日本のアニメで英語学習するメリット・デメリット

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日本のアニメで英語学習するときのメリットとデメリットをまとめてみました。意識しておくと学習を効果・効率的に行うことができると思います。

私としては学習効果としてのデメリットは些細なことだと思いますが(洋画や海外ドラマを併用すればいいだけ)、学習のしづらさのデメリットは大きいと思っています。

また、ジブリ作品での英語学習についても少し書いておきます。

 

 

記事更新メモ:2022年3月11日
記事を大幅に書き直しました。

1. 日本アニメで英語学習するメリット

まずはメリットから。

まとめると以下の通りです。

 

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日本アニメで英語学習するメリット

  • 会話で使える表現が多い
  • 日本語が元なので表現の参考になる
  • ストーリーがシンプルで会話の流れをつかみやすい
  • 動きが強調されるので言葉が記憶に残りやすい
  • 日本の習慣、文化、歴史などを英語で学べる
  • 話題にできる 

 

さらにまとめると「『英語でこれ言いたい』が見つかりやすい」となります。

 

会話で使える表現が多い

日本アニメでは日常的な会話で使われる表現が洋画や海外ドラマに比べると多い傾向があります。そのため「友達同士でカジュアルに話す」ときに使える表現をたくさん学べるメリットがあります。

また、そのような表現は日本の学校で習わない表現でもあります。そのため「こう言えるんだ」という発見が多く、学習をする上での面白さになるのもメリットだと思います。

 

日本語が元なので表現の参考になる

日本アニメ英語版で学習すると、自分が普段何気なく使っている言葉が英語になっているので表現の参考になります。

例えば「逆に〜だ」と英語で言いたくなったとき、あなたならどう表現するでしょうか。

「英語ではこう言う」だから「そのまま覚えて使うといい」とも言われますし、その通りだと私も思います。これの練習をすれば口から英語が飛び出すこともあるでしょう。しかし、言いたいことを表現しようとすると、どうしても頭の中では[日本語 → 英語]と変換してしまうものです。

「逆に…」はアニメ「ヒプノシスマイク」では well や actually と訳されていました。どちらの英単語も知っているという方は多いと思いますが、「『逆に』として使える」と思いつく人は少ないのではないかと思います。

また、actually はビジネスでは使わないと聞いたことがあります。その点でも「逆に」の訳として合っている感じがします。なお、「逆に」の意味は文脈によるので他の英語に訳した方が自然な場合もあると思います。

表現の参考になるのは大きなメリットだと私は思っています。

 

ストーリーがシンプルで会話の流れをつかみやすい

「進撃の巨人」のように設定や人間関係が複雑なものもありますが、多くの日本アニメはストーリーがシンプルで会話の流れをつかみやすいと思います。

洋画や海外ドラマでは意外な展開やひねったセリフが多いので会話の流れをつかみにくいと思いますし、それによりストーリーを覚えにくくもなります。

それに比べると、日本アニメでは「会話を流れで丸ごと覚える」というのもしやすいので会話の流れがつかみやすいのもメリットだと思います。

ストーリーの流れをつかみやすく内容を覚えやすいので、繰り返し見るときに日本語で見直して内容を確認する手間が少なくて済むでしょう。また、初めて見るときも展開を予想しながら見れるので、リスニングしやすくなります。

なお、「進撃の巨人」で学習する場合は、込み入った部分は後回しにするか学習しないことにして、まずはシンプルな部分で学習すると効率的だと思います。

 

動きが強調されるので言葉が記憶に残りやすい

日本アニメでは現実にはありえない動きで派手にセリフを言うので、音とともに記憶に残りやすくなります。

特にツッコミを入れた表現は記憶に残りやすく、私も口から英語が飛び出たと思ったら「けいおん!」のセリフだったことがあります。

 

日本の習慣、文化、歴史などを英語で学べる

日本のアニメには日本の文化や習慣や文化、歴史などに関するものがあります。こうしたところは洋画や海外ドラマにはほとんど出てこないので日本のアニメで英語を学ぶメリットになります。

例えば、アニメ「けいおん!!」(2期)には梅雨の気候や金閣寺に関する説明、おにぎりの海苔はパリパリかしっとりかの議論も出てきます。何気ない会話の中にもこの感覚は日本特有かも、という瞬間がありますので、押さえておくと表現の幅が広がります。

 

もちろんアニメで日本の文化や歴史を全て学べるわけではないですが、アニメで出てきた内容を自分でさらに詳しく調べるきっかけにできますし、自分なりに英語にしておくと会話でも対応できます。

日本語で完璧に説明できることでも、急に英語でとなるとなかなか言葉が出てこないかもしれません。私自身も「武士道」や「坂本龍馬が幕末にしたこと」を説明するのに苦戦したことがあります。(武士道は途中でギブアップしました汗)

また、そもそもですが、あやふやだったり知らないことは日本語でも説明もできないので、知るきっかけにもなります。

文化や歴史を直接説明する内容だけでなく、「こういう発想は日本ぽいかも」というところもメモしておくと話題にできるし役に立つと思います。

 

話題にできる

もちろん洋画や海外ドラマも話題になりますが、日本のアニメも話題になります。

「日本のアニメは世界中で大人気」とテレビなどで取り上げられることも多いですが、実際に外国人と話しているとジブリ作品や「ワンピース」「ナルト」といった作品はすぐに挙がりますし、こちらが知らないような作品を知っている方も多いです(私が詳しくないのもありますが…)。

お互い見たことがある作品だと当然話題になりますし、感想を言い合ったり、相手が日本語を勉強していたらおすすめ作品を教えてあげたり、と交流もできます。

私も日本語を勉強している英語ネイティブスピーカーの友達と DVD を貸し借りして(というか DVD くれた)日本語を教えるという口実で英語を話す機会を作ったこともあります。

ちなみに、「ワンピース」だと必殺技やアニメ独自の表現(「悪魔の実の能力者」とか)が英語になっているので学習するのも面白いです。ワンピーストーク以外の会話ではまず使いませんが、英語の感覚を養うことができます。もちろん相手がファンなら盛り上がりますね。

「鬼滅の刃」や「進撃の巨人」も人気で YouTube に感想や考察を投稿している人もいます。英語でコメントをするとやりとりを楽しめますよ。

 

↓世界中で大人気となった作品の海外版(私は見てないのですが…)

日本アニメといっても映画もあります。「君の名は」は英語圏でも見た人は多いと思いますし、見たことはなくてもタイトルは知っているという人もさらに多いと思います。

見ておくと、学習しておくと、どんな内容なのか英語で説明することができると思います。

私はとりあえず、これで英題は覚えました。

 

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2. 日本アニメで英語学習するデメリット

デメリットは私としては些細なことで、あまり気にする必要はないと思っています。「アニメを中心に英語学習をしている人も、たまには洋画や海外ドラマで学習したらいいよ」という程度です。

デメリットには以下のようなものが考えられます。

 

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日本アニメで英語学習するデメリット

  • 口の動きを発音の参考にできない
  • 発音がはっきりしているのでカジュアルな発音に対応しづらい
  • 声がアニメ風
  • 欧米の文化を学べない
  • 洋画や海外ドラマに比べて学習しづらい

 

口の動きを発音の参考にできない

「アナと雪の女王」のようなディズニーアニメ映画では口の動きが再現されているので、口の動きの発音の参考にできますが、日本アニメでは参考にできません。

口の動きに注目したからといって発音が改善される訳ではありませんが、洋画や海外ドラマを見ていると思ったより口を動かしていたり、逆に動かしていなかったりすることに気づいて参考になります

ちなみに米ドラマ「 Empire 」の歌のシーンで、love の l の舌の位置に衝撃を受けたことがあります。気持ちが前に出て舌も出たのかもしれませんが、枠に捉われなくていいと教えられた気がします。

興味を持たれましたらこちらの記事で詳しく紹介しているので参考にしてみてください。

 

発音がはっきりしているのでカジュアルな発音に対応しづらい

洋画や海外ドラマに比べるとアニメの方がはっきりしていますし、ゆっくりな傾向があります。

これはメリットでもありデメリットでもあります。発音がはっきりでゆっくりしていると、単語と単語が繋がって発音されるときの音声変化(リエゾン)やイントネーション(抑揚・韻律)が分かりやすい、聞き取りやすく内容が理解しやすい、といったことがあります。

このことはメリットでもありますが、逆に言うとリスニング学習としては低負荷で効果が低くなってしまうため、ネイティブスピーカーのカジュアルな発音を聞いたときに同じ単語や熟語でも聞き取れない場合があるかもしれません。

とはいえ、最近はアニメでも洋画のように崩した発音になる場合もあるのでカジュアルな発音にも対応できる気もします。そのため、この点はデメリットとは言いづらいかもしれません。

 

声がアニメ風

アニメ声によって発音が不明瞭になることがあります。不明瞭な発音や、訛りなども含めて色んな発音に慣れるのは良いことなので、アニメ声とはいえメリットと言えるかもしれません。

なお、アニメの発音を真似をして発音練習をするとアニメ風な喋り方になるかもしれないと心配する方もいるかもしれませんが、実際の会話の場面ではよほど意識しない限り「演技」は抜けると思うので心配無用です。

ネイティブスピーカーに近い発音やリスニングを目指す場合は、発音がよりリアルな海外ドラマで学習することをおすすめします。

それができる海外ドラマはこちらの記事で紹介しているので参考にしてみてください。

 

欧米の文化を学べない

英語学習の中で欧米(英語圏)の文化まで学ぶ必要があるかどうかですが、ついででも学べた方がいいのは当然です。欧米の文化や考え方を知っていると、ネイティブスピーカーと会話するときに相手に配慮したりトラブルを避けたりできます。

例えば、アメリカの映画やドラマには同性愛者の若者がよく出てきますが、その親や身内はだいたい同性愛者の権利に対して否定的です。そして、親や身内の宗教や属する政党から文化的背景や考え方のベースになっているものを垣間見ることができます。

 

また、差別発言がちらちら出てくることもあります。日本人からしたら「それって差別?」とよく分からないものもあると思うので、知るきっかけになります。

人種差別に配慮することが差別とされるケースもあり、「これって差別発言?」と自問自答するシーンも見られ、ジョークとして描かれることもあります。このような描かれ方は2010年頃からのドラマで見られるようになり(あくまで私が見た中です)、同年代の中期頃には定番化したようです。

これに関連する内容がある海外ドラマはこれらのものがあります。

 

上記のドラマ「 This Is Us 」では黒人差別が描かれていますが、現代では配慮から黒人が優遇されることもあるとして、その状況が描かれているので時代の変化を感じられます。また、Nagasaki が動詞として使われていたので、記事ではその意味するところも書いています。

洋画や海外ドラマは欧米文化を学ぶためのものではありませんが、こうして気になった点を自ら調べたり知識と照らし合わせたりすることで欧米の文化を学べるのでプラスアルファの学習ができます。

そもそもではありますが、日本のアニメでは欧米文化を垣間見ることはできません(作品によってはあるかも)。

日本のアニメを見た外国人がアニメで見たおにぎりや弁当に興味を持つ、といったことの逆が起こらないということですね。

 

洋画や海外ドラマに比べて学習しづらい

日本アニメの英語吹替音声が収録された英語版 DVD/Blu-ray は Amazon などで購入できますが、入手したからといって洋画や海外ドラマで学習するようにはできません。

これについては少しややこしくもあるので、まずはこちらの記事を参考にしてほしいと思います。

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また、ジブリ作品は特殊なのでこちらの記事を参考にしてください。

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特殊と言いましたがジブリ作品は他の日本アニメよりは学習しやすいです。

 

友達がくれた DVD

先ほどネティブスピーカーの友達が DVD をくれたと書きましたが、それが海外版の「思い出のマーニー」でした。

 

✔︎ 友達がくれた DVD(海外版)