測変換ではないかもしれませんが、スペルがうろ覚えで自信がないときには役立つと思います。
より詳しくは下記リンクの記事にしていますので参考にしてみてください。
›【 Mac 】テキストエディットで英単語を予測変換する方法
7. QuickTime(画面収録)
QuickTime の画面収録は Mac のディスプレイを録画する機能です。Soundflower と合わせて音声も録音できます。
使い方はネットの記事が詳しいので省略します。
< Soundflower は APFS では利用できない? >
余談なので小さい字です。原因は分かりませんが High Sierra で Soundflower を使っていて APFS にしたところインストールできなくなりました。環境は光学ドライブを SSD に置換した iMac (21.5-inch, Mid 2010) です。
英語学習に便利かとなると苦しくなってきますが、日本語字幕が表示された動画を録画して英語字幕を表示すると、日本語と英語の同時字幕で動画を見れるようになります。
また、オンライン英会話のレッスンを録画や録音すると復習に便利です。なお、録画の許可を取るようにしてください。
オンライン英会話には便利なサービスがありまして、「ネイティブキャンプ 」は予約不要で24時間レッスン受け放題という驚きのサービスです。スマホで利用する場合はアプリを使うことから、電話をかけるような感覚でレッスンできそうなところがまた衝撃です。
関連記事
8. バイリンガル入力
macOS 10.13 High Sierra 以降の機能ですが、「ちょっとスペル忘れた」といったときにはカタカナ英語を英単語に変換してくれるバイリンガル入力が便利です。
日本語入力をして変換するだけで、設定は必要ありません。
例えば以下のような入力・変換(スペースバー)が可能です。
- かふぇ → cafe → café
- いんぐりっしゅ → English
- あっぷる → Apple → apple
固有名詞などは頭文字を大文字・小文字で選べるものもあります。
ちょっと注意したいのが、
おぽちゅにてぃー → opportunity
で、「おぽちゅにてぃ」や「おぽてゅにてぃ」では変換されません。
同様に、
⚪︎あいふぉーん → iPhone
×あいふぉん
も注意です。これは El Capitan で